2005年10月26日更新(2005年11月1日ページ移動。2011年5月4日一部写真削除)

──2005年10月第4週のニュース──

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10月22日(土) 柏崎市中心部では、商店が次々と閉店しています

 週末なので、柏崎の自宅に戻ってきました。

 雨の予報だったので、降る前に所用で市街地中心部へ出かけました。

 車を走らせていると、土曜日なのに工芸品店が店を閉めていました。張り紙も見えます。(左上の写真)
 柏崎では有名な老舗なので気になって車を止め、張り紙を読んでみると閉店するとのこと。

 車を走らせ始めた途端、今度は閉店を告げる家具屋の看板が目に入ってきました。改装ではなく、完全に閉店するようです。(右下の写真)
 まぁ、こちらはいつもお客が少なかったけど......。

 この二つのお店、バブル破綻後に行われた市街地中心部の大規模再開発──当然失敗した──にあわせて、多額の投資をして新装開店したのですが、やはり無理だったようです。
 これまで営業を続けただけでも、たいしたものだったのかもしれません。

 帰ってから読んだ新聞の折り込みチラシによると、仏具店兼家具屋がもう一軒閉店するそうです。

 それにしても、大失敗に終わった柏崎市街地中心部の再開発、いまだに誰の責任も問われないのが不思議です。



10月21日(金) 予知能力? ――大学の近くに飛行機が不時着!!――

 お昼休みにキャンパスの中を歩いていたら、飛んでいる飛行機に気づきました。

 小松空空港発の日航機なのですが、いつもなら飛ばないルートだし、高度もやたら低い。実際にはかなり離れているんだけど、目の前を飛んでいく、そんな感じです。
 尾翼のマークがとても印象的で、なぜか「飛行機事故が起きないといいんだけど...」と思いました。(実話)

 今日は天気が良かったのでずっと研究室の窓を開けて仕事をしていたのですが、午後2時頃から外がとてもうるさくなってきました。ヘリコプターの騒音です。

 ヘリコプターが大学の上空を飛行することはめずらしくないのですが、今日はいつまでもうるさい。しかもその数がどんどん増えていきます!!

 テレビ報道等ですでにご存知だと思いますが、本日午後1時過ぎ、金沢市窪3丁目の道路工事現場に小型飛行機が不時着しました(センセイは現在、それ以上の情報を知りません)。

 で、その窪3丁目という場所は、大学からわずか1kmくらいの場所なのです!! もちろん不時着の様子は見ていませんが......。ヘリコプターは県警や報道機関のものだったのですね。

 現場は道路工事中だったそうですが、構造物や工事車両があるはずなので、不時着にはとても危険な場所です。イギリス人のパイロットは軽症で済んだとのことですから、僥倖(ぎょうこう)としか言いようがありません。
 現場は住宅街ですから一歩間違えば大きな被害を受けていたかもしれません。

 さて。

 西村センセイは予知能力の持ち主なのでしょうか?

 残念ながらそうではないでしょう。毎日いろいろな出来事があって、で、たまたま今日のように関係する事柄が続いたためにそう感じたんだと思います。

 それに、予知能力があったらあったで、毎日が心配になるでしょうし。



10月20日(木) う〜ん、これならお付き合いできるかな?

 今まで行っていたスーパーが品揃えを大幅に見直した結果、センセイが今まで使っていた好みの醤油が手に入らなくなってしまいました。

 今年は茄子が豊作でお浸しにしていただいていますし、最近、スーパー長崎屋の中に魚屋さんを見つけたので、美味しいお刺身を買うのですが、それを生かすお醤油がない。
 安い醤油は塩っぽいだけなのです。

 で、車で金沢に来た時など、あるいはそもそも新潟の自宅近辺のスーパーでいろいろ探してみたのですが、案外、ない。
 安い醤油は山積みされているのですが。

 長崎屋に出入りするついでに、金沢産のお醤油を順に試してみたのですが、最初のものはやはり塩辛い感じでした。

 半ば諦めかけたのですが、同じ長崎屋で「能登産天然塩仕込み 丸大豆」醤油(右の写真)を見つけたので、買ってみました。
 能登産だと思ったのですが、帰ってから良く瓶を確かめると金沢市内の製品。ラベルの左上隅には「いいね金沢」の文字が入っています。

 何だ、能登産じゃないのかと、あまり期待せずに使い始めたのですが、案外これが美味しい。素材の味を上手く引き立たせています。
 当たり前ですが、産地ではなく、メーカーや味づくりの問題なんですね。

 ちょっと高いけど、野菜にも魚にもあうお醤油です。はい。



10月19日(水) MacでAppleのサイトが読めない!! ──インターネット・ネタ、二題──

 ちょっと用(お仕事)があって、久しぶりにAppleのサイトをのぞいてみました。

 ところがご覧のように、画像の部分は読めるんだけど、肝心の本文が見事に文字化けして、全然読むことができません。
 わかるのは“SuperDrive”とか“145,524”(円)といった1バイト文字だけ。数ヶ月前からこの状態になっています。

 文字化けするのはトップなど、新しく更新された部分だけで、ちょっと古いぺーじなら、きちんと読めます。
 Mac OS 9+InternetExplorer5.1.7(最終バージョン)といういわば純正の組み合わせなのですが......。

 もちろんMacOS X+Safariの組み合わせなら正常に表示されるのですが、OS Xは好きじゃないし、立ち上げるのも面倒くさい──実際ほとんど立ち上げない──ので、WindowsマシンでAppleのサイトを読むという、とても変なことになっています。

 くどいようですが、もう全然“For the Rest of Us”じゃないですねぇー。

 夕方になると、今度は嫌なニュースが入ってきました。

 たぶん、今晩のニュースでたくさん報道されているのでしょうが、今日、インターネット上でYAHOO! ニュースを騙り、ロイター・共同通信社名の「中国軍 沖縄に侵攻」という偽のニュースが流されました。
 こちら[削除]に原寸大の写真があります。

 ホンモノに似せてはいます──特にパーツはホンモノのコピーを使っているはず──が、よく見ると、内容はもちろん、体裁もちょっとおかしいです。

 もともとは、軍事オタクBBSでの遊びのやりとりのようですが、どこかで誰かが遊びの範囲を逸脱して、きちんとした報道機関名を使って流しています。

 もしかすると犯人──これは犯罪です──はあまり罪の意識を感じずに、ちょっとしたいたずらとして流したのかもしれません。
 つまり愉快犯です。

 けれど彼/彼女は、これを読まされた人がどれだけ迷惑し、振り回されるのか、想像できなかったのでしょう。(わかっていてやったなら、別な意味でもっとひどい。)

 Appleにせよ、偽のニュースにせよ、とても悲しくなってしまいます。



10月18日(火) 「サンソウキッタカラ...」

 「......」

 電話の向こうの母親に「サンソウキッタカラ...」と言われても、何のことだかさっぱりわかりませんでした。先日刈り取ったお米を関係者に送り始める相談をしていたのですが、「サンソウ」って何?

 しばらくしてようやく、サンソウが三相200Vの電力線を指すことにきづきました。

 ちょっと解説が必要でしょう。

 私たちは家庭や職場の電気は100Vだと思っています。(もちろん日本の場合。)
 もちろん、それはそれで間違いないのですが、もともと送られてくる電気の電圧は100Vではなく、電柱のトランスまでは6000Vの三相交流(位相が120°ずつずれた交流。電力線が3本必要)が送られているのです。
 で、これをトランスで三相200Vに降圧して各戸まで届けています。

 普通の家庭は、電力線の中の1本と地面(アースまたはグランド)を使うことによって、単相100V(電力線が2本必要)として使っています。

 実は自宅まで三相200Vが届いているんですね。
 最近新築される家やアパートなどでは火事を警戒して「オール電化の家」にすることも多いのですが、この時は電磁調理器やクーラー用にこの三相200Vを使っているのです。

 話を戻しましょう。

 一般の家庭の多くは単相100Vですが、ちょっとした電力を利用する施設、例えば小さな工場や農業用の機械は、この三相200Vを使うのです。
 センセイの実家でも、脱穀用などに強力なモーターを使うので、自宅裏の農作業場にこの三相200Vが引いてあります。(農業用なので料金は安い。)

 母親が言ったのは、東北電力にお願いして、この農業用三相200Vの契約を解除し、配線を撤去してもらったということ、つまり、稲作はもう続けないということなのです。

 両親も高齢なので、ここ数年は毎年のように稲作をやめようと言っていたのですが、それでも春になると欲が出て、耕作面積をどんどん減らしながらもお米を作り続けてきました。
 今年も下馬評では、もしかすると来年くらいは......という声もあったのですが、そうはならなかったというわけです。

 当の母親が、あまりに淡々と話す分、逆にこちらはいろんなことを考えて、しんみりしてしまいました。

 西村家最後のお米は今週末に発送する予定です。来年はもう、ホントにありませんので、悪しからず。



10月17日(月) ナカミチのカセットデッキを修理してもらうことにしました

 この週末、自宅にいた間に、カセットデッキの修理を試みてみました。

 センセイがずっと使っているカセットデッキは、ナカミチという会社の“ZX-7”というモデルです。

 以前もご紹介しましたが、このナカミチというメーカー、1970年代から80年代にかけて一世を風靡したデッキのメーカーです。
 とにかく高くて、センセイのモデルも20万円近くしたように記憶しています。でも当時(全盛期)は、それだけの価値のある製品を作っていました。

 右の写真がデッキの上蓋(と下蓋)を開けたものです。

 右奥がオーディオ回路(センセイによって一部改造済)右手前が表示回路、写真では見えませんが、これらの下に大きなドルビーNRの回路があります。
 昔の製品なので、かなりの部分がディスクリート構成(ICを使わないということ)で、大きな基盤です。

 音質的には、出力回路をプロ用のICを用いて一部改造していることもあり、最高に近い水準です。
 ところがこのデッキ、10年くらい前からヘッドを載せた部分が上手く上下しなくなってしまいました。

 他の部分はきちんと点検していることもあって、何の不具合もありません。

 で、このメカを後ろ側から見たのが右の写真。

 沢山の部品や配線があります。配線が多いのは設計が古いからで、現在は集積化が進んでいるためこんなに多くの配線は不要です。
 ただし、配線の多寡
(たか)と音質とはまったく別問題ですので、念のため。

 写真ではわかりにくいのですが、あちこち、白いプラスチックの部品を金属製の部品で挟んでいます。
 こうやって微妙な振動を抑えるのが、最盛期のナカミチのメカの特徴です。

 金属だけ、あるいは最近のようにプラスチックだけだとそれぞれの固有の振動が再生音に強く反映されるのです。
 要するに、安っぽかったり、キンキンした音になります。

 さて、テープ駆動系で最も重要なのはキャップスタンという、テープを定速で送る部分のモータです。
 微妙な震えを抑えるために、この機種まではわざとベルトドライブを採用しています。次モデルのZX-9からはダイレクトドライブになりました(高くて買えなかった)。

 ヘッドが載った部分を精度を保ったまま上下させる方法もポイントです。

 他メーカーは、ヘッドアッセンブリを電磁ソレノイド(要するに電磁石)でガチャガチャ上下させます。安価で簡単な方法です。
 でもこの方法はうるさいし、何よりも経年変化に弱く、長期間にわたってテープパスの精度を維持できません。

 で、ナカミチはブロック全体を、モータの力の助けを借りて静かに上下させます(実物を見ると良くわかるのですが......)。メカの精度と、それを駆動するモータとは関係ないので、経年変化に強い構造──実際、24年後も精度を保っている──となっています。

 しかしセンセイのデッキは、このメカニズム用のモータが不調になったので、アッセンブリが上下しなくなったというわけです。
 指で補助するとちゃんと動くのですが、再生のたびに手を突っ込むわけにもいかないし......。

 当たり前ですが、20年以上(!!)も使っていると潤滑油が切れるので、グリスを塗ったのですが、多少改善されるだけでした。

 ところで、いろいろ調べてみると、このナカミチは2002年に民事再生法に基づき再生手続きがとられました
 要するに倒産です。

 一時期までの製品は良かったのですが、振り返ってみると、あの頃も品揃えは滅茶苦茶で、きちんとした商売はしていなかったように思います。(大人になった今だからわかるんだけど。)

 けれども販売会社は現在も細々と営業を続けていて、問い合わせてみるとこの症状なら修理可能だということがわかりました。
 部品をもう製造していないので、故障箇所によってはもう修理できないのです。何てったって、1/4世紀も前(!!)に造られた製品ですよ。

 というわけで、修理に出そうとして裏蓋を見たら、センセイはこのデッキを1989年と1991年に修理、点検に出していることがわかりました。愛着をお感じいただけるでしょうか。

 というわけで、自宅の車庫でガチャガチャしているセンセイの様子を家人が見て一言、「そんなこと始めるようじゃ、原稿(の執筆)がはかどっていないってことね。」

 このカセットデッキよりつき合いは短いけれど、すっかり見抜かれています。はい。



10月16日(日) 大地のねじれ ――新潟県中越地震の被災地を訪問しました――

 犠牲者約50人を出した昨年の新潟県中越地震から間もなく1年になります。

 センセイはこの週末、初めて被災地を訪問しました。これまでも被害を受けた柏崎市の一部や長岡市はしばしば訪れているのですが、震源地近くに入るのは初めてです。

 別に冷やかしで寄ったのではなく、十日町(とおかまち)市で被災した弟が、自宅を新築したので、そのお祝いです。

 借家の弟宅は半壊したため、被災直後にも応援を申し出たのですが、ともに県立病院勤めの弟夫婦は被災者なのでしばらく勤務免除となり、大きな子供たちを含めて労力に余裕があったのと、道路などが混乱しており逆に迷惑になりかねず、断られたのです。

 地震直後は車の中で、数日後からは車庫の中で寝泊りしたそうな。
 水も電気も途絶えましたが、井戸水が使えたのと、プロパンガスだったので、他の被災者に比べればまだ恵まれており、しかも十日町市は長野方面から救援が入り、また峠を一つ越した六日町(現在の魚沼市)は被害が軽かったので、必要な物資も比較的容易に手に入ったのだそうです。

 で、弟家族の場合、もともと子供が成長して家が手狭になっていたために自宅の新築話があり、たまたま土地もすでに確保していたので、被災を機会に家を建てることに踏み切ったというわけです。

 今回は実家に立ち寄って両親を乗せた関係で、往路は柏崎市―長岡市―小千谷(おぢや)市―十日町市というルートを取りました。

 道路は応急修理こそ終わっているものの、凹凸が激しく、また盛り土が崩れていて、まだまだ片側交互通行の場所がたくさんあります。

 途中、親子3人が生き埋めになった旧国道17号線の現場近くを通ったのですが、センセイも何回か通ったことのあるその場所は、山全体が完全に崩落していました。震源地に近づくにつれ、あちこちで山が崩壊しています。
 道路はいよいよひどくなり、主要国道(117号)ですら1kmくらいにわたって片側が完全に崩落しています。

 家屋はというと、大きな被害は目立ちません。外壁が完全に崩落した土蔵と崩壊寸前の民家――もちろん誰も住んでいない――をそれぞれ1軒見ただけです。
 と言うか、大きな被害を受けた家は皆、取り壊されてしまって残っていないのです。途中、小千谷市の施設の広い敷地には、廃棄されたコンクリートが文字通り山になって積まれていました。

 逆に、目立つのはたくさんの工事車両と新築中の家々です。
 実は弟夫婦が新築を急いだもう一つの理由は、これまで住んでいた借家に、北海道からやって来た復旧工事のための関係者が10人ほど入ることになったからなのです。

 お土産のケーキを買いに大きなショッピングセンターに入ったのですが、お客さんはたくさん出ていますし、人々の表情はごく普通です。
 けれど、お店を出て路地を一つ入ると、昔校庭だった場所を仮設住宅が埋め尽くしています。

 弟夫婦のようにまだ若く、再スタートを切る人がいる一方で、そうできない人たちもたくさんいるに違いないのです。
 残された人々にとって、苦労はむしろこれからでしょう。

 阪神大震災の現場跡を訪問した時も感じたのですが、現場を目の当たりにすると内臓がねじれるような、大地が怒っているようなそんな感じがします。

 いつものようにデジカメを持参したのですが、写真は全然撮れなくて、わずかに撮影したのが新幹線の橋脚。

 ご覧のようにこちらは必要な場所が厚い鉄板(青っぽい継ぎ目のない部分)を巻かれてしっかり補強されています。
 もちろん新幹線は大動脈なので、これはこれでとても大切なことなのですが。

[おまけ]
 「残された人々」と言えば、最近のAppleは、かつての“For the Rest of Us”の精神を忘れてる!! ......というか、もう「残された人々」を見捨てたんだろうなぁー。

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