2014年3月1日更新(2014年3月9日ページ移動。2017年3月13日写真削除)
■3月1日(土) ここがその「谷浜のラブホ前」。事故が発生した、まさにその現場です
週末なので新潟の自宅へ戻りました。今週は電車での移動。もちろん気になっていたのは、この間に発生した北陸本線での停電事故およびそれに伴う長時間の運転見合わせ。
個人的には影響を受けなかったのですが、通勤通学客や、首都圏へ向かうビジネスマンと受験生は大変だったはず。報道では列車が停止した有間川駅付近(正確にはその少し東)のことばかり伝えられていますが、事故そのものが発生したのはずっと手前。
自動車などと違って、鉄路を利用する列車は急停止できないのです。その後の報道によると、今回の事故は列車に電力を供給する架線を張っている部品の一つ「碍子(がいし)」が損傷したため、架線が垂れ下がって発生したようです。
事故が発生した現場は「谷浜のラブホ前」。列車の停止位置からすると、トンネルを挟んで約1.2km東方になります。それがこの場所。
帰宅する時に車内から撮影しました。もしかすると壊れたのは、次の電柱に設置されていたものかもかもしれません。
残念ながらこちらは撮影に失敗してしまいました。別な報道によると、当該の碍子を設置したのは約30年前とのこと。国鉄時代末期ということになります。
JR西日本は国鉄の財産と負債を、ともに引き継いだんですね。それでも中央での政治のツケを現場に押しつけられたJR北海道に比べればまだましかも。
現場に至る前に気づいていたのですが、今回の事件を受けてJR西日本は当該区間における架線の緊急一斉点検を実施しています。沿線には大量の作業員が動員されていました。
雪は消えたといえ、ご苦労様なことです。その苦労、「列車定時に動いて当たり前」と思っている人には理解してもらえないかもしれませんが。
■2月28日(金) 勢揃いしたピカピカの列車の先頭部に、「コブ」のようなものが...
写真は最近、北陸本線金沢駅と東金沢駅の間にあるJR西日本の「金沢総合車両所運用検修センター」(通称「乙丸車両基地」)を、新潟へ向かう列車内から撮影したもの。
銀色に輝く新製521系電車がずらりと並んでいます。521系は、老朽化が進む北陸地方のJR線普通車両を代替するために製造された車両。数年前からまず金沢以西で運用され、現在では金沢−富山間でも一部運転されています。
センセイは金沢へ移動する際に、ほぼ毎週利用しています。で、この写真、よぉーく見ていただくと各車両の運転席脇に、縦に長細い「コブ」のようなものがついているのです。
先日、京都から金沢へ戻る際に、敦賀駅で特急サンダーバードの車内から留置されている車両を見て気づきました。調べてみるとこれ、列車を連結して長い車両で運用する際に、ホーム上の乗客がこの部分から線路に転落する事故を防ぐための「ホロ(幌)」なんだそうです(JR西日本社長記者会見・報道)。
残念ながら、2010年12月に山陽本線舞子駅で実際に転落、死亡事故が発生しているとのこと。数年前から列車を連結する際は連結部分で両方のヘッドライトを点灯していました。
ヘッドライトと赤い尾灯は、単なる照明ではなく、遠くにいる人に列車の進行方向を知らせるという意味もあります。
センセイはルールから少し外れたこの使い方を不思議に思っていました。実は、これも転落防止のための暫定的な対策だったんだそうです。今回初めて知りました。このホロの開発に当たってはいろいろな課題を解決する必要があったとのこと。
それでも「お客様の安全第一」という姿勢を貫いて実用化に漕ぎ着けたんでしょうね。ズラリと並ぶ521系は3月のダイヤ改正に合わせて製造されたもの。一部は富山にも留置されています。
これらの車両は、1年後の北陸新幹線──背後にその高架が見える──開通とともに、この区間の北陸本線を引き継ぐ石川県と富山県の第三セクターに譲渡されます。
この地域の人々の日常生活を支えることになるわけです。
■2月27日(木) 大学の先生と学生が一緒になって学ぶ研修会に参加しました
数日前、研究室にいると内線電話がかかってきました。相手は事務室のMさん。「先生、どうしてもお願いします」。今日と明日、学内で開かれる研修会に参加して欲しいというのです。
どうやら、足りないらしい。案内は1ヶ月くらい前に届いていたのですが、そもそも忙しかったし、まだ体調が完全ではないので、参加を促されても辞退していたのです。でもこうなれば、参加するしかない。
現代の大学教員にとって研修はごくごく普通の出来事。でも今日の研修会は特別です。まず、クラブなどでリーダー的な役割を期待されている学生と先生がペアになります。初対面の相手です。
先生が不足したため、センセイの参加が要請されたようなのです。その上で、教師と学生という立場や年齢差を越えて、良好なコミュニケーションを取れるようになろうというのが趣旨。
「異業種交流会」のようなものですね。先生も学生も、最初はおっかなびっくりですが、外部講師の指示を守って話したり、一緒に知的なゲームをしたりすると、確かに学ぶものがあります。
相手はセンセイの1/3くらいの年齢なのに。チームを組んだ学生さんが良かったこともあります。センセイのお相手は、あるクラブで主務を務める2年生の男子学生O君。
基本的に優秀だし、勉強にもクラブにも前向きに取り組んでいます。ゲームなでは誰もが失敗するのですが、その失敗から教訓を学び取る能力がすばらしい。おかげでゲームの初回では、我々の「チーム」だけが時間に余裕を残して正解を勝ち取りました。
将来はまんざら捨てたもんじゃない、というのが感想。学生諸君と接していると実は、けっこういろいろな場面でそれを感じるのです。
■2月26日(水) 北陸本線で、垂れ下がった架線が特急列車を損傷させ、乗客が軽傷を負う事故が発生しました
センセイは通常、夜のNHKニュース(9時前のローカルとそれに続く全国ニュース)を録画しておきます。その時間帯はその日の講義の記録を整理しているので、リアルタイムでは観ないのです。
それに不必要な場面は飛ばすこともできるし。でも昨日は6時からのローカールニュースをあらかじめ予約録画しておきました。前の晩のニュースで、国鉄民営化後初となるJR西日本のラッセル車“キヤ143”がお披露目されることを知ったからです。
「JR初」と言っても実際は、新潟トランシスが製造し、JR東日本が運用している“ENR-1000”(投排雪保守車)の発展型。新潟県北蒲原郡聖籠町にある工場から金沢総合車両所(白山市)までの回送(「甲種輸送」)の様子は、あちこち(こちらやこちら)で紹介されています。
でも、アパートに戻って録画を再生すると最初に報じられたのは、北陸本線で発生した事故でした。((c)新潟日報社)お昼過ぎにJR西日本と東日本の境界付近で停電事故が発生し、上下線ともに付近で不通になっているというのです。新造ラッセル車のニュースはすっかり吹っ飛んでしまいました。
やがて報道で概要が明らかに。まず乗客の証言によると、トンネル内で大きな異音が発生し、窓ガラスが割れたとのこと。証言そのものは事実なのでしょうが、全貌は少々異なると考えられます。
現場に居合わせた方の情報によると、トラブルが最初に発生したのはトンネル内ではなく、ほぼ1駅東の谷浜駅付近。(駅の西側)
よく知っている場所です。現時点でまだ断定はできませんが、JR西日本のその後の対応(石川県の地元紙「北國新聞」や新潟放送)によるとどうやら、電力を供給する架線を支えている留め具に不具合が発生。
その結果、架線が垂れ下がり、高速で走行する特急列車のパンタグラフ窓や車体を損傷させたようです。窓ガラスや車両本体が大きく損傷したのは北越急行所属の秘蔵っ子、たった1編成しか存在しない683系8000番台。
ひっかけた部品──パンタグラフの一部か架線関係かはわからない──が谷浜駅西側のトンネル内で車両を損傷させたようです。窓ガラスだけでなく、車体も一部損傷しているのは683系の車体が、それまでの鋼鉄製と違ってアルミ製だからでしょうか。写真は列車後部に併結されたJR西日本所属681系付属編成。
こちらはパンタグラフを除き、大きな損傷はないようです。冬季に、車体に着いた雪の塊が落下し、そのはずみで線路の下に敷かれた小石(「バラスト」)が飛び跳ねて、車体や窓を損傷させることはあります。センセイも何回か出くわしました。
でもかなり高い位置にある窓の場合、ひびが入ることはあっても、今回のように穴が空いたというのは初めて。現場付近の北陸本線の開通は、当初見込みより3時間以上遅れた19時過ぎ。復旧後もダイヤは最終列車まで乱れたようです。金沢以東、特に富山の人々は相当影響を受けたと思われます。
実はこの場所、毎週センセイが電車で通過──ただし月に1回は平行する国道を走行──している場所。直近では日曜日の16:20頃に普通列車で通過しているのですが、センセイが無事だったのはどうやら、単なる僥倖(ぎょうこう)だったようです。
■2月25日(火) たまたま見つけたお店、実は職人さんが独立した本格的なお店らしい
センセイが金沢で暮らすようになってから12年経ちました。といってもこの間、基本的にはアパートと大学を往復するだけ。帰りは買い物をしますが、ルートは決まっています。
だからアパートの近くでも行ったことのない場所がたくさんあるのです。センセイが借りているアパートは新興住宅地にあります。といってもこの地は、もともと農家が散在していて、その田畑を順次宅地に変えながら家を建設しています。
だから住宅の新旧の家が混在。アパートの隣がそうなのですが、古い家を建て替えたり、更地にして分割販売していたりします。アパートの近くだけど、ふだんほとんど通らない場所に、建築されてからかなりの年月が経過したアパートがあります。
皆が皆というわけではないのでしょうが、センセイが目にしたのは数人の高齢の女性。それぞれ一人で暮らしているのでしょうか。
数年前、その隣にアパートを建て増ししたような部分があることに気づきました。その時は夜だったので、状況がはっきりとはわからなかったのですが、時計の看板を掲げていました。でも 通りから外れた住宅街の目立たない場所です。
本当に営業しているんだろうか.....。最近その場所を再訪したのですが、今度は店内に電気が灯っていました。蛍光灯で一部変色していますが、時計の看板も健在。
そこにはしっかりと、金沢時計サービスと記されています。気になったので調べてみると、時計修理専門店なんですね。確かな腕を持つ職人さんが独立したとのこと。
すみません。センセイ、外観で判断していました。つい先日もテレビで別なお店が紹介されていたのですが、時計の修理は確実な需要があるのだそうです。それはそうでしょう。思い出の時計って、ありますからね。
センセイも高校進学の時に亡くなった叔父から貰った時計を保存しています。いつかお世話になるかもしれないし、それにこの職人さんなら......と思ったセンセイなのです。
■2月24日(月) 少し、膨らんでいるような気がするんですけど...
見たままを手短に。講義がないためか、文章がずいぶん長くなっているように思えるので。
来月半ばにJRダイヤが全面改正されます。しかも今回は4月から消費税が増税されるため、各種料金もすべて変更されるはず。つまり今までの時刻表はまったく使えなくなります。
通常ならばダイヤ改正の1ヶ月くらい前に、つまり今回だと先々週に新しい時刻表が発売されるのですが、少なくとも大学の周囲ではまだ手に入りません。
ちょっと調べたいことがあるのです。大学の書籍コーナーへ毎日──今日は午前と午後──通うことになります。自動ドアから後者の外へ出ると、抜けるような青空。
寒いような暖かいような不思議な気温です。実際、センセイのように防寒具を着込んでいる人もいれば、スーツ姿の人や、果てはTシャツ1枚の男子学生──実話──まで。
生け垣として用いられているドウダンツツジに目が止まりました。大人の腰くらいの高さ。その先端部に赤い蕾がついているのですが、心なしか少し膨らんでいるような......。
気になって周囲の木々を調べてみると、例えば桜の蕾はまるで凍っているかのように、まだカチンカチン。それでも春は確実に近づいているんだなぁー......と思ったら、実は去年もほとんど同じ時期、それも春の大雪の1週間後に同じように感じて、似たことを書いているんですね。
人間は、本人が思っているほどには進歩しないらしい。
■2月23日(日) 西村センセイ、北へ向かう長大な貨物列車を見下ろしながら、春を感じる
昨日一日と今日の午前しっかり休んだセンセイ、自宅から柏崎駅まで15分ほど歩き、いつもの午後の列車で金沢へ移動しました。明朝からはバリバリ働く......つもり。
今日はちょっと寄り道をしてみました。センセイの自宅のある柏崎市内、先々週末はまだ積雪が10cm弱あったのです。その日は防水加工済の革靴で帰ったのですが、やはりどうしても雪が気になります。
その歩道、除雪してある部分とない部分が混在していました。どうして差があるんだろうと思ったら、旧市街地(写真左外)の人──自動車を利用できない老人が想定されている──が、写真の越後線(左)および信越本線を歩道橋で跨いで、写真右外のショッピングセンターへ渡るのに必要な場所が除雪されているんですね。
もっと早く気づくべきだった。細かいことは省略しますが、センセイもこの歩道橋を利用すれば、先々週末のように雪が積もっていても雪道を歩かずに済むのです。
というわけで、初めて上って見たのですが歩道橋、予想より高く、そして大きい。内部は広々としていて、自転車の利用を想定しています。ただし橋の上では下車するように指示されていますが。
エレベーターも同様。いつもは地上で見ている富山貨物駅発の長い貨物列車が、北──たぶん北海道──に向かって眼下を駆け抜けていきました。
ふだん見ることのないアングルなのでとても新鮮だし、迫力があります。柏崎市内はこの1週間で雪がかなり融けてしまいました。ご覧のように歩道は完全に無雪。
昨日の朝は一面真っ白だったのですが、昼には消えてしまいました。今日も雪が舞いましたが、積もることはありません。写真奥の山々はまだまだ白いものの、真冬の冷酷な白さとは違います。
どこか間抜けな、暖かみを感じさせる色。
山梨県や関東地方は大雪で大変だったようですが、春は確実に近づいているんですね。