2005年8月6日更新(2005年8月15日ページ移動。2011年5月4日写真削除)
先週後半の名古屋方面の出張では、一部近鉄特急の電車を利用しました。
東日本の人間にとって、関西の私鉄に乗ることはあっても、特急を利用する機会はあまりありません。センセイの場合、中学生の時に近鉄で、大阪から志摩半島の賢島(かしこじま)まで乗ったことがあるだけです。
で、今回はそれ以来の乗車となったのですが、これがとても不思議。
まず、右の乗車券。これは金沢のJTBで出してもらったもののようです。
今回は三重県の四日市から奈良へ移動したのですが、途中で何回か乗り換えます。
不思議なことに、その区間ごとに切符を切っています。
これだと短区間でもかなりの値段になるのですが、近鉄の場合、目的地まで通して買うことができないのかなぁー。もう一つ不思議なこと。右下に赤線で強調したように、有効期間が1ヶ月もある(!!)のです。短い区間でも。
う〜ん。どんな意味があるんだろう。
四日市での予定の会合が早く集合したので、一行に同行した事務の方が、一つ早い電車に変更できないか、駅の窓口でかけあってくださいました。
その結果、3枚の特急券を回収し、右の券を1枚だけ渡されました。
どうやら変更できたようです。よぉーく見ると、3本の電車が1枚に収められています。近鉄の場合、こんなことが可能なんですね。
JRと特に違うのが、座席の番号です。「○○A」などではなく、通し番号なので、慣れないとどこなのかわかりません。
もう一つ。これはたいしたことではないのですが、切符の大きさはJRと同じなのですが、色がやや黄色く、変色も早いようです。上の写真の色は現物にかなり似ています。実際に乗ってみると、JRよりも軌道の幅が広いので、乗り心地は快適です。
これですべて順調にと思っていたのですが、後から調べたら、やはり、近鉄でも乗車券は目的地まで通して買った方が安いことが判明しました。
それじゃ、区間ごとに切った切符を売った旅行会社って、いったい......。
■8月2日(火) 高速道路の中越地震復旧工事は、なぜ今日、中断されたのか
集中講義二日目。
往路は新潟県内の自宅から高速道路を使って通勤します。
片道110Km。一般道で通勤するにはちょっと遠すぎるのですが、道路公団のETC通勤割引を使えば、約1時間で大学のすぐ近くまで行くことが、それも半額で行くことがでできるからです。
長岡市付近では昨日まで、中越地震の復旧工事をしていました。応急修理ではなく、本格的な復旧工事です。
で、その復旧工事はまだ終わっていないはずなのに、なぜか今日は工事用の施設がすべて撤去され、交通規制も解除されています。
ハンドルを握りながらしばらくその理由を考えていて、思い当たることが一つありました。
今日は花火大会があるのです。
1945年8月1日、長岡市はアメリカ軍のB29による徹底的な爆撃を受けて市街地は廃墟と化しました。長岡市に軍事施設はないのですが、連合艦隊司令長官山本五十六の出身地だったからだと言われています。
センセイの母親は山一つ向こうの市に住んでいたのですが、その夜は空が真っ赤になったそうです。その犠牲者を慰霊するために戦後開かれたのが、長岡祭り。
爆撃当日である1日の民謡流しから始まり、今晩、明晩と祭りのハイライト、日本最大級の正三尺玉を含めた大花火大会が信濃川河川敷で開かれます。高速道路の工事中止と花火に何の関係があるかというと、何でもない年でも、見晴らしの良い高速道路上に車を止めたり、低速で通行したりして危険な状況になるほど。
もし工事用に片側1車線が閉鎖されている状態で駐停車が起きたら大混乱になるし、工事用のポールでごく簡単に閉鎖された部分に観客が入ったら、もうどうしようもありません。
たぶんこのようなわけで、この期間だけ工事しないのだと思います。(違うかも)柏崎市のセンセイの自宅書斎、今晩は暑いので窓を開けてあるのですが、夜の9時半になって、約30Km離れた長岡市の正三尺玉の音が聞こえてきました。
花火の、そのそもそもの原因となった空襲や戦争を考えると、人間の業(ごう)の深さを思い知らされます。
■8月1日(月) センセイのお部屋は、Mac大集合!! ──初めて中国人学生を教えました──
ここのところとても忙しくて、今週からの集中講義は明らかに準備不足。
講義に必要な文書や画像、ビデオ、音楽といったファイルが、WindowsとMacに分散してしまっています。(整理する時間がない!!)新潟へは電車での移動で、重い物は運びたくないのですが、やむを得ず衣類を詰めた大きな鞄+2台のパソコンを入れた二つの鞄という、夜逃げ状態での移動となりました。
汗だくになって帰宅して、書斎で機器を店開きしたのが右の写真。
この中に4台のMac(8500、PowerBook 2400c、G4 Cube、PowerBook G4)と2台のWindowsマシンが写っているのですが、わかるかな?さて、何とか準備を整えて臨んだ教室......ですが、様子がいつもと違う。
教え始めて理由がすぐにわかりました。受講生の2/5ほどが中国からの留学生なのです。
書くのが(ちょっとだけ)苦手だったりしますが、流暢に日本語を使いこなします。ホントにたいしたものです。教室の中、留学生は前列から中心部に座ります。そして最後尾、壁に沿うように日本人学生が座っています。
反応は比較するまでもなく中国人の勝ち!!
センセイの狭い経験の範囲では、母校ICUに留学していたアメリカ人学生に似ていて、とても熱心ですし、わからないことはどんどん質問してきます。私費留学の、比較的裕福な学生がほとんどのようですが、今の日本人学生が見失いがちな向学心には頭が下がる思いがします。
講義は1週間続くのですが、中国人学生の意欲と西村センセイの授業力(?)、さて、今度はどうなる?!
■7月31日(日) 珍しく、西村センセイの勝利!! ──世の中は本格的な夏休み──
来週は新潟県内の他大学で集中講義をするので、お昼の電車で新潟に戻ってきました。
世の中は日曜日。それも夏休み最初の日曜で、しかも気温が高いので、皆さんどっと海に繰り出しています(金沢ではかなり雨が降ったんですよ)。
写真は柏崎市の鯨波海岸の様子を車窓から撮影したものですが、上越地方の海岸にもたくさんの人が来ていました。たぶん長野県の方が大半だと思います(長野県北部の人は、上越地方の海岸で泳ぐ)。
さて、今日は金沢を発つ時、ちょっとトラブルがあったのです。
新潟行きの特急電車に乗ろうとして、金沢駅のホームへ出ました。センセイは自由席車両乗車口の一番乗り。
しばらくすると老女だとか、腕に入れ墨をした若者だとかがやってきました。入線までにはまだ時間があるので、みんな鞄や荷物を置いて、近くの椅子に腰掛けます。どこにでもある光景です。
そのうち初老の夫婦がやって来たのですが、この夫婦、雰囲気が変。
靴やピアスなど、個々の物はそれなりだと思うのですが、全体はまるで変。
若者の汚い格好だとか、いかにも日曜に働かされているサラリーマンだとかではなく、印象が滅茶苦茶で、バランスが取れていないのです。二人とも。あんまり関わりたくないなーと思ったのですが、ちょうど列車の到着がアナウンスされました。
列車を待っている列はずっと長くなっていたのですが、例の夫婦、みんなを無視して先頭に立とうとします。列の先頭は、そう西村センセイ。
老人などのように敬って特別扱いしなければならない場合もありますが、今回はそうではなく、みんな「アレッ?」という感じ。しかたがないので西村センセイ、
「皆さん並んでらっしゃいますよ」
と言うと、最初は良く聞き取れなかったらしい。もう一度繰り返すと、急にダンナが表情を変え、とても大きな声で、
「誰が? 誰もおらんかったやないか(関西系らしい)。みんな荷物並べとっただけや。俺は認めん」
とまくし立てます。もう一度説明しましたが、埒(らち)があきません。
周囲の雰囲気は「面倒くさいヤツ/バカな客には関わりたくない」という様子がありあり。
お盆前後など、たくさんの乗客で座れるかどうかがかかっていれば別なんでしょうが、今日はそんなに混んでいるわけでもないので、どうせみんな座れるのです。どうしようかなー、とちょっと考えました。たぶん、ほんの一瞬でしたが。
センセイの現在の相手は二つ。自分のことしか見えていない二人と、関わりたくないと思っているその他の乗客です。このままではセンセイ一人が空回り。
正面攻撃で二人に言っても、どうも状況をホントに理解していないらしい──ちょっと信じられませんが──し、理解したとしてもこれまでの主張を否定することになり、面子が立ちませんから、(ホントは認めても)「認めた」とは言わないでしょう。
他の乗客を味方につけること、関わりを持たせること、少なくとも敵に回さないことも必要です。そこで方針転換。センセイ曰く、
「まっ、ここにいる他の皆さんがどう判断されるかですがね。」
つまり正面からではなく、構図そのものを変えようとして、話を振ったのです。
ホントは「いくつになっても常識のない人間は...」とか「どこにでも救いようのないヤツはいますから...」とか嫌味の一つ(......あ、二つになっている)も言いかけたのですが、それは控えました。結果的には良かったようです。
ちょうど電車が入線したこともあり、散っていた客も荷物の場所へ集まってきました。センセイに賛成するかどうかは別としても、その主張を補強するような行動を取るわけです。
形勢逆転です。さて、どうなる? どうする? ダンナ。
夫婦のうち、婦人の方は列の最後尾へ並び、ダンナの方はもとの場所にやや硬直して立ったまま、しかし、みんなより先に乗車しようとはしません。
どこまで納得するかは別にして、人の動きで自分が置かれている状況がある程度理解できたようです。いつもだったら、こういう場面でなかなか構図を変えられない西村センセイ──交渉ごとは苦手──なのですが、今回は珍しく、西村センセイの勝ち!!