2022年11月7日更新
3FY1クラス
第6回:2022年11月7日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
・グループ討議(続き)
・討議結果の発表
・PCを用いた講義
・与えられた事例に関するグループ討議
・討議結果の発表
など
・復習:課題3(Agora上での ケースメソッド事例に関するより深い検討)(120分)
・次回に向けた予習:教科書の精読(140分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.グループ討議や全体での発表、討議、当方からのコメントの結果、前回の個人的な感想は変化しましたか? あるいは見落としていた点に気づきましたか?
A.(原則としてコメントは控えます)
1.(ある程度)変化した 41名(78.8%)
2.(あまり)変化しない 11名(21.2%)
1.(ある程度)変化した。あるいは見落としている点があった
・グループでの話し合いで、注意書きを入れておくということに目から鱗が落ちました。意外にも、他のグループでも注意書きの話が出ていたので、驚きました。また、元請けからの了承という話をしているグループがあり、具体的に考えられていた点が個人的にはよかったです。
・じぶん[自分]中心で見ていたため、他の人の目線で見ることができていなかった
・一般的な回答だったが、意見を交えて会社と言う組織の経営を考えると、個人のみの意見は自己中なのかなと感じた。 [確かにそういう面はあります。この科目を含む応用倫理はアメリカの生まれなので、同国の個人主義の影響を強く受けています。途中でお話ししたように、(部下がちゃんと説明した上で)上司が組織として判断するのであれば、もう個人の手は離れます。その後は、ビデオで視聴したタカタのような対応になります]
・延期の発表の際に、延期理由を話すのは良いかもしれないと思った。言い方を考えて発表すれば、誠実さを評価してくれると思った。
・延期の発表時に問題点を共同開発陣だけでなく買い手にも伝えること
・何を最優先させるか、ユーザーの安全を最優先である
・課長の事を考えていなかった [次回改めてかんがえます]
・会社の社長が出てこなかったり、3つの会社のやり取りが上手くいっていないことに気づけなかった。 [こちらも]
・会社の利益を重視したうえで、注意事項を書いて販売するという考えを見落としていた。
・企業が求めている「危険がない」という基準の高さが想像より高かったこと。 [学生さんの判断を「誤り」と断じているわけではありませんので、誤解なきよう]
・企業としての風通しや、社長などの役割がしっかり果たされていないことなど、見落としていた。
・見落としていた点…石川課長の上司や本請け会社などへの報告、変化した点…特になし
・元請け会社からの信頼を失ってしまうと考えたが、元請け会社にすぐに相談するという点は見落としていた。
・元請け会社は問題がある事を隠されることを望んでいないことは気づかなかったです。
・元請け企業に相談することが重要。
・後々に商品の上位互換のものを出すことによって購入者目線から安全性が良いと思われると思う。 [その通りなのですが、その対応策の場合、採算面が問題になります]
・最終的な決定は上層部の仕事であり、社員の仕事の範疇を超えていること。 [この点については上記コメント(↑)をご参照ください]
・始め[この場合、「初め」]は売るしかないと思っていたが、今後の損失や消費者のことを考えるとやはり延期または中止するべきだと思った。
・思っていたより企業は完璧なものを求め、完璧な状態で商品化している
・私は利益を重視してしまい、顧客を危険に晒すところだったので、安全性を最重視するべきだった。
・自己が起きたときの、最悪のケースを想像できなかったこと。
・自分では、会社の存続できるかという観点からは、あまり考えれていなかったが、グループでは考えることができた。
・自分とは違う意見が結構あったが、合併案が出たのでよかった。
・自分は、延期して問題を解明して延期する理由を述べて安全な商品を作り信頼関係を築いていけばいいと思う思考にしかなっていなかったのですが、グループで話していて、正直に説明することは大事だが、会社の立場は?など意見が出て、視野を広げることが出来た。
・社内の風通しが悪いというだけでなく、問題を共同開発の会社にも伝えられていなかったことに気づいていなかった。
・重大インシデントが発生した時の企業の責任を取るために必要な金額が大きいこと
・上司や会社の立場や信頼による利益の損失などは考えていなかった。
・上司や同僚と話がしづらいため変だなと思っていましたが、ブラック企業だとは思っていませんでした。
・正直に報告した場合、技術力のなさが知れ渡ってしまうという点。
・製品の精度を甘く見ていた。一万個に一個くらいだと思っていました。
・製品を世に出すしかないと思っていたが[、不適切な対応をすると、場合によっては]大きな損害になるのだと思った。
・説明書をつけたり、発売の際に事前に伝えるという考えはなかったので意見が変わった。
・注意書きだけでは不十分な点があり、会社の存続の可能性、元請けや社会からの信頼、事故の本当の原因など様々な観点から延期、中止の検討を行う必要があると感じた。
・注意書きをすることで、事故をある程度防げるのではないかという視点が自分にはなかったため、皆の意見を聞いて納得した。
・注意書を書くという点は、思いつかないアイデアであった。元受け企業との相談・企業同士の連合関係は着目できていなかったので、少し視野が狭かったと感じた。
・働き方に大分無理があることを見落としていた。
・発火事故が起こるかは結果論である。いずれの選択肢であったとしても、企業の信用は失われる可能性があることを見逃していた。
・販売したとしても問題が生じては販売した利益よりも多くの不利益が生じると言う事を見落としていた。
・販売価格を上げることを考えていなかった。
・被害がこれほどにまで出るとは思わなかった。小さなミスも塵も積もれば山となることが分かりました。
・保証としてケアすることを図っていたが、製品を回収して正常なものを渡さなければいけないという問題があることを見逃していた。また、注意喚起の仕方にも工夫をしなければユーザーの緊張を煽ることになることがわかった。2.(あまり)変化しない。あるいは見落としている点はあまりなかった
・コミュニケーションがうまくなっておらず、話が通じない、グループになっていないこの会社は完全にブラック企業だと思っていた。
・ビデオに出てきた会社のようなところでは働きたくないなと感じていたので、最後までその気持ちは変わらなかった。けれど、他のグループの意見を聞くことによってビデオで主人公が立たされていた状況に対して、理解を深めることができたので良かった。 [なぜそう感じたのか(≒ステップ1)が本質的な問題(≒ステップ7)と対応しているんですね]
・やはり、商品を売らないという意見の班がほとんどであった。仮に売っているとしても、製品回収の参段や説明書の同封などの対策が考えられていた。
・意見が他人に聞き入れてもらえない環境である限りどうせ潰れるだろうなあと思っていたのでやっぱりな・・・・と思いました
・一度リコールをしてしまったら取り返しの付かないことになってしまうことは目に見えていたため、延期するのは妥当であると思った。
・企業の体質と発売のリスク
・公衆の安全が一番大事な点
・上司の会議で抗議を行っていたか[社長など最上層部にきちんと報告され、議論されていたのか]の部分が気になっていたので触れてもらえてよかった.
・上司の責任問題や、会社としての在り方等の点は見抜けていたと思います。
・上司の対応を見るとブラック企業に近い様子が見られたので何となくわかっていた。
・不具合が起こらないよう何度も見直す、発売を延期する
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
・あのようなブラック企業では働きたくないと思った。 [誰だってそうですよ。でもお話ししたように、普通の組織はもっと健全です。そうでないと持続できません。ご安心ください]
・いろんな意見をきくことで、自分の考えもより深められた。 [グループ討議はやはり得るものがあるのでは?]
・お客の安全を考えるのと同時に、会社の事を考える事が難しく感じた。 [特に学生の時はそうです。焦る必要はありません]
・グループで話し合った濃い内容の発表を多く聞くことができて良かった。多方面から考えることができた。
・グループの全員が違う意見であまり主張できなかった。 [う〜ん、こちらはちょっと残念。次回は、ぜひ]
・グループワークが長くて楽しかった
・グループ討論をし、自分が思いつかなかったような意見がたくさん出てきて理解を深めることができた。 [以上、それは良かった]
・これから社会人になるとこういう場面に何度も出くわすんだろうなあと感じました。 [残念ながら、必ず出くわします。でも、お話ししたように大半の企業や組織はもっと健全です]
・こんな企業はほぼないと聞いて安心した。 [なぜなら、このような組織は継続して存在できないからです]
・データの改竄を一度でもしてしまうと重大な事故が発生するリスクが高まるため、誠実な報告が必須であると身にしみて感じた。 [そうなんですね]
・ニシムラ先生があんな企業ばかりじゃないとおっしゃっていたので安心した。 [ご安心を]
・ブラック企業には入社したくないと思った。
・ブラック企業の恐ろしさが理解できた。 [以上、残念ながらブラック企業あるいはそれに近い会社があることは事実です]
・一つの虚偽報告で会社が潰れることにとても驚いた。嘘の怖さを改めて知ることができた。 [あれだけの会社が...なんですね]
・下請けは隠蔽しようとしていたけれど、元請けの立場に立って考えてみれば、いくら納期を守って欲しかったとはいえ、危険度が高い状態で納品されることは避けたいのだと思いました。 [自社ブランド製品として売り出すので、長期的に考えると大きな損失になるんですね]
・科学者の苦難の1つを理解できたような気がした [なるほど]
・課長などがきちんと上層部に掛け合ってくれないと、解決するものもしないと感じた。
・会社の上層部とのコミュニケーションがとても大切だったんだと感じた
・会社の中でコミュニケーションが十分に取れていなかったことも、このソーラーブラインド問題が起きた原因の1つなのだと感じました。コミュニケーションが十分に取れていて部下の声が上司に届いていれば、この問題は起きなかったのかもしれないなと思いました。 [以上、課長は中間管理職の役目を果たしていません。次回補足します]
・割とみんな延期の選択を取るのだと思いました。 [やはり心理科学科の反応は他と違っていると思います]
・危険性が部下から知らされたのに一切掛け合わない上司は本当にやばいと思いました。 [そりゃそうですよ。その段階で逃げ出すべきかもしれません]
・既に企業に勤めている身なので勉強になります [そうなんですか。今後もその視点から情報を提供してください]
・技術者の視点からの発想について、一度しっかり紹介してみて欲しいと感じた。 [この方は心理科学科以外の方でしょうか。満足いただけるかどうかはわかりませんが、次回ご説明します]
・議論やほかの班の意見を通して、いろいろな考え方を知ることができたので良い勉強になりました。 [それは良かった]
・経営方針が立派でも、実行されないと会社の顔が腐る。 [お気づきだと思いますが「何でも話せる明るい会社」はアイロニーです]
・原因が分からない問題を、問題として取り上げるコミュニケーション能力が重要であり、それが守られない会社はブラックであると言えることが分かった。 [そうなんですね]
・現実にあったタカタにおいても、ソーラーブラインドと同じことがあったのかもしれないと思うと、同情します。 [おそらく、同じようなやり取りがあったんでしょうねぇ]
・考えは変わらなかった [はい]
・視点は一つではなく、様々なアプローチができることがわかった。 [この点は次回も続きます]
・自分だけでは気づけなかったことに気づけたので良かったです。 [それは良かった]
・自分たち学生の考えと企業の求めている者のギャップがかなりあることが分かった。 [次回補足しますが、逆に日本の製造業は完璧を求めすぎていて、世界の潮流から外れつつあります]
・自分の家族ではなければ誰かが危険な目に遭ってもいいという考えになっている技術者が少なからずいるのかなと思った。 [まったく存在しないと断定はできませんが、ごくごく少数だと思います]
・自分の立場を考える前に技術者として考えることを優先しなければならないと感じた。夕焼けがきれいだった [ありがとうございます。夕焼けは、確かに。教室を出て夕日を見たくなりますよね]
・車のエアバックの事故の損害の状況を見て、企業で事故が起きた場合の事の重大さを改めて感じることが出来た。また、今後技術者として就職するにあたり、安全性の重要性を再確認することができ、非常に良い機会になった。 [心理科学科以外の方でしょうか。ありがとうございます]
・商品を作るうえで、使用者の安全面、会社が責任とれる範囲の製造手段を考えなければならないと思った。 [次回以降お話ししますが、リスクのコントロールがポイントなんですね]
・情報の共有は常にするべきであると思いました。 [まったくその通り]
・真田さんの立場に立って考えることはとても難しいのですが、興味深かったです。 [この方は心理科学科の方ではないかと思います。確かにその通りでしょうが、ビデオ教材はそんなに簡単に制作できないので、今回はちょっとがまんして頑張ってください]
・世の中の企業はビデオで流れていたような企業は少ないと聞いて少し安心したけれど、やっぱり社会に出るのは怖いなと感じた。 [気持ちは、わかる。センセイも学生時代はそうでした]
・世の中の商品の精度を甘く見ていた。 [前述(↑)しましたが、学生の皆さんが間違っているという意味ではありませんので、誤解なきよう]
・生命に直結するものづくりの企業はたいへんですね。。。 [大変ですが、心理科学科の方も違った形で人々に大きな影響を与えることになります]
・石川課長のように仕事に私情(娘の誕生日)を持ち込むという行為をとってはいけないと思った。特に緊急事態の時に、部下の面倒を見ず、その状況を部長や部門長、本請け会社に報告していないといった行為はあってはならないと思った。 [気持ちは、わかる。でも視点を変えると...については、次回]
・相変わらず、難しい内容でした。技術者でない職業では、倫理問題として生かしていけるのかと思います。 [この方は心理科学科の方だと思います。前述(↑)しましたが、心理科学科の方の働き方にも倫理問題はたくさんあります]
・大きな損害の事例が増えるほど、新しいものが発されにくいと感じたた [その通りです。一部前述(↑)しましたが、日本では臆病になりすぎて、新製品を出しにくくなっているという面があります]
・中止にするという場合の意見がどうなるかもみたいです。 [延期ないしは中止した場合、特に製造ラインに大きな投資をしているはずですから、その損害をどう負担するのかが問題になると思います。忘れていなかったら次回お話しします]
・発売しても発売しなくても大きな問題があり、決断を下すことが難しい問題だなと思った。 [そうなんです。そしてどこまで、どれだけ影響を与えるのかを考えなければなりません]
・班の中でどのような結論を出すべきかわからなくなり、迷走しそうになった。 [なるほど。でもそれは真剣に考えたからですよ。そんなに悪いことではありません]
・不具合やリコールがこれほど大きな問題に繋がるという可能性を認識できていなかった。 [ちょっとびっくりしたのでは?]
・風通しの悪い会社には入社したくないと思った。私が真田さんなら、聞く耳を持たない上司に何度も抗議をすることはできないと感じた。 [後者は、確かに。前者については、とにかくブラック企業かどうかを見極めることが肝心です]
・物を作る側と買う側とでは視点が全く違うことがわかった。また、話を聞いているうちにブラックな会社であることが理解できていなかったため、物事を判断する能力は必要だと感じた。 [学生さんだとまだ難しいと思います。焦る必要はありません]
・様々な視点で物事を見るのは難しいと思った。 [その通り。でも単純に考えるより格段に進歩しています]
・話を聞いてくれる上司がいる会社に就職したいです [もちろんそうです。現在の会社はかなり話を聴いてくれますよ]
西村が担当する授業の様子は、<nishimura-sensei.net>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。