2022年4月2日更新(2022年4月10日ページ移動)
■4月2日(土) 金沢工大はいきなりフルスロットル ──クラス分け試験が実施されました──
新年度2日目。
今日は土曜日ですが、新入生を対象としたクラス分けのための試験が実施されます。センセイらは朝イチに英語の試験を担当するので、いつもより早めにご出勤。驚いたことに、他の先生方の大半はすでに各教室へ。
指示された時刻を間違えたかと思ったほど。どうやら必要な資材の確実な受け取り等のために、さらに早く出勤されたようです。センセイも受け持ちの教室へ移動したのですが、教室には学生2名のみ。設備を起動し、英語の先生から試験問題その他を受領します。
ひとまず準備を終えたところで校舎の外へ。新入生が指定教室に向かって構内の歩道を歩いていきます。昨日はほとんどがスーツ姿でしたが、今日はご覧のようにラフな格好。まぁ、当たり前か。
ただし服装にもどこか気を使っており、だらけきった感じはありません。指定した登校時刻まで、まだ30分くらいあります。早く登校してきた、比較的真面目な学生諸君だからでしょうか。人数もそう多くありません。
教室へ戻ります。各クラスとも昨日と同じ部屋なので、入室している学生の大半はそれなりに落ち着いており、隣の人と話したりしています。昨日、ごく簡単な自己紹介をしてもらったのです。
でも教室の入口には、かなり焦った様子の男子学生が。掲出された名簿を見ています。まだ2日目で、さすがにこちらもまだ顔も名前もほとんど覚えていません。質問をしても要領を得ないので、学生証を提示してもらって確認すると、おぉ何と、別な学科の学生。
講義棟ちょっとわかりにくい構造なので、曲がる方向を間違えたようです。多少トラブルに見舞われましたが、大きなミスもなく試験は無事終了。次の数学の先生にマイクロフォンを渡します。答案その他を確認して提出し、今日の仕事はこれで終了。されど間違いが許されない業務。
しかも金沢工大は、学期が始まるとかように、いきなりアクセル全開状態。毎度のことではあるのですが、適応能力が低下している高齢者には、チトきつい。でも、これも学生諸君の成長のため。
ま、いっかー。
■4月1日(金) 西村センセイ、何と、初日から燃え尽きる ──入学式が挙行されました──
...決して悪い意味ではないのです。他方、燃え尽きてしまったこともまた、事実。
お伝えしたように昨日は最後になればなるほど忙かったので、いつもよりずいぶん遅い時刻に帰宅。タンパク質を摂取しなければと考えながらスーパーに立ち寄ったのですが、結局、半額になった惣菜を購入。
それと残った野菜とで簡単な料理を作りました。脳みそも身体もヘロヘロになっていたので、今日の入学式に関する昨晩の作業は一切断念。翌朝早起きして集中的に取り組むことにします。それを意識していたわけではないのですが、今朝は5時前に目覚めてしまいました。
どうしようか迷ったのですが、そのまま身支度を整えてご出勤。入学式そのものについては、ほとんどすることがないのです。でも、西も東もわからず、知り合いがほぼまったくいない新入生を自分の席に誘導し、式後に各種の案内をする必要があります。
こういう時に限ってExcel──センセイがメインに使っているのは2000!! ──に不具合が発生。多少手間取りましたが、約2時間で作業完了。必要な資料を印刷して、クラス別に入学式が行われる教室へ向かいます。誘導担当の職員はすでに配置済。
機器をセットし、次々と入ってくる新入生を迎えます。当たり前ですが、新入生はかなり緊張しています。できるだけリラックスできるよう、こちらから働きかけ、10:30にいよいよ入学式開始。
こちらは教室の後ろで見ているだけ。こちらは式典終了後が本番。今日はあまり時間がないので、全員にごく簡単に自己紹介していただき、明日のテスト、来週の各種オリエンテーションを簡単に説明します。
ポイントは情報を詰め込みすぎないこと。こちらは今後の全体像を良く理解しているので、沢山の情報があっても平気なのです。でも現時点での新入生にはほとんど余裕がありません。だからまず、今晩から明日に掛けてどうすべきかを、彼らが理解できるように説明。
そしてこの週末、来週のざっとした予定というように、流れを理解しやすいように解説します。その甲斐あってか、終了時には緊張もほぐれ、ずいぶん良い感じになってきました。対照的なのがセンセイ。やはり睡眠不足だし、心身ともに燃え尽きてしまっています。気分は少しハイ気味なのですが、寄る年波には勝てない...。
写真は入学式終了後に気づいて撮影したもの。先日ご紹介した枝垂れ桜の前に入学式の看板が設置され、そこで記念写真を撮影してるのです。図書館棟の前などにも看板があるのですが、ここが一番人気。こういう場面を見ると、ま、働いた甲斐があったかな。
で、帰宅後に血圧を測定すると、最高血圧(「収縮期血圧」)の最低(移動平均の最低)は昨日を凌ぐ135mmHg。
もっと早くから準備していればこんなことにならないのだけれど、センセイにはできない...。
(昨日に引き続き)トホホ。
■3月31日(木) キャリーバッグを引く親子連れ ──明日は多様な学生を迎えての入学式──
金沢は昨晩から雨に。
もうちょっと良くなるかなぁーと期待していたのですが一向に止む気配がなかったので、傘を差してご出勤。気温もかなり低下したので、せっかく咲いた桜も戸惑っています。昨日が暖かかったので、写真を撮影してからかなり咲いたのです。
写真は昨日撮影したもの。学生が自発的に取り組んでいる各種プロジェクトを紹介しています。もちろん先輩が説明しているのですが、中にはとても18歳とは思えない新入生も。
先輩の方がびっくりしていました。その新入生はとてもやる気があって、先輩諸氏に積極的にアプローチしています。ぜひぜひ勉強だけでなく、それ以外の活動──教育学でいう「隠れた教育課程」──にも取り組んでいただきたいものです。
でも、頭を冷やして考えてみると、ご覧のように参加者はそれほど多くない。お昼に最寄りスーパーへ出かけたのですが、その行き帰りに、まだちょっと慣れていない感じの若者をキャンパス内外で10名弱見かけました。
もちろん新入生。親子(母親)連れもいたのですが、交差点で信号待ちをしていると、「この辺、車が少ないんだねぇー」とお母さん。それ自体はまったく問題ないのです。
でも彼ら彼女らは、写真のイベントその他には参加していないはず。今回の場合、すべての新入生が先週末からの各種行事に参加していただくのが理想。でも実際には、それぞれ事情があるので、明日の入学式前日の金沢到着も少なくないはず。中には入学式当日というケースも。
こちらは、それを踏まえて多様な新入生を迎える必要があります。というわけで、こちらは準備万端...といきたいところですが、直前にならないと仕事をしないのがセンセイ。しかも今日は、午後から会議があることを失念していました。身体はともかく、精神的にはかなり疲れた状態で作業開始。
おかげで今晩の最高血圧(「収縮期血圧」)の最低(移動平均の最低)は約1ヶ月ぶりの130mmHg越え(133mmHg)。朝はレコードに迫る最高94mmHg(平均の最低は102mmHg)だったのに...。
早めに取りかかればこんなことにならないのですが、それをできないのがセンセイ。トホホ。
■3月30日(水) お待たせしました。この陽気に誘われて(?)、大学近辺の桜が咲き始めました
昨日の金沢は、天気が予報よりもやや悪い方に傾いて、概ね薄曇り。最高気温も低めに留まりました。
でも今日は高気圧に覆われ、しかもその縁を回り込む南風が入るため、日中は気温がかなり上昇するものと推測されます。大学近辺の桜の開花に期待がかかります。
先日ご紹介した枝垂れ桜は現在、五分咲きくらい。お昼を外で買おうと思ったのですが、最寄りスーパーではなく高橋川を越えたところにあるドラッグストア「ゲンキー」へ行くことにしました。
川に架かる荒川橋に差しかかると、あれっ?!上空を優雅に旋回する鳶(とび)の鳴き声に続いて耳に入ってきたのは、園児たちの歓声。最初は金沢工大学園付属幼稚園の園児かと思ったのですが、賑やかさがまったく違う。
付属幼稚園はごく少人数なのです。荒川橋の上から撮影したのが写真。50人くらいの園児が川沿いの「せせらぎ公園」で遊んでいます。それだけでなく、20人くらいが列を作って、これから公園に入るところ。
1kmくらい離れたところにある認定子供園の園児でしょう。かけっこをしたり先生と一緒に遊技をしたりと、元気一杯。
「せせらぎ公園」にはソメイヨシノ(2枚目の写真)がたくさん植えられています。まだ蕾の状態ではあるものの、膨らんでいるため枝が全体的にピンクがかっています。
開花はもう間もなく。されど残念ながら今日は無理だったかなぁーと思いながら橋を渡り切ると、あれっ?!
ほんの数輪ですが、道路に面した桜が開花していました(拡大写真(1280×960、115kB))。こちら(現在七部咲き)を除けば、センセイの徒歩での行動範囲内では今シーズン初めてです。
センセイが撮影し終えると、後ろを歩いていた中年の女性もスマートフォンで撮影し始めました。この前後は気温がみるみる上昇。正午前に、昨日より7℃以上高い21.3℃の最高気温を記録しました。朝は寒かったので薄手のコートを着て出勤したのですが、もちろんこの時はカーディガンだけ。
それでも時々暑さを覚えました。桜もこの陽気に誘われて...というわけでしょう。
キャンパスに戻ると昨日同様、キャンパス内にポツポツと新入生の姿が。そして退職される職員を見送るセレモニーが、部署ごとに行われました。
季節も、人間も、確実に替わっていきます。
■3月29日(火) スマホの画面を見つめる若者 ──入学時点で、新入生間にかなりの差が? ──
お昼に最寄りスーパーを目指して校舎の外へ出た時のこと。
キャンパス内を数人の学生が歩いていることに気づきました。大学なんだから当たり前でしょ...と訝(いぶか)られそうですが、いつもとちょっと違う。もちろん春休みであっても学生はそれなりにキャンパスに来ているのです。
でも、まず、全員がスマートフォンの画面を見ています。そしてもう一つ。カジュアルな服装ですが、それなりにちゃんとしています。男女ともに髪は黒髪。ほとんど1人で歩いていますが、男性2名という組み合わせも1組あ。そう、彼ら彼女らは入学式を控えた新入生なのです。
これは例年見られなかったこと。以下は自宅通学生以外の場合ですが、いつもだと合格、入学決定後すぐに「寮」と呼ばれるアパートを決定。でも間を置かずに入居するのではなく。入学式の数日前に自動車を使って親子3人連れで来ることが多い。
仕事などご両親の都合もあり、土日が中心。その際、実家から単に荷物を運び入れるだけでなく、周囲のホームセンターなどで生活に必要な道具を買い揃え、指定した日に学用品その他を購入。
最低限の準備を終えたらその日は家族で雑魚寝し、翌日の入学式に臨むというパターン。ご両親はその日のうちに帰られますが、新入生はその日の晩、お母さんが作って冷蔵庫に保存しておいてくれた料理を一人でしみじみと頂く。
後でインタビューすると、「そこで親の有り難みがわかった」と語ります。でも新型コロナウイルス禍でこのパターンがかなり崩れてしまいました。特に新年度の入学式は金曜日(しかも各教室に別れての遠隔開催)。
新入生と保護者は、例年のようには動きにくい。これは必ずしも悪いことばかりではありません。写真は昨日撮影したもの。先週土曜日から学用品などの販売を実施しているのです。
それだけでなく、本来ならばオリエンテーション期間中に行われる行事の一部を、密集しないように分散して順次開催。今日キャンパス内で出会った新入生はここまで、それらを独力でひとまずこなし、キャンパス内を探検しているのです。前述した男性2名は、同じ高校出身など以前からの知り合いか、アパートで新入生同士だと判明したものと推測されます。
実際には、まず間違いなく前者ですが。もちろん新入生とそのご家族が置かれた状況はそれぞれ異なりますから、全員がご紹介したように動いているわけではありません。それに自宅通学生もいらっしゃいます。まぁ、こちらはそれなりに土地勘があるでしょうが。
センセイらが受け持ちの学生に直接接するのは入学式から。その時点で、新入生の間にはかなり大きな情報格差が発生しているのではないかと推測されます。
もちろんできるだけフォローしますが。
■3月28日(月) 新入生を歓迎するかのように、キャンパス内の枝垂れ桜が三分咲きとなっています
今日はタイトル通り、そして見たままの季節ネタ。
昨日は夕方遅くなってから金沢に到着しました。どうしようかと思ったのですが、新潟から荷物を持ち込んでいることもあって、やはりひとまず大学に出勤することにしました。翌日でもいいのです。
でも一度で運ぶとなると、徒歩にはかなりの重さになるので。北西側の通用門から構内に入った頃には周囲がかなり暗くなっていました。通用口から校舎内に入る前に、ちょっと寄り道をすることにしました。近づいてみると、やっぱり。
つい先日お伝えしたばかりの枝垂れ桜の、南側に伸びた枝(左下)の先端部で花が咲き始めていました。一応写真を撮影してあるのですが、何しろ暗いのでパス。
で、今日、改めて撮影したのが写真(拡大写真(1280×960、436kB))。早い時間帯だと校舎の陰になって日光が当たらないし、その時はまだかなり曇っていたため、10時頃に撮影しました。昨晩の枝以外の部分でも一気に咲き始めました。
全体では三分咲きといったところでしょうか。今回は南東から見ていますが、反対側はまだ蕾。金曜日に開催される入学式に合わせたかのように見頃になるのではないかと思います。
高橋川の向こうにある公園のソメイヨシノも確かめたのですが、こちらは個体差が大きい。それでも週末からポツポツと咲き始め、新入生オリエンテーションが続く来週、そして授業が始まる再来週まで桜を愛でることができるんじゃないかと思います。
金沢の春も、いよいよ本番。西村センセイ、今年はできるだけ写真に収めておこうと考えています。
■3月27日(日) 今時のお母さん、って... ──西村センセイ、横断歩道の前で一時停止する──
当たり前のこと、そして法律で定められたことをしただけで、自慢しているわけではありませんので、誤解なきよう。
今日は日曜日。つまりセンセイにとっては金沢への移動日。
いつもは8時に自宅を発つのですが、今日は午前中、書斎に籠もっていました。センセイが関係する学会の役員会(「理事会」)がオンラインで開かれるのです。午後からなら大学で参加するのですが、午前中は無理。
そこで出発を4時間遅らせました。いつもなら会議は長引きがちなのですが、今日はほぼ定刻に終了。荷物はまとめてあるので、すぐに移動を開始します。いつもの経路ですが、今日は通過する時間帯が大きく異なります。だからちょっと気になることが。
道路の混雑具合などがずいぶん異なる可能性があるのです。高名な哲学者E. カントには「彼はケーニヒスブルクの決まった経路を毎日同じ時刻に散歩し、住民は彼に合わせて時計を調整した」というものがあります。通常は「彼は堅物で使えない」くらいの、ネガティブで用いられていると思います。
でもセンセイの解釈は異なります。彼はわざとそうすることによって、「いつもとは違うこと」を気づこうとしたのだと思います。最近の教育分野では「全面的あるいは大規模な改革=善」と考える傾向があるのですが、良く考えるとこれって、とてもおかしい。
おわかりでしょうか。決して、改善や変更のすべてを否定しているわけではないのです。でも全面的な改革はすなわち、これまですべてが悪かったのでそれを捨てるということ。肝心なのはここから。その「改革」を主張している人は、それまでの「古く、悪いシステム」で教育されているのです。
つまり、実はまったくの自己矛盾。交通に戻りましょう。運転し始めるとまず、行き交う車の様子が違うことに気づきます。日曜の昼間だからでしょうか乗用車が多く、相対的に大型トラックは少ない。一部、信号のタイミングも異なります。
いつもより注意すべき点が多く、精神的にはかなり疲労しましたが、それでも無事に富山県内へ。お伝えしたように、新潟県上越地方および富山県──特に西部──は昨日、強風に襲われました。富山市婦中(旧婦中町)では観測史上最大の強風を観測したそうで、あちこちに傷跡。
屋根や看板の一部が欠損していたり、ブルーシートが掛けられていたり。富山市から西隣の砺波市に入りました。突然、右手に親子連れが現れたと思ったら、信号機のない横断歩道に接近してきました。二人が渡るかどうかは微妙。
実際、ほぼ同時にこのT字路に入った対向車線の軽自動車はまったく気づかずに走り去りました。どうしようかと思ったのですが、二人の様子がどこか変だったので、ブレーキをかなり踏み込んで一時停止しました。写真その時のドライブレコーダーの映像。
ここでやっと気づいたのですが、男子児童は黒いランドセルを背負っています。今日は日曜日なのに。それにしても二人とも動きがぎこちなく、横断歩道を渡るのか、渡らないのか、判断に苦しみます。それでもこちらはすでに一時停止。
先ほどの軽自動車は仕方ないとして、対向する車は「これは何かあるぞ」と察知すべきなのです。でも2台続けて走ってきた軽トラックの、先頭を走る男性高齢者ドライバーは、二人と一時停止したセンセイに気づかずそのまま通過。ここで母親がやっと何か話したようで、男子児童が右手を挙げました。
つまり、横断歩道を渡るつもり。去年同様、小学校の新入児童が通学の練習をしているのです。まだ慣れていないことは明らか。
挙手に続いて、形式的に左右を確認し、歩道を渡り始めました。ここでやっと理解したことがあります。母親の動きがずっと変だったのです。不思議に思っていたのですが、彼女が注目しているのは周囲ではなく、彼女の右手。
視線の先にあるオレンジ色の小型の物体は、そう、スマートフォン。通学練習の様子を動画に収録していたんですね。去年のお母さんはさりげなく女子児童を保護して──たぶん無意識に──いたけれど、今日の彼女はスマホの画面に集中しており、正直なところ、ほぼ無防備。
これが今時のお母さん...ということなんでしょうか。ちなみに、一時停止した軽トラックの運転手は30代のネクタイを締めたサラリーマン。最初は不審がっていましたが、彼もこのあたりから様子が一変し、男子児童の動きをにっこりとしながら追っていらっしゃいました。
同じくらいの年齢のお子さんがいらっしゃるのでしょうか。