2011年7月2日更新(2011年7月10日ページ移動。2015年2月11日写真削除)
■7月2日(土) 学生ボランティアの先遣隊、間もなく東日本大震災の被災地に向けて出発
今日は土曜日。いつもなら新潟の自宅に戻っているのですが、午後にセンセイが関係する学会の会合が学内で開かれるので大学に留まっています。
教職関係の科目や資格講座などを除けば、通常の講義は開かれていないので学内に学生の姿は見えない.....あれ?!事務室前のスペースを使って、揃いのジャケットを着た学生が4名、何か作業をしています。ジャケットに一部蛍光塗料が塗られているため、薄暗い校舎の中でそこだけが目立っています。
4月に入ってからもらった書類に思い当たる節があったので、メンバーに尋ねてみると、「そうなんです。間もなく先遣隊が出発するんです」。
お察しの通り、学生による東日本大震災のボランティアチームです。返答する、その表情が良い。
現地の状況を確認すべく、間もなく学生と職員によるその先遣隊が出発するのです。
今日は、雨対策のヤッケを確認しているんですね。教職員も学生もとにかく忙しい金沢工大。
今回の震災では、情報伝達手段や交通機関が十分に回復しないうちに新年度を迎えたこともあって、これまでは「現地の人々のためにボランティア活動をしたい!!」という学生の熱い気持ちに、必ずしも十分に応えることができませんでした。
でも、もう1ヶ月もすれば夏休み。先遣隊の情報にもとづいて、多くの学生が文字通り自発的──ラテン語の“voluntas”(意志)が語源──に、被災者の将来のために活動してくれることでしょう。
しかも写真の彼ら──当然、それ以外にもいるはず──は、その準備のために人知れず働いているのです。他大学もそうでしょうが、こういうところに若者の良さが表れていると思います。
そしてセンセイには、彼らが金沢工大を巣立った後の姿が看取(かんしゅ)されるのです。もちろん、声には出しませんが。
■7月1日(金) 地元産のお米の在庫がなくなったので、初めて魚沼産コシヒカリに切り替えました
センセイは農家の出身なので、お米の味にはチト、うるさい。
白状するとやはり、実家で採れた天日干しのお米が一番美味しかった──過去形──と思っています。まるでセンセイのDNAに情報が書かれているかのよう。
そりゃ、生まれた時から、否、母親の胎内にいる時から「食べて」いるのですからね。白状するとセンセイは大学の食堂、特に定食などのご飯ものをあまり食べません。油っぽいものが多いとか、学生向けなのでセンセイには量が多すぎるという理由に加えて、ご飯が美味しくないからです。(関係者の皆様、ゴメンナサイ。)
もちろん商品の提供価格や供給量を考えれば仕方ないのですが。実家のお米を食べられなくなってからは、いろいろな産地のものを試しました。実家のものに一番近いなぁーと思ったのが、柏崎市内の中山間部、旧高柳町で作っているコシヒカリ。
少し高いです。石川県のものもいくつか試したのですが、やはり、水と土が違うようです。ご飯として食べる時には、石川の水を使っているにもかかわらず、です。
お米は重いので、いつもは車で金沢へ来る時にスーパーで購入して運びます。ところが先月、最後に車を利用した時には、ちょっとバタバタしていて、買いそびれてしまいました。
いよいよお米がなくなってきたのですが、しばらくは電車だけを利用する予定。仕方がないので、先週末、2kg入りのものを買って電車で運ぼうとしたのですが......ない。スーパーによると、売り切れとのこと。
高柳産の「こしいぶき」(早稲品種)は並んでいたのですが、やはりコシヒカリにしたかったので、写真の魚沼産のものを購入しました。
全国に名を知られた魚沼産。高柳産よりも高かったです。炊きたてを冷凍保存しておいたご飯がなくなったので、今日、初めてこれを焚いてみました。
お米の研ぎ方、水の量と浸しておく時間をきちんと管理します。これで味がずいぶん変わってしまうのです。輪島(石川県)産のキスのお刺身──素材の味が生きていて、美味しかった──をメインに、炊きたてのコシヒカリを頂きます。
お釜を開けた時の匂いはほとんどありません。収穫してから時間が経ち、しかも気温が上昇しているこの時期だからかもしれません。茶碗に盛り、合掌してから一口頂きます。
甘い。高柳産よりかなり甘い。もちろん上品な甘さです。ただしご飯に芯というか、充実した感じがなくて割と平面的な食感です。地元のお米に慣れたセンセイにはちょっと不思議な味。
もちろん、普通のお米よりはずっと美味しいので、高柳産の新米が出回るまではこのお米を食べようと思います。
■6月30日(木) 七夕まで1週間。留学生による七夕竹が飾られています
いつものように昨晩、スーパーの惣菜が半額になる時間に大学を離れました。遅すぎると惣菜がなくなってしまうのです。
お刺身を買ってレジへ進もうとした時、「これは小豆(アイス)」などと、冷凍食品の品定めをしている学生の一団に出くわしました。
でも彼ら彼女らは金沢工大の学生ではありません。本学に滞在している、アメリカからの留学生なのです。
彼らはセンセイらの研究室のすぐ近くで勉強しているのですが、実に達者な日本語で、音を聴いているだけでは留学生だなんてわかりません。
センセイの外国語よりずっと上手です。そんな彼らが作ったのが七夕竹の短冊。
「日本語がうまくなりますように」とか「彼氏ができますように 冗談 冗談 冗談」などというものもあれば、英語で書かれたものも。
やはり会話は流暢でも、漢字の読み書きは難しいことが多いようです。それにしても彼ら留学生はホントに、何にでも積極的に取り組もうとします。休み時間になるとくつろぎきった表情で携帯型のゲームに夢中になっている日本人学生とは、やはりずいぶん違う。
何だかんだ言っても、学ぶべきことは多いと実感させられます。
■6月29日(水) し、知らなかった...。金沢駅2階に、スーパーがあったなんて。
日曜日の夜、自宅のある柏崎から金沢へ到着する時は、正直なところ「気分爽快」というわけにはいきません。各駅停車を乗り継いでたどり着くので疲れているし、周囲は暗い。
それに準備を終えていない仕事が待っているし。でも帰宅のために金沢を離れる時は、そのまったく逆。多少仕事を残したままではありますが、これから乗るのは特急。
最終電車で帰る時は、駅構内のコンビニでお弁当を買って、ホームのキヨスクでサッポロビールを買います。
コンビニでは後者を取り扱っていないのです。先日の神戸、福井出張もこのパターン。直通電車はないので、乗り換えのために金沢駅で途中下車。
ひとまず改札口を出たのですが、ここで初めて「スーパー」という表示があることに気づきました。多少迷いながらも金沢駅ビル「金沢百番街」くつろぎ館のエスカレーターに乗ると、おぉ。
2階にご覧のようなスーパー「金沢百番マート」が。知らなかった。お客さんは勝手をよく知ったOLに加えて、観光客でしょうか、老人の姿も目につきます。
あまり広くない店舗ではありますが、野菜、果物、海産物、地酒まで、手広く取り扱っています。専門店も入っていて、洋惣菜から肉専門店、お寿司屋さん、鮮魚店まで!!
価格は少し高めですが、物は良く、品物の種類も豊富です。この日はお弁当とサッポロビールを買ったのですが、前者はちょっと高めながら、上品で品質もしっかりしていました。
デフレが続いているので、駅で買うことができるお弁当は、コンビニの低価格・低付加価値の物と、1,000円以上もする駅弁の両極端に分かれてしまっています。
ここではちょうど良い品質と価格のものを手に入れることができます。これからもぜひ、利用しようと思っています。
■6月28日(火) あのぅ、自分の住所がわからないんですけど...
......と言われても、何のことかさっぱり分かりませんですよね。でも実話なんです。
センセイは自宅のある柏崎に戻ると、少し離れた場所に両親や伯母の世話など、いくつかのことをしなくてはなりません。その一つが通院。センセイくらいの年齢になると皆、どこかがおかしいのです。
昨日も久しぶりに近くのお医者さんへ。窓口は混雑しています。センセイは予約してあるので診察券を出して、すぐに待合室の椅子に座ったのですが、窓口は相変わらずバタバタしたまま。
やがて幼児を連れた初診と思しき老女が、「自分の住所が正確にはわからないんですけど...」。びっくりしてそちらを向いた西村センセイは、もう一度驚かされることになります。だって窓口の係員は慌てずに、「町名もですか?」と質問しているのです。
ナシテ?!老女は幼児の診察券を何枚か取り出して、どこかに住所が記されていないか探しています。やがてそのうちに、「福島と柏崎の住所を...」などという会話が聞こえてきました。
もうお分かりですよね。福島第一原発事故で柏崎に避難している人達なのです。東京電力本体かどうかはともかく、柏崎や福島の浜通り地方には原子力関係の仕事に就いている人がたくさんいます。
特に現場関係は福島と柏崎を往復するだけ。そのうちに地元の女性(/男性)と仲良くなり、家庭をかまえて......というのは、本当によくあるパターン。
今回の事故で、年老いた両親が義理の娘/息子の家や実家がある柏崎に避難してきているのです。
その数は相当なもので、柏崎の人口は一時的に増えています。これは柏崎だけの事情かもしれませんが、異境の地で、地元に戻る日までじっと耐えている人のことを忘れてはいけないと思います。
あ、写真は、日曜日に撮影した福井市内の路面電車(福井駅前駅)です。右奥は西武福井店です。JR福井駅正面はビジネス街で、人通りは全くありません。
でも、通りを1本挟んだこちらには、生活感が溢れていました。人出が少な目なのが気になりましたが。
■6月27日(月) これが本場の「越前おろしそば」。美味しかったです
お伝えしたように、保護者会2日目は福井市内、JR福井駅前での開催。現地に到着したのはお昼前。
職員の方々は会場の設営に入りますが、我々教員には「早くお昼を食べて戻ってきてください」とのこと。早めに到着した保護者と面接する可能性があるからです。
何人かで連れ立って、駅前の繁華街へ繰り出します。福井といえば、「越前おろしそば」か「ソースかつ丼」。同行したメンバーの平均年齢が高めだったこともあって、蕎麦屋「あみだそば」さんへ。
オープンしたばかりのお店のようです。メニューはシンプルで、越前おろしそば(550円)に加えて「わさびおろし」(650円)と「鬼とろろおろし」(750円)があるだけ。センセイはもちろん、越前おろしそば。
カウンターの向こうで高齢の店主(?)が一人で麺を茹でています。かなり待ってから届いたのが写真。蕎麦の量は少な目で、鰹節がこれでもか、というくらい載っています。
合掌してから、まず出汁を味見。最初に感じたのは大根の辛味。センセイにはちょっときつい。しかしその向こうの出汁は雑味を感じさせない澄んだ味です。
次は肝心の蕎麦。蕎麦の粉っぽさがないわけではないのですが、基本的には肌理の細かい麺です。
センセイの地元、小千谷には有名な蕎麦屋があって、ベタッとした感じを受けることもあるのですが、こちらの蕎麦はそんなことはありません。
これが蕎麦本来の味なんだろうなぁー。味わっているうちに、大根の辛さの中に、甘みを感じるようになりました。基本的には良いお店に出会ったんだろうと思います。
ただし個人的には、大根おろしの入っていないシンプルな蕎麦も食べてみたいのと、結果的に今回、誰も頼まなかった「鬼とろろ」ってどんな蕎麦なんだろうと思っています。
■6月26日(日) お台場から、人影を少し減らした感じ ──西村センセイ、初めて六甲アイランドを訪問する──
センセイは夜遅くなってから自宅に戻りました。
金沢のアパートではなく、関西方面での出張を済ませ、金沢を通過──後日ご紹介予定ですが、途中下車しました──して、新潟の自宅へ戻ったのです。
今回は保護者会への出席。担当地域は兵庫県と福井県。保護者との個人面談が主な任務です。対象学生が多いので、大阪行きの特急サンダーバードの1車両を独占してしまうのではないか──ウソですけど──というほどの人数で金沢駅を出発。
大阪駅から快速電車に乗り換え、初めて下車した住吉駅で六甲ライナー(神戸新交通システム)に乗車。新橋からお台場へ向かう「ゆりかもめ」に似た無人システムです。ちょうど車両が出発するところで、センセイはちゃんと乗車したものの、乗車途中でドアが閉め切られてしまい、団長以下、多くのメンバーは次の便に乗らざるを得ませんでした。
団長のK教授は車両のドアに手を挟まれてしまったのに、車両はそのまま出発。だいじょうぶかなぁー、このシステム。やっと到着した会場、神戸ファッションセンターマートから南側を撮影したのが写真。センセイらをここまで運んでくれた六甲ライナーが左側に見えています。
写真中央奥、大阪湾を挟んだ対岸は岸和田市付近(のはず)。右手のビル奥には関西空港が存在するはずです。
......などといううちに、個人面談開始。センセイは主として、問題のある新入生(の保護者)が相手なので、やはり疲れました。親御さんから預かっている大事な学生ですからね。
与えられた条件の中でベストを尽くさなくてはなりません。保護者会を終えると一同で新大阪へ移動し、今朝、福井へ出発。隣県なので多数の保護者に参加していただいての会となりました。
普通の教員は10〜15分の面接ですが、センセイだけはたいてい1時間近く。愚痴を言っているのではありません。センセイも親なので、問題を抱えている本人やその保護者の状況はとてもよくわかるので、どうしてもそうなってしまうのです。
気がつくと、周囲の先生方はとっくの昔に面接を終えていらっしゃいます。後片づけを急ぎます。関係者は大学が用意したバスで戻るのですが、センセイは別行動を許してもらい、福井駅から私費で特急に乗り、ひとまず金沢へ向かいます。
窓の外は弱い雨。傘を差す人がいれば、多少濡れても、という人も。判断が難しい、そんな状況にこそ、次へ繋がる智慧が生まれるんじゃないかなぁー......などとぼんやり考えていると、もう金沢。
あ、そうそう。今回はまったくの団体行動なので、関西在住の関係者にはご連絡いたしませんでした。まったく他意はございませんので、誤解なきよう。
機会があれば必ず連絡いたしますので、ぜひお目にかかりましょう。