2001年11月20日更新(2003年12月21日一部写真削除)

Macintoshの部屋

5.新型iBookの衝撃!!

 アップル社は5月2日、新型iBook(写真:Appleのサイトより)を発表しました。

 新型iBookの特徴は、きわめて「まっとうな」正統派ノートパソコンであること、小型軽量、そして低価格です。サイズはA4、重量は2.2Kg、価格は\158,000からとなっています。 

 以下、主にPowerBook 2400cとの比較で、新型iBookの特徴を考えてみたいと思います。

 まず、サイズ的にはごく普通の大きさで、PowerBook G4より二まわり小さくなっています。2400cファンが熱望するB5ノートが出る見込みがない以上、もっとも小型のMacとなります。ちなみに2400cとの比較では平面で一回り弱大きくなりますが、2400cの弱点だった厚みは15mm弱薄くなりますから、かなり使いやすいと思います。
 5月25日より日本国内でも販売が開始されました、27日に実機に触ってみたのですが、ずいぶん小振りな印象がしました。やはり、厚みはかなり薄くなっています。

 重量的には2400cよりも200g重くなっていますが、差はわずかですし、モデムやイーサネットIFを内蔵しているのでほぼ同程度です。CD-ROMドライブ(他も選択可)、5時間利用可能のバッテリー内蔵でこの重量は評価できるでしょう。実際に持ってみたのですが、特に重いとも軽いとも思いませんでした。

 キーボードはフルサイズです。これは好みの分かれるところでしょう。たとえば西村センセイの場合、アイディアを練る時は2400cの小型キーボードの方が使いやすいのです。実機で短時間打ってみましたが、ストロークは浅めであるものの特に変な印象は受けませんでした。一時期のPowerBookのパタパタという変な感じ−−打っていて無力感を感じるあの感覚−−は受けませんでした。合格レベルだと思います。

 CPUは500MHzのG3(オンチップ256Kキャッシュ)なので、そこそこのスピードだと思います。重いソフトを使わない限り、問題はないと思います。なお、最近のG3チップは設計が大きく変わっているので、単純にクロックだけでは比較できません。
 従来のMac OSを使っている限りは問題ないと思います。ただし、5月22日にAppleからアナウンスがあったように、製品にはMac OS Xがバンドル(初期ロットはCD-ROM添付)されており、こちらはG4チップに最適化されているので、やや不満を感じるかもしれません(今回はOS Xが未インストールなので検証はできなかった)。
 なお、先代と比べて外装その他は一新されていますが、ロジックボードはバスの速さを含めて旧来のものを継承しています(正確には最新のiMacとほぼ同等)。この辺の関係はPowerBook G4 と同じです。PowerBook G4 にせよ、今回のiBookにせよ、次回のバージョンアップでバス幅が倍になり、HDの容量も増加するものと予想されます。

 メモリは64Mないしは128M内蔵で、最大640Mまで拡張できます。販売店では128Mないしは256Mの増設を勧めているようでした。

 ハードディスクは一般の小売店で購入できるタイプは10Gで、ビデオを扱うとたちまち不足します。現在2.5"では48GまでのHDが販売されています(6月17日現在)が、厚みが9.5mm以下なので交換できるようです。アナウンスによるとラバーでHDの支持点にクッションを入れています。

 ディスプレイは12.1"XGA。2400cの画面の小ささに比べれば格段に使いやすくなります。特にVertual PCだと子画面式に使えるので便利でしょう(2400cだと全画面を切り換えるしかない)。実機を短時間見た限りでは液晶画面の品質には問題を感じませんでした。ただし、店頭にあった機種なので輝度はほぼ最大に設定してありました。暗くしてみたのですが、個人的には、2400cと同様にガンマコントロールパネルを使う必要があるな、と思いました。
 ディスプレイは、ソニーのバイオのように、開くと少し後ろに沈むようになっています。真似といわれればそれまでですが、使いやすいと思います。なお、この構造のため、机などの平面上では一定角度以上は開きません。
 なお、グラフィックアクセラレータは最新のものではありません。コストの問題でしょうが、特に問題があるというわけでもありません。実際に触ってみても同印象でした。やはり次回にバージョンアップでしょう。

 実機を見るとあちこちにネジ穴が見えます。で、本体をひっくり返すとあちこちにネジ穴が見えます。この辺は判断が分かれるところでしょう。

 CD-ROMドライブ他は選択となっており、BTOのみとアナウンスされたDVD/CD-RWコンボドライブも、店頭で選択できるようになりました。

 外装はつるつるのポリカーボネイトですが、内部にマグネシウム合金のフレームがあります。実機を触ってみると、写真とはずいぶん違って繊細な構造になっていることに驚かされます。上半分(液晶パネル部分)はG4 Cube と同じように、真っ白な框体を透明な外装が覆う構造になっています。下半分は少しグレーになっています。とても綺麗なのですが、毎日持ち歩くことを考えるとすぐに傷がつきそうで心配です。西村センセイはここで、うぅ〜んっ!?と考え込んでしまいました。

 実機をさわるとトラックパッドとクリックスイッチの大きさに驚かされます。動きもスムースですから不満があるわけではないのですが2400cユーザーはちょっととまどってしまう感じです。

 IO関係は標準的で、もちろんFireWireも内蔵しており、電源を除いて全て左サイドにまとめられています。AirMacカードを内蔵できますが、PCカードスロットはありません。

 なお、店頭では店員が「予約される方が確実ぅー......」とか言って購入を煽っていましたが、PowerBook G4 の時と違って、今回は商品の供給も十分なようです。


 で、実機に触った5月27日現在、西村センセイは購入するかどうか迷っています。先日は「最善の選択のように思われます」とお伝えしたのですが、結論からすると現時点ではちょっと保留かなぁー、と思っています。既にお伝えしたように、これまでは

 センセイの立場からすると、問題点としてまずPCカードが使えないことが挙げられます。センセイは各種メモリーカード、モデム、イーサーネットにPCカードを利用しています。モデムその他は内蔵なので問題ありませんが、デジカメ等のメモリーカードの読みとり方法を考える必要があります。

 最大の問題はシステムとしての利用方法です。

 つまり、西村センセイはこのような機種が出ることを想定せずにシステムを組んでいます。自宅のシステムは柔軟に対応できるのですが、大学用にG4 Cube やFireWire-SCSIコンバータ、FireWireHDを導入したばかり......かわいそうだけれど、G4 Cubeは里子かなぁー......。Vertual PC もビュンビュン走るだろうし......。

 で、センセイがもし新型iBookを買うとしたら、BTOでメモリとHDは最大、DVD/CD-RWコンボドライブにAirMacカード。それでも25万円しないと思います。PowerBook 2400cに100万円くらい投入した西村センセイとしてはこれでも安い買い物?

 と考えていたのですが、

(1)ロジックボード(バスを含む)の設計が従来の延長上であり、速度的にやや不満を感じること

(2)色白のビジンすぎること......合理的な理由? と訊かれると困るのですが......

の二点により、少なくとも確実にしばらくは様子見で、もし買うとしても年末〜来春かなぁーという感じです。

 6月中旬になって、雑誌にも実機の使用報告が載るようになりました(6/16現在でMac Fan、Mac People)が、基本的にはきわめて好評であるものの、これまで意識してPowerBook 2400cを使ってきた人にはやはり中途半端な存在で、しばらく買わないだろうという評価でした。センセイもその通りだと思います。やはりPowerBook 2400c は偉大で、なかなか追いつくことができないように感じました。

 ......すぐにも西村センセイがiBookを買うと思った皆さん、申し訳ありません。

 で、結論としては、新規にノートを買いたいとか、PowerBook (500〜190c〜)5000〜3400〜1400〜初期のG3の後継を求めている人には問題なくお勧めだと思います。

 ただし、(もうほとんど残っていないだろうけれどDuo 2300cや)2400cのユーザーは、G3カードの性能を使い切り、バリエーションの増加まで待つ(来春?)か、ソニーのB5 VAIO(Win2000)に乗り替えかなぁーと思っているのでした。


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