2002年2月2日更新。2004年4月16日一部写真削除

Macintoshの部屋

7.お手軽、簡単なビデオCDの作成!! −−ただし、時間は必要−−

(1)ことの成り行きと、顛末

 突然ですが、成り行きでFireWire接続のCD-R/RW(写真)とソフト"Toast 5 Titanium"が手に入りました。

 で、これまではファイルやシステムのバックアップに使っていたのですが、それだけではもったいないので、「ビデオCD」を作成してみました。

 ビデオCDというのは、日本ではあまり知られていませんが、東南アジアではDVDやVHS以上にポピュラーなフォーマットで、要するにCD(-R)にMpeg1規格の画像を焼いたものです。一世代前のDVD(もどき)ディスクだと思ってください。

 普通のCD-RシステムでもMpeg1画像を焼くことはできます。しかしこの場合のMpeg1画像はコンピュータからしか読めないので、汎用性を考えた場合には用途が限られます。
 しかしToast 5 Titaniumを使うとビデオCD規格に必要なファイルを自動作成してくれる、そして一般のDVDプレーヤーなどでも再生可能になるとのことだったので、試してみたのです。

 まずは準備から。

 作成に時間がかかることが予想されるので、2台のMacを使用します。
 ビデオCDの作成には写真奥のG4 Cubeを、その間の仕事には椅子の左側の8500を使用します。それぞれにキーボードとマウスがついていますが、モニタは共用です。

 で精神の準備のために、お清めも用意します。

 次に素材を用意します。iMoveを起動し、書き出したいビデオを編集します。

 続いてファイルを書き出すのですが、Toast 5 Titaniumがインストールされていると、書き出し先"Quick Time"の形式に"Toast Video CD(NTSC/PAL)"が追加されます(右の写真)。日米のテレビはNTSC方式なので、そちらを選びます。
 右の写真の表示中では、ビデオのサイズが720×480ピクセルとなっていますが、実際には320×240ピクセルですので、これだけ見ると、水平解像度はVHS並、垂直解像度は半分となります。

 準備ができたら「書き出し」をクリックします。

 さぁ〜て、ここからが長い。DVフォーマットからMpeg1フォーマットへの変換にとても時間がかかります。
 今回使用したのは編集済の18分のプログラムなのですが、終了までの時間表示は120〜180分くらいとなっています。450MHzのG4 Cubeの場合、概ね
再生時間の数倍から10倍くらいも必要(!!)のようです。

 で、今回は諦めてここで眠ってしまいました。

 翌朝起きると、作業は自動起動したライティングソフト、"Toast"に移っていました。ファイルを調べるとやはり書き出しに120分以上かかったようです。

 ここまで来れば後は簡単、右下の「書き込み」ボタンを押すだけです。

 数分で焼き上がったビデオCDをまずMacで試してみます。

 すると右の写真のように、無事に「VIDEO_CD」−−作成時に名前の変更は可能−−と認識されます。

 ディスクを開いてみると、Mpeg1ファイル本体が入った"MPEGAV"フォルダの他に必要なファイル類が自動で生成されています。

 

 試しにMpeg1ファイルをQuickTimeプレーヤーで開いてみると、右の写真のように無事に再生されます。

 因みにファイルのサイズはもとのDVフォーマットの約1/40(!!)にまで小さくなっています。DVフォーマット自体がJpeg圧縮によってデータ量を1/5にまで圧縮しているので、元の情報量の1/200程度まで圧縮していることになります。まったく驚異的な圧縮率です。

 で、最後の難関、普通のDVDプレーヤー(またはビデオCDプレーヤー)で再生できるかどうかです。

 テストには手持ちのパイオニア製のごく普通の機種を使用しましたが、無事に認識、再生します。音声も問題ありません。

 肝心の画像ですが、右の写真はカラーモニタ上の再生画像を直接撮影したものです。縦に細かい線が出ていますが、これは「モアレ」と呼ばれる干渉縞で本来の画像には存在しません。

 さて、この画像をどう評価すべきでしょうか。

 よく引き合いに出されるVHSとの単純比較は無理です。
 数値的にはVHSの水平解像度は200本−−ピクセルとは単純に比較できない−−程度で、ビデオCDと同程度ですが、アナログ処理のVHSと違ってビデオCDはMpeg特有のブロック状のノイズが出ます。
 さらにそのノイズの出方も画像に左右されます。特にパンニング−−画面が水平に移動する−−などの場面では処理が追いつかずノイズだらけとなります。

 けれども、背景が静止していて、中央の被写体だけが動いているような場合はそれほどノイズは目立ちません。で、人によって評価は分かれるかもしれませんが、パソコンを介在せずDVDプレーヤーだけで再生できることを考えると、案外いけるなぁーというのがセンセイの実感です。

(2)意義とまとめ

 さて、今回のテストの意義はどこにあるのでしょうか。

 まず第一に、普通のビデオプログラムをディスクに書き込め、用途によっては十分実用になるということです。ビデオプログラムは多くの場合VHSや8mm、あるいはDVといったテープに記録されています。しかしこれらは高密度記録を可能としているものの、磁気テープ−−セロハンテープの上に鉄粉をくっつけたようなものです−−を使用しているために、その寿命は10年〜20年程度です。またその頃には再生機器の方も壊れてしまっているでしょう。
 一方ディスクの場合は少なくともその数倍の寿命があります。

 また、互換性の面でもメリットがあります。今回明らかになったように、ビデオCDの形になっていれば相手がパソコンを持っていなくても今後ますます普及が予想されるDVDプレーヤーさえあればディスクを配布することが可能です。

 容量的にも、通常のCD-Rで60分程度は書き込めるようです。

 そして今回のテストの真の目的はDVD-Rディスクの作成にあります。センセイは現在、まだ必要な機材を持っていないのですが、この調子なら機材さえ揃えばDVD-Rビデオもまず問題なく作成できると思います。

 新型iMac最上位機種やPowerMac G4に搭載されているDVD-R(「スーパードライブ」)、あるいはパイオニアのDVD-Rレコーダー、十分期待できると思いますよ。


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