2008年12月6日更新(2008年12月14日ページ移動。2012年12月23日写真削除)
■12月6日(土) 分水嶺 ――岡山大学での学会に参加しています――
というわけで西村センセイ、初めて訪問する岡山大学――裏口(?)から入ったので、写真は未撮影――で、大学教育学会の「課題研究集会」に参加しています。
この大学教育学会、実は玉川大学で先週末に初めての大会が開かれた初年次教育学会と、人脈的には深い関係にあります。そのため、「みんなそのまま来るんだろうなぁー」と思っていたら、意外にもほぼ皆無(一人だけお見かけした)。
センセイも学会を2回開いたことがあるのでわかるつもりなのですが、学会を開催するというのは本当に大変なことので、たぶんみんな、先週末に燃え尽きてしまったんでしょうねぇ。それはともかく、今日のプログラムはちょっと変わっていて、まず、とにかく長い。一つのシンポジウム――本来は「一緒に飲む(宴会をする)」という意味――が延々と4時間(!!)も続きました。
これじゃぁ、みんな飽きてしまうのではと心配になる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際にはまったく逆。中身の濃い発表と、白熱した議論が延々と続きました(さすがに疲れたけど)。もう一つの特徴が、現役の学部学生の積極的な参加。
写真は左手の女性が発表しているところですが、彼女は何と、岡山大学の現役の学生(教育学部3年生)なのです。
大学院生ではありません。彼女の発表は実に見事なもので、(センセイを含めた)下手な研究者より堂々としています。
もちろん、彼女と同年齢だった頃のセンセイは、彼女の足元にも及びません。この他にも20人くらいの学生が参加していて、討論に積極的に参加していました。参加者である大学の先生方から応援演説が出たほどです。
「大学の教育を良くするためには当事者(ステイクホルダー)である学生の声を尊重したい」という企画者の意図が伝わってきました。ところで今回の学会、初日は比較的時間に余裕があったので、早起きして周囲のJR線に乗ってぐるっとまわってみました。
岡山の平野部は意外に狭く、ちょっと入るとすぐに山がちになります。「山」といっても、中国地方全体が老齢期の地形なので急峻な山ではなく、「丘」に近い感じなのですが。
その岡山。都市部はともかく、郡部は文化の多様性を強く残していて、分水嶺を越えるたびに、車窓からの風景がガラッと変わってしまいます。
これに気を良くした西村センセイ、まったく予定外ですが、明朝も早起きしてみようかと思っているのです。
■12月5日(金) 強風と信号機の故障で北陸線は大混乱!! ──西村センセイは、再び旅の空──
深い低気圧が接近しており、今日は朝から大雨との天気予報。
朝早く目を覚ますと、風は強く吹いてうるさいものの、幸いにもまだ雨は降っていません。仕事もあったので、いつもよりさらに早く出勤しました。1限が始まる1時間前くらいから、急に猛烈な雨が降り始めました。
学生諸君は大変だろうな、と思いながら教室へ向かうと、いつもより学生が少ない......。
一人の学生が寄ってきて「○○君は電車が動かないので遅刻するそうです」とのこと。
連絡するように電話で頼まれたのでしょう。まじめなクラスなのですが、今日は遅刻が多い。北陸本線が混乱しているんですね。
講義終了後に、「遅延証明書」を持参した学生もいました。実は西村センセイ、今日からツアーを再開します。
お昼過ぎの北陸線の特急を予約しているので調べてみると、北陸線は早朝から強風で運転を見合わせ、さらに落雷で信号機が故障して、最大2時間20分もの遅れになっているんだそうです。本当は最寄り駅(JR西金沢駅)から乗ろうと思っていたのですが、万一を考えてタクシーで金沢駅へ急ぎました。
運転は再開されていたのですが、かなり前に出発するはずの特急がまだ停車したまま。今日は新幹線に乗り継ぐのですが、混乱が続いているので、遅れているこの特急に乗った方が良いと判断。ホームへ上がってみると、多くの人が運転再開後の一番早い電車に乗ろうと考えたらしく、自由席車両では通路までぎっしりと人が立っています。
皆、殺気立っているので、この列車をあきらめて後続の、本来の特急に乗ることにしました。センセイが乗る特急はほぼ定刻に発車したのですが、途中でどんどん遅れてしまい――先行列車が遅れているため――予定していた新幹線には間に合いませんでした。
新大阪駅で駅員に尋ねると、次発の「のぞみ」指定席に案内され、ほとんど遅れなしに岡山に到着。というわけで予定通り、明日、明後日と岡山大学で開かれる学会に参加します。
■12月4日(木) 夜行寝台特急「銀河」が廃止された理由 ──JR東日本が新型電気機関車を導入──
JR東日本は2日、定例社長会見を行い、その中で新型電気機関車「EF510」型の導入を発表しました。各社の報道でご存じの方も多いと思います。((c)The Sankei Shimbun & Sankei Digital)
私たちがJR線で乗るのは、電化区間なら間違いなく電車。非電化区間なら「気動車」という、ディーゼルエンジンで動く客車型のもの。
今では機関車(蒸気機関車や電気機関車)に牽かれた客車──モーター類を積んでいないので乗り心地が良い──に乗ることは、ほとんどありません。唯一の例外は、「北斗星」「カシオペア」「トワイライト・エクスプレス」「北陸」などの、客車型の夜行寝台列車。
だから貨物を運搬しないJR東日本も電気機関車を所有しているのですね。(もっとも電気機関車の最大の用途は、夜間に保守工事用の車両を牽引することなのですが。)いずれにせよ同社が所有する電気機関車が寿命を迎えつつあるので今回、JR貨物が開発した新型機関車を購入することにしたんだそうです。
このEF510という電気機関車、全国的にはまだ珍しいかもしれません。
でも全機が富山機関区の所属なので、北陸地方ではごく普通に見ることができます、というか旧型はほとんど見なくなりました。
これでJR東日本の「北斗星」「カシオペア」などはしばらく存続を保証されたようなものです。ところでこの春、東京−大阪間を結んでいた夜行寝台急行「銀河」が廃止されました。一般的には利用客の減少のせいだとされていますが、実は必ずしもそうではありません。
川島令三という方が著した『全国寝台列車未来予想図』によると、むしろこの電気機関車が「銀河」廃止の大きな理由なのだそうです。東京−大阪間の大半はJR東海の路線。夜行寝台は深夜にこの区間を通過するので、そもそもこの地域の乗客は多くありません。当たり前ですね。
乗降客が少なく通過客が多いということは、JR東海で乗車券類を買う人も僅かということになります。乗車券類を販売すると、販売した会社に手数料が入るのですが、この面でもJR東海のメリットは少ない。おまけに車両はJR西日本の、電気機関車はJR東日本(!!)の所属なので、両社に使用料を支払うことになります。要するに夜行寝台特急って、JR東海にとっては全然儲からない商売なのですね。
また、機種ごとに免許が必要な航空機と同じように、鉄道の運転士も運転できる車両についての資格が必要らしいのですが、今まで述べたような事情から、JR東海はすでに電気機関車の運転士養成を中止しています。
これが「銀河」廃止の最大の理由だったんですね。
東海道線の寝台列車としては今後、電車型の「サンライズ出雲・瀬戸」だけが走ることになると思われます。
国鉄が分割、民営化される時「不便になることはない」と声高に叫ばれましたが、本州3社以外は厳しい経営環境が続いています。切り離された第三セクターもぎりぎりの運営を続けています。その本州3社も、例えばこのように各社の利害が一致しなくなると、弱い部分から切り捨てていくんでしょうね。
■12月3日(水) 枯山水だったのね。 ──キャンパス中庭で見つけたもの──
今日は見たままのお話。
今日の最初の講義は正午過ぎ(12:10〜13:10)なので、その前にお昼を食べておくことにしました。ひとまず学食へ行ってみたのですが、混んでいるし、やはり量が多い。
お弁当もお腹を空かせた男子学生向きなので、今回は見送ることにして、近くのコンビニへ。
今朝は雨が降ったのですが、ご覧のようにお昼には晴れ上がりました。
キャンパス中央の中庭で、ふと、一角に小石が敷き詰められていることに気づきました。
この位置からだと良くわかりますが、枯山水になっているんですね(なぜ今まで気づかなかったんだろう)。写真の左隣は西洋風の庭になっています。
どうやら設計者は、ここにいろんな要素を持ち込んで、見る場所や角度で違った印象を与えることを狙っているようです。女子学生が2名、枯山水の向こうでひなたぼっこをしている友達のところへ急いでいます。
日本海側ではとても貴重な、冬の晴れ間です。
■12月2日(火) いくら何でも、こんな場所、そしてこのタイミングでスピード違反を取り締まらなくたって...
センセイは住民票を金沢に移してあるので、5年に一度、誕生月前後のこの時期に、石川県内で更新する必要があります。
せっかく車で金沢に来ているので、この機会を利用して先日、石川県運転免許センターで免許を更新しました。なぜ「この機会に」かというと、免許センターは市街地から遠く、交通の便の悪いところにあるのです。
以前、最寄り駅まで電車に乗り、徒歩で来たことがあります。暑かったこともあって、もう、本当に大変でした。
一応、バスも運行されていますが、正直なところ、車で来るしかありません。受付と適性検査で散々待たされましたが、それさえ過ぎれば後は講習を受けるだけ。
センセイは無事故無違反の「優良」運転手なので、30分で終わりました。でも違反した場合など、ずいぶん時間がかかるケースもあるようで、センセイよりずっと先に別な教室に入ったまま解放してもらえない人もいたようです。
とにかく新しい免許を手にして、来た時とは違う道で帰ろうとして車を走らせ始めたとたん、あれ?!
警察官の姿が見えます。しかもたくさん。おぉ、さらにその背後には3台ものパトカーが!!
免許センターを出たばかりのところで、しかも講習会の終了時刻を狙ってスピード違反の取り締まりを行っているのです。もちろんセンセイは制限速度内だから止められることもありませでしたし、センセイが通った時はまだ違反車はありませんでした。
でもきっと、センセイがセンターを出たもう少し後に、違反を重ねたために長時間の講習を受けたドライバーが、「やっと終わったぜ。これで無罪放免だぁ」とアクセルを踏み込んだ瞬間......ということになっていたんでしょうねぇ。
■12月1日(月) この人だかりは、何なんだ?! ──夢を買う場所──
先週末の出張を利用して、都内で古い友人たちと飲みました。そのため、一晩だけ新橋駅前のホテルに宿泊。
ホテルに荷物を置いて、会場のスペイン料理のお店へ急ぐため新橋駅の烏森口に来た時、様子がおかしいことに気づきました。
駅前に人だかりができているのです。最初は(小さな事故とか)何かあったのかな、と思ったのですが、中高年を中心としたたくさんの人々がある方向を向いて、きちんと列を作って、しかも静かに何かを待っています。
人々の視線の先を追いかけると、おぉ、宝くじ売り場!!
西村センセイ、賭け事類はまるでダメなので詳しいことは知らないのですが、年末の宝くじを売り出されたことくらいは知っています。
このお店、きっと当たりくじがたくさん出ている場所なんでしょうね。「宝くじは、夢を買うんだ」と聞いたことがあります。
並んでいる人々の表情はとても穏やかで、荒れた感じはありません。お互い、生活はいろいろ大変だけど、せめて年末はそれぞれの夢を......ということなんだろうなぁ。
■11月30日(日) やっぱり、働くべき時はちゃんと働いておくべきだ ──西村センセイ、いろんな人と再会する──
今日は本当に忙しかった。
昨晩はつきあいで深酒をしてしまい、目が覚めたらギリギリの時間。適当なお店もなかったので、朝ご飯抜きで学会が開かれている玉川大学へ。
午前中の会場に無事到着したのですが、誰もいないし会場の準備もできていない。変だなぁーと思ったら、会場(教室)を間違えていたのです(K先生、振り回してしまい、ゴメンナサイ)。
やっぱりあわてていたためでしょう。9時半からのセンセイらのグループによる発表は、熱心な参加者に支えられて無事に終了。参加者の皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。
午後はセンセイの発表から始まるので、大急ぎでお弁当を食べて準備します。こちらも、会場いっぱいのお客様のおかげで何とか乗り切ることができました。発表を終えて教室を出ると、「西村先生」と声をかけられました。
一瞬の間を置いて、10年くらい前、以前の勤め先で一緒に仕事をしていた取引先(一部上場の某有名企業)の関係者であることに気づきました。(業務連絡:札幌の旧姓Tさんへ。銀座、新橋にあるR社のMさん、Hさんです。)
センセイはその後勤め先を変えているので、まさかこんなところで出会うとは!!
実は今回の学会で、この方以外にも何人か──少なくない──の古い知り合いと再会することができました。
みんな会社の社長になっていたり、大企業の取締役などずいぶん偉くなっていらっしゃいます。あの頃は本当に一生懸命働いていたのですが、やっぱりそういう時に一緒に仕事をさせていただいたご縁って、なかなか切れないんですね。
働くべき時はきちんと働いておくもんだと、しみじみと再確認した今日の西村センセイなのでした。写真は夕方の玉川大学です。入り口に電飾された大きなクリスマスツリーがあって、夜は本当にきれいでした(昨晩は写真を撮らなかった)。
今回の大会は、学会としては初めての大会だったので、発表、参加する側もいろいろ大変でした。もちろん開催側の玉川大学のご苦労は並大抵のものではなかったと思います。
しかしお互い、やるべきことはやったので、この樹に見送られながら、満足感(+反省)ととも玉川大学を後にしたのでした。