2011年4月9日更新(2011年4月17日ページ移動。2015年2月11日写真削除)

──2011年4月第2週のニュース──

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4月9日(土) こちらは庶民派。金沢生まれの洋食メニュー、「ハントンライス」

 2階のカフェテリアで貴重な(?)学習をした西村センセイ、翌日はもちろんいつも通り、1階の食堂へ。とにかく忙しいので、キャンパス外へ出ている時間はないし。
 食堂棟へ入ってみると券売機の前にも、定食コーナーの前にも1年生の長い行列。

 センセイのことですから、とにかく待ち時間の少ないコーナーを探します。たどり着いたのは単品コーナー。

 実はここに並んでいるメニュー、基本的には定食コーナーのものと同一なんですよね。適切に選ぶと同じメニューを、同じ価格で、しかも短時間に得ることができるのです。
 増やしたり減らしたりも簡単だし。

 ふと目に止まったのが「日替わりメニュー」と記された「ハントンライス」。その存在は知っているのですが、まだ食べたことがありません。価格は380円。
 キャッチには「チキンライスにふわとろたまご[原文のママ]。白身魚フライとタルタルソースをのせた金沢生まれの洋食メニュー!」。

 金沢発祥のオリジナルメニューなんですね。地域の人の間では割とよく知られた存在らしい。

 でも、お店によってライス(ケチャップ/チキン/他)やソース、トッピングに差があるようです。まるで金沢カレーのような存在様式。
 もちろん初挑戦。

 単品のコーナーの料理は通常、カフェテリア式にトレーに載せていくのですが、ハントンライスは引換券を渡されます。
一歩引いて様子を見ていると、奥で調理する様子は、まさにオムライスの要領。

 少し待り、合掌してから穴あきフォークで頂きます。

 食堂は基本的に、若い男子学生向けなので、多くの料理は量が多すぎるし、油っぽいものが主。
 このハントンライスはというと、確かに量は多い。

 でも白身魚のフライを使っているにもかかわらず、それほどしつこくはありません。
 チキンライスがあっさり薄味であることも影響しているのでしょう。これなら2、3ヶ月に1度くらいは食べてもいいかな。

 それにしても、西村センセイって、少なくとも食事に関しては、ずいぶん安上がりな人間なんだろうなぁ。



4月8日(金) 唯一期待していたお弁当が...。 ──新厚生棟のカフェテリアを初めて利用しました──

 というわけで、新年度に入ってからは会議ばかり。正式な会議の前に事前の最終調整があって、その前に事前打ち合わせがあって、さらにその前に実務者による実質的な会議があって。
 ......ふう。

 この組織はこうやって意志決定をしていく──あるいはそれができずに結論を先延ばしする──んですね。でも白状すると西村センセイ、会議が苦手。
 頭の回転が速い方ではないので、相手を説得するような議論は不得意なのです。

 というわけで、センセイにとっては「苦行(くぎょう)」の会議。何か楽しみがなければとてもやっていけない。

 ささやかながら、一つだけお駄賃に期待していた会議があります。2週に一度、お昼に開かれる会議。昼食の時間帯なので、ちょっと高そうなお弁当──現物を確かめたことはない──が支給されるのです。
 でも先日、初めてその会議に出てみると......ない!!

 指定された席に座ると、机上にあるのはお弁当ではなく学内の食堂で利用できる「昼食券」。出席者が変動するので、今年度から変更したのだそうです。
 ちなみに昼食券は、当日限り有効。

 さもしい西村センセイ、いろいろ考えます。食堂の定食は330円、かけうどんなら190円......。
 そうだ、まだ利用したことがない新厚生棟2階の(高そうな)カフェテリアへ行ってみよう!!

 というわけで、2時間の苦行の後に写真の“IL SOLE”へ。階下の食堂は大混雑でしたが、こちらはガラガラ。
 もうそれだけで、気分はちょっとだけリッチ。

 メニューは限られていたので、件(くだん)の昼食券を出して、日替わりのうどんセットをお願いします。
 このカフェテリアはオーダーを受けてから調理に入ります。

 店内のモニタで地震に関するニュースをずいぶん長い間、地震の被災体験と重ね合わせながら観た後に、やっと呼び出しを受けます。
 確かに下の食堂よりは美味しい。

 でも、改めて周囲を見渡すと、周りは先ほどの会議に出席していたお偉いさんばかり。背後にいらっしゃるのは、おお、学長。

 う〜ん、いろいろな意味でやっぱり、センセイには似合わない場所なのかもしれない。



4月7日(木) 今日も明日も、会議、会議、会議!! ──新学期の講義が始まりました──

 今日は見たままのお話。

 写真は昨日の午後、物理・数学の試験結果を食い入るように確認している新入生諸君。入学式の翌日に英語を含めてクラス分けの試験が実施され、その結果が公表されたのです。
 その試験によるクラス分けも踏まえて、いよいよ今日から講義が開始されました。

 センセイも午後、学部と大学院のクラスが一つずつ。

 でも偉そうなことは言えません。学部の講義は3年生のクラスだったのですが、お互いにまだ春休みボケが残っています。
 センセイはというと、教科書の置き場所を勘違いしたり、グループ活動のためのシートを忘れてきたり。
 もちろん結果的には何とかなったのですが。

 授業初日ということもあってか、授業はもちろん、キャンパス内を行き交う学生諸君の表情は、生気に溢れています。
 これが本来の姿なんでしょうね。

 でもセンセイは、というと、今年度から会議が倍くらいに増えてしまいました。今日も会議、明日も会議。
 朝から晩まで四つ(!!)もあるそうな。

 余裕を持って授業を準備し、しっかりとその結果を......と望んでいるのですが、さて、どうなることやら。



4月6日(水) 見守る人は変わっても... ──キャンパスの桜が咲き始めました──

 今日は朝イチから留年生の指導→個人面接→気を使う会議→書類の作成→留年生の指導→会議→学会の仕事......で、少々失敗しながら、やっと夜。
 さすがに疲れました。

 留年生の指導を終えて研究室へ戻る時、ふと、色気(?)のようなものに気づきました。
 桜です。キャンパス内で一番の早咲き桜が咲き始めたのです。

 午後になって太陽が桜の樹を背後から照らし出すような格好になったので、桜色が映えるようになったんでしょうね。
 桜色の近くには、女子学生が3名。

 そういえば、この春にキャンパスを後にされた高齢のF教授が、同じ場所から桜を見上げていたっけ。
 それを引き継ぐかのように、彼女ら。

 大学キャンパスという舞台の上で、登場人物は次々と交替していきます。センセイだって例外ではありません。
 でもそのキャンパスは、そのご縁のあった人々の拠り所として、ずっと存在し続けるんですね。

 キャンパスをひとまず後にした老教授や彼女たちも、「いつかまた、この桜を観に来るんじゃないかな」、と思えてきます。



4月5日(火) 新入生、メモを取り始める ──大人が変われば、子供も変わる?! ──

 今日もまた、新学期の学生諸君の様子を。

 今朝の1限はセンセイのクラス、つまり2年生に進級できずに原級留置となった学生諸君のオリエンテーション。正直なところ、どうなることかと思ったのですが、これが予想外。
 とても才能のある学生──ただし問題を抱えているのも確か──がいたりします。少なくとも今日の説明はあっさりと終了してしまいました。

 30分に渡る急ぎの個人面接を終えて、学内のホールへ移動します。学生部長による新入生対象の講演が行われているのです。600人を収容できるホールはすでに、新入生でほぼ満杯。
 もうすぐ講演開始時間だというのに学生がまだ入室してきます。大丈夫かな。

 でも、それは杞憂(きゆう)でした。

 講演が始まると学生諸君は、食い入るように学生部長のお話に聴き入っていきます。
 私語なんて一切ありません。

 学生の聴こうとする力と、先生の引き出す力が上手く引き合っています。たいしたものです。
 先生の失敗談から始まるところが凄い。

 この講演はある科目の一部分でもあり、専用の講義ノートがすでに用意されています。

 だから、かもしれませんが、強く指示されたわけでもないにもかかわらず、ご覧のように、学生諸君は熱心にメモを取っています。
 自分の手と足で歩み始めた、ということです。

 実はこの春、学生部長が交代しました。先生、つまり大人が何らかの形で変わる──考え方を変えるとか、人物が交替するとか──と、それに対応するように学生、つまり次の世代も意識がずいぶん変わる。
 そんな感じがします。

 そういえば、企業のトップが交替してある経営方針を明確に打ち出すと、見事なまでに部下が変わるという話を何回か耳にしたことがあります。
 センセイは企業勤務の経験がないので、どれくらい当たっているのかはよくわからないのですが。

 今回の学生部長と新入生の関係は、それに似ているのかもしれませんね。



4月4日(月) オリエンテーションも山場を越え、新入生諸君もずいぶん慣れてきたようです

 今朝も早く出勤してオリエンテーションの準備。といっても、センセイが受け持つクラスは明日で、先週土曜と今日は他クラスの応援なのですが。
 最初は自己紹介。

 このクラスは釧路の近くから奥出雲、四国、長崎県の五島列島など、ホント全国各地から学生が集まっていました。
 ちなみに、センセイの高校の後輩もいました。

 最初は知らない人ばかりだったクラスも、土日を挟んだためか、ずいぶん緊張感が解けてきたようで、休憩時間にはいろいろ教えあっていたりします。
 昼休みになったのですが、新入生にとって平日の食堂利用は初めて。

 最初は皆、写真の券売機か定食に集中してしまい、建物の外まで行列ができていました。
 センセイはガラガラの単品コーナーへ。新入生諸君もこの辺の具合を、もうすぐわかってくるでしょう。

 午後も3時間のオリエンテーションをこなし、無事に今日は解散。

 センセイはもうこのクラスを担当することはないので、ちょっと寂しい感じがします。
 引き続き、特別奨学生──授業料が減免される──のオリエンテーションへ。

 少し早く会場に到着したのですが、先ほどのクラスにいた学生が「お疲れさまでした」とニコニコした顔で話しかけてきます。
 ラフな格好をしていますが、とても良い雰囲気の学生です。

 学長の挨拶に続き、一人ひとりに任命書が渡されます。

 センセイはずっと会場の中で特別奨学生諸君の表情や動きを見ていたのですが、顔立ちや身だしなみを含めて、とても良い。明らかに良い。
 内面の豊かさがよくわかります。

 1年生に原級留置──いわゆる「留年」──となった学生だけからなるセンセイのクラスのガイダンスは明日。

 それが終わらないと何とも言えない部分があるのですが、少なくとも入学式から今日までの様子を見ている限りでは、今年はかなり良い雰囲気だなぁーという印象を持っています。



4月3日(日) 文字通り「暗い」東京にも、春はしっかりとやって来ます

 今日は日帰りで東京都内へ出張しました。

 朝、新潟の自宅を発って、長岡から上越新幹線に乗ります。地震後相当混乱したJR線も、現在ではかなり落ち着いており、定時に上野駅到着。
 目的地の東京大学(本郷)へ行くためにはここで下車した方が便利なのです。

 地下ホームはいつもとあまり変わらない様子だったのですが、地上へのエレベーターは3基中の1基が停止。もちろん節電のためです。側面に張り出してあるはずの観光案内はすべて撤去されており、何だか雰囲気が暗い。
 1階へ出た時、一瞬ぎょっとしました。

 文字通り、暗い。

 通路も脇の店舗も照明をかなり落としています。よく見ると並んでいる商品は少ないし、一時的に閉店しているお店も。
 節電のためだけでないでしょう。

 東北新幹線の大半がまだ開通していないこともあって利用客が少なく、採算が取れないんだと思います。
 そういえば新幹線ホームも在来線ホームもお客が少なく、とても新年度、新学期最初の日曜日だとは思えません。

 研究会までまだ時間があるので、例によって秋葉原へ行ってみたのですが、お客は少な目、雰囲気も控え目。
 もちろん照明なども落ちているのですが、一番違うのが店頭で集客のために流すBGMでした。

 センセイが歩いた範囲内では1店を除いて流しておらず、雑踏と奇妙な静けさが交錯しています。
 時間がなかったこともあって結局、何も買わずに隣の御徒町駅へ電車で移動。

 地震当日とその翌日のように歩いても良かったのですが。電車の窓から、あの日に歩いた線路脇の道路とお店を確かめていると、すぐに御徒町駅到着。
 駅前から不忍池の脇を通り、東大校内へ。今回も裏口入学ですね。

 人影はまばら。少ない学生が交わす言葉は中国語だけ。キャンパスに入る前はハングル語その他のアジア系の言語が多かったのですが。

 しかも無事構内に入ったはいいもの、目的地の小柴ホールがよくわかりません。もらった資料にも記されていないし、学内の案内にも書かれていないのです。
 つい先日、学部の代表だけによる卒業式が行われたはずなのに。

 結局、キャンパスを一周するような格好になってしまいました。

 もちろんちゃんと目的地にたどり着きましたし、小柴ホールは結局、ほぼ予測していた場所にありました。
 この間、つくづく思い知らされたことがあります。

 この場所は内部の人にしかわからない言葉で、内向きにメッセージを伝えているのです。
 よそから来た人に“Welcome!!”ではありません。ちなみに、同じ東大でも、駒場はずいぶん違います。

 一つの例が安田講堂。東京大学(本郷)の象徴ですね。センセイら、あるいはちょっと上の世代にとっては「安田砦」。(知らない人は調べてね)

 センセイが見た限り、案内の看板には明記されていますが、建物そのものに「安田講堂」という看板を確認することはできませんでした。
 「俺はお前なんかには興味ないよ」というメッセージだけは、確かに頂戴致しました。

 さて本来の出張目的である研究会。

 挨拶に続いて登壇したのは、センセイの国際基督教大学時代の同僚、北原和夫先生。

 ICU時代のセンセイは採用されたばかりの助手なのに対して、北原先生は大教授。
 しかも現在は日本学術会議──科学者の国会のようなもの──のある部会の委員長ですから、「同僚」と言うにはおこがましいのですが。

 講演の内容はとても興味深いものでした。これだけですでに、出張しただけの甲斐があったのですが、こちらは仕事の話なので、これくらいに。

 夕方、ほぼ同じルートを逆にたどります。ただし今度は御徒町駅ではなく、上野駅へ直行します。
 都内では桜が咲き始めています。

 東大本郷キャンパス内でも見かけたのですが、不忍池脇でも1組、花見のグループ。
 この種の会合、こういうご時世なので確かに実施の判断には難しいところがあります。

 でも、電力を使っているわけではない──しかも、基本的には消費電力のピークこそが問題──ので、周囲の人も「そうだよね、これなら問題ないよね」という雰囲気。

 被災経験者の一人として、いろいろ考えなければならないことがあることは良くわかります。
 でも、何も考えずに自粛するより、良く考えて予定通り実行するなり、一部を変更して実施する、あるいは開催しないことが大切なんだと思います。

 思考停止に陥り、妙に萎縮することが結果的に、被災者を始めとする多くの人にネガティブな影響を与えてしまうんですね。

 それに何より、いろいろあっても、やはり確かにやって来ているのです、春が。

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