平成16年10月8日更新
第14回:平成16年10月8日 学習内容/授業の運営方法/学習課題(予習、復習)/課題の解答/今日の一言
科学技術と安全・安心2
内容例
・リスクを伴う科学技術が引き起こした事例の解説
・OHPなどを用いた講義
・ビデオを使った解説
・復習:科学技術とリスクの関係について考察する(120分)
課題の解答(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです)
Q.スペースシャトル・チャレンジャー号事件のビデオをほぼ解説なしで見た直後の感想は?
A.(今回は、できるだけコメントを控えて、皆さんの感想をそのままお伝えします))
100%安全だと言うことがないのに過信することによって事故が起きてしまうことが分かった。
24回打ち上げ成功しているなら大丈夫だと思ったNASAの気持ちもわかる。下受けは大変
NASAがもっと調べれば、ふせげた事故だったと思う。
NASAの決定権は非常に強いが、下請けも、反対を続けるべきだった。みんなの意志を反映させることは大切だ。
O-リングの事故については、以前テレビで見た事があった。エンジニアが経営者に変わってしまう瞬間どうおもったのだろう。失敗するとわかっていて、実行したのだから、NASAにも予測していたエンジニアにも同じくらい罪がある。エンジニアはどんな事をしてでも止めるべきであった。
Oリングは大切だと分かった。 [その次の回からは使わないように改修されていたのです。チャレンジャー号はOリングを使った最後の機なのですね]
サイオコール社が、打ち上げに同意したのは、しかたがないと思った。下うけ会社なので仕事がもらえなくなったら、会社がやっていけなくなる可能性があると思うので、幹部の人達は、NASAの気げんをそこねたくなかったというのは、しかたなかったと思った。
しょせん、技術者もお金をもらう側であり、意見をしても経営者には勝てないのだと再確認させられた。延期して成功しても、技術者に非難がきていたのだろうと思う。
スペースシャトルの事故はおそろしい
スペースシャトルはすごいと思った
絶対的に安全じゃないとわかっていたのに、打ち上げなければならないという社会自体をなおすべきだと思う。
ちょうど私が生まれた日あたりにこんな事故が起きていたなんて知りませんでした。そして、とても怖く思いました。技術者では無く経営者の立場で事故が起こってしまう組織は今になってもなくならないのが悲しいです。
なぜ欠点がある材料をまたつかってスペースシャトルを作ったのかが疑問。改良はなぜおこなわなかったのか。
ロケットすごかった
安全・命を重視せずに、会社の経営のため、安全ではないのに打ち上げられたことにショックだった。命はお金にかえられないものだと思う。技術者は絶対だと思う。
下請けであって、会社の中でもそんなに大きなことを言えない技術者の立場がおかしいと思う。
何度も見たくない事件。(こないだ見せてもらった)
会社のためとはいえ、危険だと思っていたのならば反対すべきだった
企業は何を優先し、何を切りすてるかの判断をしなければならない。危険はあるけれど自分たちの利益になるものを有先した結果がチャレンジャーの事故につながったのだと思う。優先すべきものの判断をしんちょうに考えるべきだった。
技術者・エンジニアの力は組織の力にまけているとかんじた。
技術者という立場ではなく、経営者からの立場として判断したため、シャトルの発射を決行したのだと思う。(当時のNASAは経営不安) [「経営不安」の意味は何?]
技術者のあらゆる方面の責任はそれぞれの意味において重く思えた。
技術者の意見が反映される様なチームなら事故はおこらなかったと思う。
技術者の意見は尊重すべきものであるが、権力よりも弱いことがわかった
技術者の言ってることが正しかった。NASAが技術者のいうこと聞いてたらこんなことにはならなかった。素人だから事故はおこらないと思ったんだろうと思った。
技術者の考えられる可能性と現実に起こる可能性は決して一致しないが、危険があるのなら止めるべきだったと思う。それがNASAは技術者とではなく経営者として起こしたためこんな結果になったと思う。
技術者の注意は、それに一番深く関わっている人達なので、技術者の声には耳をかたむけるべきだと思う。
技術者の発言権があまりに低すぎる。人の命がかかっているのだから、現場の意見をもっと取り入れるべきだ。
技術者の立場が向上したとはいえ、組織の中では、道具としてしか扱われていない気がする。
技術者側からしたら決行すべきではなかっただろうが、経営者側からしたら、決行しなければならなかっただろう。このような難しい判断は、日常にもよくあると思う。立場的な問題である。
経営者としての立場をとるべきか、技術者としての立場をとるべきか、むずかしい問題である。
経営者を維持するか、人の命を救うのかという二択に迫られて、どちらも選んでも、最悪な結果となるが、私なら、人の命を救う方を選んでいると思う。なぜなら、維持ができなくても、元に戻すことが出来るかが、人の命は、再び戻すことができないからだ。
経営者側と技術者側との利害関係で技術者がNoと言っても経営者がYesと言ってしまうと技術者の言い分は消されて経営者の言い分が通ってしまう。だから、やってられない気分になってしまう。
結果的に乗組員達は単なるスケープゴートに使われた様に思える。
現場に立っていない経営者側の考えの甘さや、目先の利益にたっている技術者の主張を強調すべきだと思う。現場に立っていない人間が、判断を下すのは、間違っている。
今までは7人乗りのスペースシャトルが爆発したということしか知らなかったけど、こうやって見ると技術者の立場というものは重要にもかかわらず、無視されることが多いんじゃないかと思う
作った技術者が危ないと言っているのだから、周りは口出しせずに受け入れるべきだと感じた。
事故が起こったことは当然悲劇だが、それを教訓にそれから安全に対しての企業←政府?の考え方が変わったのなら、意味があるのではないかと思う。
自分さえよければいいという考えがこの結果を生んだのだと思う。
自分たちの利益のためにNASAは打ち上げを強行したのだけど、アメリカの予算システム?でよくこんなことが起こっていそう。映画ですが、よく予算が〜とか言ってるから…
社会的立場のせいで安全性を確保できないというのは悲しいことだと思った。
少しでも危険を感じたなら打ち上げをやめないといけないと思った。
少しの意見もきくことが大事。
上のひとらはなにもわかっていないんです。
心に疑念があるのに賛成した副社長の心変わり(こうかいしているのか?)
人間だって機械じゃないんだから、そりゃミスもするよなぁ。現場の意見は大切にしたほうがいいかな。
世の中は不条理だよな。
政府が入ってくるとぐちゃぐちゃ。
打ち上げに賛成した関係者は、打ち上げる前に打ち上げるときの危険や、事故の起きた後のことをどのように考えていたのか。
当時は、冷戦時代でソ連との対立も関係しているらしい。
問題が明らかになっている状態で技術者からの指摘を無視するのは判断ミスとしか言えないがNASAも経営面での問題をかかえており、せっぱつまっていたのだろうと思う。
今日の一言(表現はできるだけ原文のママです。[ ]内は西村の補足ないしはコメントです) ※本日全数掲載
「事件は会議室でおこってるんじゃない。現場でおこってるんだ!」だね。 [刑事もののテレビないしは映画?]
『乖離』ってどう読むのですか? [「かいり」と読みます。まったく離れてしまうことです]
……肉、くいてぇ……。 [若いなぁー]
NASAの自分勝手さにあきれた。 [NASAも追い詰められていたんですね]
NASAは技術者の下からの突き上げと政府の上からの突き下ろしの板ばさみ? [上記ご参照]
あつかった [そうですね。この季節はエアコンが入らないので、衣類で調節してください]
サンフランシスコにあるスペースシャトル「チャレンジャー号」の碑を実際に見てきました。 [そうなんですか。貴重な体験でしたね(センセイはまだ行ったことがない)。それにしても、何故、サンフランシスコ?]
シティコープセンターの場合、ルメジャーだけではなく、そのまわりにいた人の行動力が、すばらしいと思う。 [そうですね。助け合いが良い方向に向かったんですね]
つかれた [そういう人が見受けられましたね。宿題で疲れているのかな?]
テレビ見て素人は口出ししない方がいいと思った。 [この場合の「素人」とは「技術者ではない人」の意味でしょうね]
なるようになる。なってしまう。怖いねぇ。 [流されるまま、ってこと?]
寝てました・・・ [以下、お友達が何人かいらっしゃいました。宿題等で疲れているのでしょうか]
ねむい。
ねむかった。
もっと様々なビデオが見たい。 [できるだけお見せしたいとは思っているのですが......(歴史ものならたくさんあります)]
やっぱり飛ぶものはコワイ! [ロケットは特別かもしれませんね]
安全性の重要度をあらためて認識した。 [そうですね。「完全」はありませんが、できるだけ大切にしましょう]
安全第一 [こちらも]
下請け会社の副社長がなぜスペースシャトルの打ち上げにさんせいしたのかギモンだった。 [板ばさみで、しかも追い詰められていたんですね。正直なところ、センセイなら賛成してしまうかなぁーと思います]
何か選択をせまられた時、何を一番に考えるべきか、背景など取りまくものをふまえると難しいと思う。 [そうですね。その広がりを考えることが大切ですね]
会社に雇われている立場である技術者はエンドユーザーを軽視しそうだと思う。ロジャーさんの言葉は心にひびきました。 [組織(会社)に入ると、ご指摘の通りになってしまうようです]
確かスペースシャトル計画って現在は中止ですよね? [コロンビア号が大気圏に再突入する時爆発してしまったので、安全が確保されるまで中断しています]
技術者としてだけではどうしようもない問題があることを改めて考えました。 [社会(国際・国家・企業・社会など)と科学技術の関係を考えて判断することが大切なんですね。この科目の必要性をお分かりいただきつつあるのでは、と思います。]
技術者にしかできないことはあるけど、技術者は一人ではできない。 [まったくその通りですね。たいしたものです]
技術者は安全性と信頼性 [ぜひ、覚えてください]
技術者も大変そうだなぁ〜 [ちゃんと何かをやるってことは大変なのです]
技術者より高い目標をもつこと。 [技術者より「高い」って? 「単なる技術しか知らない人より上」ってこと?]
工大祭があっていそがしい。
工大祭があとわずかだ 楽しみなような そうじゃないような
工大祭がんばるぞー!
工大祭がんばろう
工大祭たのしみだなぁ〜。
工大祭楽しみです。 [以上、多くの方にとっては初めての工大祭。ぜひ楽しんでください]
工大祭前にかぜをひいて、つらいです。 [早く良くなってね]
国江蛇事務官 [?]
今日も一日がんばろう [元気だなぁー。がんばってね]
最近リスクマネジメントというような言葉を新聞などでよく見ますが講義の内容と関係があるのかな… [前回と今回はとても関係していますね]
四連休バイトだ [工大祭はどうするの?]
私も色んなことに気づく技術者になりたい。 [大切なことですね。この講義の意味をご理解いただけたようでうれしいです]
次回が楽しみです [だそうです。栃内先生!!]
自分だけが、始めることのできる力を握っている。 [生きていると、そういう瞬間ってありますよ。やりたいことと、やるべきこと、そしてやらなければならないことが一致する瞬間ですね]
重い話が多かった。 [正直なところそう思います。次回の冒頭にもお話しするつもりですが、戦争や今回のような事故は極端な例で、普通の人はもっと普通の場面で科学技術と社会の関係を考えることになります]
人間の心理だと思った。 [たとえば会議の場が?]
正しい判断をできるようにしたい。 [まったくその通りなのですが......これが実に難しい。センセイなんかしばしば間違えてしまいます]
他人の意見を受け入れることはなかなか難しい [まったくその通りなのです。こちらもお読みいただければと思います。]
台風、それてくれ。無理か…。 [上陸したら9個め。実感としては「毎週末」という感じですね]
台風接近 [明日と明後日は荒れそうですね]
問題をしてきした学生はすごいと思った [問題点をズバリ指摘したわけではないのですが、でもすごいですね]
来週の金曜日、楽しみです。 [だそうです。栃内先生、がんばってください]
立場の弱い人の意見は、聞いてもらえないのでしょうか。 [客観的にはこういう場面はしばしば存在します。でもそれだからといって、簡単に諦めたくはないですね]
西村が担当する授業の様子は、<http://www.page.sannet.ne.jp/h_nishi/>で公開しています。できるだけ、授業当日に更新するように心がけています。