平成25年5月2日更新

3BB1クラス
第4回:平成25年5月2日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

・技術者としていかに行動すべきか
・倫理的問題解決の方法
・エシックステストおよびセブン・ステップ・ガイドに関する詳細解説
・技術者と法律(概論)
・技術者が重視すべき価値(志向倫理)と倫理綱領
・倫理的意思決定の阻害要因と促進要因
・セブン・ステップ・ガイドを用いた演習

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材の視聴やグループ討議を行うこともある
・演習(結果は、各自まとめて提出)

学習課題 予習・復習

・提出:課題2(電子的提出)
・復習:セブン・ステップ・ガイドを使った事例分析の練習(60分)
・予習:課題3(Agora上での「ソーラーブラインド」の倫理的問題構造、事実関係、ステークホルダーなどの把握)(100分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.1. 技術者の責任に関する三つのモデルの中で一番説得力を感じたのは?
A.1. (原則としてコメントは控えます)

1.社会契約モデル

9名(18.8%)

2.社会実験モデル

26名(54.2%)

3.相互依存性モデル

11名(22.9%)

4.その他

2名( 4.2 %)

1.社会契約モデル

・医者や弁護を例として用いていてプロフェッションをを具体的に理解できる。正確である。
・一番[目、あるいは「一番長く」]説明受けたからもあるけど、医者は昔から特別な存在だと思うから。
・欧米の考え方で、分かりやすいから。
・確実なことだから。
・行動規範が確立されているから。
・専門の行為は同じ専門者でなければ理解するのは難しいと思ったから。
・他の人にはできない事を行うことができるから。
・倫理・行動規範があるので安心できる。
・倫理・行動規範の確立と自治権の確保は重要なため。

[以上、倫理・行動規範、欧米──特にアメリカ──式の思考については、今後の講義の中で一緒に考えましょう]

2.社会実験モデル

・アメリカ式であるプロフェッションを使用しているため信頼ができる。 [こちらは「1」の方ですね]
・どんどん新技術を試していくべきである。
・確かに、なにか新しいものをつくりだすのは実験がつきものであり、被験者の安全も保障[正しくは「保証」]しなければいけないと思ったため。 [まったくその通りで、生命系や心理系などではとても重要なことです。ご自分だけの力でそれに気づいたことはすごいと思います]
・危険性があるのに分からず販売するのは危険だと思った。
・技術者が社会に技術や物などを提供するので、出した技術には、しっかりと責任をとれなければならない。
・技術者として新技術を求めていくためには実験の繰り返しだと感じた。
・考え方が一番おもしろいから。
・実験を行っているので、結論を目で見ることができるから。
・実際に生活してきた社会に似ているので。
・実際の社会に導入してから問題が起きれば、実験と同じことだから社会に導入することに責任がある。
・社会へ新たなものを導入することはとても難しいことであり、一種の実験であることはただしい。
・新しいことを生み出すためには、様々なことを試す必要があり、実験だと納得できた。
・新しいものを作り上げる社会実験モデルら倫理を忘れてはならない。
・新しい技術は新しい問題を産み出すものであり、それが分かるのは時間が経ってからであると、自分自身考えてたため、良く分かった「新技術の導入は社会実験[のようなもの]である」はとても的を得ていた。
・新しい成品は、絶対の安全性があるわけでなく、消費者が実験台になっていることを忘れてはいけないから。
・新技術といっても絶対に安全なものはないし、社会全体で実験しているという言葉に関心した。
・新技術のデメリットを全てフォローすることは無理なので、実験的な感覚でするということに説得力を感じた。
・新技術の導入は社会にとっても大きな一歩となることで良いことだ。
・新技術は一種の実験なので開発した技術者は社会への責任をもたねばならない。
・新技術を世に出すことはいいが、その結果がどうなるかわからないのはだめだと思う。
・倫理的に考えていくと、技術の発展はないと思った。安全性が明確でないものが多い社会なので、ある程度で社会に出さざる負えない状況では、倫理はある程度アバウトに考えなければならないと思った。

[以上の考え方については、まさに次回の講義でビデオを視聴して考えることになります]

3.相互依存性モデル

・お互いの協力が必要になることが気にいった。
・この話を聞いてお茶のせっけんの事件を思いだした。小麦アレルギーになる人が多く出てしまったが「3」の視点でみると、この事件から学ぶことも多かったのだから。 [良くご存じでしたね。偉いですよ]
・これを軽視すると社会に被害が出てしまうから。
・確かにそのとおりだと思った。例えば電車がとまるだけで社会が混乱することなどが挙げられる。 [確かに]
・技術者は色々な人と相互に依存している。
・高度社会の一部を任うということはそれなりの大きさの責任を負うことになる。
・社会では、自分のミスで自分だけが困るということは少ない。そのため、連帯責任が重要であると思った。
・東電の原発問題があったから。 [この件については後日、地元民ならではの生々しいお話をします(変な話ではありませんよ)]

4.その他

・「1」と「2」。プロフェッショナルの考え方は正しいし、現実的だと思う。新技術の導入は社会に貢献できるから、望まない実験はしかたないと思う。
・「2」と「3」


Q.2. 中世西欧の大学(医学部)では、解剖の時間に大学の教師(現在の「内科医」“physician”に相当)は解剖学の本を読むだけで自分で解剖することはありませんでした。実際に解剖に当たった人のふだんの職業は何だったのでしょう?
A.2. 正解は「床屋」でした。「床屋外科医」と呼ばれ、場合によってはかなり高度な外科治療も行っていました。現在の「外科医」“surgeon”に相当します。知らなくて当然なので、誤っても全然気にする必要はありません。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。

・おくりびと
・お肉屋さん
・コックさん
・せいびし[整備士] [ただし、機械らしい機械は存在していませんが...]
・とこや[床屋]
・ペットショップ
・べつ[別]の科のお医者さん [内容的には正解ですね]
・りょうし[猟師] [複数]
・医者 [複数]
・医者(外科医)
・一般の人
・科学者
・解剖学者
・棺桶屋
・関係の人
・技術者 [お話ししたように、正解です]
・教会
・教会の人
・警察
・研究者
・見学者
・殺人犯
・仕立て屋
・司法解剖する人
・手術道具を作る人
・狩人
・囚人
・獣医 [複数]
・床屋
・床屋(床屋外科医)
・神学者(神父さん)
・図書館の人
・生物学者
・先生
・葬ぎ屋
・葬儀屋 [複数]
・葬式屋
・大工
・畜産業の人
・調理師
・奴隷
・動物のお医者
・動物園の人
・肉屋 [複数]
・肉屋さん
・農家(牛、ブタ、トリ)
・農家で家畜を飼っている人
・普通の社員
・弁護士
・牧師 [複数]
・料理人 [複数]
・猟師


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・3つのモデルの考え方は技術者にとって大切だと思う。 [その通りで、どれが正しい、というより視点をどこに置くかが大きいと思います]
・おつかれさまでした。
・お疲れ様でした。
・お疲れ様です。 [以上、皆さんこそ(今回は)聞くだけの講義だったのによく頑張りました。次回はアクティブラーニングですよ。連休を有意義にお使いください]
・お腹が空いた! [20年後くらいに、「その感覚」は若い証拠だ、ということを思い知らされます。センセイからすると羨ましいです]
・カメラ購入を考えています。一眼やミラーレスはレンズの交換が面倒なので、コンデジでおすすめがあったら教えてください。 [センセイは主に、リコーのGR Digital II(大学のもの)を借りて仕事に使っています。「画の力」が凄いです]
・こしがいたいです。 [特に思い当たる理由がないのなら、それってたぶん、疲れが溜まっているんだと思います。身体が警告しているのですから、連休を利用して心身ともにゆっくり休みましょう]
・さむい。 [そうなんですよー。今年の春はとても寒いですよね。寒暖の差が激しいので、体調管理には気をつけましょう]
・すごく眠かった。 [4月からの疲れが溜まっているんじゃないかなぁ。連休を利用してリフレッシュしてください]
・ステークホルダーと価値についての考えをもっとしっかり考えなければならないと感じた。 [今日はそれだけわかればもう十分です。来週以降の講義の中で、徐々に実感していただけると思います]
・[次回は]セブン・ステップ・ガイド。 [はい。ちゃんと予習しておいてね]
・ただ一言で責任といっても色んなモデルがあることが分かった。 [そうなんです。漠然と考えていてもなかなか先へ進めないので、できるだけ具体化して考えてみると少しはわかりやすくなりますよね]
・とこや[床屋]の歴史にびっくりした。 [床屋というより外科医の歴史、あるいはその背後に存在する科学と技術の関係ですよね]
・学校来ると確実に風邪をひく。 [う〜ん、なぜでしょう。寒暖の差か、ウィルスか、埃やたばこの煙など環境の問題か...]
・技術者はいろいろな形で責任がついてくることがわかった。 
・技術者は難しい立場にあると思った。 [以上、まったくその通りなんです。ただし、だからこそ「皆さんにできること」や「皆さんがしなければならないこと」があるんですね。実は1年生の時の「技術者入門」の内容を、違う角度から取り上げている、という面もあります]
・技術者倫理はむずかしい。
・技術者倫理は難しい。 「以上、まだ始まったばかりですからあまり焦らずに。他の科目とずいぶん違う、ということはよくわかります」
・牛乳おいしいれす。 [いいですね。カルシウム不足とはご縁がなさそう。実はセンセイ、牛乳はあまり得意ではなく、そのせいもあってか、歯が弱い(薄い)のです。いっぱい牛乳を飲みましょう]
・興味深い内容でした。 [ありがとうございます。今回は講義ばかりでしたが、次回は活動してもらいますよぉー。予習は十分に、ね]
・元気クルクルピルクル。 [次回も、ぜひ]
・次はちゃんと授業しっかりききます。 [こちらも、違う意味で、ぜひ]
・床屋さんがかいぼう[解剖]していることにびっくりした。
・床屋さんの話ははじめて[初めて]聞いてとてもおもしろかった。 [以上、科学と技術って、もともとの由来が違うんですね。知的なことに興味を持ってもらえて嬉しいですし、これからもそうだったら、きっと新しい展開がありますよ]
・床屋の3色の意味がわかった。 [すみません。説明を失念していましたが、あれは俗説(皆さんの言い方なら「都市伝説」で、真実ではありません。床屋のシンボルは12世紀ころから存在するのですが、動脈や静脈、つまり血液循環が発見されるのは17世紀です。つまり、後からのこじつけなのです。(忘れていなかったら)次回補足します]
・昔のヨーロッパと今の大学生はあまり変わらなくておもしろかった。 [そうなんです。センセイを含めて先生という生き物は偉そうなことを言いますが、本当はどうなんでしょうね]
・専門用語が多く分かりにくいところもあったが、倫理について理解が深められた。 [その通りで、多少難しい言葉が出てきましたが、それよりも大きな流れに着目しましょう]
・土星で地球2個分の台風が起きてたそうです。宇宙すげー!! [その記事、センセイも読みました。凄いですよね]
・内容が難しくて、頭の中でうまく整理できませんでした。 [前述しましたが、始まったばかりですし、初めて接する難しい言葉も多いと思います。今現在はそれよりも、「センセイが全体として何を伝えたいのか」に注目してください。あまり焦らずに]
・明日から4連休ですよ!! [やっと、という感じですね。今年は。センセイも3日半は新潟の自宅にいます。もっともずっと仕事しているのですが...(涙)]
・明日からGWですが、部活です。 [それはそれで、今でなければ経験できないことですよ。来年は就職活動で大変ですから、ぜひ、有意義に使ってください]
・倫理ついて色んな考え方があった面白い。色んな面から物事をみつめることができるようになりたい。 [まったくその通り。貴方/貴女はこの科目のツボを押さえたようですね。何回かお伝えしていますが、視点を変えると、世界はずいぶん違うんです。そして次に新しい展開が控えています。頑張りましょう]
・倫理は難しい。 [まだ始まったばかりです。あまり焦らずに]
・倫理をどこまで重要視すればいいかのバランスが難しいと感じた。 [その通り。だからこそこの科目があるのです。次回以降、金沢工大が制作したビデオ教材などを使って、具体的に考えます。貴方/貴女もあまり焦らずに]
・倫理学理論がおもしろかった。 [ありがとうございます。貴方/貴女は抽象的な思考にも抵抗がないようですね。もちろんそれは才能のおかげです。言われてみると......でしょ?]
・倫理的な問題は難しいと改めて感じた。 [こちらも、まだ始まったばかりですから、あまり焦らずに。また細かい専門用語よりも、全体として何を言いたいのか──先週の小学校教師の話のイメージ──に注目してください]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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