2010年6月12日更新(2010年6月20日ページ移動。2014年5月25日一部写真削除)
■6月12日(土) JR糸魚川駅の煉瓦車庫解体工事が進行しています
先週、先々週と都合で車を利用したり、太平洋側をぐるっと一回りしたりしたので、金沢−新潟間を普通に電車で移動するのは、この週末が3週間ぶり。
今日お伝えするのはその途中の出来事。もちろん覚悟はしていたのですが。何回かお伝えしたJR西日本糸魚川駅の煉瓦造り車庫の解体工事がずいぶん進行していました。5月23日、419系を撮影するためにホームに降り立った時にはまだ大きな変化はなかったのですが。
新潟へ向かう特急の中からだと、上りホーム越し、そしてかなり距離があってうまく撮影できなかったのですが、煉瓦造りの部分は、写真左側の車庫の入口部分を残してほぼ解体、撤去されています。
切断面の肌色が痛々しい。また蒸気機関車時代の名残であろう、煤の黒色も歴史を感じさせます。
意外だったのですが、全部(ただし屋根を除く)が煉瓦だけで作られているのではありませんでした。
この写真では良くわかりませんが、屋根の梁や二階建てになっている部分は細いものの、鉄骨だったんですね。距離的にはずいぶん離れていますが、JR山陰本線の余部鉄橋(兵庫県)が、間もなくコンクリート製の新橋に交替します。
センセイは何回か通過しましたし、一度だけですが橋の下──1986年に転落事故があった──まで降りてみたことがあります。時代の大きな流れに伴い、これらが消えてしまうのは止むを得ないでしょう。
でも、少なくともこれらを構想し、実際の建設に向けて従事した人たちの意志と気概と努力は覚えておきたいと思います。
今日もまた、見たままのお話(すみません)。
いろいろあって、仕事全体が大幅に遅れています。こうなったらもはや、優先順位をつけるしかありません。溜まっているメールの返事は後回し。
関係者の皆様、本当に申し訳ない。対外的な、しかもお金が関係する案件から片付けて、夕方、金沢駅始発の特急電車に乗車します。
目が覚めるともう新潟県内。JR西日本と東日本の境界駅、直江津で乗務員が交替。
反対列車との行き違いの様子から定刻より少し遅れているようだなぁーと思いながら車窓の外に目をやると、ちょうど日が沈むところ。日没そのものは良く目にしているのですが、いつもと違うことに気づきました。写真上方の雲と、それが作り出す影です。
西の空、太陽はもう既にほぼ水平線上にあって、すべてのものを照らしながら沈む格好。
専門的なことなので子細は省略しますが、センセイの専門──センセイにだって専門はあるんですよ──地動説を提唱したコペルニクスの著作 De revorutionibus orbium coelestium (『天球の回転について』)第1巻第8章の一節を思い起こさせます。
太陽の高度がとても低く、日光が雲の横から当たるので、厚い雲が手前の薄い雲に影を作っているんですね。その様子が、おわかりになれますでしょうか。
■6月10日(木) 渡りかけた横断歩道で感じたもの ──「二代目 つけ蔵」オープン!!
──
今日は所用があったので珍しく、明るいうちにご帰宅。
アパートへ辿り着くためには、割と大きな道を横切る必要があります。いつもはコンビニ前のまえにある押しボタン式の信号機を利用するのですが今日は、それがちょうど青に変わるところ。
ラッキー!!遊びから帰る途中の小学生が押したのかなぁー、と思って向こう側を見ると、あれ? 見慣れない人、というか、この場所にそぐわない格好の人が歩いてきます。
流行のラーメン屋の店員が薄手のジャンパーを羽織ったような格好......って、ラーメン屋の店員そのまんまじゃないですか。そういえば......視線を右横方向へ移動させて、西村センセイ、やっと全貌を理解しました。
信号機の近くで準備中だった「豚骨らーめん 二代目つけ蔵 TSUKEZO」が今日オープンしたんですね。
数日前から気配があったのです。センセイが通りかかった時は営業していなかったのですが、お店の奥では同じ格好の店員が二人、何か話し合っています。
11:30にオープンしたようですが、客の入りがどうだったのか、そして反応がどうだったのか、やはり気になります。センセイは、というと、これがどうなんだろう。センセイのアパートからはかなり近いのですが、センセイは昼間、アパートにはいません。
それに豚骨ラーメンはあんまり得意ではない。でも、「つけ蔵」と言うからには、それも「二代目」を名乗るからには、看板商品は豚骨ラーメンのつけ麺──なかなかイメージしにくいけど──なんじゃないだろうか。
もちろん、センセイの勝手な推測ですが。だから創立記念日など、「世の中は平日だけど、大学はお休み」という日に、一度行ってみようかな、などと考えているのです。
■6月9日(水) 水に逆らわない暮らし方 ──「沈下橋」──
楽しかった四国ツアーの最終回。昨日お伝えするはずだったってことがバレバレですが、悪しからず。
お伝えしたように、西村センセイは朝、四国に到着しました。その日は松山へ移動するだけだったので、もうちょっと西まで列車で行ってみました。
といってももともと四国のJR線はかなりの部分を乗車しているので、今回新規に乗ったのは海岸に沿って走る予讃線の旧線、向井原−伊予大洲間だけ。この区間は長崎本線の旧線(浦上−喜々津間)に似て、とにかくカーブと勾配がきつい。振り子式の特急電車を走らせるのは無理です。お金をかけて新線を建設した理由ががよくわかります。
意外な発見もあって、長崎本線は海岸に沿って丁寧に走るのに対して、この予讃線旧線は山の中を走ること。海岸はあまり見えません。実際に四国に入って初めて理解したのですが、ここは山が海に落ち込んでいるので、悠長なことは言っていられないんですね。山が険しければ当然、川の流れもダイナミック。
平野をどんよりと流れる川ではありません。写真は名もない川──もちろん本当はあるんだろうけど──の脇を走る列車の中から撮影したもの。
橋が二段になっています。コンクリート製と思しき下の橋をよく見ると、欄干がありません!!
「沈下橋」あるいは「潜水橋」、「もぐり橋(潜り橋)」と呼ばれ、洪水などの増水時には全体が水没してしまう橋です。話には聞いていたのですが、四国で初めて見た時にはびっくりしました。
上の橋のように頑丈に作るとお金がかかりますし、洪水時に土砂や流木がひっかかって破壊されてしまうので、わざとこのように造られているんですね。
逆にいうと、すぐに壊れてもしかたない、という割り切り。写真の橋も一部が流されています。撮影には失敗しましたが、橋は全て流され、橋桁だけが残っているものも確認しました。
若い皆さんはこれを見ておそらく、かなりネガティブな印象を受けるんじゃないかと思います。でもセンセイはちょっと違うのです。水は人間や動植物が生きていく上で絶対に欠かせないもの。
時々は大暴れするその水と、何とか共生しようとしてきた先人の智慧があるように思えるのです。さて土讃線旧線の乗車で、四国島内の未乗区間は鳴門線全線と牟岐線の一部だけになりました。
チャンスがあったら私鉄の土佐くろしお鉄道「ごめん・なばり線」と安佐海岸鉄道にも乗車してみたいと思っているのですが、いつになるのかなぁー。
■6月8日(火) “Safari 5.0”が公開されました。Windows版も問題なく動作するようです
今日は予定していた内容を変更してお伝えします。ご存じのようにAppleはiPadに引き続いて、iPhone 4を発表するなど、新製品を立て続けに公開しています。
センセイのように古い感覚の人間には、iPadなどとご縁はなさそうなのでちょっと寂しかったのですが、夜になって嬉しいニュースが入ってきました。
“Safari 5.0”がリリースされたのです。不具合が続出して使い物にならなかったWindows版4.0.5のユーザーが待望していたもの。センセイの場合、もちろん迷う必要はありませんから、さっそくインストール。
写真は大学のトップページを見たものですが、以前と違って正常に表示されています。((C)K.I.T)
もちろん「落ちる」ことも、CPUに異常な負荷がかかってファンが音を立てることもありません。とにかくまともに動いてくれるだけで、センセイはうれしい。MacとWindowsを同時に使うセンセイにはブックマークの完全共有はとても便利。
それに視力が落ちてきた現在、Safariの綺麗な文字は本当にありがたいのです。やれやれ、と思っていたらあることに気づきました。 「Mac OS X版Safari 5のご利用には、Mac OS X Leopard 10.5.8以降」が必要だというのです。
センセイが使用しているMac OS Xマシンは、1台(MacBook)のみが10.5.8で、他は全て10.4.11。
古いMacとAppleTalkを使って通信するためです。どうなるんだろうとアップデートを起動すると、Safari 5.0ではなく4.1が表示され、無事にインストールできました。こちらも問題ないようです。
この3ヶ月、WindowsマシンでSafariが使えず苦労しましたが、これでやっと一安心という感じです。
■6月7日(月) 西村センセイ、アンパンマン列車に乗って、ジャムおじさんについて考える
JR西日本岡山駅の在来線ホームに降りると、中程のホームでドキリとさせられることがあります。派手な塗装の特急列車が停車しているのです。
それがアンパンマン列車。JR四国の所属ですが、岡山まで乗り入れているのです。写真は四国島内で撮影したものですが、全車両にアンパンマンの絵が描かれています。
右端の車両は「ドキンちゃん号」のようです。アンパンマンを全く知らない人はいないと思います。やなせたかし氏の絵本やテレビ版アニメのキャラクターで、たくさんの友達やバイキンマン、ドキンちゃんといったライバル(?)がいます。
センセイを含めて子育てをした人は、ずいぶんお世話になったはず。テレビを見せていても、安心ですし、よぉーく観ているとやなせ氏の経験に裏付けされたメッセージが伝わってくるのです。
そのやなせ氏が高知県の出身なので、アンパンマン列車なのですね。高知県内にはミュージアムもあります(センセイはまだ行ったことがありません)。
アンパンマン列車が登場してからずいぶんになります。
全国的にも知られるようになりましたし、収益にも貢献しているようで、その数がどんどん増えているような感じがします。
センセイも今回、2回乗ることができました。右の写真は普通指定席車両の内部ですがご覧のようにアンパンマンだらけ。横方向のポーズはみんな違います。
この駅では欧米人のグループが乗車してきたのですが、室内に入った途端「ウワォ!!」というポーズをしていました。3枚目の写真は、今回初めて気づいたもの。
隣の席に置いた荷物を取ろうとして、何と天井にもアンパンマンとその友達が描かれていることに気づきました。
左からかまめしどん、いつも箸で自分の頭を叩きながら歌っているてんどんまん、アンパンマン、そしてカツドンマンです。このアンパンマン列車は振り子式です。カーブに来るとグイッと車体を傾けて曲がりきります。
地平線がずいぶん傾くので、慣れていないセンセイにはずいぶん違和感があります。でも、そもそもセンセイがいつも利用するJR東日本だったら振り子式の列車を開発するより、カーブをゆるめる工事をするんだと思うけど。
会社の置かれている状況と、問題への対応がずいぶん違うんですね。優劣があるといっているのではなく、JR四国の場合、島内は狭くて人口(=利用者)も相対的に少ないので、お金がかかる路線の改良は難しいんだろうと思います。
このアンパンマン列車やワンマンカーによる運行、若い女性社員──たぶん派遣社員かパート──の多用など、涙ぐましいほどの営業努力です。
おまけにここ数年の猫の目行政は、鉄道から自動車へ乗客をシフトさせています。それはそれでひしひしと伝わってくるのですが、なかなかグランド・デザインを描くのが難しいようです。新幹線をトータルな輸送システムとしてとらえ、車両の種類を減らして効率を上げ、利益を上げようとするJR東海などとは対照的。
人生に疲れたり困ったりしている人がいると、自分の頭(あんパン)をかじらせて相手を元気にするアンパンマン。その頭を取り替えてくれる、つまり支援してくれるのが、ジャムおじさん。
JR四国の様子を見ていると、必要なのはジャムおじさんなんだろうなぁと思えてきます。
■6月6日(日) これが夜行寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」A個室の内部です
久しぶりに本格的なツアーを終えた西村センセイ、無事に金沢へ戻りました。本当はすべてのプログラムに出席したかったのですが、残念ながら途中で退席しました。
明日、朝イチで授業があるのです。松山と金沢はホントに遠い......。今日は、少し鉄っぽいお話を。
お伝えしたように、新潟の自宅に立ち寄る必要があったため、往路は久しぶりに夜行寝台特急「サンライズ瀬戸」を利用しました。
写真は入線直後の様子。尾灯(赤ランプ)が点灯していますが、まだ運転士が乗り込んでいないからで、こちらが進行方向正面になります。
色彩のデザインは夜明けをイメージしたとのこと。それまでの夜行寝台「ブルートレイン」の青色と全く違います。
夜見ると、割と淡泊な色合いに感じますが、日中見ると意外と濃い色です。
日中のことはどうでもよくって、夜間にお客が乗り降りする時の印象を大切にしているんですね。ちなみにこの列車、日中は品川駅の北側、JR東日本の在来線とJR東海新幹線の間に留置されています。
気をつければ割と簡単に目にすることができます。発車時刻まで余裕がないので自分の「部屋」へ急ぎます。何ってたって個室寝台ですからね。
ドアを開けると目に飛び込んでくるのが右の写真。
狭苦しく感じるかもしれませんが、ベッドはB寝台より広く、大人が寝ころんでも十分な広さ。
小学生までなら子供と一緒に寝ることも可能です。(B寝台の場合、幅が狭いので不可能です。)もっとも、北斗星やトワイライト・エクスプレスのA寝台よりはやはり狭いですけど。
ベッド奥は物置に使えます。またサンライズ号の場合、従来のブルートレインと違って、天井はやはり低い──二階建てだから──ものの、大人もB個室でちゃんと立つことができます。
反対側(左側の)に目を向けるとテーブルと洗面器。A個室ならではです。
隅の物体は化粧品セット。タオルや石けん類、歯ブラシなどが入っています。この車両にはA個室専用のシャワールームもあるのです。
この部分はご覧のように、奥の全面が鏡になっています。
お分かりだと思いますが、テーブルはずいぶん広くて、便利です。ACコンセントもあるので、パソコンを使った仕事もできます。
実際、3日のニュースはここで入力され、PHSを使って横浜付近でアップロードされています。右下、ベッドの脇にはAVシステムのコントローラー(+時計)があります。
以前はアナログ衛星放送をリアルタイムで観ることができたのですが、この3月に廃止されたそうで、液晶テレビは撤去されていました。
最後に、入り口付近を見返したのが右の写真。テーブルがドアの脇まで伸びています。
部屋のロックのシステムが変更されていて、操作部があった部分は板で塞がれていました。全体としてとてもシンプルにできています。
北斗星などと比べると、シャワールーム兼トイレ、クロークがありませんが、正直なところ、そんなに不便には思えません。
実用性の観点から割り切って、必要なものだけ揃えた、という感じ。惜しいのは乗車時間。
サンライズ瀬戸号の場合、夜の10時に発車して7時半には高松に到着してしまいます。
未明に誰もいない大都会に出くわして──今回は神戸で目が覚めた──びっくりしたり、朝、居心地のいいベッドの上でゴロゴロしたりする時間が足りないのです。出雲号の場合は松江到着が9時半頃ですから、朝日が昇る瀬戸内海を堪能した後に中国山地の美しさを愛でることもできます。通路に出て右手後方の大山を観ることもできます(A個室は南側だけに窓があるので、部屋からは大山は見えない)。
でも山陰地方って、意識しないとなかなか行く機会がないんですよね。新潟以北の日本海側も、事情は似たようなものなのですが。