2002年2月8日更新(2002年2月18日ページ移動。2003年3月16日一部写真削除)

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−−2002年2月第2週−−

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2月8日(金) 「デッド・セクション」(死電区間) −−不便さの奥の、歴史の重み−−

 三連休直前。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 西村センセイは金沢に来ています。もちろんお仕事です。連休中はずっと金沢に滞在します。

 さて突然ですが、電車に乗っていると、特定の場所で車内の電灯が消えることがあります。東京近辺だと東北本線の黒磯駅付近(常磐線にもある)、新潟市だと最も近いのは羽越線村上駅付近です。そして北陸本線でも糸魚川駅付近と福井県内で車内灯が消えます。何故なのでしょうか。
 電灯が消える時に「電源の切り替えのため...」という案内があることがあります。実は、まったくその通りなのですが、これだけではちょっとわかりません......。

 右の写真をご覧ください。北陸本線糸魚川ー梶屋敷間で今日撮影したものなのですが、手前には「直流」、奥手には「交流」と掲示してあります。
 電流に直流(例えば乾電池)と交流(家庭の電源など)があることはご存じですね。
 実は電車にも直流を利用する路線と交流の路線の二通りがあるのです。この二つの電流は直接つなぐことができないので、「デッド・セクション(死電区間)」という電流の流れない場所を設けて電源を切り替えているのです。
 写真中、手前(新潟県側)は直流、架線が太くなっている絶縁部分を挟んで奥(富山・石川県側)が交流なのですね。写真ではわかりませんが、絶縁のための碍子
(がいし)の形と大きさがまったく違います。

 なぜこんな不便なことをするのでしょうか。

 実は100年におよぶ鉄道の歴史があるのです。

 鉄道はもともと動力を蒸気機関や馬に依存していました。主力だった蒸気機関車は坂道に弱い−−得られる動力の割に重い−−ために、やがて電気機関車に代わられるのですが、最初は管理しやすい直流で電化されたのです。
 で、大都市近郊はみな直流なのです。新潟県内は一部を除き直流なのですが、これは戦時中に開通した上越線の国境のトンネルーー蒸気機関車だと窒息してしまうーーが直流電化されていたからなのです。

 しかし戦後は、東北、北陸地方などのように、効率の良い交流で電化されるようになりました。ずっと後になってから開通した新幹線はすべて交流電車です。

 で、それらの区間をまたいで走る場合には直流と交流を切り替えるという不便ーー交直両用の機関車や電車は高価ーーを強いられながら、列車は走るのです。昨年廃止された特急白鳥(こちら)は、大阪(直流)を出発すると、北陸地方(交流60Hz)、新潟県内(直流)、東北(交流50Hz)と何回も電源を切り替えながら北へ向かうのでした。

 不便な電源切り替え−−最近は電源を切り替えても車内灯が消えない電車も増えています−−の奥には、長い鉄道の歴史があったんですね。昔の人の苦労が忍ばれます。

 さて金沢ではこの連休に「フードピア」というお祭りが開かれています。そんな金沢の様子をお知らせできるかもしれません。それでは、また。



2月6日(水) 歯が、痛い...

 今日は会議で出勤したのですが、出勤前に近所の、友達の友達の歯医者さんへ行きました(写真は2001年3月5日撮影)。自覚症状はまったくないのですが、1本の臼歯(きゅうし:奥歯)が虫歯(カリエス)になっているそうなのです。

 診察台で待っていると、お髭のドクター登場。
 開口一番、歯科衛生士に「あ〜ら、よく見つけたね」。もちろん彼女は得意顔。

 いよいよ切削(せっさく)が始まったのですが、麻酔はなし。
 「麻酔しないんだからほんの少ししか削らないんだろうな」と期待した西村センセイ、
甘かった。ふと気づくと、切削は進むのでした。歯の神経を引きちぎりながら。

 それでも昔の機械よりは回転数が上がっているので、センセイが子供の頃の「あの」痛みは、まぁ、ありません。

 面白かった(?)のは歯の柔らかさで、虫歯が進んだ歯はボロボロッと壊れていくのに、今日はサクサクッという感じでした。西村センセイ、「おぉ、まだ若いっ!!」と痛みの中で喜んでいたのでした......ちょっとマゾ気味?

 ......それにしても、削った歯が......まだ......痛いっ!!



2月5日(火) 西村センセイ、特急回数券の、最後の1枚を使う

 今日は「科学史」の期末試験の日。本当に久しぶりに電車で出勤しました。

 以前お知らせしたように(こちら。関連PDFファイルあり)、昨年12月のJRダイヤ改正でセンセイが利用する列車が不便になり、また便利な特急回数券も廃止されたので、このところ電車での出勤がめっきり減っていたのです。

 回数券の廃止についてはかなりの人が同意見のようで、先日も柏崎駅の窓口で、

客「回数券なくなって不便になったね。サービス低下だよね。復活しないのかねぇ」

駅員「一旦廃止すると(建前上?)なかなかねぇー」

という会話が交わされていました。今日も電車の中で乗客がその話をしていました。

 回数券については買い置きが可能なので、改正前に何セットか買っておきました。
 しかしそれも底を尽き、今日、その最後の1枚を使いきりました。何だかこれで縁が切れてしまうような感じがしました。......JR東日本新潟支社、上客を逃したな。

 ところで、写真はその最後の1枚、それも使用済のものですが......何故か手元にあります。ナシテ?



2月4日(月) 懐かしいラーメン屋さん「江ぐち」が、文庫本になってしまった!!

 週の始まりをいかがお過ごしでしょうか。

 今日はいつもとちょっと違う意味でローカルな話題です。悪しからず。

 家族が順番に風邪にかかり、そして最後に西村センセイの番となりました。で、横になっていることが多いのです。
 今朝のテレビの占いは最悪。ラッキーアイテムは「文庫本」とのことでした。で、またまた横になっていると、何と文庫本の差し入れが......。

 タイトルを一目見て、本当にびっくりしました。何とよく知っているラーメン屋さんが舞台だったのです。
 で、今日は医者さんで待つ時間などを使って、1時間ほどで一気呵成
(いっきかせい)に読み終えました。

 「江ぐち」というのは東京都三鷹市(都内西部)のJR中央線三鷹駅南口近くに古くからあるラーメン屋さんです。駅ビルから150mくらいのところです。
 どなたもよく御存知のように、都内にはラーメンの美味しいお店がたくさんあります。有名なところでは新宿駅西口とかJR中央線荻窪近辺が有名です。荻窪の春木屋なんかだといつ行っても行列ができています。

 江ぐちも三鷹・武蔵野市近辺ではよく知られたお店ですが、春木屋のようにハデさはありません。ローカルな、そして地元に根ざしたお店です。
 この本は、お店の近くに住む著者がこの江ぐちを通じて、自分の近所を、そして自分自身を再発見するというエッセイです。江ぐちそのものは三鷹市のお店ですが、きっと読者それぞれに「江ぐち」があるのですね。ちなみにアクマとかタクヤというのは、著者らが店員−−本当に職人さん!!−−に付けたあだ名です。

 センセイは江ぐちの近くに6年ほど住んでいました。ですからセンセイ個人にとってもとても懐かしい場所やお店です。

 三鷹駅で電車を降りて、歩き始めると最初の交差点に江ぐちはあります。

 もともとは古ぼけた長屋の一角だったのですが、都市再開発の一環で、仮店舗を経て、現在は角のビルの地下一階にあります。右の写真は一昨年4月に三鷹へ行った時たまたま撮影したビデオの一部です。看板をご覧になれるでしょうか?

 江ぐちの中華そばは独特で、麺は日本そばに近く、スープも日本そばの中華版(?)のあっさり味です。食べ飽きない味ですが、コッテリ系を好む人々なんかだと評価が分かれるかもしれません。

 ところで科学史家にとって、江ぐちは別な意味でも有名なお店です。近くに住むM教授がご子息とともによくいらっしゃるからなのです。

 三鷹駅前の江ぐち、機会があったらぜひ一度訪れてみてください。この本に登場するタクヤさんが麺を見事に茹でているはずです。そして自分自身の中の「江ぐち」を見つけられるといいですね。


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