平成28年1月7日更新
3BB1クラス
第13回:平成28年1月7日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
高度技術社会における技術者の新しい役割
・科学技術とリスク
・リスク評価の難しさ
・リスクと公共性
・社会的合意形成
・トランス・サイエンス
・科学技術社会論
・科学技術コミュニケーション
・科学技術の研究開発と倫理
・Grand Challengesに関する解説
・PCを用いた講義
・関連する視聴覚教材を視聴することもある
・提出:課題6(電子的提出)
・復習:教科書第15章の精読(60分)
・予習:課題7(事例分析)(120分)
・予習:課題8(Grand Challenge for Engineering)(60分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.原子力発電に関して、(1)技術者としての立場と、(2)地域に原子力発電所が建設されることになった地域住民の立場で賛否は異なりますか?
A.(立場によって評価がずいぶん違うことを考えてもらうための問題です。原発建設に関する賛否そのものを問うているわけではないことにご注意ください。講義の中でご説明しましたので、原則としてコメントは控えます。なお、2011年3月の東日本大震災と福島原子力発電所の事故以降、「どちらの立場でも反対なので、『変わらない』」と回答する方が増えています)
1.変わった 21名(42.0%)
2.変わらない 29名(58.0%)
1.変わった
・いざ自分のことになると意見が変わってしまった。
・異なる立場からの見え方を考慮して、リスク評価することが重要である。
・技術者としての意見と個人としての意見はかみ合わないことも多いと思った。
・技術者としては、日本の電力をまかなうためには、最も効率がいいと思うため賛成したが、地域住民としては、付近に大きな施設が建てられるため反対すると思うから。
・技術者としては地域住民を考えて、技術の向上から賛成したが、地域住民の面から考えるとやはり万が一何かあった際に危険であるため反対した。
・技術者として電力は必要だと思うけど、当事者としてはリスクが大きすぎると考えた。
・技術者の立場なら電力不足解決のためにも賛成するが、地域住民なら安心して生活できないため。
・原子力発電所の危険性がよくわからないので、立場がすぐ変わった。
・今後の電力のことを考えると、原発に賛成だが、事故が起こったときの被害を考えると、反対である。
・自分が技術者としては、作るのに賛成だが、いざ自分の家の近くにできるのは、いやだと感じる。
・実際に自分が地域住民になって、安全かどうかのリスクを負うことを考えたら、利益があっても原発はいらないと思った。
・地域住民としてではあまりほしくはないのかなと思ったから。
・地域住民として見た場合、健設[正しくは「建設」]による全体のメリットより、自分個人に起きるデメリットを重視してしまった。
・電力の確保には原発が必要だが、建設場所も反対する住民が多いと思った。
・日本の電力には原子力は必要だと考えたが、自分の地域に作られるのは危険を感じ抵抗がある。
・立場が変わって、意見も変わった。
・立場が変わるとどうしても気持ちもわかってくる。原発は冷却装置などがちゃんとしていれば安全であるし、電力も必要だし、それは十分理解しているけど、なかなか、安心しきれない。2.変わらない(「原子力発電をどんどん推進すべきだ」とか「原発絶対反対」)などがこの立場になります
・これからの電力を他の発電で補えれるとは思えないので意見は変わらなかった。
・セブンステップに沿って考慮すべき事項を考えたところ、当初考えていた内容では抜けていたところがあり、十分でなかったため。
・たとえどちらの立場でも、日本の電力を補っていかなくてはいけないので、しかたない。
・もともと、危険なものには変わりないと思っていたため。
・もともと原発には反対していたために変化しなかった。
・技術者としての意見も地域住民としての意見も原発に反対なので、変化しなかった。
・金沢市は[地震など自然災害による]被害が少ないため、安全に考慮すれば原発を作って[この場合は「造って」]もよいと思う。
・原子力は危険ではあるが、地域に多くの利益をもたらすため。
・原子力発電で35%もまかなっていたため今からその分を埋める火力発電や水力発電はできないと考えるから。また、原子力発電所を作る事で地域が活性化するのであれば良いと思う。
・原子力発電は危険としか思っていなかったので最初から反対であった。
・原子力発電は断固として反対である。
・原発に頼るのではなく、新しい発電方法を考えることの方が必要であると考えるためどちらの立場でも原発には反対である。
・原発の効率の良さを考えると、技術者、地域住民としても良いことがあると思う。
・原発は維持するべき。
・原発は危ないから。
・原発をつくる[造る]のは反対である。周りの意見をみて、立場が変わるだけで意見が大きく変化していて驚いた。
・[発電する際の]効率面でしか考えられなかった。
・私は、技術者としてなら、原子力発電ではなくそれに変わる[正しくは「代わる」]バイオエネルギー発電を推しょう[推奨]できるようになりたいと思うから。
・住民として拒否したいものを技術者として提供したくない。 [この方は実質的に「1」ですね]
・将来的には、原発が必要だと思っているので、立場が変わっても意見は変わらない。
・将来的に原子力は必要だと考えているから。
・人は、利益を求めると、無限に更なる利便性を求めてくるので、電気は必要なものである。
・電力は減っていくが、代替エネルギーとして新たなものが出てきている。安全なエネルギーを使用していきたい。
・電力問題を考えると、原発は必要かもしれないけど、せまい日本で事故が起きると取り返しのつかない事になると思う。
・日本の電力の約35%を担う原子力発電所に変わる発電所がないため、賛成した。[自分が住む]地域に健てられる[正しくは「建てられる」/「建設される」など]としても覚悟をしているため意見は変わらない。
・能率よくとしか考えられなかった。
・福島原発事故で学んだことを生かすべき。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
[研究不正(FFP)について]
・FFPに注意していきたい。 [まったくその通り]
・カンニングしません。 [ぜひぜひ]
・[おそらく研究不正に関する東大の事件などを指して]こんな問題もおきて[起きて]いるのだなと思った。 [そうなんです。非常に深刻な問題なんです]
・研究の不正など信頼をなくすようなことをしないようにしたい。 [まったくその通りですよね]
・日本の生物系の論文が、世界から見ると信用をなくしていることをはじめて知った。 [BBクラスなのでやや不用意にそうご説明しましたが、主に、薬学関係です]
・不正は絶対してはいけないと思った。 [でしょ?]
・不正をしないことは基本的な事であるが、不正をしてしまう人の気持ちも分かってしまう。 [そうなんです。センセイを含めて、自分自身の中に弱い部分があるのです。その存在を素直に認めて、「じゃぁ、どうすれば良いのか」と考えることがスタートラインなんだと思います]
・不正行為にメリットはないと思いました。 [もちろん]
・不正行為はしない。 [ぜひぜひ。損得を考えても、失うことばかりです]
・不正行為は今後の自分の人生に影響はを与えるので気をつけたい。 [そうなんです。消しようのない汚点を残すんですね]
・論文を書くときは気をつけたい。 [こちらも、まったく][その他の講義および今日の一言]
・アイドルの例えがわかりやすかったです。 [AKBなどのスカウトの話だと思いますが、ホントにそうなんだそうです。センセイも推薦入学試験を担当することがありますが、同じような思いをします]
・あけまして[通常は「明けまして」。以下、同]おめでとうございます。
・あけましておめでとうございます。不正行為には十分に気を付けます。 [以上、こちらこそ、おめでとうございます。残り少なくなりましたが、せっかくの講義なので、お互いに意味のある内容にしましょう]
・すごい寝くて[正しくは「眠くて」]授業どころではなかった。 [実際には少数の方でしたが、今回も眠そうな方がいらっしゃいました。休みぐせが取れていないのでしょうか]
・リスク評価の問題は難しいと思った。 [そうなんです。難しいし、どう判断、行動するかも難しい。しかしどこかで決断しないわけにもいかない]
・安全を第一に考えることが重要であると考えている。 [もちろん。そしてその上で、他の価値とどうバランスを取っていくか、ということですよね]
・雨ばかりなので晴れてほしいです。 [そうですね。しかし今年は雪が降らないので、雪国育ちのセンセイとしては、ちょっと残念です]
・課題7の存在を忘れていましたすみません。北朝せん[朝鮮]の水爆実験怖いです。 [威力から判断すると、水爆ではないようですよ]
・技術者としての立場と、住民としての立場で考え方、意見が違うんだと知った。
・技術者と公衆の面で考え方が大きく変化することを実感した。 [以上、ご説明したように立場が違うと、見えるものがまったく異なることがあります。これからもぜひ意識してください]
・今回のアゴラで発覚したんですけど、今までのアゴラの記入の仕方が全部間違っていました。つらい[辛い]です。 [解答方法を間違っていて、もともとのデータが残っているのなら、印刷して提出してください。ある程度配慮します]
・今日は少し寒いです。 [そうですね。ただしこれでも平年よりは格段に暖かいです]
・今年もよろしくお願いします。 [こちらこそ。気合入ってますよぉ]
・視点が変われば考え方がぜんぜん違うと思った。 [でしょ。その切換が自在にできるようになると、ホント、いろんなものが見えてきますよ]
・七草がゆたべたいと思います。 [いいですねぇ。とても良い習慣だと思います(センセイには無理ですが)]
・就活、不安です! [落とすための就職活動ではありません。採用する側もされる側も相応しい会社に入るための活動です。まだ十分にお伝えできていないと思いますが、頭を切り換えましょう]
・色々な事に言えるが、国民一人一人の認知が大切だと感じた。 [その通りですね。それが最終的にその国家の底力になるんでしょうね]
・人の命が関って[正しくは「関わって」]くると、単にリスクだけで考えてはいけないことが分かった。 [その通り。やはり基本的に、人の命はお金に替えられないんですね]
・年明け早々課題が多くて眠いです。 [う〜ん、こちらはまだ休みボケが取れないようす。まぁ、センセイも偉そうなことを言えませんが]
・納特[正しくは「納得」]できる話が多く、良い授業であった。 [ありがとうございます〜。でも、視点を替えると、ホント、いろんな新しい発見がありますよ]
・福島原発は、地震で起きた津波で原子炉がやられてしまったと覚えがある。よって、津波対策をすればこの事故は起きなかったと思う。 [事前にかなり正確なデータを提供されていたにもかかわらず、コストと津波の発生頻度から対策を取らなかったのですね]
・面白かったです。 [ありがとうございます]
・[センセイが、北朝鮮に拉致された]蓮池[薫]さんと知り合いなことに驚いた。 [高校時代の同級生です。同年齢だとバレてしまいますが。ただし、彼は僕のことを覚えていないそうです。ただし1学年7クラス、つまり同学年は315人もいましたから不思議ではないのですが]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。