2018年3月17日更新(2018年3月25日ページ移動。2019年12月29日写真削除)
■3月17日(土) 幸いにも晴れたけど、今日はホントに寒かった... ──金沢工業大学の卒業式が挙行されました──
目覚めると窓を開けて外の様子を確かめます。
昨日の天気予報通り、晴れ。気圧配置からそれはほぼ確実だったのですが、やはり自分の目で確かめたかったのです。
予報を疑っているのではなく、今日が学部の卒業式だから。保護者の大半は自家用車で来場されます。教職員用の駐車場に余裕がないので、可能ならば自転車で出勤しようと考えていたのです。
そちらは問題ないのですが、ちょっと心配なのは気温。相当低い予想なのですが、実は、卒業式会場の体育館に暖房がない。礼服の下にカーディガンを着込み、予定通り自転車でご出勤。
誘導を中心に、一部職員はすでに配置に。卒業生と保護者の到着までにまだ少し時間があるのでコーヒーを入れて、急ぎの仕事を中心にあちこちとやりとり。
所用でごく短時間キャンパスの外へ出たのですが、高橋川を挟んだ公園にある桜の木の蕾が膨らんでいることに気づきました。
後から知ったのですが、今日は東京で開花宣言が出されたそうです。写真奥、高梁川の向こうに見えているのは大学図書館棟。
開式は10時。関係者は指定場所へ20分前までに集合するよう指示されています。でもそこはイベント好きの西村センセイ。
9時を過ぎたら道路を挟んだ反対側にある会場付近へ移動してしまいました。会場へ通じる校舎の前では、例年通り記念撮影。状況を確かめてからこの場所を再訪すると、その列の長さがどんどん長くなっていました。
開式直前の様子は見ていませんが、記念撮影で遅刻しそうになった卒業生もいたようです。予定通り、10時ちょうどに卒業式が始まりました。センセイは立場上、壇上の中央に近い場所に座ります。
卒業生一人ひとりの様子がよくわかります。今回の卒業式で、一番良かったなぁと感じたのは、ある学科の女子学生による卒業生答辞。自分の言葉で、経験を具体的に述べています。
しかも一番論理的。ただし困ったことも。それは会場の寒さ。卒業生諸君はそうでもなかったのかもしれませんが、センセイらは仮設の壇上にいるので、とにかく寒い。あまりの寒さに、お腹が痛くなってしまいました。(実話)
幸いにも、式典の途中で中座するようなことにはならなかったのですが。未確認情報によると来年度、会場の大きな体育館に冷暖房設備が設置されるらしい。体育施設として利用する学生諸君はもちろん、(運動オンチの)センセイにも有り難い話です。
卒業生諸君、これからいろいろ大変なのは間違いないけど、これまでの大学生活で身に付けた智慧(scientia)で、ぜひその困難を乗り切ってください。
■3月16日(金) 少しは世の中のお役に... ──“Challenge Lab”に3Dプリンタが配備されました──
今日は見たままのお話。
先日、研究室で事務の方と打合せをしていると帰り際に、「そう言えば今日、搬入と設置が終わったんです...」。何のこと?!
情けないことに、少し間があってから状況を了解しました。二人で昨夏オープンした“Challenge Lab”へ向かいます。建物奥、ガラス張りの部屋に入ったところに「それ」はありました。
センセイらの、文部科学省から採択された事業の一環として導入した3Dプリンタです。と言っても、最初はどれがそれか良くわかりませんでした。写真は業者の方(中央奥)が、学生を指導することになる技師さん(手前の3名)に使い方とポイントを教授しているところ。
つまり中央の、オレンジ色の蓋のついた箱が3Dプリンタ。でもそれだけではありませんでした。中央のマシンは樹脂を塗り重ねるタイプなのですが、左側にある白っぽい箱型の物体もまた、3Dプリンタ。
何とこちらは、ゴム状のとても柔らかい樹脂で物体を形成することができます。いずれも実際に触ってみましたが、とてもプリンタで製作したとは思えない出来栄え。さすがに大きな平面を持つ物体だと僅かに線状の凹凸がわかりますが。
両マシンとも、可動部分の少ない最新型です。今後、教育研究の一環として、例えば歴史的な実験を再現するために必要な物体を製作するなど、学生が主体的にこれらのマシンを利用することになります。
う〜ん、センセイ(ら)もこうやって、少しは世の中のお役に立っているのかも。
■3月15日(木) 区切りの日 ──自宅から、自転車用の空気入れを持ってきました──
今日は区切りの日。
まず、学部の大きな入学試験が実施されました(公開している事実)。例によってコメントはありませんが、これが今年度最後の入試。これまで実施した入学試験の結果を受けて、4月1日(日)に新入生を迎えることになります。
そして写真。自転車用の空気入れを車のトランクに入れて自宅から持ってきました。冬季はまったく自転車を使うことができなかったので、空気がすっかり抜けてしまっていました。
これを使って空気を入れ、先日から通勤に使い始めています。以前は旧夢考房26裏のエアー・スタンドを利用していました。戸外にあるので、帰りがけに気軽に使うことができて、とても便利。
でも夢考房の新築統合に伴い、エアー・スタンドは新夢考房41へ移動。しばらくそれを使っていたのですが、空気入れコーナーは館内にあり、自転車を脇に置き、カードキーを使って入館する必要があります。
これが大変で、ついつい足が遠のきます。というわけで、2、3カ月に1回程度しか使用しないので、必要に応じて自宅から持ってくることにしたのです。金沢で買ってもいいのですが、置き場所を取ります。
それにあるものは有効活用したいし、無駄な支出もしたくない。そして今日は、確定申告の期限。国民の三大義務の一つなので、センセイも自分で計算して、先日納税を済ませました。金額はまぁ、こんなもんかな、という感じ。
でも今になってみると数年前、明らかに計算間違いをして税金を納め過ぎたようです。税務署からは何も言ってきませんでしたが。最後にもう一つ。今年は税務署、つまり国税庁への納税に対して複雑な気持ちになります。金額の多寡(たか)の問題ではありません。
■3月14日(水) 単純に、屋根の積雪のせいだと思ったら... ──家は人間が暮らしていた場所──
ある意味、昨日の続き。
このお宅に気づいたのは1ヶ月ほど前。大雪で皆が四苦八苦している中、自宅への移動途中のことです。金沢市内、幹線道路から1本外れたところにある民家。一部が崩れた屋根が目に入ったのです。
ただしその時は、雪道走行で精一杯。2週間後の今月上旬、やはり新潟へ戻る途中で立ち寄って撮影したのが、写真。
最初にチラリと見た時は、「ずいぶん立派なお宅だなぁ」と感じたので、どなたかがお住まいだろうと思ったのです。屋根がこの冬の大雪に耐えられずに、一部壊れてしまった......。
でも、そうではありませんでした。屋根の損壊はひどく、梁(はり)などの内部構造も修復不可能なほど傷んでいます。明らかに昨年から無人。おそらく、もっと前からこの状態だったはず。
屋根の壊れ方を見ると、単に崩れた、という感じではありません。写真左手前から右奥にかけて、屋根と斜めになる格好で直線状に凹んでいます。左側に立っていた大きな木が、強風か何かで倒れかかり、2階の屋根を破壊......。
もちろん、あまりに危険なので倒木は伐採撤去。都会、田舎を問わず、空き家が増えていると実感しています。感覚的には20軒に1軒くらいの割合。都市部などで、転売等のために更地になった物件を含めると、実際の比率はもっと高いはず。
国民の高齢化と人口減少が、具体的な姿として現れているのです。高齢化と人口減少はずっと前からわかっていたこと。かつ程度の差こそあれ、先進諸国──最近では発展途上国ですら──で共通に見られる現象です。だから従来とは異なる発想での対処が可能だったのです。
然るに為政(いせい)者は、昭和30年代〜40年代前半の高度成長期の発想から抜けられないまま。近くに立つと、やはり立派なお宅だったんだなぁーと実感します。住んでいらっしゃった方の、息づかいが伝わってくるかのようです。
■3月13日(火) いつまで経っても、工事が終わらない... ──家は人間が暮らす場所──
写真は昨日、出勤途中で撮影したもの。
低い角度から射し込む太陽光が赤っぽいのはそのためです。お伝えしたように、昨日は大学院の学位授与式とその記念パーティーが催されました。後者はアルコールが提供されます。
というわけで、センセイは徒歩で出勤。通勤手段を徒歩、自転車、そして車のどれにするかによって、出勤経路が変わります。スーパーで食材を購入する関係で、帰路は同じようなものなのですが。
徒歩は最短経路を選択。空き家であることに気づいたお宅の、道路を挟んだ向こう側にあるのがこの物件。昨年の半ばから建設工事が始まりました。
最初は順調だったのです。でもこの状態になってから、何故か工事はストップ。外壁材を必要量確保できなかったのでしょうか。その時は無人でした。
建設工事中なので、当たり前といえば当たり前。でも少なくとも昨日の時点で、この中でご家族が居住していらっしゃいます。記憶を辿ると、大雪の時もこの状態だったような......。
駐車場の自動車は工事関係者のものだと思い込んでいたのですが、実は、このお宅の車。センセイも22年前、自宅を新築しました。親戚筋にあたる工務店──その後倒産──したのですが、そのお店は当時、相当な数の物件を抱えていました。
我が家はともかく、お宅によっては工事が順調に進まないことも。その中の一つにやはり、外壁材を確保できないという事例がありました。ただし拙宅を含めて当時、その工務店が建設していたのは外壁の内部にポリウレタンを充填した高気密高断熱住宅。
見てくれはともかく、要するに外壁は存在していたのです。でもこのお宅の場合、北陸地方でよく見られる薄い断熱シートを使用しているだけ。この1枚で室内と戸外を隔てているのです。しかもそれを支える部材は大雪の間、ずっと風雨に晒されたまま。
木材は、水をかなり吸ったはず。短期的にはともかく、今後のメンテナンスを含めた長い目で見たら、あまり賢明とは思えないのですが...。
■3月12日(月) この季節、の始まり ──大学院の学位授与式が挙行されました──
今日はタイトル通り、そして見たまま──正確には記念パーティーの様子──の話題。
昨日お伝えしたようにセンセイらは今夏、単行本を出版することになっており、現在、手分けをしてその準備を進めています。センセイ自身は担当部分を既に脱稿(だっこう)しており、後は多少の修正を残すだけ。
でも週末に出版社から依頼が。他の方が書いた文章を見てくれないかというのです。最初の原稿についてはお互いにチェックすることになっていたのですが今回の依頼は、レビューを反映した修正版。どうやら学会長が期待しているレベルには届いていないらしい。
原稿を届けてもらい、「週明けまでにお返事します」。最初はコメント(助言)するだけのつもりだったのですが、それだとこちらの真意が伝わらない可能性があります。そこで原稿に直接手を入れることに。昔の紙原稿の感覚なら、赤鉛筆で真っ赤っか、という感じ。
現在はWordの「校正」機能を使うので、もっとスマートに作業するのですが。今日は月曜日。つまり約束の「週明け」。昨晩までにかなり加筆修正したのですが、最後の最後は醒めた目で読み直す必要があります。例によって昨晩は酔っぱらっていたので、作業の最終段階を断念。
今朝、早起きをして出勤し、8時半頃に原稿を返送しました。ところで今日は特別な日。大学院の学位授与式が挙行されるのです。立場上、センセイも登壇するので、背広ではなく略礼服を着用して式に臨みます。
壇上から見ていると年々、会場後部の保護者席に座る人が増えていることがわかります。センセイが一担当教員として式に参加した頃はパラパラ、という感じ。
それが今では修了生よりも多いんじゃないかと思えるほど。もう一つ気づいたことがあって、保護者が、若い。遅くなってから生まれた娘と、今回の修了生の年齢が同じなので、当然といえば当然なのですが。
1時間ほどで学位授与式は終了。まず昼食を頂いてから急ぎの仕事を片づけます。午後2時に大学がチャーターした大型バスに乗って記念パーティー会場へ。
副学長の挨拶と乾杯で、パーティーが始まりました。センセイは彼ら彼女らの必修科目を担当しているので、いわば全学生が教え子。顔見知りの学生や保護者とお話しさせていただきます。
個人的には、「あぁ、この季節が来たんだなぁー」という感じ。もちろん「季節」という表現は不正確。でも今週末は約6,500名の卒業生の後ろ姿を見送り、年度が改まった4月1日(日)には学部と大学院の新入生を迎えます。
年に一度だけの代替わり。やっぱり、「季節」以外の表現を思いつくことができません。
■3月11日(日) 新築祝いにもらった時計が壊れたので、自宅書斎用に壁掛け時計を購入しました
金曜夜に帰宅する時、自宅に持ち帰ったものがいくつか。
一つは原稿執筆のために購入した分厚い医学書(写真中央)。2万円しました。原稿は基本的に完成しており、査読もほぼパーフェクトの成績でパスしているのですが、この本に基づいて、さらに加筆しようというのです。
ただし今回は仕事にならず、実際に開くことはありませんでしたが。もう一つが時計。中央の壁掛け時計です。その下の、黒く丸い物体は音湿度計。同じような色に見えますが、時計は深い茶色です。
トップページをご覧いただくとわかるのですが、ここには振り子式の時計を置いていました。22年弱前の1996年夏に自宅を建てたのですが、当時の同僚から新築祝いにもらったもの。それが先月故障してしまったのです。
経過した歳月、その間に行き来した人々の眼差しを思い起こせば、まぁ、仕方ない。カレンダー兼用の卓上時計もあるので、しばらくそのままにしておいたのですが、やはりアナログ式の時計がないと時刻が直感的にわかりません。
そこで新しいものを購入することにしたのですが、問題が一つ。サイズ、あるいはスペースの問題です。壁掛け時計は文字通り、普通は壁に掛けます。だから一般的にはかなり大きく、ごく普通のものでも直径30cm以上あります。
でもここは造りつけの棚の一部。書斎の棚は、A4サイズに合わせて高さ約30cmに揃えています。しっかりした造りなので、棚がたわむようなこともなく、実に便利。ただしこの場所だけは別。
当初からスキャナーなど高さのある機器を配置するため、1段抜いてあります。ただし奥行きは他と同じ、約30cm。そこに収めるとなると、直径の上限は25cmくらいが限度。ネット上でも探したのですが、やはり多少高くても実物を見てから買いたい。
秋葉原のヨドバシでいろいろ見比べ、定価6,000円のセイコーブランドのものを約3,000円で購入しました。これが一番小さい部類なのですが実際に設置してみると、やはり大きい。写真よりずっと存在感があります。まぁ、これしかないんだし、慣れるしかない──そして実際、慣れつつある──のですが。
あの時から7年が経過。アナログ式時計でないと、時間の重みを実感できない。時計内部が完全デジタルの電波式時計であっても、です。