2008年6月7日更新(2008年6月15日ページ移動。2012年9月20日一部写真削除)

──2008年6月第1週のニュース──

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6月7日(土) 山を下り、谷を渡り...。 ──目白大学での学会に参加しています──

 地下鉄の駅を降りて、山を下って谷を渡る──いずれも本当に──と今後は急な上り坂。

 今でこそ住宅街になっているし、西武新宿線も走っているけど、昔は鬱蒼(うっそう)とした武蔵野の森だったんだろうなぁーと思わせる場所です。
 パソコンを抱えているし、そもそも東京は暑いので、本当に大変。

 住宅街を曲がると、おぉ、目的地の目白大学
 西村センセイ、今日、明日とここで開かれる大学教育学会に来ているのです。

 もっと小さな大学かと思っていたのですが、都内にしてはかなり広い敷地です。
 キャンパス内は木々に覆われているので、風が急に涼しくなります。

 センセイの発表は明日で、今日のメインは写真のワークショップ。

 最初に講演を聴くのですが、後半は4、5人のグループに分かれて、作業しながら大学の「初年次教育」に関して議論します。
 一昔前ならだれも一顧だにしないテーマだったのが、最近は「ブーム」と言ってもいいくらいの盛り上がりで、今日も教室いっぱいの参加者をお迎えしています。

 センセイのグループは某大学の学長代行と大手新聞社の編集委員と、本職は学部学生なのだけど、大学職員としても働いている方(とセンセイ)という不思議な組み合わせ。
 めったにない組み合わせなので、視点の違いをしっかりと体験させていただきました。得るものが多くありました。

 明日の発表を終えると学会関係の仕事は一区切り。大学に戻って溜まっている仕事に専念することになります。



6月6日(金) 実際に、保線工事の訓練をしていました ──西村センセイは3日連続で列車の旅に──

 午後の建築学科の講義を終えるとすぐに、あらかじめまとめておいた荷物を抱えて金沢工大前駅へ。先々週に続いて東京出張なのです。

 今回は発表があるのですがまだスライドができていないので、Mac(PowerBook G4)とWindowsの2台を抱えての移動です。
 「ホントに考える」作業と画像処理はMacの独壇場なのです。

 今日の金沢は午後からきれいに晴れて日陰は涼しいくらいなのですが、さすがに2台のパソコンは重くて、暑い......。

 西金沢駅での乗り換え時間はごくわずか。センセイがホームへの跨線橋を登る時にはもう警報音が鳴り始めました。
 ホームに降りてみると、一昨日ご紹介したばかりの訓練施設で、実際に保線工事の訓練中。奥の方でも何かの訓練を実施しています。
 初めて見ました。

 線路の脇に工事用の車両が入っていると、わかっていてもちょっと不思議な感じがします。

 結局、3日続けて同じような場所を電車で行ったり来たりしている西村センセイ、でも電車に乗せておきさえすればご機嫌なのです(子供と同じだ)。

 今日も元気に行ってきまーす!!



6月5日(木) 「子どもたちだけが、なにがほしいか、わかっているんだね。」

 昨晩は最終列車に乗り、10時前に自宅に着きました。
 それから授業の記録を片づけて数時間眠り、今朝はいくつかの所用で新潟市内へ。午後に戻って15分で支度を整え、金沢までの電車に乗るため、柏崎駅へ急ぎます。

 何とか間に合い、ホームで電車の到着を待っていると、文字通りの「黄色い」声がすることに気づきました。

 最初は駅の外かなと思ったのですが、確かめてみるとちょっと離れた越後線の電車に1、2クラスの子供達が乗っています。
 白い体操着と、窓の、たくさんの小さくて赤色の運動帽がお分かりになりますでしょうか。

 一昔前はどこへ行くにも、児童・生徒は列車を利用しました。目的地に着いてからバスを利用することはありましたが。
 でも今は、学校から直接観光バスに乗り込むことがほとんどなので、こういう光景はとても珍しい。
 午後ですから学校へ戻るところなのでしょうが、さて、どうして電車なんでしょう。

 直江津駅で北陸本線に乗り換えると、生徒がかなり乗っていました(今日は平日なんですね)。例によってそのほとんどは、ケータイで遊ぶか漫画本を読んでいます。
 もちろんそれに似合った格好をしています。絵に描いたよう──ここがツボ──に、同じセンスのファッションです。

 誤解されると困るのですが、センセイは彼ら彼女らを見下しているのではありません(信じてもらえないだろうけれど)。
 彼ら彼女らは「そうなってしまった」のではありません。まったく逆で、「そうありたい」と願い、かつ努力して、やっとそういう態度と格好を獲得(?)したのです。
 実は大変な努力家なのですね(皮肉ではありません。こちらも信じてもらえないだろうけれど)。

 ところで、ある二つのボックスだけ雰囲気が全く違う......。
 女の子、それも中学校前半くらいの女の子5人組──だから疑われると困るので、撮影していない──なのですが、電車の中で勉強しているし、言葉と態度も違います。
 何より、顔の引き締まり方が全く違います。

 「富山県の子供達が上越市の大学を見学に来たのかなぁー」などと考えてからやっと気づいたのですが、彼女たちはみんな、今春、上越市に開校した県内5番目の公立中高一貫校の生徒なんですね。
 一人の子が、途中で下車した男の子から挨拶されて、「幼稚園が一緒だった」とまわりの子に説明(/言い訳(?))していました。

 ケータイ組にせよ、箱入り娘組にせよ、北陸本線の各駅停車はそれぞれの顔と、それに似合った行き先を乗せて走っているようです。



6月4日(水) 途切れた線路、道路のない踏切...。 ──JR西金沢駅の秘密──

 夕方の会議はずっと続いているのですが、やむを得ず途中で抜け出します。所用で新潟の自宅に戻らなければならないのです。ここで大学を出ないと、最終列車に間に合わない......。

 10分ほど歩いて大学の近くから北陸鉄道に乗り、JR西金沢駅で北陸本線に乗り換えます。
 線路の向こうにある大きな建物は、日本たばこ産業金沢工場です。

 その手前、向こう側の線路をよぉーく見ると......途中で途切れています!!
 右手には踏切があるのですが、こちらは交差する道路がありません。中央奥には架線が張られているのですが、何と人の背の高さ。

 どうなっているのでしょう?

 ちなみに向こう側の線路の上の架線、実はどこにも繋がれておらず、もちろん電気は流れていません。

 もうおわかりだと思いますが、これらはJR西日本の訓練施設なのです。
 センセイの自宅がある柏崎市の米山
(よねやま)駅にも、架線だけですが訓練施設があります。

 西金沢駅の施設での訓練を見たことはないのですが、こうやって「渋く」安全を、会社を、そして社会を支えているんですね。

 一生懸命働く人々を、やっぱり応援したくなります。



6月3日(火) すでに大きく育ったものも、これからに期待したいものも...

 とにかく忙しい。

 たいていの日は守衛さんの次に出勤しているのだけれど、仕事が全然片づかないどころか、机の上の書類の山は高くなる一方。
 冗談抜きでいつ崩れてしまうかわからない状態です。

 講義は午前中だけなのですが、午後も微妙な仕事が続くのでとにかくお昼を食べなきゃ、と思って外へ。

 木々の緑色の豊かさに驚かされます。
 しかも色の基調が先日までの幼い若葉色から、壮年期の深くしっかりした緑色に変わっています。(画像でどこまで伝わるかおぼつかないのですが。)

 ふと気づいて、センセイが金沢工大に赴任した際に植樹させていただいた「ニュートンのりんごの木」の様子を確かめてみました。

 金沢工大野々市キャンパスには万有引力を発見したニュートンにちなむ由緒正しい(?)りんごの木が3本植樹されています。
 写真の木は、その中で最も成長した1本。

 高さはすでに2mを超えるのですが......まだ花をつけない。他の2本に至っては、まだまだ低いまま。

 人間は勝手なもので、どうしても次の世代に「すぐに成長しろ」とか「これだけ伝えたんだから...」と考えがちです。
 もちろんセンセイを含めてです。

 でもそれは「こちら側の論理」であって、成長する側の「当事者の論理」ではありません。考えてみればずいぶん身勝手な発想に陥りがちなんですね。

 2泊3日の合宿に行っていたセンセイの1年生クラスも、明日は大学に戻ってきます。ホントは言いたいことがたくさんあるけれど、「もうちょっとだけ」待ってみるべきなんだろうな、と自分に言い聞かせます。
 発言する前──センセイはあまり怒らないけど──に、ひとまず深呼吸することにしましょう。

 だから(?)、メールのお返事をお待ちの関係者の皆様、もう少々お待ちを!!



6月2日(月) いってらっしゃーい!! ──受け持ちのクラスが、泊まりがけの研修に出発しました──

 朝、時刻を確かめて校舎脇へ出てみると、ご覧のように大型バス3台が停車しています。

 センセイの受け持ちクラスと隣のクラスが合同で、能登半島中央部にある大学の施設へ、研修に出発するところなのです。
 ほとんどの学生はすでに乗車しています。

 中には遅れてきた学生に「席は取ってある」などと声をかける場面も。入学から2ヶ月。すっかり仲良くなっているんですね。

 それでも1クラス70人ほどいると、学生同士でも誰だっけ......という場合があります。
 クラス内の番号が離れていたり、あるいは実験、実習で一緒のグループにならなかったりすると、意外に知らないままになりがちなのです。

 研修施設「穴水湾自然学苑」では起床から就寝までグループで行動します。カッター(大型のボート)も漕ぎますし、いろいろなディスカッションもします。
 こうやって文字通り寝食を共にすると、理屈抜きに人間関係が深まります。

 水曜日に帰ってくる時はきっと、車中での爆睡で半分寝ぼけているんだけど、でも確実に何かを掴んだ目をした、一皮むけた顔になっているんだろうなぁ。



6月1日(日) “memento mori” ──教会の鐘の音に、非日常を覚える──

 今日6月1日は金沢工大学園の創立記念日。午前中に祝典行事があるので、センセイも大学へ。

 減らない仕事を片づけていると突然、聴いたことのない鐘の音が聞こえてきました。

 時刻は9時半ちょうど。教会の礼拝の鐘の音です。

 金沢工大の近くにはカソリック教会(カルメル修道会:正式名称は「カルメル山の聖なるおとめマリアの兄弟会」)と「カルメン幼稚園」という幼稚園があります。
 もちろんずっと前から知っていたのですが、西村センセイは通常、日曜日の昼間は金沢にいないので、意識することがなかったのです。

 国や地域、そして人にもよりますが、クリスチャンにとって日曜日はまったく特別な日。
 (たいていは教会で)静かにお祈りをします。

 礼拝という行為そのものは日常の一こまであっても、おそらくその核心部分は非日常なのだろうと思います。
 中世の“memento mori”(「死を忘れるな」)という格言にあるように、非日常を意識することによって、俗世で生きることの意味を考えたんじゃないかと思います。

 センセイが相手をする学生さんには、非日常を見たことも、もちろん触ったことのない人がたくさんいます。機会がなかったのならともかく、場合によっては非日常を意図的に隠している場合もあります。
 もちろん良かれと思ってなのですが。

 だから、例えば親族が亡くなるなどの事件が起きると、どう振る舞っていいのかわからず、非日常に簡単に乗っ取られたりすることがあります。

 実は最近、そういう出来事──センセイの家族関係ではありません──が進行中なのです。さて、どうしたものか......。

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