2008年4月26日更新(2008年5月4日ページ移動。2012年9月20日一部写真削除)
■4月26日(土) 「不都合な真実※」 ──パトカーが田圃に突っ込んだ?! ──
週末なので自宅に戻ると、自宅のすぐそばで詳細が良くわからない交通事故が起きたらしいとのこと。
パトカーがぶつかって田圃に突っ込んだとか、ひっくり返ったとか、いやいやそうではなくて一般の車だったらしいとか。
ちっともはっきりしないので、現場(?)へ行ってみました。最初は気づかなかったのですが、やはり確かに交差点で交通事故があったようです。
手前には現場検証の「×」印が記されていますし、その奥をよく見るとスリップした跡やいくつかのチョーク跡があります。
車の部品も細かく散乱したりしています。ただし田圃に車が突っ込んだ形跡はありませんでした。
現場は新興住宅街にある交通量の少ない交差点で、それほど見通しが悪いわけではありません。
たまたまNHKのローカルニュースを見ていて、事件の全容が判明。やはりここで、パトカーが横転していたのです。
民放のテレビニュース(動画)((c)TeNY)によると、向こう側から走ってきた小型パトカーと、左から走ってきた軽自動車がここで衝突。
避けようとして急ハンドルを切ったパトカーはスピンして横転。幸いにもけが人はなかったそうです。
事故が発生してから数日経っているのですが、報道機関の問い合わせがあるまで柏崎警察署は事故を公表していませんでした。
「人身事故ではなかったから」との理由だそうです。でも近所の人はみんな、「格好悪いからだろうねぇ」。
※ご存じの方が多いことを承知の上で、敢えてご紹介させていただきますが、「不都合な真実」とはアル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領主演の映画・単行本の表題です。
■4月25日(金) 我が家は1,500円 ――無事にガソリンを補給して金沢へ移動できるか?! ――
与党の動きを見ていると、どうやら石油の暫定税率制度が復活しそうです。1Lあたり25円くらい高くなるのでしょうか。
センセイはもともと必要な分しか燃料を入れないし、金沢との往復は、このところ電車ばかりだったので、この一ヶ月の給油は1回、20Lだけ。
ただし連休の混雑を避けるために来週は車で金沢へ来るつもりなので、今週末に40L給油するつもりです。2回分あわせて60Lですから、安くなった税金分はざっと1,500円......。
テレビなどではあれだけ大騒ぎしましたが、一般の利用客にはその程度でしかないんですね。
もともと日本のガソリンの価格は、ペットボトル飲料(500ml)の半分の値段。アメリカを除けば最も安価な国の一つです。
もちろん大量の石油を消費する運輸業や製造業などには大問題ですし、他方、得られなかった税金分も膨大な金額になります。
実際、新潟県内では復旧工事など緊急のものを除いて、道路工事がストップしてしまっています。連日の報道が伝えるような税金の無駄遣いを親しめた点において、今回の騒動は、確かにそれなりの役割を果たしたと思います。
でも、野党は税金を下げても必要な道路は造ると主張するものの、その道路が必要かどうかの判断は難しいし、そもそも肝心の財源は示さないまま。与党も野党も、世間受けすることには気を使いますが、誰も本当は後始末をしないんじゃないかと思います。
それだけの覚悟があれば、(税率を下げるにせよ上げるにせよ)こんな子どもじみた政治はできませんから。ところでセンセイにとって差し当たりの問題は今週末の給油。
みんなが安いうちに給油しようとガソリンスタンドに集まると予想されているのです。最悪の場合は、一時的な在庫切れも懸念されています。
また一ヶ月前のようにお祭り騒ぎになるのかなぁ。今回の騒動、その皺寄せを受けるのはまたしても、社会的弱者なんだろうと思います。身の回りを含めてあちこちに存在する、あの、弱い者いじめ。
そしてその時の観客は、私たち自身でもあります。
■4月24日(木) 押入の中で、誇らしげに“MADE IN JAPAN”
1限に講義がないのでつい安心して、ちょっと遅く起きた朝のこと。
寝具を片づけようとして“MADE IN JAPAN”の文字が目に入りました。センセイはベッド派ではないので和室で寝るのですが、いつもは薄暗い時間に起きるので、見えなかったのですね。
アパートの押入の上にちょっとした棚があって、そこに当面使用しないものを置いているのですが、目に飛び込んだのはMacintosh PowerBook 2400c/180の空き箱のシール。
捨てるのに忍びなかったので、空き箱をDATテープの運搬に使ったのです。改めてよく見ると、コンピュータとフロッピー・ディスク・ドライブは日本製と記されています。
今でいうB5モバイル機の大きさなので、フロッピー・ディスクは外付けだったんですね。Macユーザーの間では良く知られていることですが、歴代Macintoshの中では初期の小型ノート機PowerBook 100(ソニー製)とこの2400cだけが日本製です。
この2400cは日本IBM藤沢工場で設計、製造され、一度も海を渡らずにセンセイの所へやって来たことになります。(ただしその後、世界一周を経験した。)
MPU(CPU)もIBM製なので、そんじょそこらのIBMマシンより内製率は高い!!センセイはこれまでMacintoshを15台(内、PowerBook/MacBookは6台)使ってきましたが、やっぱり2400cは特別。
何よりも修羅(しゅら)場を共にくぐり抜けることができた「造りの良さ」があります。いざという時に頼りになるし、思いついたことをすぐに打ち込めるし。センセイにとって後継機種となるPowerBook G4(チタンの最終モデル)も傑作だと思うし、実際、金沢のアパートでMac OS 9専用の主力現役機──このページもPowerBook G4で打っている──なのですが、やはりちょっと華奢(きゃしゃ)な面があることは否めません。
センセイは自分を国粋主義者だとは思わないのですが、PowerBook 2400cの良さには、日本人の良い面が集約されているんだろうなぁーと思えてならないのです。
まぁ、日本人にしか通用しない「良さ」なのかもしれませんが。ところで、「センセイにとってのPowerBook 2400c」が、今の若い人──例えば大学生──の何に相当するんだろうと考えてみると、たぶんそれはパソコンではなく、いつでもどこでも情報を検索、記録、送受信できる携帯電話なのではないかと思えるのです。
だから「今の若い人は」とか「携帯はこう使うべし」なんて、とても言えないんですよね。
■4月23日(水) ちょっと疲れた時は、“きなこ”KitKat!!
何だか出鱈目に忙しい。
朝早くから出勤して、それなりに仕事をしているはずなのだけど、明日の二つの会議の資料は全然できていないし、何よりも、21日締切──もちろん4月の──の原稿が未提出。
詫び状を入れておいたけど、どれだけ待ってもらえるか......。昨日と今日は特にひどくって、昼食後に仕事をしていて意識の途切れが数回。「眠い」というのではなく、意識が完全に吹っ飛んでいます。かなり深刻です。
こうなると、(知的)体力勝負の仕事が続いている以上、どうしても休憩が必要になります。疲れた脳みそが受け入れることができるのは糖分だけ。そこで西村センセイ、大学の研究室に非常用の黒糖キャンディーを用意しています。
ご存じのようにセンセイは辛党で、甘いものを食べる習慣はないのですが、「頭が疲れた時は飴玉!!」と、亡くなった師匠から教わったのです。でも最近の西村センセイ、そのキャンディーに加えて、密かに小袋包装のチョコレート類も確保しています。
自宅には家人と娘用に小さなチョコレートとキットカットが常備されているのですが、後者が案外美味しい!!しかも、キットカットは期間限定商品を用意していて、受験シーズンは格言が記されたストロベリー味のキットカットが、そして現在は「きなこ」キットカットが販売されています。
「きなこ」といっても成分の大半はきなこ風味の香料だそうで、本物のきなこは1.0%だけの使用とのことですが。(包装に明記)肝心なのは、きなこの使用量より味の方ですが、これがホントに美味しい。
どうしてもべったりしがちなチョコレートと、上品で淡泊な、きなこの味がとてもうまくバランスを取っています。唯一の問題があるとすれば、バランスが良すぎて普通のキットカットより食べ過ぎてしまうこと。
先日、学園の健康診断があったのですが、係の方にそっと「メタボぎりぎり(でパス)ですね」と教えていただきました。どうやら最近の西村センセイ、ストレス→食欲→「きなこ」キットカット→メタボ→ストレス→...という回路が形成されつつあることは事実のようです。
■4月22日(火) 見えないものを書く/描くということ ──生まれて初めて『小説新潮』を買いました!!
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大学から帰る途中、『小説新潮』5月号を買いました。
この種の雑誌を初めて買った理由は、紀行作家故宮脇俊三氏の特集。((c)新潮社)
特に、宮脇氏のごく若い頃(28歳、昭和30年)の未発表短編作品1編と、雑誌にのみ発表され、その後の単行本には収録されなかった作品2編が掲載されているからです。宮脇俊三氏は東大卒業後、中央公論社に入社し、頭角を現してやがて名編集者として知られるようになります。
確か常務取締役まで出世したはずですが、突然同社を退社してフリーの紀行作家に転身。国鉄全線(当時)完乗を紹介したしたデビュー作『時刻表2万キロ』は大ヒット。鉄道マニア以外の一般愛読者を獲得して鉄道紀行の分野を確立しました。
その後日本列島を一筆書きで走破した『最長片道切符の旅』などの名作──特に初期のこの2作品は傑作──を発表します。
宮脇氏の作品の特徴は、「そこにないもの」を描き切ること。
「鉄ちゃん」こと鉄道ファンの多くは、目の前にある電車だとかメカだとかに心のすべてを奪われてしまいがち。
でも宮脇氏は(実は相当な鉄道マニアであるにもかかわらず)目の前の「モノ」に囚われずに、その奥にあるものを見極め、そこから逆に眼前の「モノ」の意味を再構成します。
このあたりの感覚は、日本の知性的なクリスチャンと共通するものがありますね。「奥にあるもの」とは、例えば歴史であったり、風土であったり、そして何よりも人間への愛情と理解。
最近は文学でも映画でもこういう作家や作品がめっきり少なくなってしまいました。正直なところ、将来を担う若い人たちには不幸なことだと思います。
もちろん紀行文学の分野でも、彼を超える人物は今だに出ていません。(キッパリ)ネタにするくらいですからもうお気づきだと思いますが、センセイは宮脇氏の大ファンです。
実は今日、新潮社から『最長片道切符の旅』の取材ノートをまとめた『「最長片道切符の旅」取材ノート』が発売されたのですが、西村センセイ、迷うことなく発注ボタンをクリックしてしまいました。
取材ノートに何を記し、そして作品に至る過程で宮脇氏が何を捨てた──ここがツボ──のか、本当に興味津々です。写真の宮脇氏は優しい表情の中にも鋭い眼光をたたえていますが、実はこれ、亡くなる20年以上も前の写真。
長女の宮脇灯子氏(フリーライター)の『父・宮脇俊三への旅』によると、晩年はアルコール依存症で、家族は本当にご苦労なさったようです。
「見えないもの」を見つめるために、実はずっと以前からアルコールの力を借りていたのです。......戦っていたんでしょうね。
西村センセイ、こんなところにも、ふと、将来のお手本(?)を看取(かんしゅ)してしまうのです。
■4月21日(月) 柏崎駅構内に、大きな桜鯛のポスターが登場しました
JR柏崎駅改札口脇の、つまり柏崎市の玄関口のポスターが変わったのは半月ほど前。
それまでは貫地谷(かんじや)しほりの新潟県観光協会「にいがた旅物語」など数枚が張られていた場所に、ご覧の「美(うま)し海、さくら彩る 桜鯛」(柏崎・刈羽・出雲崎 柏崎地域観光復興推進協議会)という大きなポスターが掲出されています。
良くいえば昔懐かしい感じのポスターなのですが、正直なところ、若い人にはどうかなぁーという感じ。
これまで数枚の縦長ポスターが貼られていた場所をたった1枚で占有しています。きっとここだけのための手描き──お風呂屋さんや映画館にあるような──なんだろうと近づいて、よぉーく見ると、意外にもしっかりとした印刷です。
......何故だろう。数日前、柏崎市だけのローカル新聞の記事を読んでいて、その謎が解けました。
右の写真は市内にあるJR信越線笠島駅。
新潟県中越沖地震で土砂崩れに見舞われ、最近駅舎が再建された青海川駅の隣の駅です。この辺りは山がそのまま海に落ち込んでいる場所で、JR信越線は短いトンネルをたくさん抜けて入り江を縫うように走っています。
その入り江の一つである笠島には、駅に接して笠島漁港があります(というか、漁港の山側に信越線が敷設された)。
センセイは知らなかった──地域の皆様、ゴメンナサイ──のですが新聞記事によると、この笠島の沖には鯛の産卵場があり、そのおかげでこの港は県内有数の天然鯛の水揚げ量を誇るのだそうな。
どうりで、柏崎の鯛は美味しいわけだ。柏崎市や観光協会、漁協は、地域の復興のためにも桜鯛とその料理をアピールしたいのだそうです。
そういう事情がわかってから改めてポスターを見ると、ある程度「なるほど」と思えるのですが......さて。
■4月20日(日) 金沢での今晩のおつまみは、富山産のホタルイカ!!(......新潟で買ったんだけど)
西村センセイ、この時期はとっても楽しい。だって大好物、富山湾のホタルイカを食べられるんだもん!! 今週末も新潟の自宅で釜ゆでを美味しく頂戴しました。
パックには酢味噌がついていることが多いのですが、何もつけずに、そのままいただくのが一番。産地や季節による味の違い──4月に入ってからはとにかく大きくて、甘くて、プリプリ!! ──が良くわかります。
一昨年、昨年と、富山では2年続けて記録的な不漁がつづいたのですが、報道によると、幸いにも今年は豊漁のようです。
ところで西村センセイ、金沢より新潟で食べるホタルイカの方が美味しいと思うようになってきました。
一つは産地の違いだと思います。
日本海側では富山以西でホタルイカが捕れるようですが、富山湾産のものは別格です。
北アルプスに由来するミネラル成分が富山湾奥深くへ運ばれ、それを吸収するからのようです。でももう一つ(+α)気づいたことがあります。
蟹を茹でる時のあの集中力を使わずにホタルイカを茹でています。
蟹もホタルイカも、味を決める大きな要素は茹で方(塩分濃度と茹で時間)のはずなのに。金沢では、毎年11月上旬の蟹漁の解禁日は、それはもう凄い騒ぎ。
ちょうど東京で、桜の開花を指折り数えながら待っているような感じです。でもホタルイカに関してはそんな緊張感はなく、実際、スーパーでは先日ちょっと兵庫県産のものを見ただけで、もう売り場に並ばなくなってしまいました。
要するに実は、金沢の人はあまりホタルイカを食べないんじゃないかと思うのです。
対照的に新潟は、富山県境や佐渡などを除くと、もともと蟹をそれほど特別視しません。
でも県西部は富山に近いせいか、ホタルイカは割と慣れ親しんだ味で、スーパーの惣菜売り場でもそれなりに美味しく茹で上がったものを提供しています。というわけで今日は、午後、金沢への電車に乗る前に駅裏のスーパーでホタルイカを買いました。晩のおつまみにするためです。
保冷パックなんて持っていないので、レジの人に断ってから保冷用の氷を袋詰めし、ホタルイカのパックの上に乗せて金沢へ運びました。
実は今日の夕方、富山県の呉羽−小杉間で人身事故が発生し、センセイが乗った電車が2時間半も足止めを食うなど、ダイヤは大幅に乱れました。
でもこの簡易保冷パックはとても有効で、再度開封するまでの7時間、氷は融けきらずにいました。金沢の人は、何でこんなに美味しいものを食べないのかなぁー。
やっぱり殿様の町で、庶民の「ふふっ」という味覚には疎いのかなぁー。