2008年2月23日更新(2008年3月2日ページ移動。2012年9月20日一部写真削除)

──2008年2月第4週のニュース──

バックナンバーはこちら


2月23日(土) 西村センセイ、オーディオDACを聴き比べながら、BMWとの共通性について考える

 新潟の自宅へ戻ったので、先々週末に配線し直したものの、時間がなくて丁寧に聴くことができなかったオーディオDAコンバータ(写真左の銀色の機器)を使ってみました。
 特に、割と音質が良いブルーレイレコーダ(BDZ-V9)の専用回路と比べてみたかったのです。これまで二つの機器は別々に置かれていたので、直接比較することができなかったのですね。

 ティアック製のDAコンバータは、ゼロクロス歪みを大幅に減少させるティアック独自の大振幅ディザ回路、精度の高いNPC社製の8fsデジタルフィルタ、そして音質が良いフィリップス社製TDA-1451A(S1)DACを搭載しています。
 でも買ってみたら......肝心の音はちょっとショボイし、線も細い。

 調べてみると、TDA-1451Aは外付けコンデンサで精度を出すのに、そのコンデンサが安物であることがわかりました。

 そこで1451のコンデンサをすべてASCに換装──数万円かかった──したところ、音質は劇的に変化。
 低域から広域まで、特に雰囲気に関係する微少な音を極めて正確に、かつ音楽的に再生するようになりました。
 約20年前、センセイがICUの助手として都内で働いていた頃の話です。

 その後たくさんのDACやCDプレーヤーを聴きましたが、正直なところセンセイに手が届く範囲でここまでの音質のものはありません。
 センセイはこの出力を黒いアンプ(DENON PMA-390)上の自作セレクタのみを介して直接STAX社製のコンデンサ型イヤースピーカー(中央がドライバー〔アンプ〕。ソニー社製SBM-T1ADCおよびデジタルIFを挟んで、右にイヤースピーカー〔ヘッドホン〕)で聴きます。

 BDZ-V9の音声専用回路も割と優れている方ですが、それでもこのティアックにはかないません。

 一番の違いは、ティアックはいつまでも意識せずに音楽を聴いていられることなのです。マシンは淡々と、正確な音や音楽を再生し続けています。

 一方、BDZ-V9を含めて、センセイが聴いた他のデジタルオーディオ機器は、どこかしら「今までのヤツらと違って、オレはこんなに凄いぞ」と主張している部分があります。
 不思議なことに、その主張内容はそれぞれ違うのに、すべてのマシンが「オレは違うぞ」と言っています。揃いも揃って、例外なしに。

 このティアックは全然違います。

 まるで、北陸の冬の朝、皆が起きる前から他の人のために人知れず雪かきをするかのように──うまく伝わるかな?──いつもシブい仕事を正確にこなします。
 決して目立とうとはしません。(超高級品のアキュフェーズなんかもそうらしいけど、センセイには手が届かない。)

 このごろ「改革」という言葉が叫ばれます。

 もちろん現状に何も問題ないとか、何も変えなくても良いなどとは言いません。時々小さな変化が起きて、そして稀にドラスティックな変化が起きることがあります。
 そしてそのような変化には、それが起きるだけの理由があります。

 でも毎日毎日「改革しなければならない」と叫び続けているのだったら、それは明らかに、おかしい。

 世の中は(いろんな問題をかかえつつも)それなりにちゃんと動いているんだし、そもそも、「今までがすべておかしい」と叫ぶ人は、その「おかしさ」を存在の基盤としてきたのだし。
 端から見ると中国に致命的な傷を残した文化大革命──知らない人は調べてね──の「造反有理」と同じです。

 美女や美男子は確かにモテるけど、その人と長く暮らすことができるかといったら話は別。
 メッキはすぐに剥げるけど、このティアックのマシンとかBMWとか、本質的な良さは、分かる人には分かるのです。(したがって、分からない人には永遠に分からない。BMWに乗っていても、分からない人は全然分かっていない。)

 センセイの318iなんて、得意なことといったら、「走る、曲がる、止まる」(+守る)という基本動作だけだもんね。



2月22日(金) センセイらの研究室の窓は、まるで日時計

 いろいろ各方面にご心配をお掛けしましたが西村センセイ、本日午前、約2ヶ月ぶりにかかりつけのお医者さんへ行き、お薬をもらうことができました。
 ドクターはカルテをチラッと見ただけで、しばらく来てないことには気づいてないようでしたけど。

 お医者さんに行けなかった理由は二つ。

 とにかく忙しかったのと、ちょっと余裕のある日は雪が降っていたり積雪があったこと。
 歩くにはちょっと遠いところ──歩けなくはないが、時間がかかる──にあるのです。

 上の写真はセンセイの研究室から外を見たところですが......これだけでは何が何だかわかりませんねぇ。

 というわけで下の写真。

 センセイらの研究室があるのは、金沢工業大学野々市(ののいち)キャンパスの1号館。
 開学当時から使用している4階建てのビルです。

 この建物はちょっと変わった構造になっていって、たとえばセンセイらの研究室がある部分(写真中央〜右)の4階は、階下よりも外側へ飛び出した構造になっているのです。
 センセイらがいる3階は、開いた傘の下にいるような感じ。

 センセイの部屋は南向きなのですが、夏場は日差しが4階に遮られて直接入ってくることはありません。
 もちろん冬は太陽の高度が低いので、かなり奥まで入り込んできます。

 もう一度上の写真。

 写真右にある斜めの梁の角度と太陽の角度がほぼ同じになっています。もちろん偶然なのですが、こういう状態になると1ヶ月ちょっとで春の彼岸。

 お医者さんに行くために自転車を走らせていると、木々の緑がずいぶん生き生きとし始めていることに気づかされました。

 雪国でも、本格的な春が確実に近づいているんですね。



2月21日(木) 西村センセイ、「まるごとDVDコピー」機能でいろいろ考える

 センセイが使っているソニー製のBD/DVDレコーダーには、「まるごとDVDコピー」という機能があります。文字通り、DVDをそのままコピーしてしまう機能です。

 「あ、それじゃぁ、レンタル屋さんでDVDを借りて、コピーを...」と先走った貴方/貴女、それはちょっと甘い。
 映画など、プロテクトをかけてある普通のDVDはもちろんコピーできません。

 コピーを認められているアナログ地上/衛星波の録画だとか、自分で制作したDVDなどの複製を作る時などに使うのです。
 西村センセイ、以前ご紹介したようにこれまで録画した映像をDVD化する時に重宝しています。

 最近はBDレコーダーの出番が増えてきたのですが、ふと、「BDをまるごとコピーしたらどうだろう」と思いつきました。
 センセイは新潟と金沢の両方に住んでいるのと、再生できないなどのトラブルを回避するために、大切な素材はコピーを取ってどちらにも置いているのです。(そもそも機器は両方に配置されているし。)

 で、コピー元のBDディスク──もちろんセンセイが制作したもの──をセットしてコピーしてみようとすると、「コピーできないディスクです」とのこと。
 う〜ん、残念。ま、確かに「まるごと『DVD』コピー」であって、どこにも“BD”の文字は入っていないけど。

 でも、どうしてなんだろう? DVDだって、BDだって著作権に問題なければ取り扱いは同じはずなのに。

 いろいろ考えたのですが、DVDと違ってBDは、普通の人がディスクを(ほとんど)制作しないという前提に立っているのじゃないかと思います。
 DVDならパソコンを使って、割と簡単に結婚式とか子供の成長記録などのディスクを作ることもできますが、BDはそう簡単ではありません。それなりのハードとソフトが必要です(センセイも持っていません)。

 つまり現行のBDは、概ね放送などの録画用に使われることを前提としていて、新しく容量の大きなメディアを使って何か創ろう──センセイがそんなに大したことをしているわけではないけど──などというユーザーは想定されていないんでしょうね。
 特に市販のBDレコーダーは。

 そんなことじゃ、いつまでたってもユーザーの裾野が広がることは......などとセンセイは考えてしまいます。

 でもまぁ、センセイ自身も基本的に過去の資産を整理しているだけなので、あまり偉そうなことは言えないのでしょうが。



2月20日(水) 「もう一度、新入生に戻りたいなぁー」!?

 他大学は今月上旬から実質的な春休み。
 金沢工大は3学期制の関係で、春(「冬学期」)はずいぶん遅くまで講義があります。しかしその冬学期も、最後のテストが終わりつつあり、キャンパス内では学生の数が一時的に減っています。

 学食で昼食を取ろうとして出くわしたのが右の写真。新入生向けの家電製品や自転車の紹介です。
 そういえば今月に入ってから、明らかにまだ大学生じゃない若者とそのご両親をキャンパス内で見かけるようになりました。
 合格して入学を決め、入学手続きと宿所の手配のためにお越しになったのでしょう。

 新しく迎える人がいれば去る人もいます。
 4年生は来週末に卒論(「工学設計?」)の発表会を終えて、3月にはキャンパスを後にします。

 季節は確実に変わっているんですねぇ。(そう言えば、雪の融け方も早くなった。)

 ところで写真を見ているのは在学生なのですが、なぜか「もう一度、新入生に戻りたいなぁー」などと言っています。

 新しい家電製品を欲しいという意味なのか、勉強が難しいといっているのか......う〜ん、わからない。



2月19日(火) 流したい情報は土曜日に?! ──東芝「HD DVD全面撤退」発表の裏側──

 ネット上の新聞などはまだ見ていないのですが、今晩9時のNHKニュース──7時はまだ大学にいたのでニュースを見ていない──によると、東芝の社長が本日夕方記者会見し、HD-DVD事業からの全面撤回を発表したそうです。((c)NHK)

 先週末の報道後、当事者の東芝デジタルメディア社は「そのような決定はしていない」としていましたが、今日の発表内容は先週末にNHKが独占的に報道したものとほぼ完全に同一。
 会社としては報道を公式に否定したものの、その後、全くその通りになったということに、いろいろな思惑を感じてしまいます。

 先週末の報道内容は、一部東芝製DVDレコーダーファンの間では「デマだ」などとされました。
 でも、NHKを妄信するわけではありませんが、ニュースソースは明らかに「信頼できる筋」からのものです。
 これが最初のキーポイント。

 第二のポイントは、「なぜ、週末だったのか。」

 ずっとマスコミ担当だったセンセイからすると、明らかに、自分が伝えたい情報を(上司の許可を得て)意図的にリークしています。

 一般的に、平日はいろいろなニュースが飛び込んでくるので、事業者等がプレスに自分に都合の良い情報を流しても、採用されるかどうかはわかりません。
 でも週末はニュースの量が減るので、報道する側にとっては、人々の話題になるような情報はとてもありがたいので、報道される採用率(?)は格段の上昇するのです。
 センセイだけがそう思っているのではなく、例えば新潟県の場合、広報担当者はそのように教育されます(実話)。

 しかも、影響を受ける関係者は週明けまで組織的な対応ができないので、週が開けた月曜日には、それが真実かどうかはともかく、「あれって、こうなったんですってね」式に、報道された内容が既成事実化しつつあることが多い......。

 では、誰にとって「自分が伝えたい情報」だったのか。

 今回の撤退は、既販売製品の回収と返金こそしない──これはもう、膨大な損害になります──ものの、小売店の在庫回収など、相当厳しい措置です。
 もちろん新機種の販売はありません。

 しかし実は、ごく最近までその新機種のマニュアルが東芝のWeb上で公開されていたなど、東芝デジタルメディア社は製造販売を続けるつもりだったようなのです。

 再び、誰が伝えたかったのか。

 もうお分かりかと思いますが、恐らく今回の判断は現場(東芝デジタルメディア社)によるものではなく、もう一つ上の東芝本体が事業に見切りをつけ、タイミングをみて情報を流したと見るべきでしょう。

 この話はもっと深読みできるかもしれません。

 決定打となったのは、昨年末にワーナーパイオニアが突然、それまでの方針を撤回してBD支持にまわったことです。なぜBD支持に変わったのでしょう。
 「BDの方が売れているから」──それはそうだけど──というほど、世の中は簡単ではありません。

 実は、次世代DVDの本当のライバルはネット配信だと考えられています。
 でもネット配信だと映画会社などは利益を上げづらいにもかかわらず、HD DVDの東芝は映画会社から見てライバルに当たるマイクロソフトなどインターネット会社とチームを組んだのです。

 まだHD映像をオンデマンドで流すまでにはインフラは整備されていません。この「あともう一歩」(もう二歩かな)という段階で、ライバルのネット配信会社やそれと組んだメーカーに打撃を与えるためには......。
 深読みに過ぎるでしょうか。

 いずれにせよ今回の決断は、子会社社長の「土下座」レベルの問題ではなく、もっと大きな枠組みのなかの1ページだと理解すべきでしょう。

 そういえば、東芝が期待していたであろう新半導体工場建設の件──おかげで昨日午前、東芝の株価は上昇した──は報道されなかったなぁー。



2月18日(月) 本屋さんは営業を再開できたけれど...。 ──犠牲者に含まれない、犠牲者──

 ちょっと気になっていた柏崎市内のあるお店へ行ってみました。

 右の写真は、昨年発生した新潟県中越地震当日(7月16日)の夕方に市内中心部で撮影したもの。
 写真には写っていませんが、左手に全壊した家屋があり、マスコミ関係者が集まっています。

 カメラマンらの向こうにあるのはケーキ屋さん。

 このお店、普通に建っているように見えますが、実は見えているのは二階。一階は押し潰されて建物全体が左側に倒れてしまっています。
 電柱の場所にはもともと、奥へ通じる道路があったのですが。

 その右側には、小屋を挟んで本屋さん。

 よく見ると、書店も1階の柱が左側に大きく倒れていることがわかります。もちろんケーキ店ととども全壊です。

 この週末、改めてこの場所を訪ねてみたのが次の写真2枚。

 ケーキ屋さん──ここのおばあちゃんとセンセイの父は社交ダンス友達!! ──は息子さんが経営しているのですが、ご覧のように小綺麗なお店が再建されました。
 奥へ通じる道路はご覧のように復活しています。

 もともとは住居を兼ねたお店だったのですが、店舗前に駐車場を確保して、ここは店舗だけにしたようです。

 本屋さんはセンセイの高校の先輩のお店。
 ご主人は以前から、市街地から知識の担い手であるはずの本屋さんがどんどん消えていく状況を憂いていらっしゃいました。

 被災で一時は廃業も考えたようですが、やはりその意志──センセイにはとても真似できない──は変わらず、程なく(!!)道路の反対側にプレハブ小屋を建てて、定期購読者向けの取引を開始しました(脱帽)。

 ケーキ屋さんを含めて自営業は保険に適切に入っていないと、資金等、相当大変だっただろうと思うのですが、何と半年で店舗を立派に再建。

 でも、新店舗のレジに彼の姿はありません。
 プレハブ小屋で雑誌の仕分けをしている姿を見かけたのが最後になってしまいました。

 被災での苦労が祟ったのでしょう、新店舗での営業再開にこぎ着けた直後、心臓の病気で急逝してしまったのです。
 パラボラアンテナの右下、「中陰」の文字がおわかりになりますでしょうか。

 新潟県中越沖地震ではセンセイがお世話になった高校の先生を含めて10名以上の方が犠牲となりました。
 けれどもこの書店店主などは、その中に含まれません。もちろん含まれたからといって、何ら問題は解決しないのですが。

 阪神淡路地震のような大規模災害、あるいは犯罪などを含めて、その発生直後は大きな注目を集めても、出来事自体が忘れられてしまい、いつの間にか、まるで何事もなかったのように世の中が動いていってしまいます。

 そして、弱い立場の人だけが、声を上げようにも上げらない人々がさらに弱い場所へ追い詰められていくという事実も、残念ながら認めざるを得ないように思われます。



2月17日(日) 新潟の山間部は本格的な雪となっています ──今シーズン初めてのスキー!! ──

 脳梗塞を患った伯母の見舞いを兼ねて、新潟県旧栃尾市(現在は長岡市)へ行ってきました。栃尾には母親の実家があり、叔父伯母の何人かが生活しているのです。
 伯母らは一番上の姉の家に集合するそうなのでひとまず母親を送り届けます。

 他方、センセイと娘、そして父親は今シーズン初めて、市内のスキー場へ。旧栃尾市が市民、特に子供達と保護者のために開設したスキー場です。
 リフトは1基だけですが、ほとんど待たずに乗れます。

 新潟は昨晩、かなり雪が降り、また今朝はとても冷え込み、運転に相当気を使う必要がありました。

 でもその分、スキー場の環境は良好。
 積雪は1m50cmとまだまだですが、気温は-3.5℃(新潟としてはとても低い)、新雪が10cm以上あって、とても滑りやすい!!
 娘も新雪の面白さを初めて知ったようでした。

 さすがにもうすぐ80歳の父は数回滑ったら疲れたらしく、すぐ近くの知り合いの所へ遊びに行ってしまいました。
 農業関係の公務員だった父はここに赴任していたことがあって、知り合いが多いのです。

 初めてのスキーで体がまだ慣れておらず、場内でお昼を食べて、今日は早めに引き上げます。

 母親と合流するために市内中心部の伯母宅へ向かったのですが、やはり栃尾は雪が深い。
 豪雪地というほどではないのですが、センセイの自宅がある柏崎市<<雪で知られる長岡市<旧栃尾市(<地震でその名を知られるようになった旧山古志)という感じ。

 除雪は行き届いているのですが、取り除かれたその雪が道路脇にあって、それでなくても狭い旧市街地の道路が、車がすれ違えるかどうかというくらい狭くなっています。

 それにしても、繊維産業で栄えた旧市街地はずいぶん寂れていて当時の面影はありません。

 幸いにも伯母の病状はずいぶん良くなっていて、事情を知らない人ならちょっと見ただけではわからないくらいにまで回復していました。

 金沢に戻る必要があったので、お昼過ぎに伯母宅を出発したのですが、平野部に降りると気温は-1℃。路面は圧雪で、その表面だけが水っぽくなっているので、朝とは別な意味でとても危険。

 ずいぶん疲れてしまったらしく、金沢への電車の中は眠りっぱなし。

 目が覚めてみたら......金沢もこの週末はかなりの雪だったらしい。

「最近のニュース」(最新版)へ
バックナンバーのトップページへ
トップページへ戻る