2007年11月10日更新(2007年11月18日ページ移動。2012年9月19日一部写真削除)

──2007年11月第2週のニュース──

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11月10日(土) 東京の雨は、冷たい。 ――東京工業大学に来ています――

 というわけで西村センセイ、昨日から上京しています。東京工業大学で開かれている学会に参加しているのです。

 東京工業大学はセンセイの専門である科学史や科学技術社会論(STS)の、国内での研究拠点の一つ。

 都内に住んでいた時は月に1回くらい、新潟や金沢に移ってからも時々来ていました。
 でも、今日はキャンパスの印象がずいぶん違います。

 一つは前回の訪問からちょっと間が空いたから――1年半?――だと思うのですが、どうもそれだけではなさそう。

 いろいろ考えたのですが、どうも今日の東京の雨がとても冷たいからではないかと思うのです。
 同じはずの場所なのに印象がずいぶん違うし、実際、写真の講堂(?)には初めて気づきました。

 今日の講演についても言えるのですが、わかったつもりになっていても見落としていたことや知らない場所ってホントにたくさんあるんだろうなぁ、って思います。

 どんなに凹んでいても、実はまだ、いくらでも希望はあるんだよ、って初冬の雨に教えてもらったんですね。



11月9日(金) 忘れていることを、忘れかけている...。(トホホ)

 西村センセイは、昨日から日曜の夜まで公務出張中......ですが実は、まだ今は自宅にとどまっています(午後から上京)。昨日、柏崎市で割と気を使う仕事があったために、同僚らとともに市内に存在していたのです。

 で、夕方その仕事を終えて呆(ほう)けてしまった西村センセイ、今日の午前中はずっとそのままの調子で在宅。
 もちろん仕事はしてましたけど。

 「何か引っかかるんだけどなぁー」と思いながらお昼に車を走らせていたら......あ"。

 自宅にいる機会を利用して、今日の朝イチでお医者さんに予約してあったんだ!!
 すっかり忘れていました。

 おまけに、忘れていたことを忘れかけていたのです!!

 今日は平日の昼間だということもあって、たまたま医院は空いており、ゴメンナサイで事は済んだのですが、う〜ん、忘れていることを忘れるのは老人特有の症状......。

 『星の王子さま』の話をする時はいつも、本筋からちょっと外れて、お酒を飲むことが恥ずかしいことを忘れるためにお酒を飲む「呑み助」“le buveur”をセンセイの分身として紹介するのですが、もしその事すら忘れてしまったら、もう、洒落(しゃれ)にならなくなってしまいます。

 ヤバイ。



11月8日(木) 20年くらい前の郵便貯金通帳が出てきた(らしい)

 西村センセイ、何故か今日は自宅のある柏崎市に存在していました。

 めったにないこの機会に、ちょっと郵便局へ行ってきました。何と、局から呼び出されたのです!!

 実は先日、局から自宅に電話があって、20年くらい前、東京に住んでいた時の貯金がそのままになっているようなので、確認して欲しいとのこと。

 確かにその頃の貯金の記憶はあるのですが、何しろ遠い昔のことなので、通帳も見つからないし、もちろんどの印鑑を使っていたのかもわかりません。

 他の用もあったので、とにかく局へ出向くと、住所その他を調べてその通帳の持ち主が同一人物、というかセンセイ自身であることが判明しました。

 で、印鑑の変更を含めて通帳の再交付手続きをお願いしたのですが......そもそも、どうしてその人物がセンセイだとわかったのだろう。

 住所はその後4回変わっているし、同姓同名なんていくらでもあるだろうし。



11月7日(水) そして、王子さまと“Keynote”のおかげですね。 ――最初で最後の教職科目を終えました――

 今年の3月に、新潟県内の中高一貫校でサン=テグ・ジュペリの『星の王子さま』を使った出前授業をしました。受験勉強に追われている生徒達に、勉強そのものの面白さに気づいてもらおうというものです。

 中学生を相手にお話したのですが、実はこれ、大人向けの講演──しかも保護者と教師向け──でもあったのです。二者、ないしは三者に対して同時に語りかけるという、構造としてはとても難しいものでした。
 苦労した甲斐があって、おかげさまで割と評判が良く、ずいぶん盛り上がりました。生徒の反応はちょっと恐いくらいでした。

 味をしめた西村センセイ、実は今学期、金沢工大でも1年生向けの合同授業で1時間使ってこのネタで講演し、さらには3年生向けの講義の最後で、ちょっとだけお話ししています。
 ところが驚いたことに、学年によって反応が全然違うのです!!

 今日は今学期だけ担当している2年生向けの教職科目の講義がありました。テストをお返しして総まとめをするという、実質的にはほぼ最終回。

 センセイにとっては新規の科目で苦労したのですが、それも今日が最後なので、これを機会に割と時間を使って『星の王子さま』ネタを講義しました。

 詳細についてはこちらからご覧いただきたいのですが、学生によっては「今日の授業が一番良かった」などとのこと。(オイオイ、今までの苦労は......)

 講義開始時に簡単なアンケートを取っているのですが、今日の反応と比較してみるとやはりずいぶん違います(ただし個人差はある)。

 やはり成長しているのは学生で、センセイはそのきっかけを与えているか、せいぜいその手助けをしている程度なんだろうなぁーと実感します。

 今日の講義がうまく行ったのは、学生自身と、王子さまと、あ、そうそう“Keynote”のおかげなんですね。きっと。

 ちょっと名残惜しい気もしますが、センセイにとっては文字通り「最後の授業」となりました。

※19世紀のフランスの作家、アルフォンス・ドーデの、フランスとドイツ(プロイセン王国)の国境地帯アルザス地方を舞台とした短編小説。
 普仏戦争敗戦により、今後はドイツ語しか教えてはいけないことになり、学校で、最後のフランス語の授業が行われるというお話。教室にいるのは子どもだけではなく、後ろにたくさんの大人がいます。フランス語教師はフランス語という言葉を使って子どもたちに語りかけると同時に、何もできなかった大人に無言で抗議しているのです。この「最後の授業」はポプラ社から『最後の授業』として出版されています。ただし現在は在庫切れの模様です。
 なお、センセイの授業が何かへの抗議だというわけではありませんので、念のため。



11月6日(火) 「生きられた時間」 ──きっと時間は、本当に伸び縮みしているはず──

 なぜだか、とにかく忙しい。(たまにはこれ以外の形容詞を使って近況をお知らせしたいのですが......。)

 お昼をちゃんと食べることができないので、とにかくお弁当を買いに外出。世の中の何もかもが焦ってしまっています。

 ところがコンビニに向かって大学脇の高橋川を渡った時、急に雰囲気が一転しました。他の何よりも先に、まず雰囲気が変わったのです。

 あれ? と思って川沿いの道を向くと、幼稚園/保育園の年少組さんが、大きなベビーカー3台に乗せられてこちらにやって来ます。
 ちょっと大きな子は保育士に手を引かれています。

 彼ら彼女らの登場によって、たちまちこの周囲の時間が緩やかに流れるようになります。
 不思議なものです。

 ホントはここで撮影すべきだったんだけど、西村センセイもそんなことをすっかり忘れてしまったくらいです。

 どこへ行くのか、車を止めて──というか、もちろん自動車の方がスローモーションの映画を見るように止まって──子供達が道路を横断します。

 子供達が渡り切ると、時間の流れはたちまち元通りに戻ります。

 きっと時間って、ホントは伸び縮みしているんでしょうね。



11月5日(月) 西村センセイ、電子レンジで弁当を温めようとして、いろいろ考える

 今週後半から出張が続いて時間が取れなくなるので、今日はお医者さんを三つ梯子(はしご)しました。いずれもちゃんと定期的に診てもらっていれば問題ない不具合なので、気になさる必要はありません。

 そのために変な場所でお昼を食べることになったのですが......お店がない!!

 仕方がないので、ほぼ初めてのコンビニでお弁当を買うことにしました。陳列棚の最下段に僅かに並んだ中から一つ選んで代金を支払います。

 レジ脇に、隠れるように電子レンジが置かれていたたので温めることにしました。
 すると近くにいた店員がセンセイの様子に気づくや否や、「アッ!!」と叫んでレンジに入れかけたお弁当をわっしと掴んで取り戻します。(実話)
 ようやくセンセイ──一応、お客様──の存在に気づき、「あ、すいませんねぇー」。

 悪意がないことはすぐにわかったので、何が「すいません」なのかと思っていると、「レジ袋のまま入れると大変なことになってしまうんですよぉー」とのこと。

 少しずつ彼女の考えがわかってきました。

 センセイは、厚手のラップくるまれ、コンビニの袋に入った状態のお弁当を温めようとしたのですが、彼女はコンビニ袋をレンジに入れると、例えば火を噴くとか、爆発すると考えたようなのです。

 で、彼女、「すみませんが、いいですかぁー」と、袋から(ラップに包まれたままの)弁当を取り出して、電子レンジで温めて下さります。

 確かに、電子レンジにアルミなどの金属を入れると火花が飛びますし、玉子やイカなどのように強い膜を持ったものを入れると破裂することがあります。
 でも彼女はそういうことを心配しているのではなくて、電子レンジを、オーブンレンジのように外から加熱するものと考えていて、とても危険な結果になると心配してくださっているのですね。

 工学系の学生さんはご存じだと思いますが、電子レンジは約2.5MHzの強力な電磁波を庫内に向けて発信します。そのエネルギーは庫内の水分子に選択的に吸収され、H-O-Hと並んだ水分子を揺さぶって猛烈に発熱させます。
 電磁波のエネルギーが効率よく熱エネルギーに変換されるのです。

 しかも肉や野菜の比較的深部にまで電波は到達するので、中からも加熱することになります。「焼く」のではなくて高温の水で内外から「蒸し焼き」にするのですね。

 水分子以外には影響しませんから、入れ物や包装類はまったくそのままです。電子レンジにしてみたら(?)、コンビニの袋も、お弁当を包んでいるラップも同じものなのですが......。

 お弁当を温めてもらっている間、それはそれでたいした問題は起きないのかなぁーと思うと、 ホントに親切なおばさんに、どうやってこの理屈を伝えたらいいのか、あるいは伝えない方がいいのか考えていたのでした。



11月4日(日) 割引券を使っても、これだけ?! ──物価がじわじわと上昇しています──

 1年くらい前から物価がじわじわと上昇しています。もちろん最大の要因は原油高。

 ガソリン価格も上昇していますが、でも実は、普通の人が近距離の通勤や買い物に車を使う程度なら、それ自身はたいしたことはないのです。
 ガソリンスタンドでテレビカメラを向けられて、「困るぅ...」とかインタビューに答える人が、ガソリン価格の倍もする、500ml入り150円のペットボトル入り飲料を自動販売機で何の抵抗もなしに買っている──あるいは、買うことができる──のですから。
 (ちなみに、センセイはいつも水道水を入れた水筒を持ち歩いている。)

 けれども燃料費上昇の影響をモロに受ける運輸業や、石油で成り立っている現在の農林漁業、製造業、そして小売業などは本当に大変です。

 それなのにずっと続いているデフレ下ではなかなか販売価格に転嫁できません。
 そこで、たとえばスーパーではお刺身のパックの値段を据え置くものの、量を減らすなどの方法を採っていました。

 されど原油高がずっと続き、さらに最近は1バレルあたり100ドルの声を聞くようになってきて、ついに堰を切ったかのように物価が一斉に上昇し始めています。

 今日は日用雑貨を買いに出たのですが、トイレットペーパーも、テッシュ──そもそもお目当てのブランドは品切れだった──も値上がりしています!!

 新聞の折り込み広告に近くのスーパーのお刺身の割引券が入っていたのですが、実物をみるとそもそもの値段がかなり高く、量も少ない。
 割引券を使ってもまだ高いくらいなのです。

 大都会はともかく、柏崎市などの地方では(センセイを含めて)給料はちっとも上がらないし、ホントにちょっと何かあると景気が腰折れしそうな状況です。

 今後がとても心配されます。

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