2009年10月10日更新(2009年10月18日ページ移動。2013年9月17日一部写真削除)

──2009年10月第2週のニュース──

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10月10日(土) 実物を見てしまうと、仮設住宅の再利用はやっぱり難しいんだろうなぁーと思ってしまう...

 新潟の自宅へ戻りました。

 柏崎駅で電車を降りて、駅前公園の裏──自宅への近道なのです──を歩くと、何度かお伝えした仮設住宅の裏を通ることになります。(というか、ある程度広さのある駅前公園に仮設住宅を建設したのですね。)
 その仮設住宅、様子がずいぶん変わっていました。

 ガス関係や電気、水回りはもちろん、戸や窓まで撤去されて、残っているのは壁の一部と柱だけ。
 あとは鉄柱を取り払い、基礎を除去すれば更地に戻ります。

 先日、別な場所での様子をお伝えした解体工事が、ここでもずいぶん進んでいるのです。

 写真では良くわかりません──ゴメンなさい──解体中の建物の中に点々と、一畳ほどのボックス状の立体が残っています。
 何だろうと思ったのですが、これ、ユニットバスなんですね。

 ひどく汚れているとかそういうことではないのですが、意外とあちこちに「あぁ、ここで何人かが最長2年間生活したんだぁ」という記憶のようなものがしっかりと残っています。

 これらの仮設住宅が建設された時、資材はすべてピカピカの新品だったように記憶しています。

 インフラの整備がどんなに進んでも、自然災害(およびある種の大規模人災)そのものをなくすことはできないので、「その時」のための備えは必要。
 西村センセイ、仮設住宅に関しては、すでにある程度再利用できるような仕組みになっているのだろうし、もっとその比率を高めるべきなのでは、と漠然と考えていました。

 もちろんそれはそれで決して間違いではないのですが、解体済の汚れたガス器具──2年間も使用するのだから汚れて当然──や、現場で状況に合わせて切断、加工された配管や木材片を見ていると、現実にはそれがいかに難しいかを思い知らされます。

 生身の人間の、その日々の生活って、実は、とてもとても重いものなんですね。



10月9日(金) 多少のひきつりを残しながらも、台風一過の青空

 4日続けての台風ネタになってしまいましたが、悪しからず。

 台風が上陸した中部地方などは、台風通過後はまさに「台風一過」となったようで、気象庁が提供するレーダー画像を見ても、雲一つ見当たりません(肉眼で確認したわけではないけど)。
 でも日本海側、特に北陸地方は、台風が背後から寒気を招き入れるような格好になるため、今日の予報は「曇り」。

 どうなるんだろうと思いながら寝てしまったのですが、今朝目覚めると、雲の切れ間から朝日がのぞいています。
 昼過ぎにはご覧のような青空も広がりました。

 でもやはり、強い台風が通過しただけのことはあって、まるで外科手術を終えて麻酔から醒めた後──う〜ん、体験してみないとわからないかも──のように、急に天気が不安定になる時があります。

 写真の雲がそうだし、もっと大規模に、周囲が暗くなって突風が吹いて雨が降り出したり。
 比重の重い寒気が上空にあるので仕方ないのですが、まるで台風の爪痕、という感じ。

 また強風でかき乱されたためでしょう、海は青色ではなく海岸近くはかなり泥色に濁っています。
 しばらく漁は無理だろうなぁ。

 水田は、と心配したのですが、倒伏している場所もあれば、意外とまっすぐな地域もあります。風の吹き方にずいぶん差があったんでしょうね。
 たぶん晩生
(おくて)のコシヒカリでしょう、稲が倒れている田圃では、農家の方がコンバインを使って稲刈りをしていました。倒れて機械での刈り取りができない部分は、おばあちゃんが手で刈り取っています。

 いろいろ大変でしょうが、台風が通過して、とにもかくにも、一区切り、という感じの日本海側です。



10月8日(木) 台風の接近で、なぜか学食が臨時休業!?

 台風18号は本日夜現在、北日本を北上中。勢力はやや衰えたものの、北日本では引き続き注意が必要です。
 気象の世界では「腐ってもタイ」──台風崩れの低気圧を侮ってはいけないという意味──という有名な言葉があるくらいですし、何よりまだ勢力を保ったままの台風なので。

 まだ夜のニュースを見ていないので、通過した地域での被害を把握しているわけではないのですが、もちろん人的、あるいはそれ以外の損害は出たものの、例えば他国と比べれば、被害を最小限に抑えることができたのではないかと思います。
 それを実現したのは土木その他のハードウェアや、情報伝達などのソフトウェア。要するにこの社会の基盤を支えている部分です。

 ふだんは「あれができない」「これが劣る」と声高に叫ばれがちですが、ホントはもっと自信を持って良いのではないでしょうか。

 さて台風18号、金沢には午前10時頃に最接近しました。

 金沢工大は休校にならなかったので、びしょ濡れになりながら出勤し、やはりこちらもびしょ濡れの学生を迎えて午前中の講義(大学院)を始めたのがその時間帯。
 教室の窓の外を、いろんなものがビュンビュン飛んでいきます。

 それでも強風のピークは30分から1時間くらい。その後は徐々に落ち着きました。

 講義も終えたし、ちょうどお昼だったので午後の講義に備えて学食へ向かった──雨と風でキャンパスの外へ出られない──のですが、カフェテリアの「セレス」の前には「臨時休業」の告知。
 理由は、「台風の影響により」......ナシテ?!

 ふと気づくと、別な場所のお弁当コーナーも空っぽ。おかげで男子学生向けの「ヴァルカン」は大混雑となっています。

 西村センセイ、この時点では休業の理由が分からなかったのですが、通りかかった同僚に教えられてやっとそれを理解しました。

 昨日のうちに県内の小中学校の休校が伝えられたため、女子教職員で該当する者は子供たちを保護するために昨日、自宅待機を命じらました。
 学食は系列企業が運営しているために、その措置が適用されます。

 要するに、今日、学食を運営する要員が不足してしまったんですね。学食は、学生諸君に昼食を提供する前にお弁当を作るのですが、今日はその余力もなくなった、というわけです。

 今回の臨時休業、図らずもいろんな人がこのコミュニティを支え合っているんだということを示すことになりました。

 そう考えると「雨降って地固まる」も分かるような気がします。



10月7日(水) 冗談抜きで、台風18号の来襲に備えましょう

 いろいろ考えたのですが、今日は何の引っかけもなく、ストレートにメッセージを。

 冗談抜きで、目の前に迫っている台風18号に備えましょう。

 写真は、気象庁が提供するセンセイの帰宅時点(19:20)での雨雲レーダー画像。高知県室戸岬南方の海上に中心を持った台風18号の姿がしっかりと捉えられています。

 すでに紀伊半島や近畿南部、瀬戸内海の一部は猛烈な雨と風になっているようです。
 今年は冷夏だったのですが、9月に入ってからは逆に暖かかったので、台風18号は高温の海水から熱エネルギーと水分を補給され続けており、どうやら強い勢力を保ったまま本州上陸後、列島を縦断することになりそうです。

 一般的に、台風の中心位置だけが重要視されますが、台風が上陸してしまえば地形の関係で非常に複雑に風が吹き、局地的に激しい雨が降ることになります。
 要するに、列島のどこで何が起きても決しておかしくない状態になるのです。

 センセイは1995年8月に新潟県を襲った局地的な豪雨を経験しています。
 このホームページ開設前だったのでここでその様子を紹介することができない──写真等は新潟の自宅にある──のですが、実家の田畑は大規模な土砂災害に襲われて、一部を除いてほぼ壊滅してしまいました。

 正直なところ、災害を経験したことのない人に惨状を想像しろ、というのはかなり難しいと思います。
 それでも、あるいはそれだからこそ、たとえ狼少年だと思われても仕方ありません──そんな人はいないだろうけど──が、とにかく台風に備えてください。

 もし、台風の来襲を、つまり自然の力を、心のどこかでイベントか何かのようにとらえている人がいるとしたら、いつか強烈なしっぺ返しを食うことになりますよ。

 それが、今回かどうかはともかく。



10月6日(火) もしかすると明後日、このゲートは閉じられることになるかも...

 金沢のアパート近く、でもあまりふだん利用しない場所を通っていたら、あれ?!

 写真ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、中央の柱を支柱にした写真左側の腕木のような部分が回転できるようになっているようです。
 回転部分を支えるケーブルがお分かりになりますでしょうか。

 どうやらこの物体、時計方向に90°回転することによって、この先の道路への進入を防ぐゲート(バリヤ)になっているようです。
 センセイは時々この場所を通るのですが、この進入を防ぐゲートに気づいたのは初めてです。
 でも、ナシテ?!

 目の前を横方向に走っているのは、この地域の幹線道路。
 一方、写真ではわかりませんが、写真左手、この道路と直交する形で北陸鉄道が走っています。

 たぶん昔は両者が平面交差──つまり踏切があった──していたのでしょうが、現在は道路が鉄道の下をくぐる立体交差になっています。
 車の赤いテールランプが沈み込んでいる様子がうまく伝わっているでしょうか......。

 支柱の基部やかつてガードレールが存在した(らしい)痕跡からするに、割と最近に設置工事が行われたようです。

 もうご理解いただけたと思いますが、これはきっと立体交差部分が水没した時に、それを知らずに飛び込む自動車の誤進入を防ぐためのものなんでしょうね。
 腕木の上部に赤色の回転ランプを見ることができます。

 この場所は、ある程度の高度はあるものの、周囲からするとずいぶん低くなっています。この場所、たとえば昨年夏に金沢を襲ったような水害にはひとたまりもないんですね。

 もしこの先の低い場所で自動車が水没すると、人間の力では内側からドアを開けることができません。
 もちろん窓ガラスを割ればいいのですが、車の窓は強化ガラスでできており、特別な工具──国産車は備えていない──がない限り、割るのは困難。

 「まさか、そんな」とか「そうかもしれないけど、自分は...」と思っているアナタ。たぶん認識が甘い。現在日本に接近している台風18号。どうやら本土を直撃する模様です。
 進路によって風向きや雨の降り方は大幅に異なりまが、ここ数年で最大級の台風であることは確か。

 先ほど気象庁のホームページで確認した情報では、日本上陸ないしは最接近時の予想勢力は約940hPaとのこと。
 これはちょっとでも地学や気象の知識がある人なら、腰を抜かすくらいの規模。冗談抜きで、自分や家族、関係者の利益を守るためにも、早め早めの対応が求められます。

 このゲート、きっと設置されたばかりなのでしょうが、もしかすると明後日くらいに使用されることになるかもしれません。

 それでも人命や財産が失われるリスクに比べれば、ぜひ活躍して欲しい(?)、と、センセイは願うのです。



10月5日(月) 西村センセイ、暑いんだか寒いんだかよくわからないので、水の重要性について考える

 ホントに、暑いんだか寒いんだか良くわからない。

 仕事が溜まっているので、例によって誰よりも早く出勤するのですが、朝晩は上着なしには寒すぎます。でも日が昇るとずいぶん暖かくなるし、教室はもう、学生諸君の熱気でムンムン。
 教室に冷房がもう入っていないからなのですが。

 先々週、車で金沢で来た際に秋物の衣類を運んだのを契機に、もうシャツは長袖だけにしようと思ったのですが、これが甘かった。その後ずっと暑い日が続いているのです。
 半袖の持ち合わせがなくなったので長袖の腕を捲っていたら「袖を捲るなら半袖を着たほうがいいと思います」とのご指摘。まったくその通りで、返す言葉もありません(返したけど)。

 センセイの場合、もう一つ季節に密着していることがあって、それは飲み水。
 暑い時期、センセイは常にステンレス製の水筒(こちらこちら)に冷水を入れて持ち運んでいます。

 「冷水」といっても水道水に冷蔵庫の製氷器で凍らせた氷を入れただけのもの。
 でも割と大きめの水筒なので、たぶん重量は2.5kgくらい。荷物が大きい時はけっこうしんどい。

 そこで遠方への出張の時はともかく、衣替えを機会に、今年はこれから新潟−金沢間の移動の際は水筒を使わないことにしました。
 先週末は寒かったし、それにだいたいこの時期に水筒を使わなくなるのです。

 でも金沢へ移動した昨日は良く晴れていた上に、車で運び損ねた──忘れていた──教材用のビデオテープをたくさん運んだので、荷物の重いこと。

 頑張って柏崎駅に到着したのですが、水を飲もうにも、ご覧のように蛇口は閉められたまま。

 JR東日本・西日本ともに、最近の駅構内では水が飲めないことが多くなっています。

 その一つの理由は20年か前に、当時はあちこちで見かけた冷水器──今ではほぼ死語──に、雑菌が生息していたことが判明したためです。
 トイレの水タンクを開けるとわかりますが、塩素で適切に殺菌している水道水でも雑菌が生息することがあるのですね。

 センセイが確認した限りでは、JR東日本長岡駅はちょっと特殊。

 右の写真のように新幹線ホームにも水飲み場がありますし、3枚目の写真のように、在来線のホームには昔懐かしい洗面所があります。
 長距離列車が出入りしていた名残でしょう。

 でも、駅で水道水が飲めないもう一つの理由は、意外と簡単。飲料水がビジネスになるからです。

 かつての日本は「水と空気と安全はタダ」と言われたのですが、浄水器やペットボトル入りの水の登場で、ただの水がビジネスになることがわかったのです。(欧米ではこのビジネスが先行していました。)

 確かに、昔の東京都の水道水(特に荒川水系)は美味しくなく、そのままではとても飲めたものではありませんでした。
 西村センセイ、東京で生活し始めた最初の頃は、比較的水質の良い多摩川水系を利用していたにもかかわらず、水道水を煮沸してから飲んでいました。(実話)

 現在の都内の水道水は驚くほど水質が改善されていて、同じ条件でテストするとペットボトル入りの水より美味しいくらいです。
 でも水飲み場の奥に、ペットボトル入りの水の自動販売機があるように、水ビジネスは着実に成長しています。JR東日本そのものが“AQUA”(ラテン語で「水」の意味)ブランドの水ビジネスをしているくらいですから。

 政治の問題や芸能人のゴシップにあれだけ敏感なマスコミは、この水ビジネスについては一切論評しません。
 良い面も、再利用されていないペットボトルの問題や安全保障面など悪い面もあるはずなのに。

 問題はそれだけにとどまりません。

 世界レベルでは現在、水は大きなビジネスチャンス──あるいは破滅のきっかけ──と考えられています。「21世紀は水をめぐる争いの世紀になる」かもしれないと言われる所以(ゆえん)です。
 「水道料金が安ければそれで良い」などという、そういう問題ではないんですね。

 だから西村センセイは、暑いのか寒いのかわからなくなってしまうのです。



10月4日(日) 西村センセイ、富山で夕焼けを見ながら、教師との出合いについて考える

 行事やら所用やらを片づけているうちに西村センセイ、もう金沢へ移動する時間。

 今日はいつもの電車での移動。電車は決まった時刻に決まった場所を通り過ぎるので、季節の変化が手に取るようにわかります。
 初夏は日のあるうちに金沢に到着したのですが、この季節は新潟−富山県境で夕陽が水平線や地平線上──富山県では、夕陽は能登半島に沈む──で驚くほど大きく、そしてホントに熟した柿のように赤くなり、入善付近で日没となります。

 写真は日没から約30分後、富山駅到着前に撮影したものですが、もう、夕焼けのピークを越えているので、赤い色が黒い闇と一体になろうとしています。

 西村センセイ、電車に乗りながら昨日の続きをちょっと考えていました。

 ユニークな仕事をしたり、渋くてもしっかりした業績を挙げている人に、その分野に入ったきっかけを話してもらうとしばしば、「高校の時にある教師に出合って」という返答が戻ってきます。

 ある学問分野の紹介だったり、あるいは数学の先生が、普通の授業の中で通常の解き方だけでなく「エレガントな解法」──わかるかな──の魅力を教えてくれたり。
 きっとその生徒に「自分が知らない何かがある...」ということを予感させてくれたんでしょうね。

 でも考えてみると生徒の側も、何となくそんな予感(?)がしたからこそ、その教師に近づいたり、ちゃんと話を聴いたりしたのではないでしょうか。
 つまり双方向からの引力なんでしょうね。

 そういう影響を受けた人が書いた文章は、論理も表現もまっすぐでわかりやすい。文章が、そして何より内容がスッと、頭の中に入ってきます。
 時々「こんな直球勝負でいいの?」なんて余計な感じがするくらい。

 ところで娘の勉強を時々見ていると、ある先生は独自に作成したプリントばかりを用いて教科書は一切無視。テストはプリントの内容がそのまま出る(!!)ので、要領のよい子は内容の理解不理解にかかわらず、点数を取れます。
 でもセンセイが娘に教えようとすると、何十年ぶりにその科目を勉強することになるため不確実な点が出てきます。疑問点を教科書で調べると、驚くほどよく説明してありました。
 どうやらその先生は完全に「自分の世界」を作ってしまっているようなのです。

 う〜ん、こういう教師に、生徒との「出合い」はあるんだろうか......。

 それ以外の情報を考え合わせると、教師がとにかく忙しく、評価と改善に追われている今の学校──娘の学校だけではありません──では、かつてのような教師と生徒の出合いは、もうとても難しいのではないかと思えてしまいます。
 そして、高校までと大学は別ですが、これは直ちにセンセイら自身の問題。

 何だか今日は、沈む夕陽とその後をずっと見ていたセンセイなのでした。

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