2010年1月23日更新(2010年1月31日ページ移動。2014年3月16日写真削除)
■1月23日(土) 西村センセイ、「海外」出張に出かける ――47全都道府県に降り立ちました!! ――
今日は見たままのお話。
西村センセイ、早朝に金沢を出発して小松空港発のボーイング737-400型機に搭乗。
2時間40分のフライトの地に沖縄県の那覇空港に無事到着しました。センセイにとっては初めての沖縄県です。
ボーディング・ブリッジではなく地上に降り立ち、ターミナルまでバスで移動したのですが、それもあってか、密かに感慨深いものがあります。
全国47都道府県の中で、最後まで行く機会に恵まれなかった――理由は簡単で、現在は鉄道が走っていなかった――場所にいるのですから。あまり意味はないと思うけど、一応証拠写真。
遠い沖縄県に数人で来たのは、今日から数日間にわたる仕事のためです。
複数の相手があることもあって、気を使う準備を片付けた後に、とりあえず今日は無罪放免。
ひとまず宿所に戻ってから、那覇空港駅から首里城近くの「首里」駅までを結ぶ「ゆいレール」こと、沖縄都市モノレールに乗ります。
もちろん全線完全乗車。ゆいレール、新橋とお台場を結ぶ「ゆりかもめ」を短くした感じ。
構造上、車体下部が長いのは当然なのですが、それを差し引いても、意外とずんぐりむっくり、という印象を受けます。でも、乗り心地は決して悪くありません。
現地に来て初めてわかったのですが、那覇市は意外に起伏が厳しい。その急な坂をどんどん登っていきます。
ずっと乗っていてい気づいたことがあります。
コンクリートと鉄の軌道が混在しているのですが、走行音からその違いが良くわかります。今日は本来の業務の準備に追われて「ゆいレール」に乗車するのがせいぜい。
でも、帰りは途中下車して、有名な「国際通り」を歩いてみました。昼間だったから、ということもあるのでしょうが、正直なところちょっとお子様向けという印象を受けます。
それが適当かどうか、数日滞在するこの好機に、いろいろ確かめてみたいと思っています。それでは、また明日。(たぶん)
■1月22日(金) 違いの秘密は「甘さ」かな ──お醤油系と塩味系──
プリンタのトナーが届いたというので、センセイの部屋からだと道路を挟んで反対側、ふだんはあまり行かない南校地へ。
でも荷物を受け取る前に、目的地の近くにある食堂プラッツへ。
以前もご紹介しましたがセンセイは、キャンパス内の学生食堂の中ではここが一番美味しいように思えるのです。お昼時だったので、ご覧のように学生諸君で溢れています。
お願いしたラーメンをテーブルに置いて、記念撮影。ここは主に上級生が利用するためか、いつも行くヴァルカンとは、少し雰囲気が違います。
ちょっと余裕がある感じ。本当はずいぶん忙しいはずなのですが。学生諸君に囲まれながら、まずスープ。やっぱり、違う。その差は何なんだろうと考えながらメンマへ。
ここで味の秘密に気づきました。違いはたぶん「甘さ」なのです。
ちなみに、麺も違います。少なくとも茹で上がった麺は。
本当は同じものなのかもしれませんが、茹で加減の差なのか、ヴァルカンのものは割とお蕎麦のようなザラザラした感じなのに、こちらはちょっと誇張すると「プルン」という感じ。
麺の表面がしっとりしていて、それでいてコシがあります。甘さをあげたのには理由があります。
センセイは学部学生を8年間やっていたのですが、その後半はお金がなかった──当然ですね──ので、アルバイトをしていました。新潟市ではよく知られた中華料理屋(その後倒産)の支店でコックをしていたのです。
今でもキャベツの千切りなんか得意中の得意。手元なんて全然見ません。厨房に立つようになってしばらくして気づいたのですが、料理をする人にはどうも、お醤油系(醤油+砂糖)と塩味系の二系統があって、それが料理に反映されるようなのです。
もちろん乱暴な議論ですよ。両方とも美味しいのですが、塩味は食欲を刺激する反面、満腹感がちょっと乏しい。食べ終えても「もっと...」となりがちです。お醤油系はその逆。
このプラッツ。働いている方にお醤油系の方が多く、料理にもそれが出ているんじゃないかと思うのです。実はセンセイもお醤油系──醤油にこだわるのはそれが理由か? ──なので、オツムよりも身体がプラッツでの料理に親近感を覚えるのかな。
さて、関係者の皆様、どうでしょう。
■1月21日(木) 「前センセーいってたじゃないですか」(原文ママ) ──ガラパゴスケータイって何?
──
1月も下旬に入り、講義も最終段階に入っています。
考えてみると西村センセイ、単純計算ではありますが、今学期は1年生から大学院まで、500人弱を教えているんですねぇ。そりゃ、忙しいわけだ。
今日は二つの講義があったのですが、1年生向けの科目は今日が期末試験前の最終回。要するにまとめの段階です。
今までの講義内容を自分自身の問題として考えていただくために今日は、日本のものづくりの現状と今後の展望をお話しした後、グループで自由に議論してもらいました。きっかけの一つとして、いつものように質問を出しまします。「ガラパゴスケータイって何?」
もちろん日本独自の、多機能携帯電話のことです。
無線電話機能をベースにして、メール送受信機能、インターネットブラウザ機能、電子マネー機能、そしてテレビなど、とにかく考えられる機能を盛り込んだ超高性能マシン。
しかしその反面、操作性は悪くなるしバグも多発、価格も高くなりました。主戦場である海外では、シンプルさと低価格を求めるお客との間に深刻な齟齬が発生。
多くの日本のメーカーが世界市場から撤退せざるを得なかった苦い経験を持っています。回答を読みながら、みんな良く考えてくれたなぁー......と思っていた西村センセイ、あるカードで目が点になりました。
「前センセーいってたじゃないですか」。以前の講義ですでに説明していたんですね。これって、老人特有の症状。
もちろんそれを覚えていた学生には感謝していますが、センセイの引き際は案外、そんなに遠くないのかもしれない。
受講生の感想を読んでいると、知的な衰えが目立つセンセイとは対照的に、彼ら彼女らのしっかりとした成長ぶりが伝わってくるし。ちなみに、日本製「ガラパゴス」携帯、実は最近、海外でも見直されているんだそうです。((C)産経新聞)
■1月20日(水) 例外のない規則はない...か? ──例の場所に新規開店した新しい居酒屋の運命は?!
──
今日は見たまま、しかも定点観測ネタです。悪しからず。
朝から事務的な仕事をこなして──ただし今日も積み残しがある──電話で同僚の愚痴を30分しっかりと聞き、授業を乗り切った後に、計4時間の会議。
だめ押しは、その終了後に、頭を使わないけど体は使う事務作業が1時間半。さすがに心身ともにヘロヘロです。
スーパーの閉店時刻が迫っているので、仕事に見切りをつけて大学を後にします。
ひとり暮らしのセンセイには重要な問題なのです。雨も降りそうだったし。出来はともかく、とにかく今晩の食料を確保して自転車で交差点を越えると例の、短期間でお店が入れ替わる場所に出ました。
年末だったか今年に入ってからだったかよく覚えていないのですが、またまた看板が替わっています。
看板など、最低限のものだけを替えたようです。ところが少なくともセンセイが見ている限り、今回は今までと様子がちょっと違っていて、けっこうお客さんが入っています。
写真を撮影した日もご覧のように猫の額のような駐車場に、車が数台。飲み屋に車で来るのは......と考えてしまいますが、でもいつも、割とこんな感じなのです。
西村センセイ、「この場所は...」と侮(あなど)っていたけれどもしかすると、ちょっとした才覚と努力さえあれば、意外と何とかなるのかもしれない。
予断を反省すると同時に、ちょっと明るいものを感じた今日の西村センセイなのでした。
■1月19日(火) お借りしたものは、礼を述べてきちんとお返しします
先々週の東京出張、実は結構大変でした。日本海側の荒天が続いており、交通機関がかなり乱れていたのです。関東はピーカンなのに。
一番きわどかったのが東京へ向かう場面。
西村センセイ、講義を終えると、まとめておいた荷物を持って北陸鉄道石川線野々市工大前駅へ急ぎ、西金沢駅でJR北陸本線の電車を乗り継いで金沢駅へ移動。ぎりぎりで越後湯沢行きの特急「はくたか」に乗車しました。
ふと気づくとなぜか、サッポロビールを2缶手にしていましたけど。ここまでは良かったのですが、そのはくたか号、富山駅の手前から徐行運転に入ってしまいました。終点の越後湯沢駅で上越新幹線に接続するのですが、乗り換え時間は僅か10分。
まずい。少しでも遅れると新幹線に乗れなくなってしまうのです。直江津駅で5分以上遅れた時はもうダメかなと思ったのですが、北越急行(ほくほく線)は万全の除雪態勢。はくたかは快走し、遅れを数分取り戻して(!!)──鉄道ではめったにないことなのです──越後湯沢駅に到着しました。
おかげで無事に出張を終えることができたので、翌日は逆のルートで金沢へ移動。やはり雪でかなり遅れましたが、こちらはとにかく金沢へ到着すれば良いので......と思っていたら、石川県内、予想外に雪がかなり激しく降っています。
西村センセイ、履いているのは普通の革靴だし、新潟から車で来た関係で折り畳み傘を持っていないのです。金沢駅前からバスに乗ったのですが、雪はかなり降っているものの、革靴で歩けないほどではないようです。
でも傘......目の前に「ご自由にお使いください」との傘があるではないですか。ありがたい。
もちろん、運転手さんに断ってからお借りしました。すべての車両ではありませんが、北陸鉄道のバスにこのような傘があることは知っていました。
でも使ったのは初めてです。おかげであまり濡れずにアパートへ到着することができました。借りたものはお返ししなければなりません。
そこで先週の金曜日、乾燥機でしっかり乾かしてから、自宅に帰るつもりで乗車したバスの中でお返ししました。残念ながらそのバスに傘立てはなかったのですが。
お伝えしたように、結局その日は新潟にたどり着けず、深夜に金沢へ引き返すことになりました。それでも、「お借りした傘をきちんと返す」という義務を果たすことができたわけです。
■1月18日(月) 「子どもたちだけが、なにがほしいか、わかってるんだね。」
1月に入ってからどんどん日脚が伸びており、夜明けも早くなっています。
窓の外が明るくなっているのはわかるし、今日は朝イチから授業なので「起きなきゃ」と思うのですが、なかなか起床できない。
やはり疲れが取れていないようです。走る車の「バリバリ」という音が聞こえます。
昨晩、最寄りのJR駅からアパートまで歩く時には晴れていました。
放射冷却で夜の間にさらに気温が低下し、路面が凍結してしまったに違いありません。
身支度を整えてドアを開けると、やはり寒い!!自転車を出そうとして、小さな「かまくら」に気づきました。昨日は夜も遅く、かなり暗かったのでわからなかったのです。
周囲は小さな足跡だらけ。昨日、子供たちが雪を集めて作ったんでしょうね。はしゃぐ様子が目に浮かびます。
改めて周囲を見渡すと、小さな雪だるまを見つけました。
新潟の実家のある地域には「しみわたり」(たぶん「凍み渡り」)という言葉があります。
長い冬がようやく終わりそうになる頃、晴れた日が続いた朝は、昼間に雪の表面だけがいったん融けて、夜に再びかちんかちんに凍ります。
こうなると田圃や畑などとにかく雪が積もっている場所はどこでも自由に歩いたり走ったりすることができるのです。
注意さえすれば、大人だって平気です。ただし小川や水路の上は別。流れている水はなかなか冷めず、また凍りません。
だから水路の上にある雪はきちんと凍っていないので、すぐに穴になって落ちてしまうため、とても危険なのです。ふと、サン=テグ・ジュペリの『星の王子さま』の中の一節を思い出しました。
物語のハイライトである王子と狐の出逢い別れのシーンに続き、「子供たちだけが行き先を知っている...」という意味の言葉があったような......。
都会に出た王子が、行き交う列車の窓に子供たちだけが顔をくっつけている様子を見かけて、こういう意味の発言をしている(はず)。ちょっと自信がなかったので、原著──ただしフランス語の原著は自宅にあるので、今回は日本語訳──で確かめてみると、正確には今日のタイトルの通りでした。
やっぱり人間の記憶はずいぶんいい加減で、ずいぶん脚色しているんですね。内容的に大きく誤っているわけではないので、ま、いっかー。
■1月17日(日) ホームに立っているのは、わずかに二人 ──何とか金沢へ移動しました──
何とか金沢へ移動しました。
新潟の自宅に滞在したのは十数時間だけ。今週末は「海外」出張が入っているので、自宅へ次に戻るのは月末になります。
朝食を済ませてメールを確認していると、豪雪対策本部を設置した柏崎市の防災放送が聞こえてきました。家人によるとここ数日、毎日30cmくらいの降雪が続いているんだそうです。
山間部では積雪3m以上のところもあするそうで、市は除雪予算をすべて使い切ってしまったそうな。実家も凄いことになっているはずですが、大学生の甥が同居しているので、教育的配慮を含めて、あえてここは何もしないことにします。救援要請も届いていないし。
次期ご当主様はいろいろ考えなくてはいけないのです。防災放送、バスの運行など有益なものも多かったのですが、JR信越線の運行状況に関しては一言、「不通」。「利用するな」と言っているようなものです。
でもついさっき、自宅脇を貨物列車が通過していったんだけどなぁ。授業があるので、今日中にはどうにかして金沢へ移動する必要があります。最悪の場合は、明日修理に出す──引き取りに来てもらう──ことになっている318iを使います。
高速道路も、不通区間こそないものの、道路状況はかなり悪いらしい。JR東日本のホームページによると、上り・下りを順番に止めて除雪しているとのこと。ただし状況はどんどん変わっており、残念ながら除雪作業は遅れ気味。
状況を確認しようと柏崎駅の電話番号を探したのですが、いつのまにかWeb上からも電話帳(タウンページ)からも番号が消えています!!センセイのことですから、それでも番号を探して電話したのですが、それによると上り(直江津・金沢方面)の信越本線は、夕方から運行再開見込みとのこと。
再開後の1番列車に乗るため、3時過ぎに自宅を出発しました。それにしても本当にひどい雪です。
積雪は80cmくらいなのですが、道路の両側に雪の壁ができているので、道幅が半分以下になっています。
幹線道路は無雪なのですが、ちょっと外れると写真のように10cmくらいの圧雪状態。轍(わだち)の中にところどころ黒い部分が見えますが、これはタイヤが落ち込んで空転し、穴を掘った場所です。
圧雪が残らないように、きちんと除雪すればこんなことにはならないのですが。この時はまだ昼間なので何とかなりますが、夜の寒さで凍ったり、もうちょっと深かったりするとタイヤがこの穴に落ちてしまい、走行不能になります。
左に写っている車(前から2台目)が、穴にタイヤを取られて右側に傾いているんですが、お分かりになりますでしょうか。でも悪いことばかりではありません。
駅の近くだということもあってか、この付近は幅こそ狭いものの、歩道がきちんと除雪されていました。歩道用の除雪機械が増えているんですね。
以前はみんな、危険を覚悟の上で車道を歩いていたのに。駅に到着して状況を確認すると、ほぼ情報通り。
ただし除雪作業はさらに遅れたようです。でもまぁ、危険な作業なので仕方ないですよね。
「不通」のアナウンスが効いたのか、金沢行きの特急に乗り込んだのはセンセイを含めて2人だけ。
柏崎駅を出発した時点では、車内の乗客も5名に留まっていました。駅構内で、昨日ご紹介した「除雪機械」を2両見ることができました。周囲の状況から、少なくともごく最近は働いていないようです。
実際、この付近では昨日から雪がほとんど降っていないのです。ということは、数少なくなった大型の除雪車を使って、雪害がひどい地域を重点的に除雪しているということなのではないかと推測しています。
経費や発生頻度、要するにリスク管理の問題として難しいところなのですが、やはり新潟も、雪に弱くなっていることは確かなようです。