2005年9月10日更新(2005年9月19日ページ移動。2011年5月4日一部写真削除)

──2005年9月第2週のニュース──

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9月10日(土) 記憶の中だけに残る街と人 ――6年ぶりの西条、広島大学――

 というわけで西村センセイ、今日は広島大学(東広島市)での学会で発表してきました。

 このページをずっとお読みいただいている方はご存知かと思いますが、センセイはこのページを解説した半年後の2000年11月17日に広島大学を訪問しています。
 実に6年ぶりの再訪となる訳です。

 広島市内から広島大学へ行く方法はいくつかあるのですが、今回はJR山陽本線で最寄り駅の西条まで移動し、バスで大学へ向かいました。

 個人的にはかなり思い入れのある西条駅。

 センセイにはめずらしく、ちょっとおセンチになりながらホームに降りたのですが、ホームの椅子の座布団はなくなっていたし、ホントに美味しいなぁーと思った駅舎の蕎麦屋もなくなっていました。
 ついでに、表示運賃を間違えたことで有名になった料金表も、きれいに訂正されていました(当たり前ですけど)。

 最も違ったのは駅前から市街地中心部で、6年前の再開発工事は一段落して、駅前は見知らぬ街になっていました。センセイに見せる顔は、あの人なつこい西条ではなく、郊外の砂っぽい都市です。

 やや覚悟はしていたのです。

 前回来た時に駅前にあって「便利そうだなぁー」と思っていたホテルに予約の電話をかけたら、電話そのものは通じたのですが、受付の女性から返ってきた言葉は「業態変更しまして...」。
 ホテルをやめて老人ホームに衣替えしたのだそうです。

 駅前で探してみたのですが、その老人ホームも見つかりませんでした。

 再開発は必ずしも悪いことばかりでなく、旧市内の混雑は一層され、バスの渋滞もなくなっていました。されど、センセイの記憶もきれいに流し去ってくれました。

 さて、仕事は仕事。今日は同僚とともにきっちり働きました。

 週末ですが、明日は新潟ではなく金沢に戻ります。


9月9日(金) 西村センセイ、広島市に出現!!

 西村センセイ、朝一限の授業を終えると、準備してあった荷物を抱えて電車に急ぎました。今日から東広島市の広島大学で開催されている学会に参加するためです。

 とは言っても、広島はやはり遠い。

 新大阪から新幹線「のぞみ」に乗ったのですが、それでも広島への到着は午後の後半になってしまいました。

 ところで、良く考えてみたら、センセイは中国地方を移動する時もほとんど在来線を利用するので、新大阪→広島の新幹線に乗ったのは初めてではないかと思います(広島→博多は乗った。)

 さて目的地の広島大学、その昔は市内にあったのですが、今は郊外へ、それも広島市内から約40kmも離れた所へ移転してしまいました。
 しかも交通の便が悪いので、根性という言葉とは無縁の西村センセイ、今日の参加は諦めて、広島駅前のホテルで開かれた懇親会にだけ参加しました。

 センセイの発表は明日ですが、せっかく広島に来たので、約20年ぶりに広島平和記念資料館も再訪してみたいと思っています。

 明日も広島からお送りします。


9月8日(木) 故障したG4 Cubeのロジックボードを手に入れました!!

 今年の3月に急に不調になり約1ヶ月後に絶命した自宅のG4 Cube。

 ロジックボードの故障と思われるので、秋葉原でボードを捜してみたのですが、全然見つかりません。
 ネット上で検索しても引っかかりません。

 仕方がないので娘が使っていたG4 Cubeを召し上げ、彼女には代わりに新古品のWindowsノートを買うことでひとまず落ち着きました。
 ちなみに娘は大喜びで、もはやMacへの未練は微塵もないようです。Macなお父さんはちょっと悲しい......。

 故障した実機は書斎の隅に置かれたままで、粗大ゴミとして出そうかとも思ったのですが、Macな西村センセイとしては、どうもそんな気分になりません。(我が家は3人で住むには広いので、そんなに焦る必要はないのです。)

 今のところ、自宅、大学、そしてアパートのMac計6台は元気に動いていますが、どれか1台でも調子悪くなると途端に困ったことになってしまいます。

 MacのCPUがIntel製に変更になり、もう数年でMac OS 9が使えなくなるので、今のうちに安くなったMac miniでも買おうかと思ったのですが、どうもその気になれない......。

 そんな先日、Web上で、何とG4 Cubeのロジックボード(新古品)を見つけました。
 Macユーザーには有名な秋葉館です。価格は約3万円。

 一瞬、今さらG4 Cubeかな、という想いが頭をかすめたのですが、次の瞬間にはもうオーダーのボタンをクリックしていました。

 ......や、やてもた。

 というわけで、無事にボードが届いたのが右の写真。搭載されるG4 Cubeとのご対面写真です。
 ボードの方が小さく見えますが、Cubeに厚みがあって、手前に張り出しているためです。

 このごろ滅茶苦茶忙しくて、先月末の原稿は遅々として進まないし、メールに至っては7月分のお返事が滞っているという有様で、まだボードを組み込んでいません。
 でもボードに出会ったのも運命。必ず復活させて、大学で使いたいと思っています。

 何てったってG4 Cube、ファンがないのでとても静か。原稿を書いたりするにはとても良いのです。



9月7日(水) 頑張れ。若き経営者!!

 本日午後現在、颱風14号は石川県に最も接近しています。幸い、強風が吹いているだけで、今のところほとんど雨は降っていません。

 金沢では大きな被害はないと思いますが、それでもセンセイのアパートの近くでは、強風で収穫直前のコシヒカリがかなり倒伏してしまっています。
 この状態で長く水に浸っていると、穂から発芽してしまうので、収穫を予定より急ぐ必要があると思います。

 さて、「自宅待機」と言っても、アパートから一歩も外へ出てはいけないという意味ではないでしょうから、宅配便を出しにちょっとコンビニまで外出しました。
 とにかく吹く風が妙になま暖かく、いい気持ちはしません。明らかにフェーン現象です。雲は何層にも重なって、複雑な動きをしています。

 コンビニ近くの、倉庫や選挙事務所に使っていた建物が、また改装オープンしていました。
 また、というのは、1年ほど前からレストランとして営業していたからです。

 駐車場の車を見る限り、それなりにお客は入っていたようなのですが、先日「臨時休業」の看板が下がっていて、どうしたのかな、と思っていたのです。
 最悪の場合、お店をたたむことだってありますからね。

 看板を見ると、どうやらレストランは続けるようですが、それに加えて喫茶も始め、ケーキも販売するようです。

 倉庫を改装する時から感じていたのですが、このお店の経営者は過剰投資に気をつけているようで、背伸びせずに営業しているという印象を受けます。
 それでいて、可能な枠内ではできるだけのことをしている。

 お店の裏──裏に回ると不必要なお金をかけていないことが良くわかる──でまだ若い経営者と思しき人物を見たことがあります。

 偉いなぁーと応援のエールを送りながら、でも個人的には一度も入らずに終わるのかなと、ちょっと残念に感じたりします。

P.S. 今日の午後、金沢は颱風によるフェーン現象で、最高気温35.5℃を記録しました。今年一番の暑さだったそうです。



9月6日(火) 「神ハ細部ニ宿ル」 ──タクシー会社を使わない理由──

 強い颱風14号が金沢に近づいています。夕方現在、北九州市付近を通過中です。

 すでに九州地方では大きな被害が出ています。
 これまでは主に雨によるの被害でしたが、これからは強風による被害が予想されます。

 というわけで金沢工大は、颱風が金沢に接近する明日、完全に休業することになりました。
 センセイらは自宅待機を命じられ、出勤が禁じられていますが、西村センセイ、金沢工大に勤務して初めての経験です。

 で、何だか落ち着かない今日、お弁当を買おうと外出して、大学近くのタクシー会社の前を通って、アレッ?!

 西洋の諺に「神ハ細部ニ宿ル」というのがあって、一見すると本当に見えても、細部をよぉーく見ると、紛(まが)い物かどうか、あるいは信用できるかどうかわかる、という意味です。

 このタクシー会社を使わない理由が、ちょっとだけですが、わかるような気がします。



9月5日(月) 「夏休みの自由研究」、その後

 先日お伝えした娘の「夏休みの自由研究」。先々週帰宅した際に1日だけでしたが、娘と相談して何とか最後のあたりまでたどり着くことができました。

 まず、郵便で送った「宿題」の、お父さんがインターネットを利用して用意した柏崎市と稚内市のデータの比較からチェック。

 娘がそれなりに頑張ったことはよく分かるのですが、数値を大局的に掴むのには慣れていないようで、大きい方から小さい方を単純に引いていたりします。
 ざっと何倍とかといった概数の概念は、まだあまり存在しないようです。(小6ってそんなもんだったけな?)

 かなり誘導尋問気味ではありましたが、それでもまぁ、数値の意味をそれなりにまとめたところで、今度は娘自身に用意させたデータで新潟県と北海道を比較させました。

 お父さんにしてみれば、単純な応用に思えるのですが、娘にとっては必ずしもそうではないようで、比べられるものは何でも比べています。
 頑張ってはいるのですが、何を明らかにしようとして何を調べているのかという肝心なことが、押さえられていないのですね。

 その日は時間切れで、後は家人に任せる格好でセンセイは金沢へ移動しました。

 さてこの週末、どうなったのかを家人に聞いてみると......。

 結局娘は、新潟県と北海道のデータを比較しただけで、つまり、算数の文章題問題などと同じ感覚で数値を出しただけで終わりにしようとしたのだそうです。
 そこで家人は、最後に白紙を一枚加えて、「何を言いたいのか」を書かせたのですが、娘が書いたのは「北海道へ行く人は参考にしてください」というような内容だったそうな......。

 こちらの意図はなかなか分かってもらえなかったようです。

 我が家の娘はたぶん、教育に関しては相当恵まれた環境にいるはずなのですが、それでもやはり、という印象を受けます。

 これは娘の問題ではなく、もっと一般的な問題で、子供たち(児童〜大学生)は何かはっきりとした正解がある(=不正解もはっきりしている)問題は得意なのですが、それにどういう意味があるのか、そしてつまるところ何を言いたいのかが、弱い。
 小学校の先生自身も、たぶん弱い。(娘の担任はとても優秀な方で、例外的な存在です。念のため。)

 実はこの問題、その後向かい合うことになる、何のために勉強し、そしてどんな人間になりたいのか、ということでもあるのです。最悪の結末の一つは、「高校の勉強ができたから医学部へ......」。

 大学に入ってきた新入生が、論理的な文章やちゃんとしたレポートを書けないのは、こういう状況なら当然だよな、と思ってしまいます。(それが良い、と言っているのではありません。こちらも念のため。)

 「エリート」と呼ばれる人間の中の、そのさらに一部だけが、自分のやっていることの意味とその未来を理解していて、その他の圧倒的多数は、実は何も考えずに振り回されている......。
 もしかすると、わざとそういう人間を目指して教育しているのではないかなどと、やや絶望的に勘ぐりたくなる時すらあります。

 とはいっても、まぁ、焦らずに参りましょう。

 



9月4日(日) ヒッチコック ──犀潟(さいがた)駅の信号故障に振り回されました──

 夕方の電車で金沢へ移動するために、自宅のある柏崎駅のホームで待っていると「ギャギャギャー」と、すごい音がしてきました。気配もなんか変です。

 アレッと思って音のする方角を向くと、駅近くの木立の上を百舌(もず)の大群が飛んでいます。
 ものすごい数で、それだけでも圧倒される――怯えている人もいた――のですが、それが魚の群れのように形と大きさを変えながら、飛びまわっています。
 最初の群れに、やがて別な群れが合流して、とんでもない大きさになってしまいました。
 まるでそれ自身が大きな生き物のようです。

 見ていて、あまり気分がよいものではなかったのですが、どうもこのころから調子がおかしくなったようです。

 センセイが乗る電車は普通に入ってきたのだけどなかなか発車しない。4分遅れで発車したのですが、車掌は理由を説明しません。
 不穏な感じはないのですが、調子を少し外したような感じ。(上手く伝わるかな?)

 センセイはいつもこの電車の右側(海側)に乗るのですが、遅れを計算してもすれ違うはずの寝台特急トワイライト・エクスプレスと出会わない。
 それどころか、それに続く各駅停車も見ないし、そうだ、そもそも柏崎駅出発直後にすれ違うはずの貨物列車を見てない。

 何か鉄道のトラブルが発生しているのは確かです。

 案の定、乗換え駅、直江津のちょっと前の駅で、電車は全然動かなくなってしまいました。犀潟(さいがた)駅という、JR信越線と第三セクターほくほく線の分岐駅に貨物列車──例の、すれ違うはずだった貨物列車──が停車しているというのです。

 車掌も状況をなかなか把握できなかったようですが、かなり待ってから「急ぐ人は後発の快速に乗換えてほしい」とのアナウンスがありました。この列車より先に発車させるのです。

 ところが跨線橋を越えて別なホームで待っても、今度はその快速が来ない。どんどん時間がなくなってしまい、快速に乗っても直江津駅での乗換えができるかどうか、微妙なタイミングになりそうです。

 やっとで快速が到着したのですが、やはりこちらも出発しません。それでも今度はきちんと状況説明があって、犀潟駅構内で信号機が故障しており、直江津駅での接続可否は情報を確かめてからアナウンスするとのこと。
 やっと出発すると、確かに犀潟駅で貨物列車が信越線とほくほく線をふさぐ形で停車していました。

 直江津駅、犀潟駅は列車運行上とても重要な駅なので、この信号故障でダイヤは目茶苦茶です。

 直江津駅に到着すると、乗換えるはずだった各駅停車はセンセイを待つことなく見切り発車――微妙なタイミングだったんだけどなぁー――してしまっていた!!
 ここで1時間待たなければなりません。しかもその各駅停車を利用すると、金沢到着はとても遅くなってしまうので、しかたなく特急券を買って、金沢行きの特急はくたかに乗換えることにしました。

 ホームではくたかの到着を待っていると、目の前を反対方向、越後湯沢へ向かうはくたかが数十分遅れで出発します。隣の老人が「かわいそうだなぁ。(越後湯沢で接続するはずの)新幹線は(このはくたかを)待たないもんなぁー」と話しかけてきます。
 センセイも同意したのですが、でも、ほくほく線は単線なので列車を交換する必要があり、しかもそれができる駅の数が限られているので、このはくたかの遅れはそのままセンセイと老人が乗るはずの列車の遅れになるのです!!

 案の定、特急はくたかは約30分遅れで直江津に到着。かなり混んでいましたが、何とか座ることができました。

 やれやれと思ってウトウトしていると、もう富山。
 ところが反対ホームには乗るはずだった金沢行きの各駅停車が待っています。う〜ん、それだったら特急券は富山まで買うんだった。(どこで各駅を追い越すかわからなかったので、金沢までの分を買ったのです)。

 センセイは金沢駅の一つ先(大阪側)、西金沢で降ります。金沢駅で各駅停車に乗り換える必要があります。
 で、乗るはずだった各駅を追い越したのはしょうがないとして、その分早く金沢に到着するから、一つ早い各駅停車に乗られる──うまい時刻の列車があった──と思ったら、1分違いで見切り発車!!
 列車の運転を総合的に管理する運転指令は、金沢以西の列車の乱れを嫌って、定時に各駅停車を出発させたんですね。

 仕方がないので、金沢駅のホームでボーッと待っていると、その、乗るはずだった各駅停車が定時に到着。JR西日本の運転指令は見事に遅れを解消させたわけです。
 それはそれでお見事なんだけど、経費節約のために各駅停車に乗っている西村センセイの立場っていったい......。(今回の特急券の出費は何だったんだ!!)

 どうも、あの百舌の大群から、調子が狂ってしまったようです。

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