2008年4月5日更新(2008年4月13日ページ移動。2012年9月20日一部写真削除)
■4月5日(土) 数本のテープのためだけに、業務用のDATデッキを買いました!!
最近、たまたまネット上の放送用・業務用中古機機を扱っているお店で、写真のDAT(デジタル・オーディオ・テープ)デッキを見つけたので、即決で購入しました。
お店で普通に売っている民生用ではなく、レコーディング・スタジオやホールなどに設置される業務用機です。もっとも、その中では最も廉価な部類ですが。以前お伝えしましたが、センセイは所有するAV資産のデジタル化を進めており、録音についてはほとんどの作業を終えています。
録音済素材の中で最後まで残っていたこのDATテープ。
1980年代後半から従来の「ツートラ・サンパチ」アナログ録音や、初期のデジタル録音方式であるPCM録音に替わって、センセイのシステムの主役となったフォーマットです。センセイは標準2時間の録音済DATテープを現在、約150本所有──ということは、約300時間!? ──しています。
お伝えしたようにその大半はサンプリング周波数をCD用に統一し、またエンファシス(ノイズリダクションの一種)を解除した上でHDDに保存されています。センセイはDATと、その開発に関与したくらいご縁が深く、今回購入したものを除くとこれまでに4台のマシンを録音、再生に使ってきました。
しかし最初の機器購入から20年以上もたち、現在残っているのは右の写真の民生用据置型のみ。
このマシンも何回か修理しています。基本的に修理後は順調なのですが、DATはとてもクリティカルなフォーマット。
ところがこの最後のマシンと、他機種で録音したテープとの相性が必ずしも良くなく、残念ながら、一部のテープがまったく再生できないのです。諦めてもいいかなぁ、というものもあるのですが、亡くなられた師匠の記念講演だとか、センセイが人前で披露したピアノ演奏だとか「代わりがない」ものが含まれています。
去年の秋、ひとまずデジタル化を終えて以降ずっと気になっていたので、このマシンを見つけた途端、右手の人差し指がマウスを、クチッ!
さて、購入したのは良いのですが、マシンは現在、金沢に仮に置かれていて、肝心のテープはすでに新潟に引き上げてしまっています。だから本当に無事再生できるかどうか、今日はまだわからないのです。
このお店や別なお店では結構掘り出し物を見つけることがあります。後者ではセンセイが使っているSD用のカラーモニタを\16,800で売っています。
興味を持たれた肩は、一度のぞいてみてください。
■4月4日(金) 何も教えないことこそが教育の極意?! ──新入生の大学生活がスタートしました──
親から離れた雛鳥は、無事に最初の一歩(?)を踏み出せるか?! センセイの昨日の心配は、どうやら杞憂(きゆう)に終わったようです。
入学式から一夜明けた今日、金沢工大では朝から夕方まで、クラスごとに新入生のオリエンテーションその他が行われました。
途中で自己紹介の時間があります。
他の先生の方法も参考にさせていただき、今後行動をともにする──しかも金沢工大はクラス替えがないので、4年間ずっと一緒!! ──ことになるグループごとに自由な時間を与えると、あれ、まぁ、すっかり仲良くなって......。
不安に感じていたことが、実はみんなほぼ共通だったってことがわかったのですね。ライバルであると同時に一緒に学ぶ仲間であり、そして人によっては卒業後も続く友人となるかもしれない。
どうやらその第一歩を、何とか無事に歩み始めたようです。そうはいってもまだ大学のシステムに慣れていないので、お昼になると食堂の食券券売機の前は長蛇の列。
実際の長さは写真の4倍くらいで、建物の外まで並んでいるのですが、みんなじっと待っています。そしてお察しの通り、券を入手できても、みんなが同じメニューを選択するので、昼食にたどり着くまでには時間がかかるし、その次は座る場所を見つけるのが大変だし......。
でもこういう体験そのものと、「これじゃいけない、何とかしなくちゃ」と自分自身で考える経験も、きっと大切。
だから、別な建物の食堂だとかお弁当屋だとか、知らせてあげたい抜け道はたくさんあるけど、何も教えない今日の西村センセイなのでした。あ、「教えない」って、実は教育のツボなのです。
■4月3日(木) 1,700組の迷子と「迷親」 ──生まれたばかりの赤ちゃんは、体重が減るのです──
入学式とそれに続く一連の行事が終わって、会場となった体育館から新入生がどっと出てきました。式典開始前の驟雨(しゅうう)も上がり、ご覧のように良い天気。
1,700名以上もの新入生が一度に出てくるのですから、もう、それは大変です。彼ら/彼女ら、何をしているかというと、待っているのです。両親を。
最近の大学の入学式、新入生の多くは保護者同伴で出席します。
しかもたいてい、ご両親──場合によってはおばあちゃんも──がお越しになります。金沢工大の場合、入学式後は新入生向けの説明と、保護者向けの説明とが別な会場で行われます。
それが終わると、子供は親を、親は子供を捜すことになるのですが、何しろ初めての、そして広いキャンパス。携帯電話で「どこにいるの?」と訊く親に、息子は決まって「......わからない」。
一部の新入生は高校時代の知り合いを見つけて楽しそうに話していますが、圧倒的多数は一人で不安そうに親を待っています。
巣の中で親の帰りを待っている雛鳥そっくりです。話は変わるようですが、お母さんのお腹から出てきた赤ちゃん、生まれた直後は体重が減ります。(知ってました?)
だって、お腹の中にいる時は臍の緒を通じて栄養をもらうことができるけど、外に出てきたら、とにかく自分の力で母乳かミルクかにたどりつき、それを体の中に取り入れて栄養にしなければなりませんからね。
大学の新入生も似たところがあって、多くの学生は、今まで育った家庭から初めて飛び出します。そりゃ、最初からうまくなんていきませんよ。
でも大丈夫。今日はともかく、人間(や他の生き物)の生命力は凄いもので、とにかく最初の1週間を乗り切れば、後は何とかなります。そして異口同音(いくどうおん)に、「親の有り難みがわかった」とか「家事がいかに大変かが身に染みた」。
もうそれだけで、自分の力でミルクを消化できるまでに成長したことを証明しています。
がんばれ、新入生!!
■4月2日(水) 明日の入学式にあわせるかのように、キャンパスの桜が咲き始めました
少し遅い昼食を取るために研究室のある建物を出たところで、ずっと向こうに立っている老教授のお姿が目に入ってきました。先生もこちらを見つけて、ニコニコしていらっしゃいます。
笑顔の理由はご覧の桜。建物の陰の、目立たない中庭にある桜が、ほぼ満開になっています。
お伝えしたように、金沢はまだ梅が開花したばかり。
ずっとキャンパスの桜の木には注意していたのですが、蕾はかなり膨らんでいるものの、咲いているのはまだこの1本だけのようです。
報道によると、金沢地方気象台は今日の午後に開花宣言を出したそうですが。昨日に引き続いて今日も、新入生が入学準備のために出入りしているのですが、新入生とその家族がこの桜の木を見つけて、記念写真を撮影していました。
いよいよ明日は入学式。彼ら/彼女らにとって、晴れの舞台です。
どんな顔と対面できるのか、とても楽しみです。
■4月1日(火) 始まりの、始まり ──今日から新年度!!
──
あれ? と思ったのはバス停の前。
金沢工大の正門前にバス停があるのですが、お昼にそこを通りかかると、学生が時刻表を見ています。しかもいつもより、待っている客が多い......。
バス停で時刻表を見たって当然だろう、って?
いえ、不自然です。
貴方/貴女は、通い慣れたバス停で時刻表を確かめますか?
明らかに彼らは、金沢工大の新入生なのです。その証拠に、何が入っているかはわかりませんが、同じ青色のビニール袋を下げています。
今日から4月。新年度が始まりました。
青いビニール袋の出所をたどっていくと大学構内の、ある建物(8号館)にたどり着きました。すれ違う女子学生3人組の笑顔が初々(ういうい)しい。
その建物をちょっと覗いてみると、まず教科書、体操着、運動靴、実習用の器具、そして最後は自転車や電化製品など。
見事なまでに、新入生に必要な商品が並べられています。先ほどの女子大生もそうだったのですが、今日出会った新入生は例外なしに、「ここで何か始まるはず」という顔をしています。
でも、内情を暴露──関係者の皆様、ゴメンナサイ──すると、その「何か」を提供する側のセンセイらは、新入生のオリエンテーションで用いる資料の作成でかなり大変なのです。
だって、何も知らない人たちに、彼ら/彼女らが不利益にならず、今後の見通しがよく見えて、しかも希望を持ち続けてもらうような説明をしなければならないのですから。でも、あの期待に満ちた笑顔を見ちゃうと、「こりゃぁ、やっぱり、がんばらないと」と再認識させられます。教師の性(さが)でしょうか。
新入生待望の、そしてもちっろんセンセイらも待ち望んでいる金沢工大の入学式は、明後日(4月3日)に執り行われます。
ぐずつき気味な天気が、ちょっとでも持ってくれるといいのですが。
■3月31日(月) 携帯電話で見る動画が、案外とっても面白い!!
センセイが新しい携帯電話を購入してから一ヶ月経ちました。
センセイのパナソニック製“W61P”はとにかく薄く(12.9mm!!)、しかもとても軽い(約107g)ので、持ち運びがとっても便利です。(お年寄りには薄さと軽さが大切なのです。)
ただし筐体に厚みがない分、カメラのレンズが変な場所(一番厚みを確保できる場所)にあって、カメラとして構えようとすると、どうしても指でレンズの部分をを覆ってしまいます。
だからデジタルカメラとしてはあまり実用的ではありません。以前から気になっていたワンセグテレビ機能は十分実用になります。
そもそも地上デジタル放送が、山陰などでは電波の届きにくい短波長のUHF帯を使っているのと、センセイの機種は内蔵アンテナだけなので受信感度はあまり良くないようで、県境など条件の悪い場所では実用になりません。でもそれ以外の場所ならよく健闘しており、電車の中で贔屓(ひいき)のテレビドラマを見るのなら画面が途切れて不満に感じるかもしれませんが、ニュースや天気予報を見る分には全然問題ない、という感じでしょうか。
センセイの機種は画面を消すこともできるので、ラジオ代わりにも使えます。予想以上に便利です。そして最近、西村センセイが凝っているのが、携帯電話で見る動画。
携帯電話の説明書を読んでも全然わからなかった──実は、音楽の再生方法もまだわからない──のですが、たまたまMacFanの先月号に記事が載っていたので、動画再生に挑戦してみました。
Macユーザーの方はまず「携帯動画変換ちゃん」というソフトをダウンロードします。
これはWindowsでとても有名な「携帯動画変換君」のいわばMac版。「いわば」というのは、「変換ちゃん」は完結したソフトではなく、必要なファイルを「変換君」および関係するサイトから借りているからです。
逆にその分、かつてインストールがかなり難しかったらしいのですが、現在は写真の「お助けインストーラ」が添付されていて、こちらを起動させればインストールは簡単です。万一必要なファイルのダウンロードに失敗する場合は、上記サイトの「ダウンロード」のページを使うこともできます。こちらにはインストールの仕方も懇切丁寧に紹介されています。
インストールが完了したら、著作権上問題のない動画を用意して、「変換ちゃん」の左下の窓にドラッグします。
左上に機種の設定画面があるのですが、標準的な設定にしておけば全然問題ないようですが、DoCoMo/AUでは基本的なフォーマットが違いますので気をつけましょう。
ファイル変換に要する時間は、実時間の1/3〜1/2くらいで、とても高速です。携帯電話用に動画を変換したら、今度はメモリディスクを使って転送します。
今回初めて知ったのですが、ファイル管理の方法がパソコンと携帯電話とではずいぶん違うのですね。
パソコンだとあらかじめフォルダを用意しておき、ファイルを読み書きさせま。
でも、少なくともセンセイの機種の場合、外部とのやりとりは一カ所だけで行い、携帯電話内部の振り分けや加工はすべて携帯電話の側から操作するのです。
パソコンからはフォルダやファイルが見えているのですが、携帯電話はパソコンから勝手に操作したファイルを認識しません。さて、肝心の動画はというと、最近の携帯電話の画面は高精細度なので、パソコンよりもずっときめ細かく、しかも美しく再生されるように感じられます。
自分では確かめていませんが、iPodよりも綺麗だという人もいるくらいです。センセイが所有するiPodは第3世代で、動画が使えません。容量も不足してきたので、ホントは新しい“iPod classic ”を買おうかと思っていました。
でも、今回の携帯電話購入でその可能性は遠のいたという感じです。なお、映像素材によっては映像と音声がかなり──場合によっては数秒──ずれる場合があります。QuickTimeを起動して「インスペクタ」を表示させると、はやり映像と音声の長さが違っています。
困ったことに、どのファイル/フォーマットがそうなるのかが良くわかりません。もっともDVDなど、いわば「きちんとした」素材は、最低でもパソコンなどの大きな画面で見ますから、携帯電話で見る画像が少しくらいずれたって、さほど問題はないのですが。
“You Tube”のファイルも問題なく変換して見ることができます。というかむしろ、ファイルサイズ、映像の時間、そして映像の品質の面でも、“You Tube”のためにこそ携帯電話があるんじゃないかと思えてくるくらいです。
動画の見方をずいぶん変えそうな携帯電話です。これで、動画視聴時にバッテリーがもうちょっと長く持ってくれたらなぁー。(新品のバッテリーでも2時間半くらいしか持たないのです。)
■3月30日(日) 種を蒔く人 ──実は、まだ見たことはないんだけど──
今日は西から天気が下り坂となっています。
でもセンセイが午後までいた新潟は、予報よりも良い天気。まぁ、柏崎も夕方までには曇ってきましたし、富山や金沢に入ると細い雨が降ってきましたが。お昼前に、車でいくつかの用を市内で済ませました。
信越線の陸橋を越えると目の前に地域のシンボル、米山(よねやま、993m)が迫ってきます。雪解けがかなり進んでいるので、残雪がまだら模様になっていて、正直なところあまり美しくはない。
もうちょっとすると、柏崎側から見た米山山腹中央の残雪が、ちょうど農夫が種籾を蒔く形になるのだろうです。これが農作業を本格的に開始する時期の目安なのだそうな。
若い人はもうこの話を知らないだろうし、今では農民も、自分の感覚よりもカレンダーに従って作業を進めると思います。
偉そうなことを言っていますが、白状するとセンセイは高校に通学するまで米山がよく見えない場所に住んでいたので、それがどの部分なのかわからないのです。山頂の真下の部分でしょうか。
さて、この場所は柏崎駅のすぐそば(南東)という一等地ですが、手前には広い空き地が広がっています。かつて存在した小松エストという工場の跡地です。
政治的にも経済的に地盤沈下が進む柏崎を象徴するように買い手がなく、使い道が決まりません。それでも広さと交通の便の良さからここに、新潟県中越地震の際には仮設住宅が建設され、去年の中越沖地震の際は被災廃棄物の仮置き場となりました。
しかし中越沖地震から約半年を経たころから、置き場そのものの整理が進められ、廃棄物はそれぞれ適切に処理されて、現在ではご覧のように更地になっています。
事情を知らない人が見たら、仮設住宅や廃棄物置き場の話は信じてもらえないのではないかと思うくらいです。線路の反対側には仮設住宅が残るなど、地震の傷跡はまだまだ深いのですが、しかしある種の季節の変わり目にあることもまた事実のようです。
自然も人間社会も、侮れない回復力──生命力と言うべきでしょうか──を秘めているんですね。