2012年1月7日更新(2012年1月15日ページ移動。2015年9月17日写真削除)
■1月7日(土) ソニーが民生用有機ELテレビから撤退。ただし放送・業務用は販売継続の模様
西村センセイ、週末なので普通は新潟の自宅へ戻るところなのですが、年末年始に遊び呆けた──というわけではないのだけど──ために仕事が溜まってしまい、金沢にとどまっています。
当地はちょっと不安定な天気。本当は自転車で出勤しようと思ったのですが、外へ出た途端に雨が降ってきたので急遽徒歩に切り替えました。仕事に区切りをつけてアパートに戻るため、守衛室脇のドアを出ると今度は、辺り一面、真っ白。もちろん雪です。
静かなわけだ。でも今日の話題は雪ではありません。読売新聞の報道によると、ソニーは次世代高画質薄型テレビの主役になると言われていた有機ELテレビから撤退する模様です。((c)読売新聞社)
ソニーは2007年、世界初の有機ELテレビ“XEL-1”(11型)を発売。実物を見た人によると、本当にすばらしい画質だったそうです(センセイはまだ見る機会に恵まれていない)。
しかしその後の液晶テレビの普及と、低価格化の急激な進行で、今回の決定に至ったようです。民生用に関する限り、昨今の状況を考えると撤退は止むを得ないと思います。その背後で進行しているのは、「モノ」から「コト」(コンテンツ)への移行。
テレビに限って言えば、大半の人はブラウン管やプラズマ、そして液晶の画質の差なんてそんなに気にしていないのです。
それより中身、そして価格なんですね。ところで、センセイの個人的な関心事は別なところにあります。
報道によると、「放送局などで使うモニターの販売や研究・開発を除」く、とのこと。
具体的には、以前ご紹介した放送用モニタなどを指します。放送用のものは数百万円しますが、実はその後、25型業務用有機ELモニター“PVM-2541”が約63万円(実売価格53万円程度)で販売されているのです。
液晶はやはり放送・業務用機器、あるいは医療用機器が求めるレベルを満たさないので、今後は有機ELモニタの普及と、ある程度の価格軟化が予想されます。白状すると西村センセイ、少し余裕ができたら冗談抜きで金沢のアパート用に導入しようかな、と思っているのです。ただし購入するとしても、今年は家族のイベントがあるので、それが落ち着いてから、ということになりますが。
画質や音質、つまり一種の「モノ」に拘るセンセイは明らかに旧世代に属します。かといって人生の2/3、あるいはそれ以上を過ぎてしまっていますから、そう簡単に人間のあり方を変えられるものではありません。
それよりも、それぞれが「自分にふさわしい」ものやことがらを求めること、そしてそれが可能な環境を得ることの方が重要なんだと思います。
■1月6日(金) 「部品は本国からの取り寄せになります」 ──318iの方向指示器に少々不具合が...
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一晩だけ新潟のお話を。
「あれっ?」と感じたのは1月3日。最初はセンセイの誤操作かなぁーと思ったのですが、意識して操作しても、症状は同じ。318iに少々不具合が発生しています。
ただし、大きな問題ではありません。ウィンカー(方向指示器)を操作してからハンドルを回すと、ウィンカーはロックしますが、ハンドルを戻してもロックが解除されなくなってしまったのです。
不具合はハンドルを右回転させた時にだけ発生します。この機能、今では当たり前と思われるでしょうが、ずっと昔は必ずしも自動ではありませんでした。また現在でも一部輸入車ではロックされないそうです。
だからセンセイ個人としては修理しなくてもいいのですが、一番怖いのは、ウィンカーそのものが動作しなくなること。自動車学校で習ったように、窓から手を出して合図しなければなりませんが、事実上、これは無理。それに、恐らく半年後にはセンセイの娘が運転免許を取得してこの318iを運転し始めることになります。
やはり直してもらうしかありません。というわけで昨日、最寄りのディーラーにアポなしで318iを持参しました。
金沢へ戻る必要があるため、営業開始時刻に合わせてお店を訪問したのですが、今年の営業初日だったため、店員は手分けして、広い構内を除雪中。
ご苦労様です。でも豪雪地で知られる長岡、今年はまだ20cmくらいしか雪は積もっていませんでした。
それに行く時は猛吹雪だったのですが、お店で待っていると写真(店内からガラス越しに撮影)のように、晴れ間ものぞくほど。
昨日の荒れた日本海とは大違いです。かなり待った結果は、もちろん故障。しかも修理に必要な部品については、申し訳なさそうに「本国からの取り寄せになりますので...」とのこと。
少々補足が必要でしょう。センセイはこの318iを普通のセダン、そしてマニュアル車として購入しました。国産の2,000ccクラスでは10年くらい前からほぼ絶滅してしまっているのです。(ただし、海外ではまだ普通に利用されています)
輸入車を導入する際にはいくつかハードルがあって、その一つがウィンカー(方向指示器)。アメリカ英語だと“blinkers”と言うのですが、要するに国内と左右の関係が逆になっています。外車を運転している人は誰でも知っていますが、ハンドルの左側にあるのは、国産車のワイパーではなく、ウィンカーなのです。
初めて運転する人は交差点を曲がろうとして、思わず右側のワイパーを操作して驚くことになります。(よく知られた話)センセイ個人はイギリスでこのタイプの車を運転していますから問題ないのですが、初心者の娘は別。いろいろ考えた末、国内でBMW車を導入している自動車学校のために用意された特別なキットを装着してもらいました。
要するに、国産車と同じ操作になるのです。価格は35,000円くらいだったと思いますが、今回の問題は金額ではなく、部品の納期。国内にそんなに在庫があるとは思えません。
担当の最初の説明によると、「新潟市内にある関屋自動車学校がこのキットを採用しているので、ディーラーの本社(新潟)には在庫があるのでは」とのこと。
ホントかなぁー。センセイの318i(E46)は現行のE90シリーズの一つ前。たぶん厳しいだろうなぁー。
結果的にはその予想通り、「本国」──なぜ「ドイツ」と言わないのだろう──からの取り寄せとなりました。価格は工賃を含めて25,000円強とのこと。
両者の価格差は、このところのユーロ安のせいでしょうか。今は冬なのでそんなに車を走らせることはないし、しばらくは入学試験その他が続くため、今月下旬まで318iを長時間走らせることはありません。
それまでには部品も届くでしょう。だから、個人的にはあまり問題はないのですが西村センセイ、今回の不具合で、一つには改めてグローバル化の進行を思い知らされたのです。
そしてもう一つ。自動車は工業製品ですから、どうしても初期不良や経年劣化が発生してしまいます。でもそれを勘案しても、センセイの318i、やはり良くできた車だと思います。
だって、「お金をかけて※でも直して、まだまだ乗りたい」と思ってしまうのですから。
※修理、維持費用に関しては、これまで乗っていた日産のプリメーラ(P11)よりもはるかに格安ですし、手間もかかっていません。ただし、プリメーラもそれなりに良くできていた車で、大きな不満はありませんでした。念のため。
■1月5日(木) 日本海の荒波にを受けながらも、電車は前へ進む ──金沢へ移動しました──
明朝から大学の業務が再開されるので、金沢へ電車で移動しました。でもこれが、結構大変。
年末年始の新潟は雪こそ降ったものの比較的穏やかな天気でした。でも仕事始めの昨日からは大荒れの天気。気温も下がったのですが、とにかく日本海を越えてくる北風の強いこと。
そのため新潟以北の日本海側では鉄道の運休や遅れが相次ぎました。柏崎付近はもともと風が強い場所。センセイは中学生時代に2度、強風に飛ばされてしまったことがあるほどです。(実話)
鉄道に関しても、柏崎─柿崎間は海岸線の近く──というよりJR信越本線が海岸線を形成している──を走っているため、風や波の影響を受けます。
特急券を買う必要もあったので、お昼に柏崎駅で状況を確かめると、同区間のみ徐行運転しており、ダイヤは乱れているものの、とにかく運行しているとのこと。いつもなら経費削減のために各駅停車を乗り継いで金沢へ移動するのですが、今回は諦めて特急を利用することにします。
ただし途中の柿崎駅まではやはりちょっと早めに出発する各駅停車。柿崎駅で特急に追いつかれるのです。3両編成の電車は定刻通りに到着。しかし信号が替わらず、所定の時刻を2分ほど待ってから柏崎駅を発車しました。
隣の鯨波駅までは順調だったのですが、ここでアナウンスが入り、強風のため柿崎駅まで徐行するとのこと。それもそのはず、目の前の鯨波海水浴場はご覧のような状況。(写真中央奥が柏崎市中心部)
電車はゆっくりと進みます。後で計算したら時速20km以下でした。つまり普通の人が自転車と同じくらいのスピードで走っていたんですね。
平行する国道8号線を走行する車の速いこと、速いこと。個人的にはそんなに強い風だとは感じなかったので、窓を開け──車内にいるのはセンセイだけ──て日本海の様子を撮影したのですが、冗談抜きで細かい波しぶきがかかってきます。
もちろん、波そのものがかかるというわけではないのですが。柿崎駅の二つ前、海に面した笠島駅の海側は、漁港と海水浴場になっています。
その海水浴場を日本海から守るような格好の小さな祠(ほこら)は、大きな波の陰に隠れてしまいそうになります。
この区間はいくつかの比較的長いトンネルがあります。その中ではスピードを上げるなど、芸の細かいところを見せたのですが、結局35分遅れで柿崎駅到着。
特急への乗り換えの案内もあったのですが、予想に反して「直江津駅まではこの列車(=各駅停車)が先に到着します」とのこと。
何らかの理由で特急は相当遅れており、ここで各駅停車を追い抜かないということです。このまま乗車して直江津駅から特急「はくたか」に乗るという選択もあったのですが何となく、当初予定通り、特急北越8号に乗車することにして、各駅停車を降ります。
スピードを上げて柿崎駅を去る──ここからは風の影響を受けにくい──電車の尾灯を見送り、特急を待ったのですが......来ない。全然、来ない!!人気のないホーム、跨線橋の陰で冷たい北風を避けて待っていると、不意に特急の前照灯が見えてきました。45分の遅延です。車内はガラガラ。
10人ほどの乗客の大半は金沢あるいは関西の大学や学校へ戻ると思われる乗客でした。いつもなら多数乗車しているサラリーマンは皆無。やれやれと思ったらやはりダイヤが乱れているらしく、最終的には55分遅れで金沢へ到着しました。結果的にはやはり、特急はくたかに乗り換えた方がずっと早く到着できたようです。
窓の外はもう真っ暗だったのですが、それでも降雪の状況はわかります。新潟の大部分と金沢は、道路に雪はなかったのですが、新潟県の糸魚川地方と富山県内はかなりの積雪。
特に富山県の東部は40cmくらいの積雪がありました。いろいろありましたが、とにかく無事に移動できたので、明日からは気持ちを切り替えて仕事に取り組みたいと思います......というか、そうしないとマズい状況に陥っているので。
■1月4日(水) 柏崎市内のラーメン店で、「越後長岡系 生姜醤油焼豚麺」を食べてみました
実家でのおせち料理や雑煮に飽きたから、というわけではないのですが、今日はお昼に一人で柏崎市内のラーメン屋「越後秘蔵麺 無尽蔵柏崎家」へ出かけました。
年末に娘と来た時に、オーダーを出してから新商品「越後長岡系 生姜醤油焼豚麺」を見つけたのですが、これってほぼ、金沢工大の食堂で先日提供された「燕三条ラーメン」。
......挑戦するしかありません。センセイより前に注文した人より先に届いたのが写真。センセイが特別扱いされたのではありません。このお店の商品のほとんどは茹で上がりに時間がかかる太麺。
でも、この生姜醤油焼豚麺は細麺を使っているからです。まず、お店で使っているいつもの器と違います。写真ではよくわかりませんが、やや小ぶりで深め。
麺は見えず、10枚近くの薄切りチャーシューと青梗菜(ちんげんさい)、細切り葱、そして海苔。この段階で既に生姜の匂いがしてきますから、かなりの量が入っているはず。
最初にスープを一口頂いたのですが、とにかく生姜が強く、独特の酸味と甘みが口の中を支配します。
そのためか、あまり油は感じません。続いて青梗菜を頂いたのですが、その陰から細切りのメンマが見えてきました。このお店でよく使う太いものとは全く別です。
チャーシューは何故か、脂身が取り除かれていました(残っていたらセンセイはたぶんパスしたと思う)。
ちょっと硬めですが、まぁそれなり。ここまで来て、やっと麺が姿を現しました。株式会社キタカタが経営──ただし柏崎店はフランチャイズ──するこのお店、一部前述したように、佐渡産の柿から抽出したポリフェノールを含んだ太麺が基本。
流行の濃厚スープにもよく合うので、それはそれで美味しいと思います。お客さんもよく入っています。ただし細麺の取り扱いにはあまり慣れていないようで、今回は麺がかなり伸びてしまっていました。もちろん、早く麺を食べないセンセイも悪いのですが。
全体としてはまぁまぁなのですが、もう一度、と尋ねられたらセンセイは、別な太麺のものをお願いするんじゃないかな。独創性というより、どこか「真似てみました」という受け身の部分が感じられます。だから品質管理も中途半端。
長岡の生姜醤油ラーメンと言えば、宮内駅前の青島食堂が代表的な存在。ここが東日本文化圏であることを強く意識させる黒く、ストレートな味の醤油と強めの生姜、柔らかめの細麺のバランスが命。
お店の人は手早く作っていますが、それでいて細かいところまできちんと神経が行き届いていることがわかります。本当は油もかなり入っているんだろうけど、生姜のためでしょうか、油っぽさはあまり感じられません。「ここで生まれ育った人なら、毎日でも食べられるんだろうなぁー」という感じ。
長岡市の全てのラーメン屋さんを調査したわけではありませんが、細かく刻んだ玉葱が入っているのを見たことはありません。玉葱を入れるのは隣の燕三条。新潟市内にも一部その系統のお店が存在します。醤油の色は長岡より薄くなり、背脂がこれでもか、というほど入ります。
それを打ち消すかのように、こちらも大量に投入(!!)されるのが玉葱なのです。そして麺は基本的に細めの平麺。そう考えてみると、この前の「燕三条ラーメン」ってやはり、長岡と燕三条を足して2で割ったような印象を受けます。
でもまぁ、西日本文化圏の金沢で、東日本のラーメンを食べられるだけでもラッキーだと考えましょう。
■1月3日(火) 広い実家でiPod touchを利用していて気づいたこと
昨晩はサイトを更新できず、申し訳ありませんでした。実家で3回目の年越し(?)をしていたのです。
合計10人が集まり、しかも子供たちはどんどん大きくなっていくので居間はすっかり手狭になってしまいました。そこで出番でない時は2階の自室──現在でもセンセイの部屋が用意されている──でお仕事。
持参したパソコンを立ち上げる気力はなかったので、合間にニュースなどはiPod touchでチェックしていました。実家は田舎にありますが、光回線が敷設され、実家内は無線LANのネットワークが組まれているのです。
iPod touch、基本的には利き手ではない方の掌で本体を支えて、利き手で操作します。そのため縦長の状態で使うのが普通。でもWebサイトを閲覧したり、メモを書いたりする時など、横長画面の方が便利なこともあります。
使用している方は良くご存じだと思いますが、本体を傾けると写真のように横方向に長い状態で使うことができます。
老眼が進んだセンセイとしてはとても便利。((c)朝日新聞社)でも、縦長とこの横長状態の時にちょっとした違いがあることに気づいたのです。
画面左上の扇形のアイコンは無線LANの電波強度を示しています。無線ルーターとセンセイの部屋は大きな実家で一番遠い場所に位置しています。
自宅でiPod touchを使っている時はルータのすぐそばで電波の強度が強かったために気づかなかったのですが、広い実家で電波が弱くなっている状態では、横長の時の方が受信電波が弱くなりがちなのです。もちろん電波はあちこちで反射しているので、場所によっても強度は違うのですが、平均するとやはり縦長の方がよく受信できます。
原因をいろいろ考えたのですが、結論からするとこれは、「偏波」(光学での「偏光」に相当)ではないかと思うのです。
難しいことは書略しますが、電波には振幅に向きがあります。テレビやFM放送のアンテナを見ると、ほとんどの地域では「素子」というアルミ製の棒が水平方向に並んでいますよね。(長野県の一部地域などでは縦方向〔「垂直編波」〕だった〔現状は未確認〕)
これは電波の振幅方向(「水平偏波」)に素子を揃えて、電波を最も効率よく受信するためなのです。無線LANだって同じ。iPod touchにも発信元の端末にもアンテナが内蔵されています。iPod touchを横方向に回転させるとこの二つのアンテナの位置関係が変わるために受信できる電波の強さも変わるのでしょう。
...などと遊んでいたら、もう自宅へ戻る時間になりました。明日からはほぼ平常営業に戻ります。
明けましておめでとうございます。
自宅のある新潟県柏崎市は比較的静かな年越しとなりました。
天気予報は曇りないしは雪だったのですが、日の出の瞬間こそ見ることはできなかったものの、雲の晴れ間から初日を望むことができました。
午前中に年賀葉書が届いたのですが、やはり気がかりなのは東北地方からのもの。
年末、福島県内に住む知人の宛名を書きながら気になっていたのです。頂戴した葉書の現実はやはり、厳しい。
一組はご主人は福島市内から通勤しているものの、奥さんと幼児を新潟の実家に避難させ、もう一組は放射線を気にしながらも県内に留まり、幼児と新生児の子育て。
実は、ここ柏崎も福島と同じようなリスクを抱えています。写真奥に見える数本の鉄塔は、この地にある世界最大の原子力発電所から、約300km離れた電力消費地の関東へ電力を送り出すためのものなのです。
「なかったこと」にはできない現実がここにはあります。皆様にとって今年が良い年となりますように。