2007年12月14日更新(2007年12月23日ページ移動。2012年9月19日一部写真削除)

──2007年12月第3週のニュース──

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12月14日(金) L・ヴァン・デル・ポストの『影の獄にて』を手に入れました

 ......といっても、これだけじゃ何のことかわかりませんね。

 今日の午後、講義に出かけようとした時、本が届いたとの連絡がありました。

 西村センセイ、本屋さんへ行く時間がほぼまったくないので、基本的には紀伊国屋書店のサイト――正確には、専門家向けの“BookWeb Pro”――で書籍を注文して、大学へ届けてもらうのです。
 パソコンで検索して注文できるし、購入履歴も残るのでとても便利。オマケに割引価格だし。

 今日届いた『影の獄にて』(A bar of shadow)は、先日ご紹介した映画「戦場のメリークリスマス」の原作です。

 先週の土曜日に新潟の自宅で映画を見た後、日曜日に金沢のアパートでダビングのチェックのためにもう一度見直し、やはり原作を読みたいと思って注文したものが、もう届いたのです。

 南アフリカ出身の作家、サー・ローレンス・ヴァン・デル・ポストによるこの『影の獄にて』、意外にも三つの独立した部分から構成されています。
 執筆時期も異なります。

 著者が第二次世界大戦中にジャワ島の捕虜収容所に収容されていた時の経験をもとに、ハラ軍曹(映画ではビートたけし:第1部)、フランス軍(映画では英軍)のセリエ(セリアズ)少佐(デビッド・ボウイ)とその弟、およびヨノイ大尉(坂本龍一:以上第2部)、そして著者をモデルとすると考えられるローレンス中佐(トム・コンティ:第3部)をそれぞれ主人公として書いたものなんですね。
 映画はこの3つの部分を再構成して、一つの作品にしているのです。

 したがって映画と原作では共通する部分もあれば、ずいぶん違うところもあります。

 デビッド・ボウイと坂本龍一の有名なキス(?)シーンや、ボウイが生き埋めにされ、深夜に坂本龍一が別れを告げに来る場面、戦後有罪判決を受けたビートたけしにトム・コンティが会いに来るところ、映画の印象的なラストシーンに相当する場所などは原作にもあります。
 もちろん、映画と原作の制作順は逆ですが。

 でも原作のハラ軍曹は小柄でもっと凶暴だし、ローレンス中佐がクリスマスの晩に釈放される――これが「クリスマス・プレゼント」――理由も違います。

 そして映画の中では比較的小さな扱いとなっているセリエ(セリアズ)少佐と弟の関係、ローレンス中佐と女性の物語は、原作では......読者の興味を削ぐわけにはいかないので、続きはぜひご自身の目で。

 まだ読み始めたばかりなのですが、ヴァン・デル・ポストの筆は、人間の心の奥深くにある襞のようなものを描き出します。

 ドキッとする時があるのですが、実は彼、C.G.ユンク(ユング)と交流があったんだそうです。

 なるほど、奥が深いわけだ。



12月13日(木) 新潟県中越地震から3年。山古志のスキー場が再開されるらしいのだけれど...

 2週間ほど前の新聞に、「古志高原スキー場、来月再開」という記事が掲載されました。((c)新潟日報社。毎日新聞にも同様記事

 新潟は先月すでに雪が積もったし、これから本格的な本格的な雪のシーズンになるのですから「当たり前じゃないか」とお感じになる方もいらっしゃるでしょう。
 でもこれ、新潟県民にとっては大きな、そしてたいそう明るい話題なのです。

 「古志高原高原スキー場」というのは、3年前の新潟県中越地震で被災した、あの旧山古志村(現在は長岡市)のスキー場なのですね。

 山古志はスキーが盛んな場所で、村の子供達はホントにスキーが上手です。
 センセイも義姉が山古志の出身──実家はこのスキー場の真ん前!! ──だということもあって、何度かこのスキー場へ行っています。

 ところがご存じのように、中越地震でスキー場が被災しただけでなく、村全体が数年間避難するという異常事態になってしまいました。

 一部の方をを除いて住民のかなりは山古志に戻っていらっしゃいます。(ただし、戻らずに山古志を離れた人も多い。)
 住民の帰村にあわせて、今年の冬からスキー場の営業を再開することにし、その準備に取りかかったのだそうです。

 ところで、この古志高原高原スキー場のホームページは、中越地震におそわれる半年前の平成16年(2004)春から更新されていません。
 シーズンを終えてそのまま放っておいたら、半年後に地震に襲われ、サイトの更新所ではなくなったのですね。

 こういう場合、普通なら半年くらいでサイトが削除されるのですが、スキー場のページを含む山古志村のサイトは、地震後もそのまま残されています。
 トップページだけは地震後に修正されているようですが。

 この旧山古志村のサイト、地震前の山古志村の様子を知ることができる、とても貴重なものになっており、山古志の四季、美しい錦鯉──山古志は養殖発祥の地──や勇猛な「牛の角(つの)突き」などを見ることができます。

 一部リンク切れなどもありますが、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。



12月12日(水) 冬の寒さを、すでに先取り!? ──大学中庭の竹藪がずいぶん痩せてしまった!! ──

 夕方に学内を歩いていたら、ふと、ある種の「明るさ」に気づきました。もうずいぶん暗くなっているのに。

 あれ? と思って脇を見ると、中庭の草木がずいぶん減っています。以前、鳩が窓ガラスにぶつかった跡(?)が残っていた、あの中庭です。
 そういえば昼間植木職人さんを見かけたっけ。

 その時とずいぶん印象が違うので、何かに引き寄せられるかのように、ちょっと入ってみました。

 刈り倒されたのは雑草だけではありませんでした。中庭の奥に茂っていた竹がかなり切り倒されています。
 現在は写真の奥に数本が残されているだけです。以前の写真と比べていただくと違いがわかります。

 確かに茂りすぎていたし、たくさんの雪が降ると重みで竹が折れてしまう──雪の重みで折れる時には、ものすごい音がする──ので、切り倒しもわからないわけではありません。

 でも、金沢に雪が降るその前に、スカスカになった竹林を見ると西村センセイ、すでに寒さを感じてしまうのです。

 少なくとも、実家の裏山が生き生きとした竹林で、そこで散々遊び回った西村センセイとしては。



12月11日(火) 【受講生の皆さんへ】こういう風に見られているかもしれないのです...。

 西村センセイ、毎週月曜1限には1年生向けの授業があります。今週は他の内容とともに、Wordでの書式設定の仕方をご説明しました。

 ご存じのようにセンセイはMacユーザーですが、大学は基本的にWindows。もちろんセンセイも使ってます。(Windows XPです。)

 今までは問題がなかったのですが、今年の新入生──もう「新入」じゃないよねぇ──からOSがWindows Vistaに、そしてOfficeが2007に替わってしまいました。
 まぁ、数年ごとにある定期的な税金徴収のようなもので、それ自体は驚かないのですが、ファイルや操作体系の互換性が問題になります。

 で、センセイがOffice 2007の操作を教えるために、説明資料を作成、印刷しようとすると以下のような手順が必要になります。

 まず「ブートキャンプ」を使ってIntelマックからVista、そしてOffice 2007を起動し、「F14」キーで操作画面をキャプチャーして、メモリー上の画像情報を「ペイント」というOS付属の簡易画像処理ソフトにペースト、保存します。
 その画像ファイルをネットワークを使ってMac OS 9(G4 Cube)に送り、OS 9上の画像処理ソフト“Color It!”に送って編集してWindowsでも互換性のあるファイルで保存後、Windows XPに持込み、Word 2000で文書に編集します。
 他のWindowsユーザーのことも考えると、どうしてもこうせざるを得ないのです。

 最近、右の写真の研究会の案内を頂戴しました(センセイも参加するつもりです)。
 電子メールにはPDF(上)とWord(下)の二つのファイルが添付されていました。

 PDFで見るとわかりませんが、Wordファイルだと文字の頭を揃えるために全角/半角のスペースをたくさん用いていることがわかります。
 とても几帳面な方だと思います──ホントに──が、Wordの本来の使い方をあまりご存じないんですね。

 日本では原稿用紙を使って文章を書いてきました。
 今は少なくなりましたが「日本語ワープロ」は、少なくとも「書式」の考え方については、原稿用紙の延長上に位置します。
 空白でいろいろなものを調整するんですね。

 でもWordに代表される欧文ワープロはタイプライターの延長上にある、つまりまったく別物。
 いわばタイプライターの上に日本語を載せているのです。
 こちらでは、左右の文字の位置は「インデント」や「タブ」で制御します。全角/半角のスペースは使いません。

 最近はファイルをそのままやりとりするので、受け取った人の中にはセンセイ──ちょっと性格が暗めだけど──のように、こういうところで送り主の技量を判断している人もいるんです。

 誤解のないように弁明すると、Wordの技量を見ているのではありません。
 このような場面でマニュアルをちゃんと読んできちんと処理できる人は、文章の内容も(割と)しっかりしている傾向が見られるからなのですね。

 え"? 自分のWordだと、こんな編集記号は見えないって?

 そういう時は、例えば VistaおよびOffice 2007ユーザーなら

「Office ボタン」→「Word のオプション」→「表示」→「常に画面に表示する編集記号」

で表示することができます。(操作体系が以前のOfficeとかなり変わっています。)

 ......と、せっかくここまで書いたのに、肝心の1年生にはこのホームページの存在やURLを教えていないことに気づいてしまいました。

 トホホ。



12月10日(月) 「戦場のメリ−クリスマス」、DVDとBDを比べてみました!!

 先週土曜日、新潟の自宅に戻ったのは夜8時ちょっと前。

 柏崎駅に着いた時にちょうど雨が止んだので徒歩で帰宅して、すぐにBDレコーダーの録画設定を確かめます。8時からBS11の開局記念映画「戦場のメリークリスマス」がハイビジョンで放送されるのです。

 お風呂に入って食事を済ませ、書斎に戻ると映画が始まっていました。
 映画館で、地上波アナログで、そしてDVD(写真は私物のジャケット:現在は廃盤)で何度も見た映画です。
((c))大島渚プロダクション

 テレビに変換された映画には良くあることなのですが、変換の具合のせいか、「劇的」というほど画像が良いというわけではありません。

 それでもDVDよりも良いので観ていたら......あれ?! 画面にノイズが入ったかと思ったら、電波が途切れてしまいました。
 雷をともなう激しい雨で衛星からの放送電波が届かなくなってしまったのです。

 何度か電波が途切れた後に画像は正常に戻ったのですが、録画はここで停止させます。
 金沢のアパートでも録画しているはずなのです。

 日曜の夜に金沢へ移動して録画を確かめると、げっ、BDレコーダーでは二つのチューナーで同時に録画しておらず、1つしか録画がありません!!(酔っぱらって設定したのと、新潟で録画しているので......と油断したのでしょう。)
 新潟で録画に失敗したので、BDに残せるのはこの一つのデータしかありません。

 ヤケ酒を飲みながらCMをカット──本編との音量が違いすぎるのでCMを削除する必要がある──してデータを再編集し、酔った勢いで、BDに高速ダビングします。
 失敗は許されないのですが......。

 17Gのデータコピーに要した時間は約30分。速い!!

 BDをざっと再生してみた限りでは、まったく何の問題もないようです。いわゆる「GOPゴミ」が出やすい編集点もきれいなものです。

 BDを再生していてもHDDを再生しているかのように、早送りもスムースです。Mpeg4を採用した新機種だとこういう場面でパラパラ漫画状態になってしまうそうですが、やっぱりV9はすごい。

 一安心したところで、改めてDVDとBDを見比べると、映画館で見えていたのに、従来のテレビでは見えなかった点があることに気づきました。
 最初は「映像の問題」と思っていたのですが、やがて今まで映画の、いくつかのメッセージを見落としてしまっていたことも思い知らされます。1,000円くらいのBDでこの違いを残せるのなら、もう御の字です。

 何度も観たし、いろんな評価や解釈も読んだ、「戦メリ」こと「戦場のメリークリスマス」。いろいろな見方はあるでしょうが、センセイはやはり「異文化の邂逅(かいこう)」と理解してしまいます。

 第二次世界大戦中のジャワ捕虜収容所を舞台に、純粋──その反面、とても平板的──で、しかし負い目を持つヨノイ大尉(坂本龍一)と過去への贖罪を願う英軍少佐(デビッド・ボウイ!!)が出逢います。
 二人とも「自分が正しい」と考えるものを信じています。

 ヨノイ大尉の脇には粗暴、しかし庶民の感覚を持つ(/あるいは、それしか持ち得なかった)ハラ軍曹(ビートたけし)が、その対極に、自分の価値観にそぐわないものは理解できない英軍捕虜長(ジャック・トンプソン:「スターウォーズII」にも出演!!)がいます。

 でもセンセイがいつも自分を投影してしまうのは彼らではなく、イギリス人ながら日本滞在が長く、日本語と日本の文化を理解できるがために二つの世界──価値観と言うべきか──の間で引き裂かれてしまい身動きが取れなくなるローレンス中佐(トム・コンティ)なのです。
 事情を理解できない人からすれば、中佐の行動はその場限りの日和見的な行動に見えるのですが。

 主役のはずの坂本龍一とビートたけしは映画初出演なので、センセイが見ても演技はうまくありません。でもデビッド・ボウイはパントマイムを習っていたこともあってか、ひと味も、ふた味も違います。
 処刑前に朝食の真似をする場面なんかは、ぐいぐい映像に引き込まれます。

 この映画には内田裕也や三上貫、ジョニー大倉など音楽関係者がたくさん出演しているのも特徴です。
 またシブイところでは故戸浦六宏や、「交渉人 真下正義」で地下鉄の「線引屋」を演じた金田龍之介も出ていますし、内藤剛志のデビュー作でもあります(のはず。違ったかな?)

 坂本龍一の名誉のために補足すると、音楽は前編彼の作曲、編曲。
 やや未完成な部分は残るものの、本当に凄い作品です。故武満徹をして、「君、良い耳を持っているね」と言わしめただけのことはあります。
 センセイの場合、音楽のためにこの映画を観ているような部分もあるのです。

 お笑い芸人だったビートたけしはこの映画の後、俳優および映画監督してその才能を開花させ、坂本龍一は本格的に映画音楽に進出してアカデミー賞を受賞することになります。

 サウンドトラックはCDその他で販売されましたし、“avec piano”(「ピアノ版」くらいの意味)として、最初は特別版のコンパクトカセットで、続いてLPレコード、そして最後にはCDで販売されます。
 楽譜も発売されました。

 もちろんセンセイは全部持っていて、メインテーマその他は少し練習したので、昔はピアノで真似事くらいなら弾けました。

 今はもう無理でしょうけど。



12月9日(日) 基本的に、世話を焼かせない車です ──318iの初めての車検を終えました──

 マニュアル車がほとんどなくなってしまったおかげで、すったもんだの末に318iを買ってからもう3年。このたび、初めての車検を迎えました。

 センセイの318i、最初のうちは冷却液漏れなんかがありましたけど、自分でぶつけてしまった時以外は、ほとんど整備の手間がかかっていません。

 他の方の体験談には車検に、例えば30万円くらいかかったなどと書いてあるので、戦々恐々としながら点検に出しました。

 数日後に電話があって、こちらが指摘した運転席窓の異常──このシリーズでは有名な症状。放置しておくと窓が突然落ちてしまう(!!)そうな──以外は何も問題がなく、エアコンやオイルのフィルターなどの消耗品交換だけで終了したとのこと。
 明細を確かめてみたら、消耗品の代金は31,000円くらいでした。

 もちろんこの他に定期点検費用や法定費用がかかりますし、センセイの318iは自動車リサイクル法施行後初めての車検だったので、リサイクル料金(17,710円)も支払いました。
 それでも基本的に、手間のかからない車だと思います。

 前のプリメーラなんかだとオイル交換など、何だかんだとディーラーへ通っていたのですが、318iに替えてからその回数が激減しています。

 以前聞いた話ですが、ドイツ車は「購入後、ディーラーに足を運ぶ必要がないように」造られているんだそうです。
 日本の場合は販売価格競争が厳しいので、ディーラーは新車販売では利益を上げることができず、点検費で収入を得ていると聞きますが、ドイツ車の場合、信頼を得て長期的に利益を上げよう──同じ車に買い替えてもらうなど──としているのかもしれません。

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