平成26年11月11日更新

3FS1クラス
第6回:平成26年11月11日 学習内容授業の運営方法学習課題(予習、復習)課題の解答今日の一言

学習内容

・グループ討議(続き)
・討議結果の発表
討議結果を踏まえて(コメントを兼ねて)以下の項目の検討
・組織の中の技術者
・国際的な企業において技術者が経験する倫理的問題
・リスクに関連する諸問題
・企業倫理プログラム(概説)
・技術者が知っておくべき法律(PL法、公益通報者保護法など)

授業の運営方法

・PCを用いた講義
・与えられた事例に関するグループ討議
・討議結果の発表など

学習課題 予習・復習

・予習:教科書第5章および第6章の精読(120分)
・復習:課題3(Agora上での ソーラーブラインド」に関するより深い検討)(140分)


課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)

Q.グループ討議や全体での発表、討議、当方からのコメントの結果、前回の個人的な感想は変化しましたか? あるいは見落としていた点に気づきましたか?
A.(原則としてコメントは控えます)

1.(ある程度)変化した

52名(78.8%)

2.(あまり)変化しない

12名(18.2%)

3.無回答、他

2名( 3.0 %)

1.(ある程度)変化した。あるいは見落としている点があった

・グループ討議をしてみて[、]自分が見落としていたことがあった。
・コミュニケーションが会社をえんかつ[円滑]に進めるのに大切なことだとわかった。
・コミュニケーションと記録[を残すこと]が大事である。
・コミュニケーションをとる[取る]ことはとても大事だと感じた。
・コミュニケーションを円滑にとらざる[取らざる]をえない[得ない]状況にするという方法があったことは思いつかなかった。
・コミュニケーション環境は大切だと思った。 [以上、コミュニケーションの件は次回補足します]
・ほんの少し外から、冷静に考えるだけでもっと多くの選択肢が生まれることに驚いた。 [その通りですね]
・やっぱり正直であることが大事であると思った。 [まったくその通りですが、表現としては「誠実」の方がより適切だと思います]
・やはり全体を通してみた[見た]時に[、]客観的に気付く点を重視して捉えることができた。
・やるべきことが具体化できた。 [具体性はとても重要です。次回補足します]
・リコールによる製品回収という考え方を出した人に驚きだった。 [リコールは当然「アリ」なのですが、お話ししたように大規模になりすぎるととんでもないことになります]
・安全第一で発売を延期した方が良いと思ったが。国外でしか問題が起こってないので国内での発売は問題ないと思う。 [説明が不足しましたが、国内でも事故は発生し、被害が出ています。ただし国内ではまだ死亡事故は出ていないというだけです]
・意見や印象が変わった。
・違う考え方を知って良かった。
・課長が止めていただけで会社全体が悪いわけではないという点は盲点だった。
・課長が問題について話していないということが分かった。
・課長が話していない考え方が浮かばなかった。
・課長が話していない点を見落としていた。 [以上、課長はキーマンです。ただし別な面も持っているのですが、これについては次回]
・会社内のコミュニケーションが必要だとわかった。 [前述したように、こちらについては次回補足します]
・[他の人/グループが]外部環境、内部環境のこともきちんと考慮し、落とし穴にも気づくことができていたのに対し、感心した。 [そうかもしれませんが、ある特定の個人やグループだけがすべてを見抜いたわけではありません。一種の集合知で、比較検討することによって初めてわかることがたくさんあります]
・企業間などでコミュニケーションは重要であることが分かった。また、チーム間の中で考え方に大きな違いがあった。
・顧客からすると、1台でも不具合がでる[出る]とリコールはないと考えられる。 [自分の買ったものに不具合が出るとたまってものではない、という意味でしょうか]
・公[の場]でのディスカッションは思いつかなかった。 [当該の指摘はとても優れています。初めての指摘でした。進め方はいろいろあるでしょうが、議論をオープンにするといろんな情報や智慧を得ることができるんですね]
・私も[実社会で]働いていたが、倫理[担当]部[署]が機能していないことも多い。また、上司の上に相談することは、「上司=無能」と言っているのと同じことである。時と場合によって、使わないという判断も必要。 [基本的にはまったくその通りです。ただしもしこれらの方法が存在しないとしたらどうでしょう。ゾッとしますよね。この貴重な意見については次回補足します]
・事実[関係]を記録するという発想はなかった。問題を会社でにぎりつぶされない[握り潰され]ようにするためにも、記録することは良い手段であると思う。 [報道によると、ご紹介したタカタの事例では情報を握り潰していたようです。アメリカは訴訟社会なので、事実がどうであったのかということと、会社の処遇について今後の展開が気になります。]
・似たような考えでも様々な意見があった。
・自分で違う意見があった。
・自分とは違う意見があった。
・自分とは違う考え方があった。 [複数]
・自分とは全く違う意見もあり参考になった。
・自分にはない考えが多くあり、勉強になった。
・自分は人を悪から見て判断していたが正しい前提で判断するのもありだと思った。 [そうですね]
・十分にコミュニケーションが取れていないということに気づいた。 [前述したように、コミュニケーションについては次回補足します]
・製品を流通させて、リコールなどの回収手段などの違う手段があった。 [リコールの可能性はありますが、経費を考えると利益が吹っ飛んでしまい、場合によってはご紹介したように会社の存続にかかわる可能性があります]
・製品化[=製品の発売]を先延ばしすることは普段の日常でもちょこちょこ起こっていることに気づいた。 [実はそうなんですよね]
・石川課長の意見と真田さん自身の両方の意見を尊重するべきだという考えを持った。落とし穴には気づいていない。 [前者のためにはどうするか、という点がポイントですよね]
・全体の連動がとれてなかった。 [表現はともかく、重要な点を指摘していると思います]
・他の意見も参考になった。
・注意書きは思いつかなかった。良い意見だと思う。 [その通りなのですが、例えば「時々発火しますから注意してください」と書くわけにもいかないのでは? この点は次回補足します]
・納期を守る守らないよりも、現状のコミュニケーションが取れていない社内を変える必要がある。 [まったくその通り。この会社のあり方および三社連合のあり方が真の問題なんですね]
・発言の証拠を残す発想はなかった。 [指摘した方はおそらく、チャレンジャー号事故をきちんと理解したんでしょうね]
・発売したい方向で考えていたが[、]発売してみてその後の対策という案を知ることができた。 [それはそれでアリ、ですが、万一事故が起きたらどう対処するかがポイントになります]
・発売をしてもよいと思ったが、今後起こりうるトラブルのリスクの方が高いため上司と再度相談する。 [その通りなのですが、その上司が......というのがこのビデオ教材のツボの一つなんですね]
・様々なアイデアがあると思った。
・[変わった。その]理由は、社長の意見や他社の意見を考えてなかったから。 [その通りで、会社上層部や他社の立場から考えると、ずいぶん違って見えるはずですよね]

2.(あまり)変化しない。あるいは見落としている点はあまりなかった

・ジレンマ問題について考えるとき、やはり難しいと思った。 [その通りですが、視点を変えることができると、ずいぶん楽です。線引き問題の場合はそのようにいきません]
・やはり安全第一[、]もしもの場合に備えるべきでしょう。 [その通りですが、ではどこで線を引きますか?]
・安全と経営の両立はきびしい[厳しい]と感じた。 [その通りですが、だからこそ仕事はやり甲斐があるのです]
・意見や印象は変わらない。 [おそらく要点をほとんど見抜いちゃったんでしょうね]
・経営者としての立場を誰も加味していなかった。 [なるほど。でもそれに気づいたってことは進歩しているってことですよ]
・納期をのばす事は不可能なため、市場に出た後の対策を充実させる必要がある。 [それはそれでアリ、なのですが、場合によっては対処不能の/困難な事態に陥るかもしれませんよ]


今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載

・「リャンメン」と言われてますが、麻雀するんですか? [いえ、実はルールも知りません。ただしトンナンシャーペー(「東西南北」)などは知っています。昔の学生の常識でした]
・コスト面で考えるのが難しかった。 [それはそうだろうと思います。皆さんまだ学生ですから。決して「皆さんが間違っている」と言ってるわけではありません。これから勉強すればいいんです]
・このような会社には就職したくない。 [そもそもこの会社、長続きしないと思います。この件については次回補足します]
・もっと視野を広げて問題を見る必要があると思った。 [まったくその通り。ツボをご理解いただけたようですね]
・リコールの損害より、会社が倒産する可能性があるなら安全を重視すべきだ。 [いろいろな意味で、基本的にはその通りですよね]
・課長がしっかりと上司に伝えたなら、また話も変化したのかと考えた。 [その通り。でも問題点の存在に気づかない(=情報が上がってこないことを不思議に思わない)上層部もどうなんでしょう。この点については次回補足します]
・企業ではコミュニケーションが大事。 [企業でなくても、学校でも、友人関係でも、家族でも重要なんですね]
・技術者の立場ではなく、マネジメントする側の立場で考える講義も必要だと感じる。 [まったくその通り。前者を否定するわけではありませんが。皆さんのクラスはそれを考えるのにとても向いていると実感します]
・経営と技術者の考え方の違いは大きすぎると感じた。 [そうですね。相手の立場に立って考えることが必要なんですね]
・元請にいかに告発するかを考えていて[内部]内部告発は思い浮かばなかった。 [そうですね。「これしかない」と考えるようになると、どうしても視野狭窄
(きょうさく)になって周囲が見えにくくなるんですね。人間って]
・国際交流ありがとうございました。 [台湾の國立成功大学からの代表団の件ですね。どういたしまして。皆さんこそご苦労様でした]
・社内外共にコミュニケーションは大切だと感じた。 [まったくその通りですね]


西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。


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