──候補実車拝見(5)── スバル・レガシィ B4(富士重工)
※写真はメーカーのWebより
(1)前フリ
西村センセイの車選びは、混迷の度を深めてきました。
その理由はどうやら、西村センセイの優柔不断(ゆうじゅうふだん)だけではないようです。
実は、だんだんと分かってきたのですが、日本の大手自動車メーカーは2,000ccクラスのセダン型乗用車をちゃんと造る気はないようなのです。
ご存知のように世の中はミニバンブーム。メーカー間では熾烈な競争が続いています。でもセダンはまったくの不毛。ミニバンなど、売れる車に力を傾注しているので、売れない車を開発する余力はないのでしょう。
歴史屋さんとしてはあまり使いたくないのですが、「暗黒時代」という感じです。クラウンに代表される大きい車はトヨタの一人勝ちだし、その下(センセイが求めているのよりちょっと上)は北米市場が動いているのでそれなりに造っているようですが......2,000ccクラスはどうやら「どうぞどうぞ、ワーゲンやアウディ、BMWといった外車をお買い求めください」といった感じなのです。
先日お伝えしたトヨタのアベンシス(こちら)も、正直なところ、ラインナップを完成させるために輸入した、というのが実情のようです(悪い車ではありません。念のため。センセイとはご縁がなかったというだけです)。でも世の中、トヨタ、日産ばかりではありません。
希望の星は富士重工(スバル)!!
西村センセイ、個人的には富士重工にはかなり思い入れがあります。
子供の頃、小学校の図書室で借りた、第二次世界大戦中の戦闘機「零戦」(三菱重工製)の開発物語を読んで夢中になったことがあります。
三菱の主任設計技師堀越二郎は零戦(当時は「ゼロ戦」ではなく「れい戦」と呼ばれていた)を設計する際に、性能の問題から、陸軍の「隼」を造っていたライバルメーカー中島飛行機のエンジンを採用します。
で、この中島飛行機こそが富士重工の前身なのです。BMWみたいなもんですね。
それと小学校には毎月、富士重工から、確か「少年ニュース」というような名前の壁新聞が送られてきて、廊下に掲示されていました。
そしてその右下隅──確かにここだった──には必ず、富士重工の「水平対抗エンジン」の話が載っていました。もう一つ。
センセイは大学院とその後の助手時代、東京三鷹の国際基督教大学(ICU)にいたのですが、そのキャンパスは元中島飛行機の研究所があったところで、現在も使用されている本館は、爆撃機「富嶽(ふがく:富士山のこと)」を設計していた場所なのです。
おまけに、キャンパスの隣には現在も富士重工の工場があり、「富士重工前」というバス停もあります。
というわけで西村センセイ、富士重工も考えてみようかな、と思ったのです。
スバルはちゃんとマニュアル車も造ってるし!!
(2)AWD/4WD
センセイが求めている車の条件(こちら)の所でもご説明しましたが、今回は雪道を安全に走行することが求められています。
そのためこれまでご紹介した車は全て、雪道に強いとされている前輪駆動(FF)車で、日産プリンスが販売しているスカイラインや、輸入車のBMW車は検討の対象から外しています。
富士重工は水平対抗エンジンに加えて、伝統的に4輪駆動「4WD」(富士重工では「AWD」と読んでいる)を重視しています。今回の検討対象、スバル・レガシィB4も全車種AWDです。
で、混迷するならするで、行くところまで行ってみようと思って、スバル販売店を訪ねることにしたのでした。
(3)見てみて
実はセンセイが住む柏崎市にはスバルの営業所はありません。地元で買うなら個人商店からということになります。
どこで購入するかはともかく、長岡市内の営業所を訪問してみました。
レガシィB4には大きく3つのランクがあるのですが、一番近いものがなかったので、営業マン氏、裏から自分の車を持ってきてくださいました(すみません)。
惚れ込んでいるんだなぁーというのがわかります(もちろん社員割引もあったでしょうが)。ドアは上の枠がなく、上半分はガラスだけです。慣れないとちょっと変な感じがします。
ドアの強度があるので、こういうことができるのだそうです。その分、ドアはドイツ車のように重いです。センセイとしてはかまわないのですが、子供や老人にはどうかなぁーという気もします。
営業マン氏、後姿を自慢して、「日本車っぽくないと言われます」とのこと。BMWのセダンを意識しての発言のようです。
まねる──つまり後を追いかける──っていう、この発想、ちょっと悲しいんだぁ。
だったらホンモノを買う──できれば、ね──か、造るかすればいいじゃん!!車内は標準的な構成で、特別な感じは受けません。日本人が真面目に造った車だなぁーという感じがします。
ただアベンシス同様、コンソール付近の内装は安っぽい感じがします(プラスチックのせいなのです)。
車の性能には関係しないのですけどね。営業マン氏は車の高速安定性を売り込むのですが、これまでセンセイが友達のレガシィに乗せてもらった限りでは、特別な印象は持っていません。
センセイの候補となる真ん中のクラスではハイオク仕様ですが、レギュラーでもまぁ、走るそうです。
4WDの燃費は、駆動箇所が多くなり摩擦によるロスが増えるため、一般的には悪いそうですが、レガシィは改良を重ねて、高速道路なら公称値の13Km/lくらいは出るそうです。
価格としては、国産車ですから200万円台で、十分予算の範囲内です。
ただし、スバルの場合に注意しなければならないのは、車両本体価格はかなり低く抑えられているものの、オプション類はセットになっていて、しかも相当割高です。
本体価格を抑えている分、ここで利益を上げているようです。以上、ざっとこんな感じなのですが、車選びに疲れつつある西村センセイ、もう試乗させてもらう根性がなくなってしまっていたのでした。
何でだろうと思っていた、その一番の理由は、街中で見かけるレガシィ乗りに、飛ばし屋さんが多いからだ、ということに気づきました。
こんな理由で車を決めたら、販売店には申し訳ないのですけどね。
さて、西村センセイのレガシィB4の最終評価は......
△
ホントに真面目に造って下さるのは分かるんだけど......。他に良い車がなければ乗るかもしれないけど、街中の飛ばし屋さんたちと一緒にされるのはイヤだぁーっ!!
西村センセイの車選び、いよいよ迷走状態になってきました。その結末は、はたして?!
※これらの車の評価はあくまで、西村センセイが自分の車として購入する場合の個人的な評価です。念のため。
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