2023年3月4日更新(2023年3月12日ページ移動)

──2023年2月第5週〜3月第1週のニュース──

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3月4日(土) 春は別れと出会いの季節。実家近くで見かけた白鳥の群も、故郷を目指す旅の打合せ中

 週末なので新潟の自宅へ戻りました。

 ここ半年ほど、移動は引っ越し作業を兼ねています。今回は二つの本棚を分解し、車に積み込んで運搬。そのために後部座席を倒して長く広い空間を作りました。ちょっと想定外だったのは、乗車空間とトランクの境界部分の高さ。
 セダン型なので、あまり高さを稼ぐことができませんでした。もちろんちゃんと対応したのですが。

 縛っていない荷物を積んでいるので走行時、トランクと繋がった車内は賑やか。段差を乗り越えるたびに後部でいろいろ元気な音がします。でも、ま、これも引っ越しの楽しみ。
 無事、自宅に到着しました。

 両親の安否を確認すべく実家へ向かう途中で気づいて撮影したのが写真。幹線国道から少し離れた田圃の中に白鳥の群が。白鳥は大半が北へ帰っているため、目立ったのです。
 総勢38羽。

 さすがに数の上では先日の56羽には負けますが、白鳥は大きいので、もぅ、圧倒的な迫力。冬場の白鳥はあちこちに広がり、土の中の餌を探して一心不乱に啄(ついば)んでいます。
 今日も、お食事中の白鳥はいたのですが、全体としてはいつもと全然違う雰囲気。

 でも今日は、狭い範囲に全羽が集まっていました。まるでこれからの長い北帰行──正確には歌の題名──に向けたミーティングをしているかのよう。
 もちろんこれは人間の心理状態を、白鳥に向けて無批判に投影しているだけ。

 でも、一種の緊張感すら覚えるほど、この白鳥の群は特殊な雰囲気を醸(かも)し出していたのです。

 これから始まるのはシベリアまでの長い長い、文字通り命がけの旅。休憩できる陸地が見えないなど、非常に厳しい状況が続くはず。白鳥に、人間が用いるような意味での言語があるかどうかはわかりません。
 でもやはり、何らかの方法でお互いの意志疎通を図っているはず。

 う〜ん、これなら「ミーティング」という表現は、必ずしも間違いではないかも。

 ということは、白鳥も人間も実は、思考方法とそれを担う脳などの器官や組織、そこで用いられる情報のかなりの部分が共通だということか...。



3月3日(金) ウラを取れない ──大学近くの駐車場に止められたメタリックのキッチンカー──

 今日は桃の節句、つまりひな祭り。

 もしかすると世の中はその話題で持ちきりなのかもしれませんが正直なところ、センセイは無縁。「男性だから...」ではなく、引っ越し作業がピークを迎えているからです。準備したつもりでも、いざ本番になると大変。
 客観的には、いろいろな事柄が関係しているため、「その時」にならないと手をつけられないものがあるからなのですが。

 それはともかく、今月中旬に金沢を発つ前に、まだお伝えすべきことがたくさんあることに気づきました。このページはどうしてもその日に起きたことを取り上げがち。
 だから渋い話題は後回しにされる傾向があるのです。

 ご紹介していなかった話題の一つが写真の車。大学の東側にあるドラッグストアへ行く時、途中の駐車場に止められているトレーラーです。
 この辺はあまり歩かないのですが、それでも去年あたりから見かける機会があったように思います。

 最初はただの牽引自動車かと思ったのですが、良く見ると全面の窓に“CANADIAN CAFE”と書かれています。しかも、ときどきここに存在しないことがあるのです。
 つまりキッチンカーで、ここに止められていない時は出動中ということ?

 気になって少し調べてみたのですが、残念ながら実態が良くわかりません。どうやら「お店」がこの辺にあるらしいのですが、示される地名はほんの少し離れた場所。
 当地の「ほくりくキッチンカー協会」には入会されていないようです。

 他方、開店がネット上の地元メディアで紹介されています。また経営者は現在キッチンカーを追加購入すべく、資金を募っていらっしゃるようです。残念ながら現時点での支援額は0円ですが...やはり、よくわからない。
 要するに、「ウラを取れない」。

 “CANADIAN CAFE”ご紹介が遅くなった理由です。悪しからず。



3月2日(木) 研究室を整理していたら、今はなき蒲原温泉の古びたタオルが出てきた

 21年間暮らした研究室からの撤収作業も、最終段階が近づいてきました。

 書籍や私物の機器──G4 Cubeを除く──は既に新潟の自宅へ持ち帰っています。残るのは細々としたもの、あるいは分類不能なものばかり。そんなものの一つ、センセイによる世界初の発見(実話)に関係するレンズを片付けていた時のこと。
 何枚かのレンズや部品を紙で包み、箱に収めていたのですが、その間に緩衝材が。

 今なら「プチプチ」(「気泡緩衝材」)などを使うのでしょうが、約35年前のこの時は、もらったタオルを使ってました。もうシミだらけになっているので廃棄するしか...あ"っ。
 「信越国境 姫川渓谷山峡の 蒲原温泉」と書かれています。

 新潟県では通常、「蒲原」を「かんばら」と読むのですが、これは「がまはら」。糸魚川市大所(おおところ)の、まさに長野県との境にある秘境温泉です。
 記憶に間違いがなければ1988年の夏に帰省する際、初めて大糸線に乗り、ここで1泊。

 新潟側最後の平岩駅で下車したのですが路線バスなどはなく、温泉のご主人が四輪駆動車で迎えに来てくださりました。そこからが更に凄い。
 急な、しかもつづら折りの道路を上ったかと思うと、今度は崖を落ちるような格好で姫川の近くへ。

 後から考えるとこの道路は旧国道148号線(現県道375号線)。姫川左岸の崖の上に温泉が1軒だけ存在しました。宿泊客はセンセイらだけ。
 山間で地上波が届かないため、2人のお子さんは衛星放送(難視聴対策放送)をご覧になっていました。

 とても静かな温泉。夜が長かったことを覚えています。本当は河原の源泉(露天風呂)を訪れたかったのですが、悪天候で断念。翌朝、ご主人に駅まで送っていただき、糸魚川、直江津経由で帰省しました。
 問題はここから。

 1995年7月11日、この地域を後に「7.11水害」と呼ばれる集中豪雨が襲います。新潟県上越地方、長野県北信地方、そして富山県東部は大被害を受けます。蒲原温泉を含めて平岩地区は交通が途絶し、住民や温泉宿泊客はヘリコプターで救出。
 道路や大糸線は大きく損壊して不通となり、復旧までに数年を要しました。

 さらなる悲劇も。蒲原温泉は姫川と、そこに流れ込む蒲原沢の合流地点にあるのですが、水害翌年の1996年12月6日、蒲原沢で大規模な土砂崩壊が発生して土石流となり、復旧工事中の方々を襲います(「蒲原沢土石流災害」)。
 この災害で14名もの方が亡くなられ、9名が負傷されました。

 蒲原温泉は7.11水害で壊滅的な被害を受けます(こちら(下部)に掲載された写真の8枚目左下に当時の様子が残っています)。どうやらそのまま廃業されたらしい。建物の一部は現在も放置状態で残されているようです。
 温泉のご夫婦や、お子さんたちはどうしていらっしゃるんだろう。

 センセイは温泉なんて滅多に行きません。その僅かな訪問先とその周囲で発生した大災害。

 生きているうちに──車を運転できる間に、と言うべきか──再訪してみたいという気持ちはあるのですが...。



3月1日(水) 何かを探している猫を、嘴の動きと鳴き声で威嚇する2羽のカラス。その勝負の行方は...

 所用でお昼に外へ。

 大学に戻るために歩いていると、ふと、殺気を覚えました。なぜだろうと思って周囲を良く見ると前方、道路の端にかなり大きなカラスが2羽。嘴の動きと鳴き声で威嚇してます。体が少し膨らんでいるように見えます。
 全身の体毛も起こしているのかも(違うかも)。

 最初はセンセイを警戒しているのかと思ったのですが、どうも違うらしい。カラスはいずれも、田圃に向かって威嚇しているのですから。
 でも、なぜ田圃?

 近づいてみると、田圃の中に写真の猫がいたのです。水を嫌う猫が田圃の中にいるなんて、とても珍しいと思う。初めて見たんじゃないだろうか。
 それが地面の、洞窟のようになった凹みの奥に向かって何かしているのです。 

 猫は遊んでいるのではないらしい。何か餌の類を取ろうと夢中になっているようで、センセイの存在にはまったく気づいていません。カラスはその猫を威嚇しているのです。
 ここで猫がセンセイに気づき、一時休戦。

 カラスは警戒して田圃に待避。猫も穴掘り(?)を中断します。通り過ぎてから振り返る格好で撮影したのが写真。カラスは一時的に中断していた威嚇を再開。
 されど猫は泰然自若
(たいぜんじじゃく)。そんなことに興味ありませんよ、という感じ。

 要するに、敵意は一方的。カラスじゃないので詳細な理由は不明ですが、もしかすると自分が見つけた餌を猫が横取りしようとしていると認識したのかも。でも、あそこまでしつこく威嚇するかなぁ。
 それに餌の存在をずっと記憶している能力が求められるし。

 残念ながら、センセイはそのまま大学に戻ったので、その後の展開については不明です。すみません。



2月28日(火) 目がキラキラと輝いています ──幼稚園児の交番訪問に出くわしました──

 今日は晦日(つごもり/みそか)、つまり明日から3月。

 先週は雪が降ったり冷え込んだりしましたが、昨日、今日は晴れて、ずいぶん春らしい雰囲気になってきました。都合で早めにお昼を頂くべく外出。校舎の外へ出ると、庭で付属幼稚園の園児たちが遊んでいました。
 先ほど聞こえた黄色い声の主です。

 幹線道路脇の歩道を歩いていると、再び声が。どこからだろうと思って道路の反対側をよく見ると、まず目に入ったのは大学最寄りの三馬(みんま)交番脇のミニパトカー。
 赤色灯を点灯、回転させています。

 手前には制服姿の警官が2名。そしてその周囲にはお揃いのピンクの帽子をかぶった幼稚園児の集団。しゃがんだ警官と何かを話している子がいます。
 ミニパトをキラキラとした目で見ている男の子も。

 確かにこれくらいの年齢の時って、「働く車」に惹かれる子が多い。良く考えてみれば普通の乗用車や商用車だってちゃんと働いているのですが、子供たちにはちょっと理解は難しいかも。
 今日の最高気温は16.1℃。

 昨日より6.0℃高いのですが、風がちょっと強いので、今日の体感気温は昨日と同じくらい。用を足して研究室へ戻った後、ドラッグストアへ向かうべく、再び外へ出ました。
 おぉ、先ほどのピンクの園児たちが今度は、高橋川向かいの公演で走り回っています。ホントに楽しそう。

 子供たちの表情は、間もなくやって来る本格的な春を先取りしているかのようです。



2月27日(月) やはりとても寂しいものが... ──PowerBook G4(Titan)、表舞台へ──

 ...といっても、退職が寂しいのではありません。

 今年度末での常勤職引退は、内外の状況を熟慮した上での判断。かなり前から着実に準備を進めており、「そうしなければ良かった...」というようなことはありません。寂しい場面に出くわすのは、片付けにおいてです。
 もちろんすべてがすべてではないのですが。

 写真は現時点でのアパートの様子。机の周囲を撮影したものです。昨日までは机の中央に“Apple Studio Display”が鎮座していました。そこに映し出されるのは、右側のパソコンテーブルに収めた“PowerBook G4(Titan)”の画面。
 モニタのボタン一つで起動するし、1,280×960ドットなのでとても使いやすい。

 でもさすがに20年以上酷使したため、蛍光管が劣化して画面がかなり暗くなってきました。また赤みがかった色になり、調整が非常に難しい。
 決定打となったのは、自宅書斎に持ち帰っても出番がないこと。

 そこで今回、涙を飲んで廃棄処分しました(ホントに悲しかった...)。モニタだけではありません、旧型のMacも数台廃棄することにしました。
 これまで数々の修羅場を共にくぐってきた仲なので、まさに断腸の思い。

 最近頂戴したある先生からのメールにも、同じような状況が認(したた)められていました。やはり行間にMacへの想いが溢れています。
 でもお互い、今回ばかりはしかたありません。

 “PowerBook G4(Titan)”の画面は割と綺麗。

 その反面、本体は1,280×854ドットという縦方向に少し狭い変形サイズなので、“Studio Display”でフォルダ上下一杯に広げていた場合、そのサイズや位置がリセットされてしまいます。
 ネットワークで繋いだ時も、リサイズされた状態で接続相手のモニタに反映されます。

 正直なところ、やはり使いにくいのですが、でも、ま、今回はしかたない...。あ"、繰り返していますね。

 20年から25年もの長きに渡り連れ添ってくれた愛機たちよ、成仏してね。(合掌)



2月26日(日) 逆にチェックされていた... ──新型プリウスの実車を初めて間近で見ました──

 今日はタイトル通り、見たままのお話。

 自宅にいつもより長めに滞在した西村センセイ、でも来週は通常営業。というか、研究室とアパートの引越作業を進めなければなりません。というわけで今日、いつも通りに金沢へ移動しました。
 研究室に空箱などを降ろした後、再び車を走らせます。

 目的地は金沢のBMWディーラー。エンジンオイル交換その他のメンテナンスをお願いしてあるのです。金沢で受ける最後のサービスとなります。調整は事前に済んでいるので、車を引き渡すだけのようなもの。
 今回お願いした作業の中には、数日を要するものもあるのです。

 このような場合、ディーラーは代車を用意してくださります。ユーザーにとって便利だし、お店にとっても新商品の魅力を伝えるまたとない機会だからです。
 でもセンセイの場合は、なし。

 お察しの通り、現在MTの代車なんてほぼ存在していないからです。というわけで担当の方にお礼を言って、大学へ戻るべく、徒歩でお店を出ます。
 ディーラーから大学あるいはアパートまで約4km。歩くにはちょうど良い距離です。

 途中、トヨタ店の前に通りがかった時、写真の赤い車に目が止まりました。トヨタ車とは思えない──失礼──ほどスマート。最近発売された新型プリウスです。
 どうやら充電中らしい。

 白状すると、個人的には歴代のプリウスにあまり良い印象を持っていません。運転したことはありませんが、乗せていただいた時の乗り心地はイマイチ。
 何より、三角形のテーマは理解できるものの、実際のデザイン──特に最近のモデル──は好きになれません。

 でも今回のモデル、つまり第5代のプリウスはかなり格好いいと思う。流れるようなスマートさを感じます。ただしトヨタ車がここ20年くらい続けている、魚が口を大きく開けたようなフロント下部のデザインを除けば、ですが。
 というわけでデジカメを取り出してパチリ。

 2枚目を撮影し終えた時、ふと、視線を感じました。どこからだろうと思って周囲を見渡すとお店の中、奥のデスクのところからです。男性の若い従業員が、こちらを見ていらっしゃいました。もちろんこちらは何か問題行動を取っているわけではありません。
 公道上から車を見ているだけ。

 だから怒ったような、あるいは冷たい視線ではありません。プリウスに関心を示しているこちらの様子に興味を持たれたようです。

 「やっぱり、今度のプリウスは評判いいぞ...」と、貧相な初老の歩行者を見ながら感じていらっしゃったのでしょうか。

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