2022年10月18日更新

3BB1クラス
第3回:2022年10月18日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

※現実に起きた事例をベースに倫理的考察や意思決定に必要な概念や用語などの解説を行う

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴
・演習
など

学習課題 予習・復習

・予習:教科書の精読(120分)
・復習:課題2(Agora上で事例分析)(60分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.スペースシャトル「チャレンジャー号」事故に関するビデオを視聴した感想を...
A.(回答後にご説明しましたので、原則としてコメントは控えます)

・「技術者としての帽子を脱いで、経営者としての帽子を被ったらどうなんだ」という言葉がとても印象的で、人間は視野が狭くなると厄介であると感じた。
・2重のOリングの1つ目をガスが通り抜けていたということはもう一つ通り抜けてしまっていたら事故になっていたと考えられなかったのかが不思議だ。NASAがいかに金に目がくらんでいたのかどうかがわかる結果になったと思う。
・スペースシャトルが墜落する瞬間の映像が残っていることに衝撃を受けた。予め危険だと感じていた人がいたにも関わらず、結局は事故が起きてしまったことが辛いと感じた。下の人たちが気づいていても、上の人間がしっかりと考えて対処しなければ意味がないことをこの事例から分かった。
・それぞれの組織の思惑などが重なりあっており、回避することは難しかったのではないかと思いました。他人事ではなく、自分にも起こる可能性があるため、教訓にしたいです。 [ぜひ]
・それぞれの立場によって難しい問題だと感じた。また、ステークホルダーの重要性がよくわかった。
・チャレンジャーの事故は技術的問題ではなく、会社システム的な問題であったのだと知った。このように本来ならば回避できたかもしれない問題が会社システム的問題で回避できず、さらには圧力をかけられてしまった技術者が責められるのは、したかないところもあるが可哀想だと感じた [NASAおよびアメリカ政府を含めて、ね]
・チャレンジャー号事件は、未然に防ぐことが可能であった事件であるが、組織が打ち上げを決定したことから事件が発生してしまった。このことから、組織からプレッシャーをかけられたり、追い詰められたりしてしまうと、個人の意見というのは権利を失ってしまうものだと思った。
・どの立場の人も政治的な圧力にやられてせざるを得なくなったので、適切な判断ができなかったのではないかと思いました。
・なぜNASAは人の命よりも経営を優先したのか理解できなかった。サイオコール社の人達も技術者としての責任を持ってもっと強く打ち上げ反対の意を示すべきだったと思う。打ち上げに賛成した人たちはもし自分がスペースシャトルに乗る立場だったら賛成したか、自分の立場に置き換えて考えるべきだと感じた。
・ボジョレー氏をはじめとした、サイオコール社側の人達は立場や状況が苦しく、中々これ以上の対応ができなかったのではないかと思った。 [ここまで追い込まれると、状況の打開は難しいと思います]
・もとから破綻したスペースシャトル計画に前年の打ち上げ成功、大寒波が重なり引き起こされた悲惨な事故であった。 成功=不備なしということではないということが重要だなと感じた。
・一人一人、仕事に責任があると思った。1人だけ反対な意見も勇気がいる。納得できるまで、話は聞くべきだと感じた。
・宇宙飛行士の安全を考えれば防げたことが、自分たちの生活がかかっている組織の維持を優先したことで人が亡くなることはとても悲しかった。
・何とかして飛ばないようにできればよかったなと思った
・危ないと分かっていたランドさんはずっと打ち上げを否定していたのに、NASAや上からの圧力によって、打ち上げる決断をくださないといけなくなったのは可哀想だと思った。やはり、いろんな会社・人が携わるものは、1人の意見はなかなか通りづらいのだと改めて感じたし、集団圧力の恐ろしさを身にしめて感じた。
・技術者という立場から、反対という意見を出しても上司がいることで、上司からの圧力によって起こってしまった事故であると思った。技術者側は安全を重要視し、反対をしていても、経営者側は利益を得たいという点から焦点がずれているため、議論がうまくいっていなかったと思った。
・技術者に対して、「技術者の帽子を脱いで経営者の帽子をかぶれ」というのは非常に厳しい選択だと感じた。上席副社長も板挟みで辛かったと思う。
・技術者の立場からすれば安全性の確保が出来ないので打ち上げの延期要請するが経営者の立場になれば、NASAから受注がなくなれば会社が立ちゆかなくなり会社運営が出来なるのでとても難しい判断を迫られていたと思う。
・技術者側になってビデオを見ていたが、企業の立場からするとそうしなければならない状況に追い込まれていたので、難しい問題だと感じた。やはり今回で弱い立場なのは乗組員なので安全を優先すべきであったと思う。
・経営と安全性を天秤にかけたうえで、起きてしまった事故であると感じた。本来ならば、安全性を第一にすべきであるが、経営的な責任を自分たちが負いたくないという考えが、勝ってしまった。今回の事件もそうだが、天秤にかけることは追い詰められていることであると感じた。 [追い詰められるともう適切な判断ができなくなるんですね]
・計画が大きくなるほど、時間の余裕と心のゆとりをもって取り組む必要がある。
・決断を最終決定するような立場にある場合、すべての責任がのしかかるため、誤った選択をしてしまったのだと感じた。
・最初は打ち上げを反対した人が周りからの圧力で意見を変えてしまった。どんなに賢い人でも、追いつめられた時には正常な判断ができなくなると感じた。
・私がランドさんの立場であれば、私も同じように発射に同意していたと考えた。会社の経営、今後の仕事のことを考えれば、ランドさんは同意せざるをえない。しかし、発射で失敗してしまうと責任を追及されるのはどうかと考えた。圧[力]を加えた組織にもそれ相応の罰を与えるべきだと考えた。
・事故を起こさないように取り組んでいるが、組織が大きいと現場の意見が通らないことがあり、危ない。
・自分がSB社[正しくは「MT社」]の立場だった場合でも打ち上げの延期側に居続けれたかどうかはわからないが、七人もの人命がかかってる以上、反対側に回るべきだったのだろう
・自分がチャレンジャー号の技術者だとすると、打ち上げていると思う。会社の資金もほとんどNAXA[正しくは「NASA」]からだったため打ち上げ延期となると会社の今後も考えなければならない状況だと思う。もう打ち上げ成功しか道はなかったんだと思う
・自分も、経営者の立場に立って考えたらどうだと言われたら意見を変えてしまうと思った。状況と人の圧力は正常な判断を歪めてしまうため恐ろしいと思った。
・実際に取り組んでいる現場の意見を蔑ろにすべきではないと学べた。また、下請け、元請けの関係性は現在でも多くの会社が取り入れているが、責任の問題が複雑だと感じた。
・実際の打ち上げと試験段階の打ち上げで大きな違いである有人か無人かの重要性を含めて政府に勧告する人がNASA側にいれば打ち上げの結果が変わったのかもしれないと考えた。
・上からの圧力ってのは、判断や心をかき乱す最悪の因子だと思いました。こんな事件があろうとなかろうと、文面で証拠を残しておくことは自分を守るためにも大切ですね。
・打ち上げが高確率で失敗することが技術者では分かっていたが、圧力が掛かっている経営者側は飛ばす判断をしたという事に、立場によって考えなければならないことがあり判断の決断の難しさを感じた。
・打ち上げを反対するにも、確かな証拠を求めて危険性を無視して打ち上げを進めてしまったことで人の命がなくなったことに、それぞれの立場でもう少しできることがなかったのかと悔しく思う。
・中止したい要因が多既に多数出そろっていて、上手くいかないことが分かり切っていたのに無理にでも打ち上げようとするのが歯がゆい
・問題があり事故が起きるとわかっているにも関わらず、話題性のために上から圧力がかかってしまって反対したくてもできないのは今の社会と似ているなと感じた。問題点を発見してから発射まで時間があったのに、発射を延期できなかったのは以上だと思う。国や上からの圧力をうけず、技術者側でもない第三者を設置するべきだったと思う。
・問題点がはっきりとわかっているにも関わらず、打ち上げに賛成という意見に変えたランド氏の責任や立場と技術者としての意見の葛藤が壮絶なものだと思った。
・立場的に実行しないことを言えないことが心苦しいと感じた。


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・こういう話を授業でしてくれるのはありがたいなと思う。面白かった [ありがとうございます。皆さんの将来のためになる科目を目指しています]
・しっかりと理解してもらえるプレゼンをしなければいけないなと思った [何度もお話ししたように、今回は「後出しジャンケン」です。でも、このような実例を見ると、やはり...と感じますよね]
・スペースシャトルを打たなくても墜落することが分かっていたのに打ってしまったことが悲しい。 [ボジョレーさんの立場ですね]
・チャレンジが失敗したことは自分たちにも関係があるのに、人が亡くなっても責任の押し付け合いをするのは恥ずかしいことであると感じた。 [人間の本性の(黒い)一面です]
・チャレンジャー号事件のような事件が起こらないように、自分が同じ状況下に置かれたら、しっかりプレゼンしたいと思った。 [まったくその通りですね]
・どのくらいの欠陥を、どのくらいの問題として扱うのか、判断が難しいと思った。 [その通り。唯一絶対の正解はありませんが、できるだけ良い対応策に至る対応をこれからの講義で考えます]
・どんな時でも冷静的に考え、判断することが大切だと思いました。 [そうですね。そのためには長い目、広い視野で考える必要があります。この点についてもこの講義で考えます]
・ビデオを見て、集団圧力の恐ろしさを感じ、自分も社会人になったらこのような場面に遭遇する機会があるのかな、と思うと嫌だなと思った。 [残念ながら、いつの間にか追い詰められていた、という事態が発生することもあります]
・何か問題が起こった時に下に全部押し付けるような場所には行きたくないなと感じた。 [そのような組織は基本的に、ブラックかそれに近いですね。できるだけ避けましょう]
・会社選びの重要性を改めて感じた
・会社選びはよく考えようと思った。 [以上]
・企業の内部事情について触れることができて学べた。 [「百万石」ではわからなかった事情を知ると、印象がずいぶん違ったのでは?]
・技術者として、技術だけではなく、働く環境やそれによって左右される心理状態やなども学んでおく必要があると感じた。 [まったくその通りですね]
・経営や計画の体質をしっかりと見極め、何がほんとで何が嘘かを見分けれるようにならなければいけないと思った [こちらも、その通り]
・経営者の判断もあるが、技術者の伝える能力の低さも今回の事件の原因であることを、改めて感じた。 [現在とは異なり、当時はプレゼンテーション能力はあまり求められていなかったんですね]
・今日の授業では何か問題が起きた際に責任を追及される立場について学ぶ事が出来たと思います。 [聞いていて楽しくはなかった──説明する側も同様──でしょうが、やはり考えておく必要があるんですね]
・私がランドさんであれば確実に打ち上げていたため、社長になるのはとても怖いことであると感じた。 [センセイだってたぶん最終的には賛成したと思います]
・事故が起こったときの責任問題は下にあるものほど取らされるということがわかった。そのため、問題点があるときは証拠を残すということも重要であるし最後まで責任を持って弱い立場でも反対意見を出していく必要があると思った。 [得るものが大きかったのでは?]
・自分がSB社[正しくは「MT社」]の立場だった場合でも打ち上げの延期側に居続けれたかどうかはわからないが、七人もの人命がかかってる以上、反対側に回るべきだったのだろう [上記(↑)回答と同一ですね。まぁ、今回は問題ありませんが]
・自分たちでは経験することができない責任や立場があり、簡単に中止することができない大変さは想像しがたいなと思った。 [でしょ?]
・自分も周りの意見に流されやすいので、もしMT社の一員だったら賛成の意見に同意していたかもしれない。自分の立場に責任を持ち、自分が本当に正しいと思うことを主張する力が重要だと感じた。 [まったくその通りですね]
・実際にスペースシャトルが墜落したことがある事を初めて知った上に、事故映像がとても悲惨で恐ろしかった。 [たぶんこのクラスでは説明していないと思いますが、最後の方の爆発事故を見上げる老夫婦はマコーリフ先生のご両親です。その目の前で事故が発生したんですね]
・実際に自分が最終決定をする立場になったときに、このような背景があると冷静に判断ができるのかわからないので、とても難しい問題なんだなと感じた。 [正直、非常に難しいです。何度もお話ししましたが、今日の説明はすべて「後出しジャンケン」です]
・弱い立場の人たちが、焦った判断をすることの危険性を感じた。 [そこまで追い詰められると、たぶん適切な判断はできないでしょうね]
・世の中、汚いことだらけだなぁと思いました。 [残念ながらこれも社会の一つの面です]
・責任の押しつけは良くないと感じた。普段の生活でも気をつけたい。 [まったくその通り]
・責任の所在を決めるための委員会ではなく、事故の原因やそうなってしまった原因などを認めるための姿勢を持てば信頼なども取り戻せたのではないかと考えた。 [このクラスでは少し説明を端折りましたが、委員会そのものは後者が目的です。メンバーも超一流の物理学者他です。問題はこの委員会を設置した政府の意図です]
・責任を擦り付けられないように、証拠のメールなどを残す必要があると感じた。 [そうなんですね]
・責任を持つことは、大切だと思った。人数の多い方の意見に流されやすいが、自分の意見を持つことが必要だと感じた。 [まったくその通りです]
・専門的な知識がない人が理解できるように、分かりやすく伝えることが大切だと思いました。 [こちらも。特に学生時代はなかなかそれができません。社会人になると急に必要になることがあります]
・多面的な目線を見ることで適切な対応が取れると学べた [まったくその通り。広い視野で捉え、長い目で考える必要があります]
・大規模な事故が最悪起きてしまう可能性を鑑みて慎重すぎるほどがちょうどいいと感じた。例えば、石橋を叩いて渡るという諺から、石橋を叩きすぎて壊しちゃうというような造語も聞いたことがあるが、石橋を叩きすぎて壊してしまったら叩く程度で崩れてしまう、その石橋の耐久性に難があったと考えるべきで、寧ろ石橋の欠陥を早期に発見できたことへの称賛を送るべきだと思う。 [なるほど。確かに]
・大人になっても「誰(どこ)が悪い」といった犯人捜しって起こるんだなと感じた。 [残念ながら人間の本性の一部です。自分(だけ)を守るための]
・知らないところでこんなことあったんだなぁ、と初めて知って驚いた。 [それをこれからの人生に生かしてください]
・問題は逸脱の標準化だけではなく立場の違いによる苦しみがあり、そのタイミングで正常な判断をすることは難しいと感じた。 [まったくその通り。一面だけの批判、あるいは犯人探しなら簡単なのですが...]
・立場によって考え方が変わることが理解できた。 [そうなんです。見え方がずいぶん違ったのでは?]


西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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