2022年10月31日更新
3FY1クラス
第5回:2022年10月31日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
※第5〜6回では、ケースメソッド事例に関するグループ討議を経て、第7回の「学習内容」に挙げてある事項についての考察を行う
・グループ討議
・PCを用いた講義
・与えられた事例に関するグループ討議
・プリントアウトして持参:課題3(個人での検討内容を討議で活用する。持参の有無を確認する場合がある)
・復習・次回に向けた予習: 討議内容についてのさらなる検討(課外でのグループ討議)(120分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
○ビデオ教材「ソーラーブラインド」を視聴していただきました。
Q.1. 最初に感じたことは何ですか?
A.1. (議論前の個々人の印象ですのでご注意ください。次回の講義で考察しますので、原則としてコメントは控えます)・カメラの切り方撮影の角度など細部までこだわられた良いビデオだった [ありがとうございます。若手の先生の制作です]
・そもそもソーラーブラインドを作るメリットがない。授業でも言っていたが、窓際からでは発電できない。 [その通りですが、お話しした通り、それは問題としないように]
・それぞれ必ず起こる可能性があるとはかぎらないことには責任を取りたくないのだと感じた。
・ブラインドで太陽光発電を行う事はかなり難しいと思う。バッテリーが必要な時点で、室温の事なども配慮するとやはり外向けの開発品だと思う。 [でもバッテリーを外に出すと、別な問題が発生しますよ]
・プロジェクトのリーダーは大変だと感じた。
・リーダーであることを免罪符に責めている。プログラムの方で何か気づいたのかとなったが言わずにいる。価格とサイズと安全性、期日のバランス調整が難しそう。
・リーダーというだけですべての責任を押し付けられ、責任を果たそうとしているのに応じてももらえない最悪の職場
・リーダーとしての立場もあるが、安全性を第一に考えるようにするようにしなくてはいけないが自分の発言権の弱さに痛感している感じがした。
・リーダーの真田さんだけが残業をしたり、上司に延期することをお願いしたりしている。少し責任が偏っているように感じた。
・安全を考えることと会社の上下関係の両方を考えることは大変だと思った。
・安全性が確約されないままこのまま製品になり、市場に出回るとして、製品に問題が起こった場合、この下請け会社の信頼は世間にも同業他社からも落ちていくんだと思いました。
・下請け会社が元請け会社に顔向けできなくなり、会社の経営を心配するあまりに不備がある問題を解決しないまま、技術者の意見が通らずに販売することが非常に理不尽だと感じた。
・会社としての利益を考える自分と、倫理的に原因追及をしたいという葛藤が難しい論点だなと思いました。
・企業同士の公約、製薬[「制約」の変換ミス]などは大いにわかるが、上司は冷静な思考判断をするべきだと思った。
・技術者がどれだけ努力しても、商品の安全性や品質などが上司や元請け会社の采配によって決まってしまう現実を見て、悲しい気持ちになりました。
・技術者のチーム内でリーダーへの責任のなすりつけが生じているように感じた。また、経営者と技術者[の間]で[必要な/重要な情報が]伝わっていない。
・技術者の意見に耳を傾けてもらえない
・考えないといけないことが多すぎて判断を下すっていうことが難しい。本当は延期したい。
・今までにないものを作り上げることは面白そうだが大変だろうと感じた。
・最初米豪日だけで販売するなら「国内専用」みたいな表示つけて販売して他国で販売するまでにゆっくり解決すればいいのでは
・時間がないとともに、余裕もなくなっている。時間がないと心に余裕がなく、融通が利かなくなっている。
・自分に非がないと思っている人が多い。真田さんが真っ当なことを言っているのに意見が通らなくて可哀そう。
・質より納期が優先されるのか、と思いました。
・社会の辛さを強く感じた。胃が痛くなるような内容だった。
・若手技術者を使うというのは、良いことではあるが真田さんに責任を預けすぎている気がした。また、真田さん本人も相談の回数が少なく、相談相手も上司の石川さんがほとんどであったため、複数人の意見を聴き、判断を下すべきであったと感じた。
・主人公が、自分の意見を伝えようと頑張っているなと思った。
・主人公がつらそう
・主人公が上司やプログラム担当に歯向かい過ぎだと感じました。
・主人公は近い上司に意見できるだけでも十分勇気があるなと思った。
・上司の圧力の怖さを感じた。また、リーダーの責任に重さを感じた。
・上司の大変さ
・上司は上司、部下は部下なりに大切にすることが異なるんだなと思った。
・真田さんが板挟みで可哀想 先輩が良く思っていない中で、先輩を差し置いてリーダーは厳しいと感じる
・真田さんが問題と会社の方針、上司との圧迫に挟まれてくるしそうであった。
・真田さんは、自分が担当している回路でのミスを発売前に挙げて発表延期を促したのだが、決定的な証拠を出せず最終的に延期はしないことになった。このことから、問題を一人で解決しようとせず周りの人にも協力を促すことが望ましいと感じた。
・真田さんは、自分の意見を伝えたのに、その意見を受け入れてもらえなくて辛い立場だと思った。
・真田さんはチームリーダーとして大きな責任を負って行動していると考えた.
・真田さんへの責任の押し付けをしていて、特に課長である石川氏は、人材育成のためにチームリーダーを真田さんを選んだのに私情[≒娘の誕生日の帰宅]を優先し、結局、真田さんへの責任を押し付けて、協調性がない。また、技術者のするべきことではないと思った。
・人間関係がぎすぎすしている
・人々の安全よりも会社の利益が優先なんだなと思った
・製品化する前にできるだけ問題を解決しておいた方が、事故が起きる危険性も少なくなるし、世間から叩かれることもないのにと思った。製品化の納期を伸ばすことがそんなに大変なことだという実感がいまいちわかないので不思議に思った。
・石川さんは責任から逃れようとしていると感じた。
・責務と技術者として守るべきことで板挟みでしんどいなと思いました。
・電圧にズレが生じた場合どのくらいの確率で発熱が発生するのか。
・電圧の乱れが生起しているのに明確な原因もはっきりしない。
・登場人物の全員の言い分が理解できるので、だれが絶対に正しいと言えないと感じた。
・登場人物の半数くらいは切羽詰まっていて、そこからの負の連鎖で悪い方向へ行っている気がした。
・風通しの良いというのは表面だけで、圧力がかかっている。
・問題があるのに問題がないという偽りを報告書に書いたことはいけないと感じました。
・問題が製品発表のギリギリに発生してしまったことで、問題解決のための調査も納得のいくまですることができない状況だったため、全員があせってしまっていたと感じた。会社の保身と消費者の安全性を優先している人で対立が起きていた。
・問題が発覚するのが遅いと思った。試運転をもっと早くからすべきである。
Q.2 「もし自分が主人公だったら」どうします?
A.2. (議論前の個々人の印象ですのでご注意ください。次回の講義で考察しますので、原則としてコメントは控えます)・あれだけ試行錯誤しても問題点が見つからず、上司にも延期の意見が通らないようなら、そのまま発表する。
・サービス残業までして、問題点を解決し、納期に間に合わせる。
・なん[何]もできないと思う。きっとそこで行動できるだけの行動力は自分にはない
・プログラム及び回路の確認をもう一人の人と交代させて行う。確認を早めに開始しておく。
・やはり事故が起きてからでは遅いので相談すべきところに相談すると考える.
・安全に関する意見を何回も述べても、聞く耳を持ってくれないときは、忠告だけして会社を辞める。
・安全性を重視することが重要だということを同僚たちと一緒に上司を説得しに行く。
・何が原因かはっきりしないので、万全を期すために製品の発表自体を延期する。名刺交換しててもおかしくないので、担当者に直接直談判する。
・課長以上の人に相談してみる。[社長への]意見箱などがあったらそこに入れる
・過去の先輩方の経験を聴き、リーダーとしてまず何が重要であり、何が必要かを考え、それから具体的なプロセスを考えていく。また、疑問に思ったことは一人で考えこまず、複数人の意見を聴き、判断をできるように考えをまとめていく。
・会議が始まったときに現状の問題点を説明する。
・会議に自分も参加させてもらい、自分の意見を自分の口で直接説明する。
・会社を辞めようかどうか考える
・期限に間に合わせることも重要であるが、製品化後に事故が起こればもっと問題になるので、期日延期の依頼をして安全性を徹底する。
・講義[「抗議」の変換ミス]することを諦める。
・高温での試験(多湿ではない)をして高温が原因なのか多湿が原因なのかを調べた後、多湿が原因であれば多湿を避けろと説明書に注意書きを入れるように要請する、高温が原因であれば主人公と同じように動くと思う
・最後の会議でもう一度意見を言う。
・細谷さんとの関係で、真田さんが言いたいことが言えずにいたと思うので、人間関係を見直す。また、情報共有をグループ内や、元請け会社や協力会社と定期的に行う。
・細谷さんに悩み相談して味方につける。細谷を操れるようにする。
・使用者がその[=この製品の]不備で亡くなってしまう[かもしれないので]、亡くなってしまった時の会社へのリスクを説明する。
・私は渡辺[正しくは真田]さんのように何度も上司に抗議したりせず、上の意見に従ってしまうと思いました。
・自社の上司だけでなく、先方の意見を伺えるように行動する。
・自分ならば、会社に判断を仰ぎ、会社の方針に任せてしまう可能性が高い。しかし、危険性に関しては、報告書でまとめておく必要がある。
・自分の意志を曲げず、上司とCSEに方向[「報告」の変換ミス]を入れる。
・自分の意思を貫いて、それでも味方になってくれる・守ってくれる人達とすすめる
・自分は、元請会社に報告する。なぜなら、事故が起きたら起きたで、後から問題になるため、最初に報告した方が、安全であり、面倒くさい事態を免れるから。
・主人公のように追い詰められて、自分の言い分がどうにも通らない状況だったら諦める。
・重圧に耐えきれず、退職するかもしれないです。
・商品に不具合が起きる可能性があることは言わずに「機会に不具合はつきものだ」と考える。
・商品の開発を遅らせる
・商品を発表する段階まで進んでしまったため、発表したのち一刻も早く危険の可能性を呈示する。
・消費者の安全性を考慮し、製品開発に努めたいと思うが上司や会社の決定に従わざるを得ないとも思うので、どうすることもできないと思う。会社、上司の決定に従う。
・上司や会社の指示に従って、予定通り販売する。
・上司より上の立場の方々に直接問題を訴えかける。
・製品に対して問題があることを抱えてても、押されればGOサインを出しそう
・石川さんに商品発売時期の延期を強くお願いする
・石川さんの判断だとをり切る。できるだけのことはした。
・責任者という立場もあるが、第一は安全性を優先する行動をとっていく必要があると思う。
・相手方が大企業であるため、こちらの都合で納期を伸ばすことは経営上難しい。また、ハートやソフトのエラーを修正するという過程は気が遠くなるほどの試行を重ねないといけないため、納期を多少延ばしても解決するとは限らない。そのため、このまま通してしまうと考えられる。
・調査の延期を無理やりにでも申し出る。
・直属の上司よりも上の立場の人に直談判する。
・納期に間に合わせることが一番だと思うので上司の指示に従い、問題があることを隠し商品化してしまうと思います。
・発熱が起こる明確なデータを提示し問題を指摘する
・発売は止めないと思う、その後の対応策を練り始めると思う。
・販売延期を問題が起きたタイミングで訴えると思う。
・不具合が起こらないよう何度も見直す、発売を延期する
・万が一のことを考えると、問題を突き止めて明らかにしたいと思い、上司に証拠になりえそうなことを見せつける。仲間と一緒にお願いする。
・明らかに製品化したら事故に繋がってしまうため、技術者としては意見を述べ製品化を防ぐ必要がある。
・問題があると主張を通しているが、上司の理解が得られないまま事が終わったため、他の開発に協力を促すことや製品として不完全である証明を挙げなければならないと考える。
・問題が起きたときのために証拠を残しておく。上司には問題があるという報告書を提出する。
・問題が見つからなかったら指示通り報告書をまとめて定時で帰ります。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・あまり上の役職に就きたくないと思った。 [この意見については、次回]
・ステークホルダーについてきちんと理解しなければならないと思った [前半、後半ともに、それを実感していただけたのではないでしょうか]
・ソーラーブラインドの動画がよくできていると思った.
・ドラマが意外と本格的で面白かった。 [以上、若手の先生の制作です]
・ビデオ、オチがなくてもやもやしました。 [気持ちは、わかる。そのモヤモヤ感は重要です。次回へ続きます]
・ビデオの内容が複雑で登場人物それぞれの気持ちに納得できるから難しいと思った。 [なるほど]
・ビデオを視聴して、ジレンマというものの現実性を感じた。自分も似たようなことを経験したことはあるし、世の中必ずあることだと感じた。 [似たような場面には必ず出くわします]
・ものづくりの段階で悪いのはあっちだ、こっちだとなっていると、有事の際にも同じようなことが起こって、プロジェクトそのものの信頼が失われると感じた。 [この意見についても、次回]
・やっぱり、葛藤する際は倫理を守りたいけど、守りにくいんだなと思いました。 [その通り。販売するに延期するにせよ、適切な判断と行動から外れやすくなるんですね]
・リーダーの責任感について学んだ。 [ありがとうございます]
・レースのときの話に似ていた [この点についても、次回]
・安全が重要だと分かっていても実際に会社の人間関係などを考えると、なかなか安全を重視して行動するのは難しいのだと思いました。 [そうなんです。それはわかりますが、じゃぁ、どうすれば...を次回みんなで考えましょう]
・映像を見てやるせない気持ちになりました。
・映像作品とはいえ、このような内容を見ると、やるせない気持ちになります。 [以上、そのやるせなさは非常に重要です。次回、グループと教室全体で考えましょう]
・技術者として製品開発をする以上、老化[「廊下」の変換ミス]を教室の左側に設計するまど[窓]と、ユーザーの立場になって考えることが最優先だと感じた。 [まったくその通りなんですね。貴方/貴女は建築学科の方でしょうか(誰のコメントかは見ていません)]
・技術者として大切にしなければならないことを時間が経つにつれて分からなくなってしまうのかなと思った。
・技術者は商品開発に欠かせない存在なのに、技術者の意見が重視されていない現状に驚きました。 [以上、これで良いのかについては、次回]
・技術的なエラーの修正の難易度の高さをリアルに感じられた。 [ありがとうございます]
・金城さんはいいけど細谷は協力してくれないからイライラした。 [この点も、次回]
・研究系は難しそう [開発系もそうですね]
・現実におきて[起きて]そうで中々に怖い内容だと思った。 [ありそうな気持ちになってきますよね]
・考え方がむずかしいです。 [ご安心ください。だんだんとわかってきます。焦る必要はありません]
・今回は、席替えをしたため学年の違う人と交流する機会を得た。また、授業の話では様々なテストがどのように解決するのかわからなかった。 [倫理テストの件は、後でお話しします。現在はシート表面の情報に集中しましょう]
・最後に見たビデオの主人公のように社会に出てリーダーや大きな仕事を任された際に周囲と自分の意見が異なった場合大変だなと思った。 [一般論ですが、大変です。センセイも修羅場を何度もくぐり抜けました]
・自分のいる学校からあんな完成度の高いビデオができていることに驚いた [ありがとうございます]
・自分は技術者ではないですが、色々考えさせられるものがありました。 [心理科学科の方なら当然の反応です。お話ししたように、主人公他に助言する立場から考えると割とわかりやすいと思います]
・社会に出た場合、この様なジレンマ課題があることを社会に出る前に知れてとても良かった。 [実際の社会はこうなのか...については、次回]
・縦社会すぎて心が痛い [気持ちは、わかる]
・小学校の話しが面白かったです。 [ありがとうございます。今になって考えると...でしょうか]
・新しいペアで話し合いをし仲良くなり話せるようになった。 [それは良かった]
・真田さんが可哀そうでした。
・真田さんのような板挟みの状態になると、じゃあどうすればいいんだよとやりきれない気持ちになります。 [以上、そうですよねぇ]
・真田さんの真剣さや何度も上司にお願いしに行く姿が熱かったです。 [なるほど]
・人間関係のギスギスは崩壊への第一歩!! [たぶん、非常に重要な点を指摘していらっしゃると思います。続きは、次回]
・性格によって疑問な点の捉え方が変わってくるので難しいと感じた。 [チャレンジャー号事故の時もそうでしたが、立場によっても違ってきますよね]
・製品を作る際に使用者の安全だけでなく、会社の経営も考えねばならないのは大変だと思った。 [その通り。でも、この点についても次回]
・責任の押し付け合いで、協調性が見られない技術者としてあってはならないことである。
・責任を果たそうとしている人を圧力が許さないのが理不尽だと思った。 [以上、重要な点です。そもそも、なぜそうなってしまったのでしょう]
・責任感のない社会人にならないようがんばりたい。 [まったくその通りですね]
・頭が痛くなるテレビだったなと思った。 [気持ちは、良くわかる。なぜそうなってしまうのでしょう。根本的な問題はどこにあるのでしょう?(続きは、次回)]
・動画の完成度が高かった [ありがとうございます。前述(↑)しましたが、若手の先生の制作です]
・動画を見て、自分があの立場だったらすごく悩んで嫌になりそうだった。
・動画を見て、働いてこういう会社だったら即辞めたいと思いました。 [以上、そりゃ、そうですよねぇ。その思い、果たして不適切なんでしょうか(次回へ続く)]
・動画を視聴して2日間とは思えないクオリティで驚きました。 [映画会社に制作をお願いしました。やはりプロですねぇ。]
・板挟みになってましたね… [真田さんですね。モロでしたね]
・非常に理不尽でおかしなことばかりだったので働くのが怖くなった。 [気持ちは、よくわかる。ステップ0の感覚は大事にしてください。根本的な原因と繋がっている可能性があります。続きは、次回]
・役者の演技が上手く見入ってしまった。 [ありがとうございます]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。