2014年9月6日更新(2014年9月14日ページ移動。2017年7月15日写真削除)

──2014年8月第6週〜9月第1週のニュース──

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9月6日(土) この道路、微妙なカーブはもしかして... ──センセイはいつでもどこでも鉄分補給──

 今日もまた、見たままのお話を。

 西日本ツアーの話題をもう1回だけ、そして鉄道ネタにお付き合いください。ただしいつもと違って今回は、現在では誰も利用することができない鉄道の話題です。
 今週前半の国際会議はJR小倉駅の北東、埋め立て地にある北九州国際会場で開かれました。

 ホテルはあらかじめ会場の最寄りを予約しました。

 センセイくらいの年齢になると、特定のデラックスなホテルに拘る人以外は、目的地か駅(あるいは空港)に最寄りのものを選ぶ人が多いんじゃないかと思います。(違うかもしれないけど)
 要するに、荷物を持って歩きたくない。

 小倉に到着した日、駅の新幹線口(北側)で外へ出てホテルに向かって歩いていると、あれ?!
 ホテルの手前、センセイの行く手を道路が横切っているのですが、そのカーブが微妙......。

 写真は後で北西から南東に向かってその道路を撮影したもの。一番わかりやすいと思われる位置で撮りました。奥の構造物は山陽新幹線。
 関係者ならもうお分かりですよね。

 廃止された線路、「廃線」跡です。

 廃止された線路は、大きな道路を横切り北側の海へ向かっていきます。道路を越えた場所にあるのは、写真の標識。
 「浅野町緑道」と記され、その下には「↑西日本総合総合展示場」。

 西日本総合総合展示場(本館および新歓)と北九州国際会場、そしてここには記されていませんが、アジア太平洋インポートマートはほぼ一体の施設のようです。
 「浅野」というのはこの場所の地名らしい。

 その浅野町緑道、しばらくまっすぐ進みますが、その後は再び、緩く右にカーブしています。
 全体としては、上の写真のカーブそのものです。

 野町緑道、この辺はまだ草が少ないのですが、もうすぐ進んでぶつかる北九州国際会場近辺では草ぼうぼう。
 あまり使われていないようです。

 調べてみるとこの線路は小倉駅の東、「東小倉駅」(現在は客扱いなし)から分岐して、海岸──といっても埋め立て地──にあった住友セメント小倉工場への引き込み線でした。
 山陽新幹線の新設工事に伴って廃止されたものと推測されます。

 主要駅の近くではこのように、廃線跡をよく見ることができます。いずれも二世代か三世代前にこの国と国民を支え、そしてその後に繋げててくれた施設です。
 廃止そのものはやむをえないのでしょうが、事実そのもの敬意を持っては直視すべきだと思います。

 廃線跡は、目に見える分だけでも我々、あるいは次の世代にとってとてもわかりやすい存在なのですから。 



9月5日(金) し、白過ぎる!? ──姫路城が修復されて真っ白になりました──

 小倉での会議と奈良での学会を終えて、新幹線を乗り継いで東京経由で深夜、新潟の自宅へ戻りました。

 お伝えしているように先週、今週と、新幹線で西日本へ2往復しました。客観的には非効率。ずっと出張していてもいいのですが立場上、最低でも時々大学に戻ってハンコを押す必要があるのです。
 というわけで先週、小倉に向けて新幹線に乗っていると......え"っ!?

 センセイは列車に乗る時、原則として日の差し込まない側に座ります。風景を順光で愛でることができるからです。
 この時は、北側の窓側の座席(E席)を予約していました。

 山陽新幹線が姫路駅を通過しようとした時、視界に真っ白な塊が飛び込んできました。
 実物をご覧になると、多くの方がそう感じると思います。

 もちろん写真の姫路城。別名「白鷺城」。

 「平成の修理」でお城全体がずっと覆われていた──センセイも目撃した──のですが、それが終わりに近づき、お城を再び見ることができるようになったのです。
 これが普通の人にとっては「白過ぎ」という印象を与えているらしい。

 関係者によると、これが本来の姿とのこと。

 今回の「平成の修理」は漆喰(しっくい)や木材、瓦の劣化が進んでしまったため行われたんだそうです。防かび剤を塗布したそうですが、それでも漆喰は数年でカビで黒ずんでしまうそうです。
 文字通りの白鷺城を体験できるのはわずかな期間のようです。

 なお、今回の写真はちょっと荒れています。新幹線「のぞみ」は姫路を高速で通過するので、やっとで撮りました。要するにテクニックがないということなのですが。

 でもこれって、「新幹線の中からぼんやりとではなく、降りて実際に自分の目で見てみろ」ということなのかもしれません。



9月4日(木) 暗闇の中、道路の反対側からセンセイを呼ぶ声が!? ――学会の半分を乗り切りました――

 お伝えしたように、センセイは今日から始まった学会に参加しています。

 ただしセンセイらは学会の事務局の役割を果たしているので、すでに昨日から本番。特に昨晩は役員会(理事会)で決まった内容を今日の学会総会にかけるため、夜は書類の作成。

 みんなで同じ駅で降りて、夜の街に飲みに出かけたのですが、センセイだけはスーパーで食料とビールを確保してホテルでお仕事。
 トホホ。でも、まぁ、しかたない。

 昨晩は飲みすぎたので、今日は早めに出勤(?)し、役員の控え室でひたすらお仕事。おかげで午後の総会を何とか乗り切ることができました。
 これで仕事の半分を乗り切りました。

 その後は自由研究発表(写真)および懇親会が開かれ、いろんな人とお話をさせていただきました。
 至れり尽くせりの料理とお酒を頂きながら2時間の歓談。

 会の終了後、バスと電車を乗り継いでホテルのある駅に到着すると、道路の反対側からセンセイを呼ぶ声が。
 関係者です。乗る電車が別だったのですが、ここで再会したので飲みに行こうとのこと。

 ダメなんです。明日の午後にはセンセイの発表があり、その準備が終わっていないのです。

 再び、トホホ。



9月3日(水) 1,000年以上の歴史を不連続に飛び越えた感覚 ――センセイは奈良に滞在中――

 今日もまた、見たままのお話。

 センセイは現在、奈良に滞在中です。帝塚山大学で開かれる学会に参加するためです。大会は明日からなのですが、今日の午後、学会役員の会合があるのです。
 事務局を担当しているので必ず出席しなくてはなりません。

 今朝は小倉駅から山陽新幹線に乗り、京都駅で途中下車。近鉄線に乗り換えて奈良へ向かいます。
 奈良県に入るのは久しぶり。

 会合の時刻までにまだ少し時間があるので途中駅で乗り換え、まず奈良市内のホテルへ。
 電車が発車すると突然、線路の北側に広い草原が出現しました。

 その奥には写真の大きな建物が。再建された平城宮の大極殿(だいごくでん)です。
 それにしても大きい。

 センセイが今朝まで滞在した北九州市も歴史は長いのですが、近代に入ってから特に大きな役割を果たします。
 一方、センセイが目にしているのは、約1,300年前に都だったところ。

 写真でもわかるように、周囲にはごく普通の民家や工場、道路などがあって、人々がごく普通に生活しています。

 慣れてしまえばどうってことないのでしょうが、通りすがりの人間は、歴史を不連続に飛び越えたような不思議な感覚に陥ってしまいます。



9月2日(火) 博多と、門司・小倉・戸畑・八幡そして若松は、考えていた以上に遠かった

 今日は見たままのお話。

 お伝えしたようにセンセイは昨日から北九州市(小倉)に滞在して、国際会議に参加していました。会議は無事に終了し、現在は会場近くのホテルに戻ったところ。
 出張中であってもメールによる仕事のやり取りがあるので、パソコンはかなり使用します。

 Webブラウザも開いてニュースも読むので、世の中の動きはひとまずわかっているつもり。でも、夜のNHKニュースだけは主要な部分を観るようにしています。
 見落としがないかチェックするためですが、実はこれ、ふだん金沢にいる時も同じ。

 今回もホテルに戻り、8時45分からのローカルニュースを観ながら仕事をしていたのですが......何だか変。
 福岡市(博多)や福岡県西部の情報を一切流していないのです。

 最初は偶然だろうと思っていました。でも9時前の天気予報では、そうでないことがはっきりとわかりました。
 写真は明日の最高、最低気温の予想に続いて、熱中症情報を伝えているところ。
((c)NHK)

 下関(山口県)や中津(大分県)は表示されているのに、福岡県の県庁所在地である福岡市の情報は掲載されていません。
 福岡市は画面の左下隅に位置します。

 要するに、NHKのローカル放送は北九州市など福岡県北東部専用のものなんですね。この時間帯に、博多以西では別な放送が流れているはず。
 確かに北九州市は人口約96万人の政令指定都市。

 でもNHKのこの扱い――NHKを批判しているわけではありません――って、首都圏で政令指定都市かつ県庁非所在地の川崎市にだけ別な放送を流すようなもの。
 センセイが子供の時に
門司市、小倉市、戸畑市、八幡市そして若松市が合併してこの北九州市が誕生しました。

 記憶に間違いがなければ、地域間の利害を超克したたいへんな合併だったはず。今になってみるとそれは、福岡市(博多)への対抗によるものだったのでしょうか。
 北九州市と福岡市(博多)との距離はわずか70km弱。山陽新幹線なら一駅です。

 でも確かに、この地区が瀬戸内や本州の文化を継承しているのに対し、博多は九州の文化。

 世の中、知らないことばかりだ、ということを改めて思い知らされます。



9月1日(月) 8年ぶりの小倉。センセイは国際会議に参加しています

 ご存知のようにセンセイは、一昨日の午後まで広島(東広島市)にいました。

 昨日だけは金沢にいて、現在先生が滞在するのは北九州市。昔の言い方なら小倉です。市内の北九州国際会議場で開かれている国際会議に参加しているのです。
 写真は開会式の様子。

 会議は午後からだったので、今朝は早起きして特急と新幹線を乗り継ぎ、正午前に小倉到着。
 広島での学会終了後どこかに2泊して、そのまま出張を続けても良かったのです。

 でもこの場合、10日の出張になるので洗濯物の問題が発生します。また立場上、各種の申請書類に押印する必要があります。
 というわけで、ひとまず金沢に戻ったのです。

 金沢―小倉間は800km以上。さすがに遠い。

 センセイは小倉を3回訪れています。8年前の学会――今回と同じ会場――と、10年前および11年前の子連れツアー。
 乗り換えのための下車を含めれば、回数はずっと増えます。

 でも、久しぶりだということと、気楽な一人旅だからでしょうか、目に映るものの印象は、以前とずいぶん違います。
 言い換えると、わかったつもりになっていて、実は全然...ということなんでしょうね。素直に、反省。

 国際会議は明日まで続きます。 



8月31日(日) 北陸新幹線開業に伴う在来線ダイヤ改正は、新潟県にかなり配慮したものとなっています

 センセイが広島出張の8月27日に、JR東日本と西日本は共同で「北陸新幹線 長野〜金沢間か偉業に伴う運行計画の概要について」を発表しました。写真は報道の一例です。((c)ASAHI INTERACTIVE)
 まず開業日は3月14日(土)。

 金沢駅ホームなどには開業日を告げるポスターが多数掲出されています。ただし春の列車大改正は3月中旬の土曜日に行うので、実は既定事実。

 北陸新幹線運行のポイントの一つが停車駅。特にすべての列車が新潟県内に停車するかどうかについては、JRおよび北陸地方の自治体と、新潟県との間で意見が分かれていました。
 その結果は、速達タイプの「かがやき」は全列車が新潟県内を通過。

 実は、JR東西の境界駅「妙高上越駅」(新潟県)は列車が高速で通過可能な設計になっています。他方、長野駅は全列車が停車しなければならない構造。
 つまり当初から長野駅で乗務員が交替することが決まっていたのです。

 東海道新幹線でいうと、「のぞみ」が静岡駅を通過するようなもの。上越市は県庁所在地ではありませんから、条件はもっと厳しい。
 新潟県は計画がかなり進行してからそれを知りました。しかし事すでに遅し。

 建設資金を提供する新潟県は、機会あるごとに知事が代表してアピールしましたが、根本的な問題を解決することはできませんでした。
 知事はやがて方針を、地域住民の実質的な利益を求める方向に変えた、とセンセイは考えています。

 「地域住民の実質的な利益」というのは在来線との連携強化。北陸新幹線の開業によって、新潟県の鉄道は東西に分断されてしまうようなものなのです。(「別紙」参照)
 分断された県内を繋ぐのは在来の信越本線。

 JR東日本の発表によると、妙高上越と新潟を結ぶ特急「しらゆき」を新設し、5往復運行するとのこと。この運行本数は、現在ほぼ同じ区間を走る特急「北越」と同じ。
 使用されるのは基本編成が羽越本線の特急「いなほ」に充当されたE653系の付属編成(4両×4編成)。

 あまり知られていませんが、実はもうすでに、この地区ではE653系の慣熟運転が行われています。そもそもE653系は高価な交直両用電車。しかも50/60Hzに対応しています。
 E653系がデビューした常磐線の交流区間は50Hzですから、60Hzは不要な設備。

 つまり設計時から「この日」に備えていたんですね。みんなオトナなんだ......。

 新潟県最西端の糸魚川と新潟を1日1往復する快速列車を運行するとのこと。かつてのディーゼル急行「ひめかわ」のように、糸魚川を朝出発して、夕方戻るというパターンにするんだと思います。
 ただし車両が足りない。485系の中の一部を延命させるんだろうか。

 しかも新潟−糸魚川間については、たいていが平行する北陸自動車道を使って自家用車で移動するため、高速バスが撤退してしまう(!!)ほど、利用客が少ない。
 う〜ん、へそ曲がりのセンセイの頭の中には、地域住民へのアリバイ作り、という不遜な考えが浮かんでしまいます。

 この他にも、ほぼ現状を維持する便数で、名前のない快速列車が運行されます。こちらはたぶん、これまでのような特急型車両ではなく、普通車両を充当すると思われます。つまり485系はリニューアル型のR編成を含めて大半が廃車になるものと推測されます。
 生き残るのは保安設備の関係で、首都圏に乗り入れることができるK-1、T-18編成およびR編成の一部だけかも......。

 さてセンセイはというと、これが微妙。想定していた最悪の事態は免れました。

 けれども、現在は各駅停車で金沢へ移動している分が新幹線+特急「しらゆき」に替わるので、かかる費用はざっと2倍。乗り換えを考えると所要時間も同じようなもの。
 1週間の仕事を終えて特急「北越」に乗り込み、ビールを飲んでうとうとしていると自宅のある柏崎駅......というわけにはいきません。

 最悪は免れたけど、車と電車(新幹線+特急)が半々、といったところかなぁーと思っています。実際のダイヤが決まらないと何とも言えないのですが。

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