2022年3月26日更新(2022年4月3日ページ移動)

──2022年3月第4週のニュース──

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3月26日(土) なぜ、そこに拘る? ──自宅近くの「すき家」は5月頃オープン予定──

 土曜日は家族サービスの日。

 高齢の両親の食料を調達することがメインですが、加えて、この週末に実家の冬囲いを外すことになっています。されど今日は午後から雨、しかも大荒れの天気になるとの予報。実際、北陸地方では走行中の大型トラックが強風で横転するなど、かなり被害が出ています。
 北陸新幹線ですら、強風のために上越妙高─富山間で運転を一時見合わせたほど。

 それでもお昼頃までは天気が持ちそうだったので、こちらから電話をして、朝のうちに冬囲いを外すつもりでいたのです。でも昨晩、先手を打つかのように母親から連絡が。ずっと冬囲いを担当してきた弟がすでに実家に来ており、このまま泊まるとのこと。
 彼が翌朝から作業するので、センセイは来なくて良いと言うのです。

 意地を張っているわけではないのですが、自宅にいるのに手伝わないわけにはいきません。というわけで朝食を済ませると新聞2紙を読まずに実家へ。寄せ木細工のように組み立てる時と相違して、冬囲いを外す作業は割と簡単。
 父親は総監督と称して居間でテレビの前に座ったまま、母親は畑からほうれん草を採ってくるとのことで、作業には不参加。

 要するにセンセイと弟とで冬囲いを外すことになりました。組み立てる時と同様、冬囲いの撤去も約40年ぶり。北側の、外す必要のない部分まで解体したり、ごく一部については柱の取り外し方がわからなかったりと、反省...。
 作業は40分程度で無事に終了。

 片付け、収納までの作業を終えると弟は、実家が所有する山の様子を確認するために登っていきました。センセイは母親から春キャベツと採りたてのほうれん草をもらって帰宅。
 その途中で撮影したのが写真。

 先月末にお伝えした移転した「すき家」新店舗の様子です。往路は給油のために別な経路を使ったので、最近の様子を見るのはこれが初めてです。
 ご覧のように塗装を含めて外観はほぼ完成し、看板類も設置されています。ただし内部および周囲の工事は継続中。

 開店を伝える仮設看板も設置済。それによるとお店は「5月頃オープン」とのこと。工事の進捗状況によって開店が4月末か5月初めになるか微妙なんだったら、この表現もわからないではない。
 でも普通なら、多少の誤差はあっても、もっと明示するんじゃないだろうか。

 それに、工事そのものは順調に進んでおり、あと半月もすれば完成すると思います。なぜ実際の開店前に半月程度の時間を取るのでしょうか。
 もう一つ、わからないことが。

 写真では良くわかりませんが、仮設看板の「5月頃」と「オープン」の間に、縦書きで小さく「9時」と書かれています。つまり正確に言うと、看板には「5月頃 9時 オープン」と記されているのです。
 オープンの日付については「5月頃」と曖昧に告知しておきながら、なぜ開店時刻だけ9時に拘る?

 「それがすき家のアイデンティティー(自我同一性)だ」と言われたら、もはや返す言葉はないのですが。



3月25日(金) センセイ個人の予想だと、大学近辺の桜は入学式前後、一斉に見頃になるのでは?

 というわけで、お約束(?)の話題。

 移動時に沿道を観察すると、気の早い桜が咲き始めています。昨日お伝えした梅を含めて、動植物は個体差が非常に大きいように思います。
 C. ダーウィンおよびA. ウォレスが自然選択による生物進化を着想した理由の一つです。

 写真はいずれも昨日午前中に撮影したもの。郵便局へ用があったのですが、ふと思いついて学内簡易郵便局ではなく、高橋川の向こうにある扇が丘郵便局を利用することにしました。
 センセイらの研究室を出たところにあるのが写真の枝垂れ桜

 ご覧のように蕾がずいぶん膨らんでいます。それにしても膨らみ始めています。それにしても紅色が濃い(彩度の加工はしていません)。もう一つ気づいたことが。
 何と、去年も同じ枝を撮影しているんですね。

 比較してみると概ね同じような状態、あるいは今年の方が1日くらい遅いという印象。ただし日付は2週間弱相違しており、今年は成長が遅い。
 去年は撮影の翌々日に開花しています。

 高橋川に掛かる荒川橋を渡ると右手に、せせらぎ公園。

 ここにはたくさんの桜が植えられています。その一つに近づいて蕾の様子を確認してみました。奥にぼんやりと見えるのは、大学の図書館棟。
 枝垂れ桜よりこちらの方こそ、蕾が膨らんでいるような...。

 ちなみに、こちらについても去年と同じ枝を撮影しているようです。センセイはワンパターンだ。トホホ。

 例年だと、枝垂れ桜がかなり先行して咲き、二まわりくらい遅れてソメイヨシノなどキャンパス近辺の他の桜がほぼ一斉に咲き始めるのです。
 でもこのところ寒い日が続いたためか、どの樹もちょっと戸惑い気味。

 当地は明日から1週間ほど暖かい日が続く見込み。桜は累積温度で開花することが知られています。この調子だと今週末にまず枝垂れ桜が開花。
 ほとんど間を置かず、ソメイヨシノも開花するのではないかと思います。植物に詳しくないセンセイの予想ですが。

 金沢工大で明日から月曜日にかけて、新入生が必要な教具教材を購入することになっています。つまり自宅通学生を除くと大半がこの週末に引っ越すはず。そして4月1日(金)に入学式。
 その翌日からクラス分けテストなど一連のオリエンテーションが始まります。

 まさに彼ら彼女らを迎えるかのように、今年はキャンパス内外の桜がほぼ一斉に見頃になるのではないかと思います。センセイの頭の中はまだ卒業式で止まったままですが、頭を切り換える必要があるようです。
 新入生(と保護者や関係者)のために。

 そして、センセイ自身のためにも 



3月24日(木) 東京より1ヶ月半くらい遅いはず... ──通勤経路で唯一の梅が開花しました──

 今日はタイトル通り、そして見たままのお話。

 写真は今朝、出勤途中で撮影したもの。背景の建物などがやや赤みを帯びているのは、朝日を浴びているためです。ご覧のように梅が開花しました。

 咲き始めに気づいたのは一昨日の夜。でもその時はもう暗くなっていたし、昨日は曇天だったので、写真はイマイチ。今朝は綺麗に晴れ上がりました。
 梅としては遅い開花だと思います。

 6年間都内に住んでいたのですが、三鷹市や小金井市だと、梅は2月中旬頃から咲き始めます。その頃はまだ雪が降って積もることも多いので、雪との共演もしばしば。
 金沢工大キャンパスにも、反対側の校地に紅梅が植えられており、そちらは今月上旬から見頃に。ただし足を運ぶ機会は少ない。

 自転車で通勤している時は大学近くのお宅の庭で紅梅を愛でることができるのですが、現在は徒歩だけなので、若干ですが経路が異なります。
 センセイにとっては通勤経路で唯一の梅なのです。

 今日はあちこちで小中学校の終業式があったようです。幼稚園の卒園式も今日だったようで、着飾った親子連れを複数組見かけました。当地の天気はまさに「三寒四温」という感じ。
 昨日はとても寒かったのですが、今日の日中は風も弱かったため、体感気温はかなり上昇しました。

 こうなると、木々の蕾のふくらみ具合が気になってきます。



3月23日(水) 国道8号線沿いの古い店舗をリニューアルして、ラーメン店が新規開店するようです

 移動時の出来事を、もう1日だけ。

 ご存じのようにセンセイは約5時間かけて新潟─金沢間を移動しています。通常は一般道のみを走行。当然、トイレ休憩や食事──時間帯による──が問題となります。現在、金沢への移動時はトイレ休憩(+食材の買い出し)のみ。
 帰路は糸魚川市の「サンレパス」にすることが多い。

 でも、他のお店にも興味はありますし、実際、時々新しいお店(たとえばこちら)にも入ってみることも。残念ながらなかなか長続きしませんが。

 写真は日曜日に撮影したもの。場所は新潟県上越市大潟区犀潟(さいがた)。JR信越本線犀潟駅の近く、国道8号線に面した元「大雅飯店」です。以前から気になっていたお店です。
 地域密着型のお店のようで、特に繁盛している感じではなかったのですが、それなりにお客さんが入っていました。

 チャンスがあれば...と思っていたのですが、10年くらい前にお店の照明が消え、やがて完全に閉店してしまいました。されどここ数ヶ月、動きが。
 業者を入れて外観を綺麗にしたので、営業を再開するのかなぁと思っていたのです。もちろん内部はわかりませんが。

 続いて張り出されたのが、「貸店舗/2階は貸家」という貼り紙。オーナーはご年齢か何かの事情でご自身での営業を断念し、店舗を貸し出すことにされたようです。
 ずっとそのままだったのですが先月、変化が。

 まず写真の「ラーメン本間」という看板が掲げられました。続いて窓に「3月下旬オープン」、「アルバイト募集」の大きな貼り紙を掲出。そのオープン予定の時期が近づいてきました。注意していたところ今回、貼り紙が綺麗に剥がされていました。
 それだけではありません。

 信号待ちをしていたら新しいお店のご主人と奥様と思われる人物が出てきて、窓の掃除を始められました。年齢は30歳代後半か。準備はいよいよ最終段階に入ったようです。興味はあるのです。
 ただしセンセイはキンエン生活中。

 例外を除きインスタントを含めてここ数年、ラーメン類は一切口にしていません。

 う〜ん、それでも再び例外扱いとして、1回は入ってみるかも。



3月22日(火) 購入後6年2カ月で、BMW 320i MSport(MT)の走行距離が150,000kmを超えました

 このところ長いネタが続いているので、今日は見たままのお話を手短に。

 写真は昨日、自宅から金沢への移動途中に撮影したBMW 320i MSport(F30、MT)のメーターパネル。左下に表示された総走行距離が150,000kmを超えました。なお走行中は危険なので、富山県内で停車中に撮影しています。
 2016年冬の購入から6年2カ月での達成。

 平均すると、当初予測通り年間24,000km走っていることになります。もちろん自宅─アパート間の距離と通勤回数から容易に算出可能。
 されど週末に出張することも多いため、実際にはもうちょっと少なくなるだろうなぁと思っていたのです。

 でもこの2年間は新型コロナウイルスの影響で出張がまったくなく計算通りのペースで距離が伸びています。初めて自分で購入した日産プリメーラは8年で約200,000km走行。
 前のBMW 318i(E46、MT)
の時は電車での移動が主だったため、11年で約140,000km。

 今回はそれらより格段に早いペースで走っていることになります。長距離を、しかも毎週ですから当然なのですが、車にとっての環境が気がかり。
 倖い、エンジンその他は絶好調。

 燃費も、新潟─金沢間を一般道だけで走行すると、普通は20km/L走ります。ただし冬期、スタッドレスで雨中あるいは濡れた走行すると燃費は10%弱低下。
 逆に高速道路だと20%程度伸びます。

 エンジンに厳しい環境──特に温度変化──となる市街地での短距離走行ではなく、長距離中心の、いわば「巡航」が良い結果をもたらしているようです。サスペンションは少しヘタってきました。
 サスペンションは消耗品なので、乗り心地を考え、また無事に
150,000kmを走行してくれたお礼(?)、夏に交換していただこうと思います。

 外観については脚立をぶつけられた修理完了後)こと以外、目立った損傷はなし。

 良い車だし、もはや代わりがないので、きちんとメンテナンスをしてずっと乗り続けたいと思います。詳しい人によると「ドイツ車の面白みは、200,000kmからだぜ」とのことなので、目標は300,000km!!

 う〜ん、今日も短くないか...。



3月21日(月:祝日) 他ならぬ本人が一番びっくり。センセイの「耳」は健在でした

 昨日の続き。

 診察用の椅子に座り、まず改めて去年のお礼を伝えます。2カ月ほど治療していただいたのですが、その時は本当に良くなったのです。ただしこちらが話している間、ドクターはカルテを訝(いぶか)しそうに見たまま。
 「何が起きているんだろう」という表情。

 続いて、その後の経過と金沢での治療状況についてお話しします。特に治療薬については『お薬手帳』で確認。このあたりからドクターの表情が変わってきました。どうやら薬剤名を正確に述べるクランケ(Kranke《独》患者のこと)はほとんどいないらしい。
 まぁ、そうでしょうねぇ。

 その上で、つい先日も金沢で右耳の治療と清掃を受けたにもかかわらず昨晩、突然...と起きたことをそのまま伝えます。ドクター曰く「そうだよなぁ、あん時(=去年)ちゃんと治ったんだよなぁー」と、不思議そう。
 ここで印刷したグラフを渡します。

 若干技術的なことを話すとドクター、「誰が測ったの?」。もちろんセンセイ自身であることを伝えます。ドクターは何か思いついたらしく、治療用の椅子を回転させ、顕微鏡を使って右耳(外耳道)を覗き始めました。
 「動くなよ」に続いて、耳垢
(じこう)の吸引開始。

 金沢で取って頂いたばかりなんですけど...。

 吸引器に付着したものは隣の看護師に拭き取ってもらうのですが、何回か繰り返した後にドクター「取れたか?」。看護師の方は「はい」。続いてドクター、「どうだ、これで良くなっただろう」。正直なところ、かなりワイルドな治療だったので、こちらは状況を把握し切れていません。
 されど確かに改善されているような...。

 カルテに図を描きながらドクター、「ここ、鼓膜のすぐ前の見えにくい場所に(耳垢が)あったんだよ。金沢の先生には見えなかったのか、見えていても危険だったから取らなかったんだろうと思う。普通はそうするんだよ。俺みたいに全部ガバッと取る奴はいないんだよ」と一気呵成(かせい)に語ります。
 ふ〜ん、そういうものなんだ。

 センセイは「尋常性乾癬(かんせん)」という特殊な皮膚病──ただし本質的には自己免疫疾患──を患っているため、患部から皮膚の最外層が剥離した「鱗屑(りんせつ)」と呼ばれるものを出します。
 外耳もその影響を受けやすいことがわかっています。

 治療後は検査室で聴力を測定。こちらは低レベルの正弦波と、正弦波+反対側のピンクノイズ(帯域幅あたりのエネルギーが等しいノイズ)での測定。測定結果を見たドクター、「全然問題ないよ。それにしても、(この年齢で)10キロ(=10kHz)聞こえる(人)なんて、見たことないよ」とのこと。
 「若い時は22k(Hz)まで聞こえていました」と返すと、「誰だってそうだよ」。

 ここから先は想定外の展開。「あんなデータ持ってくるなんて、只者じゃない。かなりのインテリだと思ったんだよ」と、珍しく真顔で話します。
 ドクター、普段はカルテか患部を見ているので、クランケの顔を正面から見るのも滅多にないこと。

 職業や、金沢にいる理由を話した後、「様子見でいいですよね、そのうち(新潟の自宅に戻るので)、またお世話になりますから」と伝え、お礼を述べます。
 帰宅してから再度測定したのが、昨日のグラフ中の右上、草色のカーブ。

 わずかに凹んでいる部分がありますが、測定しない限りわかりません。自宅ではここまでノイズを使って測定したのですが、「スイープ(Sweep)」という、正弦波の周波数を連続して変えていく方法で測ってもほぼ同じカーブ。
 たぶんこれはセンセイの耳の個性。

 お気づきでないかもしれませんが、人間の身体は左右対称の器官、組織であっても完全対称ではありません。一番はっきりしているのが顔面。を使って左右どちらかだけで顔を作ると、「これ、誰?」となります。
 目や耳も同様。

 さらに視覚や聴覚は伝送系だけでなく神経系というもう一つの面を持っています。たぶん脳が入力情報を相当補正しているはずなのです。今回、入力情報が大幅に変化したため、センセイの脳みそはまだ混乱気味らしい。
 まだ少し落ち着かないところがあります。

 それでも日常生活にはまったく問題ありませんし、今回はびっくりしたことが。右上のグラフは、1980年に購入したTEACの「ツートラ・サンパチ」“A-6100 MkII”オープンリールデッキ(ヘッド部分)を用いて、同年末のFMステレオ放送を録音したもの。
 それを10年ほど前にデジタル変換して、Macに取り込んだものを高速フーリエ変換しています。

 グラフの見方は昨日と同様──ただし縦軸については、今日の方がはるかに大きな領域を扱っている──ですが、右端の矢印分にポツンと立ち上がった線が見えます。これは音声信号ではなく、FM放送の「パイロット信号」。
 左右の音声を分離する(ただしこれは不正確な表現)ための基準信号です。

 FMチューナの性能が良くなかったために漏れ出している──当時はアナログなので、程度の差こそあれ漏れていた──ものを、高性能のオープンリールデッキと高価なテープ、そしてデジタル機器がそのまましっかりと記録していたのです。
 FM放送の規格上、この信号は19.0kHzと定められています。

 「昔はこの19k(Hz)も聞こえたんだけどなぁ...」と思いながらイヤースピーカーを耳に掛けたところ、な、何と、はっきりと聞こえるではないですか。これにはびっくり。業務用のダイナミック式ヘッドホンでも聞いたのですが、こちらもしっかり確認できました。
 「歳のせいで聞こえなくなった」は、思い込みだったのです。

 前日の突然の聞こえ方の変化は、外耳に付着していた鱗屑を含む耳垢がたまたま食事中に鼓膜に接触し、一種のブリッジとなったためと考えられます。マイクロホンのごく薄い振動板──見た人は少ないと思う──に指を触れ続けたようなもの。
 センセイは体内に流れる血流の音を、直接聴いていたのでした。

 今回はホントにびっくりしましたが、結果的にはすべて上手く収まりました。

 「年老いた」と嘆くのではなく、ここは言祝(ことほ)ぐことにしましょう。 



3月20日(日) 突然、右耳で高音部が聞こえにくくなり、同時に心臓の鼓動がバクバク。何が起きた!?

 先日、自宅に戻った時のこと。

 その日は金曜日の晩に到着したのですが食事中、つまり普通に行動している時、急に右耳の聞こえ方がおかしくなりました。突然、右耳に血流の「ドクン、ドクン」という音が激しく響いてきたのです。
 まるで心臓が右耳の近所に引っ越してきたかのよう。(冗談抜き)

 聴覚の突然の変化で最も怖いのは突発性難聴。センセイも1年前に一時的に罹患したようです。お伝えしたように、倖いにもその時は──おそらく免疫機構が働いて──深刻な事態を回避することができました。
 でもその時とは症状と聞こえ方が違います。

 というのは、今回は「ドクン、ドクン」と同時に、外の音が良く聞こえなくなったのです。特に高音部の減衰が顕著。突発性難聴はウイルスにより内耳蝸牛(かぎゅう)部分の「有毛細胞」がダメージを受けます。
 周波数──音の高低──にはあまり関係ないはず。

 センセイは身体のあちこちに病気その他の不具合を抱えています。一番弱いのはオツムですが、まぁ、それは問題としないように。でも耳だけは抜きん出て良い。正確には加齢に伴い、「高性能だった」と過去形にすべきなのですが。
 それでも高品位のシステムで聴く音楽は楽しみ。

 片耳とはいえ、それが毀損(きそん)されるのは本当に痛い。身体が不自由になるということはまさにこのことなのでしょう。困った...。

 いったい、何が起きているのでしょう。どうやら悪化は落ち着いているようですが、このまま放っておくわけにもいきません。そこで翌土曜日に、自宅近くの耳鼻科医院で診ていただくことにしました。
 昨年夏にもお世話になっています。

 ただし、いわば「手ぶら」で今回の症状を訴えてもあまり有益ではないはず。そこで診察前に、自分自身で聞こえ方を調べてみることにしました。必要な機器やソフトは十分揃っています。まず、音響測定用の学会制作CDを準備。
 周波数
(グラフ横軸:右側が高音)と聞こえ方(縦軸:上が大きい)のデータを取るために、必要な音源をMacに取り込みます。

 通常は正弦波(サインウェーブ)を用いるのですが、機器の影響が相対的に大きいはず。そこで差異を軽減するため、1/3オクターブ幅のバンドパスフィルタ(BPF)を掛けたノイズ音源を再生。
 それを通常のヘッドホンより格段に正確な「イヤースピーカー」システムで再生し、左右の差を見ます。

 両耳とも正常ならば「音像(Sound image)」は正面に定位。左右どちらかに傾く場合は聞こえ方が違うことを示しています。その場合は「小さい」と感じた側の音源をMacで増幅。
 左右同じ音量
(正確には「音圧」)と感じるまで、増幅度(ゲイン)を調整します。

 ただしセンセイの手持ちソフトの精度は1dB(デシベル:音量(他)の単位)。本当はもっと精密に測定したいのですが、仕方ありません。その結果が右のグラフ。見方についてはこちらその他も参照してください。
 注目していただきたのは、紺
(その際の測定)と赤茶(翌朝再測定)のカーブ。

 明らかに右下がりです。ただしここで注意していただきたいことが。確かに、全体としてこのグラフの横軸は人間の可聴周波数範囲(20Hz〜20kHz)を示しています。左側が低音で右側が高音。
 縦軸が聞こえ方で、下になるほど「聞こえていない」ことを示しています。

 この説明を聞いただけではおそらく、皆さんは左側1/3が低音、真ん中が中音、右側1/3が...とイメージされるのではないかと思います。でも実際は、横方向を1/4程度で区切り、左から低音、中音、高音そして超高音と考えた方が適切。
 つまり今回センセイが問題にしているのは主に、超高音の部分です。

 若い方なら左右の聞こえ方の差異を聴き取れるので、おかしいと思うはず。でもセンセイくらいの高齢者なら「歳のせいで...」と考えて、お医者さんに訴えることはほとんどないだろうと思うレベル。
 状況は悪いものの比較的安定していたので、その晩はいつものように就寝。

 高齢者は夜中に起きるものだし、加えてセンセイはビールを飲んでいるので明け方に目が覚めました。その時の印象は「差異はあるものの、そんなにおかしくない」。つまり状況が良い方向に変わっています。
 されど残念ながら、ちゃんと起きると、やはりおかしい。

 昨晩より改善していたと感じていたのですが、念のために再測定したのが赤茶のカーブ。皆さんがどう感じられるかはわかりませんが、センセイとしては紺と赤茶はよく一致していると判断しました。
 しかも減衰は約-6dB/Oct。
(1オクターブ、つまり周波数が倍に上昇するたびに1/2で減衰)

 何らかの物理的原因の存在が強く推測されます。言い換えると、ウイルス感染ではない。

 その時点でのデータをExcelに入力、グラフ化して印刷します。耳鼻咽喉科を診療開始時刻に合わせて訪れたのですが、今日は土曜日で患者が多い。しかも予約患者優先なので、受付で「相当待ってもらうことになりますよぉ...」。
 それは覚悟の上。

 で、1時間半ほど待ってから名前を呼ばれ、診察室に入ると...。(続く)

※音量および位相が完全に一致するモノラル音源の場合。時間差があると「ハース効果(Haas Effect)」が発生するので論外

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