2012年8月25日更新(2012年9月2日ページ移動。2015年11月3日一部写真削除)
■8月25日(土) エレベーターに乗って振り返ったら......“After you.”
東京出張と私事を終えて新潟の自宅へ戻りました。今回はとにかく暑かったし、仕事も多かった──残念ながらまだ完了していない──ので、本当に疲れました。
でも今日は、その出張の前の話。東京へ移動した今週火曜日は、まず早朝から大学へ。一生懸命働いたつもりですが、集中力が切れてきたので、予定より早めに大学を後にします。
今日のうちに行っておこうと思う場所があったのです。荷物をまとめてアパート近くのバス停から金沢駅行のバスに乗車。終点の一つ前「リファーレ前」で降ります。
1ヶ月ほど前に初めて来た時は勝手が分からなかったのですが、今度は2度目なので、すぐに右手のエレベーターに乗ります。
3階に石川県のパスポートセンター(写真)があるのです。エレベーターが来たので乗り込み、「閉」のボタンを押そうとすると、誰かが駆け込んできました。
センセイは後ろ向きのような格好だったので、その人が安全に中に入ったことだけを確かめて、ドアを閉めます。
改めて振り返ると、写真の女性。欧米系の方です。3階へ到着したのでドアを開けて、“After you”. さっきは気づかずに、ゴメンね。
どうもこの階は石川県の国際交流関係の拠点として用いられているらしく、ソファーでは外国人が談笑しています。
センセイは今回の東京ツアーから始まって、3週間の間に4回都内へ出張した後、初めての南回りでオランダへ行くことになっています。そのためにパスポートが必要になったのです。
イギリス経由でアメリカへ行くため、金沢工大へ移籍した年にパスポートを作り直したのですが、あれからもう10年。老化の度合いが加速度的に進んでいる西村センセイ、出張の目的を果たして無事に帰ってくることができるんだろうか。
■8月24日(金) 512GBのSSD(!!)とケースを買って、外付けのディスクにしました
西村センセイ、今日で学会の全ての日程を終え、都内出張を完了しました。でも私用で、明日までは都内に留まります。暑い中での移動を繰り返しているので、さすがにちょっとバテ気味。
さてセンセイが一昨日、秋葉原で購入したのは大容量512GB(!!)のSSD。小型軽量で2,000円弱のケースとともに、秋葉館で買いました。合計で約35,000円。
ずいぶんと安くなったものです。このSSD、インターフェースの形式が合えばMacにも内蔵できるし、その方が高速なのですが、今回はあえて外部ストレージとして使う予定。
自宅とアパートと大学を行ったり来たりする生活が続く中で、デジタル化した音源をどうしようかと思っていたのです。
現在はCD-RにCDのフォーマットで記録したり、HDD上にAIFFフォーマットのデータとして存在しています。時間があればすべてCD化してもいいのですが、その作業を完了する前にこちらの人生が終わってしまいそう。
しかもCD-Rはあまり長持ちしないらしい。そこですべてを1箇所にまとめて保存したいのですが、HDDもいわば消耗品。
AIFFなど圧縮していないデータはサイズが大きいので、今までだったらSSDには収まりません。
でも512Gあれば何とかなりそうです。そこでふだんiTunesで聴くようなデータはそれぞれのMacの中に残しておき、高品位のAIFFデータはこのSSDに入れて必要な時だけ持ち運ぶ、という形を考えたのです。
ふだんは自宅に置くつもりです。SSDもパソコンに内蔵して激しく読み書きするとエラーが起きることがあります。センセイ自身は経験していませんが、身近で複数回目撃しています。
ただし今回のように1回書き込んで、その後は読み出すだけ――編集作業はMacのHDDを用いて行う――ならば、センセイより長生きするはず。ケースのインターフェースがUSBの3.0だけで、FireWireは備えていないし、2.0までしか対応しない現在のMacではかなりスピードが落ちます。
でも軽いし、ご説明したような使い方ならまぁいいかな、と思っているのです。どうしても速度が必要になった時は、手持ちのFireWireのケースに交換すればいいんだし。
■8月23日(木) 「あの日」を思い出しながら歩いていたセンセイが出くわしたのは...
都内滞在3日目。もちろん引き続き学会に参加しているのですが、この間、センセイは別な学会に頼まれて、ちょっと特別な仕事をしています。
残念ながら、その内容をお話しすることはできません。全然知らない人の将来にも関わることなので、とても気を使います。
昨日のセンセイらの発表は午前中だけだったので、秋葉原に寄ってから新橋駅近くのホテルへ戻り、ずっと缶詰状態でその仕事に取組みます。
数時間かかってやっと一区切り。電子メールでその結果を知らせて、昨日の分は完了。周囲はすっかり暗くなっています。晩御飯を何とかしなくちゃ。(夕食はコンビニ弁当と決めていました)
そしてもう一つ。近くに大きな電気店はなかったけなぁ。
秋葉原でMac関係のある小物――結構高いもの――を買ったのですが、関連部品があったらいいなぁと思ったのです。
山手線で再び秋葉原へ行ってもいいのですが、何だか悔しい。でも隣の有楽町にはヨドバシカメラがあります。今日の仕事を終えた達成感があるので、新橋から有楽町まで線路沿いの道を歩くことにしました。
たいした距離ではないのです。山手線と京浜東北線はご覧のように、古いアーチ構造の高架上を走っています。
歴史と新しさが共存している場所で、割とセンセイの好み。でもここを通るとセンセイは、どうしても「あの日」を思い出してしまいます。この場所を歩いていたのです
ヨドバシにお目当てのものがなく、またレジも混雑していたので、何も買わずに戻ることにしました。
同じ道を再び歩いていて、ふと、あることに気づきました。以前から気づいていたのですが、線路脇に大きなビルが建っていて、社員の通用口があるのです。でも会社名の表示がない。(後で調べたら、小さく掲げられていた。)
何の会社なんだろうと訝りながら、信号機のある角を曲がると警備員ではなく警官が立っています。警備用の大型車両も停車しています。
暗がりの中、改めて看板を探すと......「東京電力」。ここだったんですね。あの日、センセイがここを通った時はまだ、爆発してはいなかったのですが。
■8月22日(水) 「他山の石」。もちろん勉強にはなりますが、それが過ぎるのも、いかがかと...
というわけで、センセイは昨日午後に金沢を離れて上京し、都内某大学で開かれている学会に参加しています。
現在は無事に初日を乗り切って、少し離れたホテルに戻ったところ。センセイの発表は「朝イチ」。大学関係の方はご理解いただけると思いますが、いわゆる「露払い」。
ま、その通りの内容だから、別にいいんですけど。発表は9時からなので、その前にはすべての準備を終えている必要があります。発表は個人ですが、講演室内の行動は個人行動ではないので、他の発表者への配慮も必要です。
様々な要因を考慮して逆算すると、8時には会場に入っていたい......。昨日は別な仕事に振り回されていたので、早起きして発表内容を最終調整しました。7時過ぎにホテルを出たのですが、予想より時間がかかってしまい、「会場」に到着したのは8時過ぎ。
ところが正確に言うと、どこが「会場」なのか、誰にもわからない。もちろんこの大学が大会の会場だということは知っているのですが、どこが受付なのか看板も出ていません。(写真は正午頃に撮影したもの)
決してセンセイだけではありません。たくさんの人が右往左往。その中には同僚のN先生もいらっしゃいました。
センセイは以前この大学に来たことがあるので、「たぶんここだろうな」という建物に入ってみます。
結果は予想通り......というか、外れた、というべきか。受付はまだ始まっていないどころか、アルバイトの学生諸君――後で訊いたら8時集合(!!)――に初めて業務内容の指示を説明しているところ。
あり得ない!!発表会場の階へ昇ってみると、そこには金沢工大の別なN先生。そういえばセンセイを含めて全員のイニシャル(苗字)がNなんですね。
どうでもいいことですが。冷房も入っていなかったので、手分けしてまず照明をつけてから冷房のスイッチを入れ、発表用の機器類にも電源を投入します。そういえばそもそも、掲示類もほとんどなかったぞぉー。
講演開始の30分くらい前になってから、ようやく関係者が現れ始めました。まずはアルバイトの女子学生。先方を立てながら現状と次に何をすべきか説明します。お返事は、「そぉですよ、ねぇー」。誤解してほしくないのですが、真面目な、良いお嬢さんなんですよ。
ホントに。直前になって、ガチガチに固まった司会の方がお越しになり、用意された原稿を棒読みし始めます。所定の時刻になったので、センセイは僅かな聴衆を前に、講演を開始しました。
そういえば、現象学者フッサールの講義の聴衆も、こんな感じだったはず。ちなみに講演発表、質疑応答ともに誤差5秒以内に完了させました。事情をよくご存知の名城大学のK先生が質問してくださったこともあって、発表と質疑応答そのものは大変有意義なものでした。
聴衆の皆様と司会には感謝いたしております。ただし、次の発表者――9時前にやっと来場した――は開口一番、「パソコン、どうするんですかぁー......」。
さすがにもうお付き合いできず、勘弁させていただきました。ちなみに、午前中の発表者は12名なのですが、少なくともこの時点で準備をひとまず終えていたのは4名だけ。
どうなっているのでしょう。センセイらは来月の初めに都内で別な学会の大会を開きます。主催は会場校で、センセイらはそのサポートという位置づけ。現在はその準備に忙殺されているところです。
その立場からすると......痛すぎる。
■8月21日(火) 2週間ぶりの大学は、とにかく暑い。そして何故か騒々しい...
金沢工業大学は夏季休暇期間を終え昨日から平常業務に戻ったのですが、ずっと暑い日が続いていたこの間、窓を締め切り冷房を入れていなかったので、要するに温室状態。
とにかく、暑い!!センセイらの研究室は個別の冷暖房が入っているのですぐに快適な室温になったのですが、今度は朝から騒々しい。
建物の外では大型トラックがバックする時の警告音が鳴り続けているし、上の階からはいつもなら決してしない種類の大きな音が。重いものを運んでいるような騒音です。
そのうちに、工事用の電動ドリルでコンクリートの壁に穴を開けるような音も......。どうなってるの?!
でも仕事をしないわけにはいきません。新潟への出張と夏休みで、相手のある仕事がいくつも危機的な状況にまで遅れているのです。
ふう。早朝から頭を酷使した(?)ので、珍しくお腹が空いてきました。お弁当を買うことにして外へ出ると、あ"......。
全てを理解しました。というか、何で気づかなかったのだろう。センセイらの研究室がある階の上の階には、外国人の先生がたが部屋を構えていらっしゃいます。
新講義棟が7月中に完成した――センセイ個人は未確認――らしいのですが、その2、3階(?)に彼らの研究室が新設されるのです。
つまりお引越しです。写真はちょっとガンマ(明暗の加減)を調整しているのでよくわかりませんが、「暑い暑い」といっても、空の色は既に秋のそれ。
そういえば、早朝などちょっと寒さを感じる時もあります。季節はゆっくりと、しかし確実に替わっているんですね。
■8月20日(月) 世の中、ホントは面白いことで溢れている ──ちょっとマニアックな電車の旅──
鉄道ファンを乗せた直江津発富山行の各駅停車はやがて、連続したトンネルの中を走るようになります。
この区間は昭和30年代後半から40年代にかけて、海岸沿いの旧線を放棄して、山側に複線電化された新線。ところどころ海も見えるのですが、大半は長大トンネルの中を走行。
筒石駅も、かつて海岸に存在した駅を、トンネル内へ移設したのです。「鉄道ファン」諸氏は眠ったり──センセイもよく眠るけど──本を読んだり、ゲーム機で遊んだり。でもこんな状況でもその気になれば結構面白いことがあるのです。
写真は新潟県最後のトンネル「市振トンネル」を抜ける際に、列車の先頭(右側)で撮影したもの。複線トンネルですが、右側の線路が見えません。
それもそのはず、別な、長い編成の対向列車が通過中だからです。先頭の電気機関車を含めて、列車全体が深緑色。お察しの通り、大阪発札幌行の夜行寝台特急トワイライトエクスプレスです。車体中央、黄色の帯がその証拠。ダイヤが乱れていなければ、この場所ですれ違うのです。
進行方向右側(見えてる側)にライトが見えますから、おそらく列車後部のBコンパートメントの車両だと思います。先頭の電気機関車も撮影したのですが、前照灯しか写っていなかったので、あえてこの写真にしました。
「鉄道ファン」の反応は......というと、少なくともセンセイが乗車した先頭車両では何事も起きませんでした。最近、若い女性の2人連れ──最近は「鉄子」さんが増えている──がトワイライトエクスプレスに気づいてキャーキャー飛び跳ねていました。(実話)
でもこれは、全くの例外です。複線区間での列車のすれ違いは、なかなか興味深いものがあります。初めて乗車する区間なら、大判の時刻表が必須。予約するのなら右側の座席にします。
基本的に、進行方向右側ですれ違うので。(一部例外あり)普通の特急や各駅停車などだと、時刻表から「もうすぐだな」ということがわかります。
予定通りに列車がやって来て風圧で窓が揺れると「しめしめ」という感じ。(端から見たら、かなり暗いかも。)寝台特急の場合はかなり高度な解析力が必要。
そもそも停車駅が少ないし、列車交換などで時刻表にない停車をすることもあるからなのですが、そうやって遊んで(?)いると、寝台特急のはずがついつい睡眠不足に。
白状すると、センセイはたいていこのパターン。慣れてくると複線トンネル内を走行中に、微かな衝撃に気づくことがあります。対向列車がトンネルに進入したのです。トンネルの長さはだいたいわかっています。
「あと○○秒で通過」と数えていると右側を、予想通りのタイミングで車内灯の束が通り抜けます。自分ではわからないけれど、もしかするとセンセイの顔はこの時、少し緩んでいるかもしれない。(ここまで来ると、ちょっと......。)
う〜ん、そう考えてみると何だか、せっかくのトワイライトエクスプレスに気づかず、ゲーム機に夢中になっている人の方が正気に思えてきた。
■8月19日(日) 夏休みの快速・普通列車の中は、鉄道ファンでいっぱい ──金沢へ移動しました──
「異変」に気づいたのは、午後、金沢へ電車で移動するために柏崎駅のホームに立っていた時。
今日はいつもより早めに到着したのですが、この時間帯は越後線の下りと、信越本線の下り1本、センセイが乗車する快速を含む上り2本が集結──正確には同時に存在するのは最大3本──するという、田舎の駅としてはとても賑やかな時間帯。
何人かが携帯やデジカメで車両を撮影しています。いわゆる「撮り鉄」。最近増えていると実感します。あまりに暑いので、冷房があまり効かないホームの待合室より、外の風の通りが良いところにいる方が、ずっと涼しい。だから外で待っていると、センセイとほぼ同年齢の男性がセンセイの脇に立ちました。
Tシャツに半ズボンの軽装で、持ち物はリュックだけ。カメラは見えませんでしたが、首からさげたストラップにはカメラメーカーの名前が記されていたので、「この人も撮り鉄なんだろうなぁー」と思っていると、あれ!?
手にしたB6サイズくらいの市販の手帳の中身が見えてしまうのです。そこにはこと細かく乗換駅とその時刻、そし乗車した車両だけでなく、列車全体の車両形式と番号がすべて記載されています。う〜ん、センセイと同じく、「乗り鉄」なのね。
ただしセンセイはそういう車両の情報にはあまり拘らず──ただし地域が抱える事情と車両との関係には興味がある──メモの類も残していません。忘れたら忘れたで仕方がないと思っています。
意外に思われるかもしれませんが、センセイの主たる興味は、そこで普通に生活する人々の様子なのです。このまま並ぶのかと思ったら、どこかへ行ってしまいました。あれは何だったんだろうと思いながら、7分遅れで到着した快速に乗ると、お客さんはいつもの倍くらい。
もちろん夏休みの日曜日ですから買い物客その他も多かったのですが、中には、「SL ばんえつ物語」号のパンフレットを手にしたお父さんと4歳くらいの子供も。
息子の方はもう列車に辟易(へきえき)としているようでしたが、お父さんの表情からするとどうやらこの親子、今日一日を使って「SL ばんえつ物語」号に乗ってきたらしい。直江津駅で富山行きの普通列車に乗り換えると、こちらもいつのも倍以上。しかも地元客はほぼ皆無。電車が停車しても、ほとんど誰も降りません。
大学生のグループ客などもいたのですが、やはり目立つのは鉄道ファン。中には家族4人で、というものも。鉄道ファンは列車内だけではありません。
特別な列車に乗ったわけではないのですが、沿線には「撮り鉄」を何人も確認しました。
写真は駅ホーム全体が地下にあることで知られているJR西日本筒石(つついし)駅。いつもなら地元の人が下車するかしないかという程度なのですが、珍しく今日は、若者が2人(とても暗いので、車内の蛍光灯や窓際のテーブルが映り込んでいます)。
乗るのかな、と思ったらそのまま列車を見送ります。有人駅──正確には業務委託駅──なので、入場券を買って入ったのか、反対列車に乗る前に上りホームへ来てみたのか。
ちなみに、彼らが立っているのはアルミ製の引き戸の前。列車がこのトンネルに高速で突入するたび、紙鉄砲の原理で強い風が吹くため普段は完全に締めておき、乗降時のみ係員立ち会いの元でドアを開けるのです。
でも駅員はいないし、ドアは半開き──初めて見ました──だし。どうなっているんだろう。発車間際には、そんな2人を車内から撮影するフラッシュが。もちろんセンセイではなく、例の家族です。運転手にとっては邪魔、あるいは危険をもたらす可能性があるのですが、そんなことに考えは及ばないようです。
どうもこの車両に乗り合わせた鉄ちゃんたちは、どちらかというと俄(にわか)鉄道ファン。センセイがそう判断した理由はもう一つあって......。(続く、かもしれない)