2006年11月11日更新(2006年11月19日ページ移動。2011年5月3日一部写真削除)

──2006年11月第2週のニュース──

バックナンバーはこちら

11月11日(土) 西村センセイ、無事に月曜朝までに金沢へたどり着けるか!?

 いよいよ学会が始まりました。北海道大学をお借りして、科学技術社会論学会の年次大会が開かれているのです。

 センセイの発表は明日の夕方なので、今日はいろんな人の発表を聞かせていただきました。
 中にはずいぶん久しぶりにお目にかかる方や、外国から戻ってきた方なんかがいらして、ちょっとした同窓会のような感じです。
 仕事がらみでご縁のある方も増えたし。

 けれど問題がいくつかあって、明日の発表準備と、その後の移動なのです。

 前者は自分で蒔いた種だから今晩どうにかしなければならないのですが、問題は後者。
 今日は曇りのち弱い雨という天気だったのですが、予報によると北海道はこれから深い気圧の谷間に入り、明日にかけて大荒れの天気になるそうな。
 山間部はもちろん平地でも雪になるそうです。(冬靴は持ってきてないぞー。)

 センセイらの発表が終わるのが16:30。
 荷物をまとめて札幌駅へ移動――北大は駅の近くにある――し、新千歳空港までの電車に飛び乗る必要があります。

 たぶんここまでは大丈夫だろうと思うのですが、問題は、飛行機が予定通りに飛んでくれるかどうか......。

 明日の夜、あまり遅くならないうちに東京へ移動し、上野23時発の夜行列車に乗らないと、月曜朝までに金沢へたどり着けないのです。今回、どうしても月曜午前中に大学に存在する必要――「科学技術と社会」受講生には理由を説明済――があるのですが......。

 果たしてどうなるか。その途中経過を明日、都内からご報告できるかどうかで様子がわかると思います。

11月10日(金) 寒くて、とても日が短い!! ――無事に北海道入りしました――

 というわけで西村センセイ、無事に北海道入りしています。

 竜巻で大きな被害が出るなど、北海道は数日前から大荒れ。
 この間、夜行寝台も何本か運休したので、無事に移動できるかどうか心配だったのですが、着いてみると、多少雲は出ているものの概ね晴れてよい天気。もちろん列車の運行に問題はありませんでした。

 しかし、その大荒れの日から強い寒気が入っているようでとにかく寒い。本州の比ではありません。ホームで列車を待っていたら、現地の人ですら「この前から寒い」と話していらっしゃいました。
 センセイの場合、幸いにも何人かの道産子から「この時期は本格的な防寒具が必要」とアドヴァイスをもらっていたので、裏をつけたコートを着てきました。これがないとかなり厳しいだろうな。(皆様、ありがとうございました。)

 ちょっと時間があったので、少し列車に乗ってみたのですが、強風で紅葉はみんな吹き飛ばされてしまったようです。(本州は場所によっては見ごろだった。)

 寒さのせいか、それともこの時期には当然のことなのか、牧場にはほとんど牛馬を見ることがありません。
 写真は例外です。

 もう一つ気づいたことがあって、夕暮れがとても早い!!

 金沢や新潟に比べてやや東に移動したことも影響しているのか、夜明けが違うという印象は受けなかったのですが、夕暮れは全然違って、ちょっとした山の陰などでは3時半に日が落ちてしますし、4時半にはどこも真っ暗になってしまいます。
 北海道は人口密度が低く、街灯がない場所も多いので、ホントの暗闇です。こんなに違うとは予想していませんでした。

 さて、北海道の大地からエネルギーを分けてもらったところで、明日からは学会に専念したいと思っています。

 それでは、また明晩。




11月9日(木) おぉ、柏崎市内の「町工場」は、こんなものも作っていた!! ──西村センセイは北海道へ!! ──

 以前、センセイの自宅のある柏崎市の研精舎という会社をご紹介したことがあります。ただの町工場だと思っていたら、実は世界の最先端工場だったというお話です。

 たまたま研精舎のホームページを見ていたら、人材募集の文字が目に入りました。((c)研精舎)
 そこを開いたのが右の写真なのですが、画面右側にどこかで見たような筐体
(きょうたい)が......。

 へぇー、こんなものまで作っているんですねぇー。もちろんここだけが製造工場かどうかはわかりませんが。

 ちなみに、大きいiPodの裏の金属部分は、新潟県の燕市で作っています。

 まとまった数の、あのカーブ、あの磨きの製品を製造することができる場所は新潟にしかないんだそうです。
 どうも3.5"画面の新型が出るらしく、磨き職人を大募集中(!!)とのこと。

 新潟はアップル製品と縁があり、アルミのPower BookやMacBook Proの筐体も県内で生産しています。やはりここでしか作れないのだそうです。
 アップル製品のデザインを手がけているジョナサン・アイブ(確か副社長)も新潟を訪問して、技術を確かめています。

 さて、西村センセイは今日から北海道へ移動します。週末に北大で学会が開かれるからです。
 明日の深夜には北海道の様子をお伝えできると思います。

 それでは、行ってきまーす!!



11月8日(水) 朝、窓を開けると、うるさいくらいなのです。

 お年寄りは朝が早い。西村センセイもその例に漏れません。

 最近は日の出が遅いので、加賀の山並みから太陽が顔をのぞかせるのと競争するような格好で出勤することになります。

 大学構内に入ると、学生とすれ違うこともあるのですが、あちらは24時間オープンの自習室での完全徹夜明けなので、動きがちょっとぎこちない......。

 研究室に入って、窓を開けるとご覧の景色が広がります。けっこう緑が多くて素敵でしょ?(センセイのものじゃないけど)

 で、この時一番大きい音や声を立てているのは、実は車の騒音でも何でもなくって、鳥の鳴き声なのです。

 大学の周りにもたくさん緑の樹木はあるのですが、構内は樹木がたくさんあるので、鳥にとっても暮らしやすいらしく、たくさんの鳥がさえずっています。
 時々は目の前の枝にとまって鳴いていたりします。

 かわいくか細い小鳥の鳴き声、という感じではなく、たとえ体躯(たいく)は小さくても歌えばアルトの艶(なま)めかしく太い声、という感じ。

 もう少しすると交通量が増えてうるさくなるし、何よりも鳥たちがどこかへ行くのか、ある時刻を境に、鳥の鳴き声がパタリと止みます。

 いったいどこで、何をしているんだろうか。もちろんお昼寝というわけではないのでしょうが。



11月7日(火) 冷え込んできたら、何だか温かい食べ物を...。 ──初めて「チャンポン」を食べてみました!! ──

 朝4時頃、突然強い風が吹き始めて、金沢は大荒れの天気となりました。上空に寒気を抱えた寒冷前線が通過したのです。北海道や新潟で大きな被害が出たことはご存じだと思います。

 前線が通過することによって、暖かい空気が冷たい空気に取って代わられたので急に冷え込み、室内でも昨日と比べて10℃くらい低下しました。
 昨日もアパートのガスストーブを出そうかなと迷ったのですが、今日は帰宅した途端、逡巡
(しゅんじゅん)せずに押入からストーブを半年ぶりに引き出しました。

 だって、寒いんだもん。

 こういう寒い時に欲しくなるのは、あったかい食べ物。(かなり強引な展開だ。)

 というわけで今日の話題は、先日の九州出張の際に、博多で食べた「シーフード・チャンポン」。
 実は西村センセイ、チャンポンを初めて食べてみたのです。

 ホントは長浜ラーメンを食べてみようと考えていたのですが、中洲まで行く時間はない。
 で、駅前をフラフラしていたら、「定番」の看板に引き寄せられてそのお店に入ることになったのです。(何たる意志の弱さ......。)

 調理場で炒める音がして、中国語と変なアクセントの日本語が入り交じっていて、で、届けられたのが右の写真。

 ホントはどうやって食べるのかすら知らなかった──何しろ初めてだから──のですが、あまりスタイルを気にせずに食べ始めると......う〜ん、要するに豚骨味をベースとした、煮込みラーメン(+野菜と海鮮類のトッピング)。

 肝臓が弱った西村センセイにはちょっと脂っ気が強すぎたけど、これはこれで美味しく頂戴しました。最近流行りのラーメンほどしつこくはなかったですよ。

 ちょっと煮込んであるはずなのに、コシを失わなず、それでいてスープの美味しさをしっかり蓄えている中太麺がポイントなのかなぁ、と思いました。

 今度九州へ行ったら、また食べてみたいと思っています。もちろん、長浜ラーメンも、ね。



11月6日(月) これからは、「無洗米」を比較的気軽に食べられそうです。

 何回かお伝えしたように、西村センセイの実家は去年、先祖代々──庄屋だった先祖が引退して我が家の直接の先祖になってから、センセイが10代目(予定)──続いてきた稲作を止めました。
 両親が高齢化したためです。

 ご先祖様には申し訳ないけれど、センセイが金沢で働いていては農作業ができないので、残念ながらこればかりはどうしようもない。

 でも、稲作を止めても農家の主食であるお米は必要。

 で、どうするかというと、稲作を続けている親戚から玄米(籾〔もみ〕を取り除いて、まだ精米していないお米)を袋ごと買うことにしました。玄米の方が白米より保存性が良いのでそれで保存し、必要な量だけ精米器で精米すれば良いのです。
 新潟のように農村部が多い土地では、都会でのコインランドリーのような感覚で、あちこちにコイン式の精米器があるのです。

 この週末、その玄米を自宅近くのコイン精米所に持っていったのですが、作業の終わりに、あることに気づきました。

 「無洗米」仕上げを選択できるのです。

 ご存じの方も多いと思いますが、ほとんど洗わずに、水を適量入れるだけで炊くことができるのが無洗米です。比較的最近登場しました。
 手軽だし、水質汚染も少ないので、都市部を中心に3割くらいのシェアを占めていると聞いています。

 無洗米登場のニュースそのものは数年前に聞いていたのですが、専用の大規模工場でないと加工できないとのことだったので、農家とは無縁だと思っていました。
 だからびっくりしたのです。

 精米したお米の表面には「糠(ぬか)」がついています、ベタベタした薄い黄土色の物体です。
 お米を研ぐ時にはこの糠を落としています。

 この糠、実は栄養価が非常に高くて、動植物に有益な物質を多く含むので、文字通り糠漬けに使ったり、畑昨に使ったりします。けれどこれがコンクリートで覆われた現代の河川にそのまま流れ込むとやはり問題になってしまいます。
 糠には何の罪もなく、コンクリートで蓋をする方こそが問題なのに。

 無洗米に加工するには、糠同士をくっつけて落とすとか、水で洗って乾かす(!!)など、いくつかの方法があるそうです。

 どういう方法を使っているのかはわかりませんが、最近のコイン精米器にはかなりこの機能が付いているものがあるようです。写真の機械では無洗米の加工量は普通のお米の倍ですが、他の機械では同額のものもありました。

 今回は精米してから気がついたのですが、次回、ぜひ試してみたいと思っています。



11月5日(日) 新潟で、讃岐うどんのセルフ店は生き残れるか?! ──予想以上に厚そうな文化圏の壁──

 この週末、見舞いなどいくつかの所用を兼ねて、一家で新潟市へ出かけました。

 途中で家族と別行動となり、センセイは単身、15年くらい通っている行きつけの理髪店へ向かったのですが、その途中、かつて回転寿司だったお店が、セルフの讃岐うどんのお店になっていることに気づきました。

 ご存じの方が多いと思いますが、ここ数年、讃岐うどんがブームとなっています。

 関東にもセルフ店──トッピングを自分で選んで、うどんの量や茹で具合などを指定できる──があちこちにできていますし、(行ったことはないけれど)本場香川県では、有名店にお客が殺到しているんだそうです。

 でもセンセイが知る限り、香川県のうどんは、庶民の毎日の食べ物。ご飯を食べるように、ごく普通に食していらっしゃいます。
 香川では、ラーメンより身近な存在で......というか、むしろ「身体の一部」って感覚じゃないのかなぁ。

 香川県を訪問した際、何度か(こちらこちら)食べる機会──ただし高松駅前近辺──がありましたし、もうちょっと広くとらえると、広島県東広島市(西条駅)小豆島、そして最近では大阪市内(写真の左側のお店)などでうどんを食べることができました。
 さらに、もっともっと広く考えると、味に関しては関西圏と考えられる富山、石川、あるいは愛知以西でしばしばうどんを食べています。

 もちろん同じ味はない──麺も出汁(だし)もずいぶん幅がある──のですが、やはり共通して出汁ベースで、それなりに美味しい。
 例えば夜行列車でたどり着いた高松駅の立ち食いうどんのお店なんかも、涙が出るほど美味しくて、一緒に行った娘と「おいしいねぇー」と言いながら、分け合って食べました。
 ホームのお店、ですよ。(以上は実話。娘と分け合ったのは、高松到着後に、別に朝ご飯を食べていたから。)

 けれども東日本は別。こちらは黒い醤油味がベースです。

 関西(神戸)出身の方が東京芸術大学に合格して上京し、初めてうどんを注文した際、出されたうどんの黒い出汁を見た途端に「ゴメンナサイ......。食べられない......。」と言った──本人からうかがった──そうですが、この話、とてもよくわかります。

 新潟は、少なくとも味覚に関しては東日本のお醤油系。うどん以外にもラーメンなども、出汁ベースの関西系はなかなか根付きません。

 というわけで、理髪店でサッパリさせてもらった西村センセイ、醤油ベースの新潟に関西出汁ベースの讃岐うどんがどう切り込むか、興味津々(しんしん)でお店に入ったのですが......さて?!

 うどん単体の価格は手ごろ(小盛180円、以下、盛りに応じて約100円アップ)で決して高くなく、トッピング(天麩羅が各100円くらい)なので、中盛で天麩羅をいくつか載せると600円くらい。
 安くもなく、高くもないという感じです。(関西の水準からすると、高いと思う。)

 問題は、そのお味。

 ......申し訳ないのですが、全然美味しくありません。麺も出汁も。やはり、新潟という土地には、工夫なしのそのままでは、受け入れがたいようです。

 実は、新潟にも美味しい讃岐うどんのお店がいくつかあって、たとえば新潟駅前などに店舗を展開する「琴平」は、本場での修行に加えて、新潟の人に讃岐うどんをどうやって受け入れてもらえるか、とても研究しています。(というか、しているはず。)
 結論から言えば、関西の出汁ベースに醤油味の要素が少し入るという、文字にしたら、ただそれだけなのですが......。

 改めて店内を見渡すと、新しいお店だから来てみたという客か、子連れで安く昼食を......というお客がメインで、老人客は皆無。
 同じ外食産業でも、味にうるさいはずの老人層にも広く受け入れられている一部回転寿司とはずいぶん違います。(最近の柏崎の「すしおんど」は、ホントに「老人パワー全開!!」という感じです。)

 西村センセイ、今後の高齢化と、その時の資金提供者──例えば外食して誰が実質的にお金を払うか──を考えると、決してネガティブな意味なしに、老人パワーが鍵になると思っています。

 今回、味覚に関する文化圏の壁は予想外に高いようで、しかも戦術面での失敗もあって、少なくとも新潟では、讃岐うどんより「すしおんど」かな、という感じです。

※「琴平」など、一部本格的なお店を除く。


「最近のニュース」(最新版)へ
バックナンバーのトップページへ
トップページへ戻る