2015年4月4日更新(2015年4月12日ページ移動。2017年7月15日一部写真削除)
■4月4日(土) 彼岸と此岸 ──走行中のトキ鉄ET122型気動車を初めて目撃しました──
2日(木)から新入生のオリエンテーションは6日(月)まで続きます。今年は週の半ばから4月が始まったので、どうしてもオリエンテーションが次の週にかかってしまいます。
今日は土曜日ですが、朝イチにクラスごとの集会が行われました。それが完了したことを見届けから、ほぼ2週間ぶりに帰宅しました。お伝えしたように今回は車で金沢に来ています。
天気も良いし時間もあるので、いつものように富山市付近のみ高速道路を使い、他は一般道を走行します。
富山─新潟の県境に近い越中宮崎駅脇の国道8号線を走っていると、踏切の警報が鳴り始めました。警報が示す列車の進行方向を確かめ、サイドミラーで様子を見ていると、トンネルを抜けようとしている列車の前照灯は2灯。
位置と色からたぶん、貨物列車(EF81型電気機関車)ではない。この区間の旧北陸本線は北陸新幹線の開業に伴い、えちごトキめき鉄道に移管されました。
だからセンセイを追いかけるように走ってきたのはおそらく、泊発直江津行きのET122型気動車。試運転のため駅に停車したり、側線に留置されているているものは見ていますが、走行中の姿に出会ったことはありません。
急いで近くの道の駅に車を止め、線路が見える場所で待っていると、やって来たのは、おぉ、ET122。1ヶ月前に乗った三陸鉄道とは違って、1両編成の列車──「列」じゃないですね──はセンセイの目の前を軽快に通過しました。その走行音の軽いこと。線路は幹線用の高規格。
車両の造りも国鉄時代のディーゼルカーとはずいぶん違うようです。えちごトキめき鉄道の開業日にはこの路線にも地域住民が多数乗車して、列車を増結したにもかかわらず一部の客が乗車できない事態が発生しました。
しかしそれは最初だけ。ここは県境なので、そもそも利用客がとても少ない場所。しかも第三セクター化されたため「青春18きっぷ」が使えなくなりました。そのためでしょうか、乗車率は20%くらいでした。やはり1両で十分。
見方を変えると、これからの経営が憂慮されます。ただし、いくら心配になってもたぶん、センセイがこの車両に乗る日は来ないのですが......。
■4月3日(金) 若鷲は順調に巣立つか ──新入生オリエンテーションが佳境に入っています──
入学式を終えてから二晩が経過。自宅から通えない地域から入学したとして、式は朝から始まるので前の晩は保護者、特に母親が一緒にアパートに泊まるのが普通。
保護者はたいてい、式を終えると不足していた身の回り品を買い揃えてから帰ります。金沢工大に入学した知り合い──本人はすでに卒業し、現在は社会人──の場合、前の晩は親子3人、アパートで雑魚寝し、翌日、つまり入学式の日に親は帰宅したそうです。本人曰く、その日の晩は「母が料理を作って残してくれました」とのこと。
でもその翌晩、つまり昨晩は自分でどうにかするしかない。センセイはいつの間にか偉くなってしまい、現在は通常のクラスを担当していません。だから、自分の目の前で新入生が格闘している様子を見ているわけではありません。
でも邪魔にならないように遠くから見ている限り、けっこう何とかなっているように思えます。もちろん、これからも試練は続きます。たとえば新入生はまだ、自分で洗濯や掃除をしていないんじゃないだろうか。
写真は今日、センセイの上役である学生部長の諸注意に耳を傾ける新入生。私語一つなく聴き入っています。
その姿勢は多少だらしないですけど。体育の先生だけあって学生部長がパワフルに話すのと、その説明が工夫されており、理解しやすかったからでしょうか、
でも新入生だけが大学の学生ではありません。センセイは今日の朝イチに、惜しくも留年してしまった1年生を、そして午後には同じく原級留置扱いになった2、3年生を相手にオリエンテーション。
特に後者は200人前後が参加したこともあって、非常に疲れました。でも新入生の後ろ姿はもちろん、単位を落として進級できなかった学生の表情にも生命力を感じます。
「......今年は、だいじょうぶかな。」4月の初めには、いつもそう思います。そうあって欲しいというセンセイの願望が込めているに違いないのですが。
■4月2日(木) これでセンセイも、気分だけは新入生 ──通勤用の自転車を買い替えました──
新入生のオリエンテーションが始まりました。
毎年お伝えしているように、初日の今日は新入生がどの建物のどの教室へ行くべきかわからず、右往左往する日。普通のクラスを持たないセンセイは例によって、校門の前で立哨指導。
今年はかなり迷子が出たのですが、それでも初日から遅刻するような学生はごく稀でした。午後は特別な用がある先生の代わりに、1時間だけクラスを受け持ちました。学生の表情は良く、ずいぶんオトナっぽい人もいます。それが終わると再び研究室へ戻り、あちこちと連絡調整。
夜になって仕事の件で事務の人と連絡を取ろうとしたら、係の人はみんな帰宅してしまった後でした。いえ、勤務時間外に残って仕事をお願いしようとしているこちらに問題があるのですが。仕事にならないし、何より今日は晴れていたので、早めに退勤しました。今日は目的地があります。
ホームセンターで通勤用の自転車を買うつもりなのです。何度もお伝えしているように、センセイは金沢工大に着任直後、通勤のために自転車を購入しました。
チューブレス自転車なのでパンクすることはないのですが、摩耗が進んでタイヤもうボロボロ。
前の自転車を購入したお店へ車で行って、ほぼ同等品を選びました。整備に少し時間が必要なので、センセイはひとまず帰宅。
古い自転車を引き取ってもらうため、改めてお店を目指します。春になったら買い替えようと思っていたので、この冬はずっと乗りませんでした。そのため車体は見事に錆びついてしまっています。
油も切れているので、車体の重いこと。それでもこれが13年お世話になった自転車との最後のドライブ。ちょっとじわっとくるものがあります。
お店に到着するとちょうど整備が終わったところ。代金を支払い、新車に乗って帰ります。ペダルの軽いこと。唯一の心配は、今回の自転車がチューブレスではないこと。ただしお店の人によるとチューブレスにも問題はあって──確かに──実際には一長一短なんだそうです。
そこで今回は普通のタイプのものを購入しました。さっそく大学デビューといきたいところですが、明日の予報は雨。車を使います。来週からは本格的に使用することになります。
■4月1日(水) 西村センセイ、新年度にあたり「主役」について考える ──入学式が挙行されました──
昨日の好天──金沢では桜の開花が宣言されました──が一転して、天気予報通り今日の金沢は終日雨。朝になってもなかなか窓の外が明るくなりません。今日は4月1日。
新年度最初の日であると同時に、学部の入学式があるのです。いろいろな仕事が溜まっているので、早朝から出勤して取り組みます。例によって7時半になったので、パン屋さんへ。
新入生の受付は8時半から。気の早い学生とその保護者が集まり始めています。そしてもっと多いのが、式典の円滑な進行を支える職員の方々。本来の出勤時刻の1時間前。
ご苦労様です。校舎に戻ろうとして、あまり見慣れない雨具の集団に気づきました。点呼朝礼と、打合せの最中。
警備の方々です。15人ほどでしょうか。今日は特に多い。入学式は10時ちょうどに開始。センセイは壇上から、約1,700名の新入生とその保護者を見ています。
実は2週間前の卒業式と同じ場所。当たり前ですが、学生の姿はまったく違います。あの逞しさと、この無垢ぶりのギャップは何なんだろう。そしてもう一つ、違いが。
今日は会場の目立たぬ場所で、進行に気遣いながら自分の判断で的確に行動している職員の姿が目立ちました。新入生と保護者はいかにも「自分こそが主役」という顔をしています。その表情は親子でとても似ています。
でも本当にそれだけなんだろうか。(単純に否定しているわけではありませんので、念のため)テキパキと動く職員や警備の方の様子を見ていると、少なくともイベントの進行に関する限り、こちらの方が主役なんじゃないかと思えてきました。
もちろん壇上の中央、略式礼服姿のセンセイなんて、端役に過ぎないのです。
■3月31日(火) 見事なこれ(とこれ)が明日、新入生とその保護者を出迎えます
写真は今日のお昼、お弁当を買いに行こうとした時に出くわして撮影したもの。
中央奥は毎年お伝えしている枝垂れ桜です。金沢工大のOB・OGなら誰でも知っている、「あの木」です。
5月下旬の、そして今年最高という今日の暖かさで、開花が一気に進みました。写真は西方向を見ています。桜をよく見ると花は南側、つまり写真の左側だけが咲いており、他はそうでもないことがわかります。
だから見頃はもうちょっと先。いつもならもう数日してからご紹介しているのですが、今回は特別。なぜか手前に大きな看板があるのです。
ご覧になる環境によっては暗くてわかりにくいかもしれませんが、入学式の看板。正門に置くものだと思います。
なぜここに立てかけてあるのだろう......。年度末の今日はとても忙しくて、日中、校舎の外へ出たのはこの1回だけ。その短い時間の間にも、教科書や学用品を買い揃えに来た新入生や保護者を何組も見ました。
そんな彼ら彼女らを、この枝垂れ桜と看板が出迎えます。
■3月30日(月) 新年度の開始に合わせて(?)、パン屋さんの名前が変わったらしい
今日は見たままのお話。
年度の切り替わりだというのに、いろいろなことが重なったり遅れたりして、非常にまずいことになっています。訳あって睡眠不足なのですが、それでも未明からご出勤。
一仕事した後は例によってお腹が空くので、サンドウィッチを買い求めに大学前のパン屋さんへ。
でもどこかが変わったような......。お金を払って店を出てから改めて振り返ると、おぉ何と、名前が「サンキョウパン」から「ベーカリー ブロス」に変わっています。
看板中央の、人参を使った人の顔に変化はありませんが、左手にあった「半額奉仕」の文字が消えています。
実際、たぶん半額じゃなかったんだろうし(安いことは安いので、念のため)。少なくとも前のお店は、隣の白山市に本社がある三共フーズという会社の直営店でした。現在でも会社のホームページには「直売ショップ」として記載されています。
単に看板だけ一部書き替えたのか、あるいはもっと深い意味があるのか......。なお男女の店員も、パンの味もまったく変わっていませんでした。
■3月29日(日) 北陸本線松任駅の北側に名車両が続々と集結。しかしその表情は、どことなく...
昨晩は尼崎駅前のホテルに泊まり、今朝、大阪駅を経由して特急「サンダーバード」で金沢に戻りました。この条件だと、晴れていれば進行方向右側の座席は、ずっとほぼ真横から日を浴びます。
そこで1ヶ月前に左側の、そしてモーターを積んでいない車両の、さらに揺れの少ないその中央部の席を予約しておきました。大阪駅からの乗客は僅か。自由席も京都まではガラガラ。好きな場所に座れたのですが、良い場所を抑えておいたので、本来の席に座ります。
今日は雨だったので、強い陽射しはなし。結果的には右側の席でも良かったかも。昨日は会議でかなり疲れたようで、ウトウトしているうちに列車は福井県内に入っていました。
金沢駅の少し前(=西側)、松任(まっとう)駅を通過する時に、注意深く左奥の様子を観察します。
やっぱり。というわけで金沢に到着し、アパートに戻ってから車で松任駅まで行ってみました。自由通路の上から東側を撮影したのが写真。
右上から北陸新幹線の高架、その下が北陸本線。駅構内は相当広いことがわかります。問題は写真の左側。本線から分岐した線路が左奥へ続いています。その先を望遠で撮影したのが次の写真。
ここはJR西日本の金沢総合車両所なのです。写真の場所、いつもは車両がポツンと止まっているだけなのですが、今日は大混雑。しかも錚々たる顔ぶれです。
中央には廃止された夜行寝台特急「トワイライトエクスプレス」用塗装のEF81型電気機関車が2両、その左隣は急行「立山」などに使用された457系急行用車両(国鉄色)。
さらに左には、なぜか「しらさぎ」塗装の681/683系車両が。実はこれらの車両の大半は、北陸新幹線開業と平行在来線第三セクター化、およびに「トワイライトエクスプレス」廃止によって不要となり、廃車・解体される途中なのです。
681/683系は塗装を変更しているだけだと思いますが。いずれの車両もどこか寂しそう。細い雨が降っていたからかもしれませんが。