2022年7月7日更新
3EP1クラス
第12回:2022年7月7日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※高度技術社会における技術者の新しい役割
・PCを用いた講義・演習
・関連する視聴覚教材の聴講など
・提出:課題6(電子的提出)
・復習:教科書の精読(60分)
・次回に向けた予習:課題7(科学技術の専門家として求められる価値観)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.技術者と地域住民とでは、問題に対する見方が変わりましたか?
A.(講義内でご説明したので、原則としてコメントは控えます)
1.変わった 26名(54.2%)
2.変わらない 22名(45.8%)
1.変わった
・データ的には問題なくても気持ち的にはやってほしくない場合がある。
・恩恵が大きいと極代のリスクも気にならないと思った
・危険になるリスクもあるが、やはり効率よく電力を供給できるのは便利である。
・技術としては賛成だが,地域住民の観点から見ると,福島の原発事故のイメージが強く残っている為,反対意見になった.
・技術者としてはメリットが大きいため賛成だが、地域住民としてはデメリットが確率が低くても被害が大きいため否定的になる。
・技術者としては安全なものだとわかっているし、一度失敗しているから同じ失敗はしないだろうと考えられるが、地域住民からすると不安以外の何物でもない
・技術者としては電力が潤うのは良いことだと思ったが、地元にできるのはあまり気分が良くないが、それの理論で行くとどこにも建てることが出来ないと思った。
・技術者として関わるのであれば賛成ではあったが、自分の住む地域に原発などの(ある程度の)リスクのある施設等が出来るのは、忌避感を感じる部分がある。
・技術者の立場と市民の立場で全く違う答えとなった
・技術者や国全体の一人として見る場合と自分一人(地域の一人)として見る場合で意見が変わった。
・原子力発電に関しては賛成だが、自分の地域で行われるとなると反対になった。
・考える立場が変わると考えるリスクなどが変わってきて意見が変化した。
・今回の場合、原子力発電所の電力をとるか、地域住民の安全をとるかというので技術者として、安全を第一に考えなければいけないという考えに変化しました。
・視点が変わるとメリットとデメリットの差が生まれた。
・自分が技術者としては、技術の発展を考えてどんどん社会に利用させて問題、改善策を見つけると考えて賛成した。一方、地域住民としては、自分の健康や家族の安全に影響を与えたくないと考えて、反対の答えを選んだ。
・自分が被害を受ける確率が少しでもあると賛成できないと感じた。
・自分に関係の無いことだから賛成したのであって、実際に身近になると話が変わる。
・住民としてのメリットが多く存在するなら原子力発電所をやってみてもいいのかなということをおもった[思った]。
・地域と言われると身近に感じて、あまり考えずネガティブな意見を出してしまう
・地域住民としての観点では狭い視野から物事を考えているが、技術者としては将来的に大きな視野で物事をとらえて考えるため、そこで違いが生まれた
・東日本大震災を受けているから変わったが、きっちり堤防ができて対策されているのならありかなと思う
・発電量やその仕組みなどから今後の発電環境を改善または発展させる可能性があるため、技術的な意味では原子力発電の推進は賛成した。しかし、リスクも伴ってしまうため、地元住民としては賛成はできなった。やはり自分や身の回りの人々に被害がある可能性の有無によって回答が変わってしまうと感じた。
・日本のことを考えると原子力発電によってもたらされる電力は非常に重要であるが,自分自身は被害を被りたくない
・万が一の時に自分が直接被害を受けるとなると意見が変わってしまう。
・立場が変わったため、意見が変化した。
・良くも悪くも当事者意識の差がある2.変わらない
・1度大きなリスクを見てしまった後なので、可能性が低くても利用しない選択をしてしまう
・どういった状態になるのかを知っているためデメリットを考慮した判断をしたから。
・どちらの視点から見ても、判断材料に大きな違いはなかったため。
・どちらも反対であったため、変化しない結果となった
・メリットはわかるが、どうしても万が一のことを考えてしまうから、反対する。
・やはりデメリットが大きいと感じてしまい。問題が大きく感じてしまった。
・危険性があることを重視したから。
・技術者としても未来に危険は残すべきではないと思うし、地域住民としても事故が起こるものは排除しておきたいと考えたから。
・技術者の立場でも公衆の安全や健康が大切だと考えたからである。
・原子力発電は他の発電方式と比べて、事故が起きた時の被害が大きく、技術者・住民双方がリスクを負わなければならないから。
・原発の恐ろしさを知っているため、回答は変わらなかった
・原発を使うのならどこであっても変わらない
・原発事故のリスクがあるが、原発があることによって享受できるメリットも多いため。
・事故が起きるかもしれないが、メリットもあるから
・住む場所よりも誰と住むかが大切だと思うから。事故が起きた場合でも、移住すればいいと思うから。 [最後の部分、事故で故郷を捨てざるを得なかった人が聞いたらどう思うでしょうか]
・数年前に日本のエネルギーについてネットで調べた際、原発というより放射線関係の事故について、海外ではスリーマイル島、チェルノブイリ、ゴイアニア、悪魔の核、日本ではJCO東海村のことについて調べてました。その時の凄惨な事実や写真、また「青い光」という言葉が強く印象に残っているため、原発は例え利益があっても両者で反対を選択する。
・生活を豊かにするためには犠牲は必要
・地元にあるので反対派の想像がしやすかった。
・電力を発電する方法として原子力発電は優れているのはわかるが、地元に建設されたとしてもデメリットに対してのメリットがほとんどないと感じたため
・東日本大震災以降原発に対する危機意識は高まっていると思うので、地方自治体も原発を立てるとなったら、付近の安全確保や、過去の事故をもとに、より大きな災害などが来てもいいような対策を取るはずなので、原発設立には賛成である。
・日本としては火力以外でも電力が賄えて良いし、地域にも金が入ってくて良い。危険性は日本で原発をする以上はどこでも同じだと考えた。
・立場が違えど、危険性があるから賛成できないという考えなので変化はなかった。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・あまり頭の使わない授業も良いと思った。 [確かに議論その他はしていませんが、「頭を使わない...」かなぁ]
・おもしろかった [ありがとうございます]
・コンピュータが元は軍事目的であるとは知っていたが,他にもそういった技術が沢山あることを知った. [インターネット、抗生物質...などなど、いくらでもあります]
・どのような状況に置かれていてもデータや論文の改ざんは絶対にダメだと改めて感じた。 [そうなんですね]
・ビデオが多くて面白かった
・ビデオが面白かった [以上、ビデオを観るとイメージしやすくなりますよね]
・ビデオの視聴やお話を聞いて社会での技術者としてのあり方を考えられた。 [非常に重要な点です。ありがとうございます]
・よくわかった。 [こちらも]
・科学と技術についての難しさを感じた
・科学と技術の結びつきについて学べた [以上、後半の内容は初めて聞いたんじゃないでしょうか]
・科学と技術をほかの国は区別していたことを知った。私たちの身の回りにある便利なものはほとんど軍用である。 [ただし皆が皆、というわけではありませんよ]
・科学技術者として責任を持つことを改めて認識できた。 [その通りなんですね。ありがとうございます]
・科学技術者倫理で学んだことは社会で重要になると分かった [振り返ってみると、長い目で見ても、目前に迫った就職/進学を考えても、結構役に立つ科目なのでは?(少なくともそうあって欲しいと考えています)]
・改めてこの科目の必修の意味が理解できたとと思った。 [ありがとうございます〜]
・外国では科学と技術は別物だと知れた。同じようなものだという認識があったので意外だった。授業内容は面白いのに内職している人が多くもったいないと感じた [前半はありがとうございます。後半はその通りですが、本人がそれで良いと思っているのなら任せるという考え方もあります。詳しく言うと「愚行権」という考え方です。結局損をするのはご本人ですよ、という意味です]
・技術の使用目的は違うが使い方によっては、生活を壊すものになるものだと分かった。 [ご説明したように、両者の関係は簡単ではありませn]
・技術者としてと市民として意見が変わるため両方の立場を考えなければならないと思った
・技術者としての立場と地域住民としての立場、両方のことを知り、一般の人にも科学技術や技術等に関して知ってもらうことが今後重要であると分かった。技術や素材など、使い方は様々な場面にあると分かった。
・技術者として市民の安全を第一に考えたいと思いました。
・技術者になると様々な心構えが必要であると感じた。 [以上、立場によって見え方がずいぶん違う(ことがある)ということを頭に置いて行動する必要があるんですね]
・軍事と民生の技術の違いがそんなにないことに驚きました [切り分けがどんどん難しくなっています]
・研究をするにあたり、不正をせず堂々と研究をしていける世の中にしていけたらいいなと思った。 [その通りですね]
・原子力は現在の日本社会では大きな問題であると思います。
・原発の賛成反対は震災でとても変わったが、今後似たように何かが起こってから意識が変わるものがあるのかなと考えた。 [以上、正面から考えるべき問題なのですが、なかなかそのようになりません]
・現在、自分も教員と一緒に研究をおこなっているため、研究に関する不正という問題を学んで今後の研究する時に注意スレ[「する」のタイプミス]べきと考えます。 [ぜひぜひ]
・[昔の]公用語を知れた [ラテン語だったんですねぇ]
・今日の授業では、意味は同じだが言い方が違うだけで受ける印象が随分と変わることを知った。 [そうなんですね]
・死亡数で考えると溺死だが、死亡率で考えるとどっちが高いか気になった [確かに。ただし溺れた場合はかなりの確率で溺死してしまうと思います。もっとも火傷も致死率は高いですが]
・自分が思っていたよりも論文データの剽窃や改ざんがあると知り驚いた。 [残念ながら、これがこの国の現状です]
・社会のことや倫理的な事を他人事と思わず自分ごとのようによく考えていかなければならない。 [そうなんですね]
・人生生きていれば楽しいことがある、という言葉を聞くたびに本当かどうか疑いたくなる。いじめに関する番組でも、匿名で相談できる、という文言で電話番号が記載されていることもあるが、もし幼い子供や電話の掛け方を知らない人は助けを求めることはできない。私の友人で自殺した[人]又はしようとした人が何人かいるが、多くは同級生や親によるいじめ(虐待)や差別によるもので、誰かに相談してもそれが当事者の耳に入って加速するのではという恐怖があるということである。勿論他にも理由は存在するし、個人によって状況も異なる。その上で、生きていれば楽しいことがある、という言葉を聞くと、ふざけているようにしか聞こえない。もし楽しいことがあったり簡単に相談できるものなら、そもそも自殺は減少するだろう。もし貴方が、親や親戚、学校の同級生や先輩後輩などの周囲の人全員から差別を受けたり、虐待を受けたりして精神的に疲弊している状態で、相談窓口や電話で助けを求めることができるだろうか。誰かに通報することを見られているかもしれない、通報したことを誰かに知られてより重くのしかかるかもしれない。味方のいない孤独の状態で抜け出せると簡単に思えるのか。 [正確には「いいことがあるかもしれない」とお話ししました。非常に注意して発言しています。仰ることはわかります。述べられているように本人あるいはかなり近い人で相当厳しい経験をしているのだろうと思います。またそもそも感受性の高い方なのだろうと思います。ただし皆さんにはお話ししていませんが、当方は本学で7年ほどそのような学生諸君──それも非常に多数──の相手をしてきました。悲劇的な事例も経験しています。深く研究した上で、この問題をまとめた著作もあります。その上での発言であり、決して軽々しく口にしたわけではありません。「いいことがあるかもしれない」を詫びたり、取り消したりしたりするつもりはありません(キッパリ)。更に詳しいことを知りたければ、個人的にどうぞ。その上で、ですが、貴方/貴女の記述を読み手の立場で冷静に読み直してください。たとえば、何か見落としている点はないでしょうか。あるいは決めつけてしまっている点はないでしょうか?]
・世界ふしぎ発見!なんて久々にきいた。今回の講義は短く、助かった。 [当時はとてもお金をかけて丁寧に取材しています。羊皮紙の部分は非常に貴重な映像です]
・責任の重要性で胃が痛くなってくる。 [そうかもしれませんが、やり甲斐もあるんですよ]
・全体的に技術者として参考になった [ありがとうございます]
・想像以上に研究不正が多く驚いた。 [残念ながら、これが現実なんですね]
・当時のヨーロッパの大学で学ぶことは直接社会の役に立つものではなかったことを初めて知った [その通り。ただい長い目で見たら、現在の社会や知識、文化の基盤を形成しています。直結していないというだけで、役に立っていないわけではないんですね]
・同じ問題でも、技術者の視点と住民の視点では考え方が異なる可能性がある。 [そうなんですね]
・特に無し [はい]
・不正行為を一度でも行ってしまうとその信用がなくなってしまい、すべてにおいてよくない結果となってしまうことを再認識し、しないように心掛けていきたいと強く感じた [まったくその通りなんですね]
・毎回講義を聞いていて感じるが、化学[「科学」の変換ミス]技術者としての倫理というより、社会人として考えなければならないことだなと感じる。 [いや、もう、まったくその通りなんですよ。役に立つ科目でしょ?]
・論文を書くときは、不正に気をつけようと思いました。
・論文を書く際は、悪い研究にならないように気を付けようと思った。 [以上、ぜひぜひ]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。