2004年11月13日更新(2004年11月22日ページ移動。2011年5月4日一部写真削除)
■11月13日(土) ホームグラウンド ──学会初日は無事に終了──
いよいよ科学技術社会論学会が金沢工業大学で始まりました。
右は大学入口の看板。西村センセイがMacでデザインした看板です。
公開講演会も兼ねているので、載せなければならない要素が多く、かなり苦労しました。天気予報は雨だったのですが、西村センセイは晴れ男だったのか、朝方には雨はあがってしまいました。
大学に到着したバスから、続々とお客様がやっていらっしゃいます。
その数、初日は約150名。学会は始まりがたいへんなのですが、どうやら4つの会場ともうまく始まったようです。
プロ野球もきっとそうなのでしょうが、ホームグラウンドでの開催は、何かと好都合です。
右の写真は文部科学省の将来の幹部が講演しているところです。
日本の学術の動向を左右する、とても重要な講演だったんですよ。このように各会場では、斬新な発表と、それに引き続いて熱心な討議が行われました。
初日の締切は懇親会。(写真は乾杯直前の様子。)
学生の皆さんからすると「な〜んだ。お酒なんか飲んで」と思われるかもしれませんが、これは、昼間のシラフな頭ではできない、ちょっとアルコールの入った、夜の有益なミーティングなのです。
予想以上に多くの方が懇親会にお越しくださり、主催する側としてはとてもうれしい──白状すると、サイフの面でも──限りです。
この懇親会が終われば、山場を越えます。
明日はもうちょっと学問的な中身を楽しみたいと思っています。
続きはまた明晩!! (たぶん。明晩は慰労会があるので更新のお約束はできません。悪しからず)
■11月12日(金) あ"っ!! 買っちゃった...。 ──西村センセイ、ズワイガニをフライパン(!!)で茹でる──
学会(こちら)も目前に迫り、関係者はピリピリしています。
でも、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉の通り、関係者がたいへん良くしてくださるので、「もう、やれることは全部やった」(ただし、自分の発表準備は除く)、そんな感じです、
たぶんうまく行くでしょう。で、準備完了の内祝いと、エネルギー補給を兼ねて、今日は早めに大学を切り上げました(と言っても、就業時刻をはるかに過ぎていたのですが)。
向かったのは、閉店間際のスーパー。
今晩こそは美味しいもの──ただし調理しないで済むもの──を、と思ったのですが、お眼鏡にかなうものはなかなか見つかりません。
たまたま鮮魚コーナーの若い店員さんが商品を片付けていたのですが、彼が手を伸ばした先には「能登産 ズワイガニ」。西村センセイ、金沢に来てから蟹に目覚めたのですが、能登産はまだ食べたことがない。聞くところによると、北海道産のものに比べて脚が長いとのこと。
「今が旬」という看板に背中を押されて、「すみません......。」店員さん、話し相手が欲しかったのか、いろいろ教えてくれます。
たとえば蟹は今月中が旬で、かつ安くて美味しいとのこと。12月に入ると、贈答用に卸売り価格が上昇するのだそうです。ふ〜ん。で、最後に、「生だけどね」。 え"っ!?
やはり疲れていたのでしょう。西村センセイ、まだ茹でてない、生の蟹を買ってしまいました。
半年前に初めて蟹を茹でた時(こちら)は適当に茹でただけなのに美味しくいただくことができました。
たぶん今回も、と思ったのですが、アパートに持って帰ってから、脚が長すぎて鍋に入りきらないのです。
いろいろ考えた結果、右の写真──撮影用に甲羅を上にしているが、実際は下にする──のようにフライパンで茹でることにしたのですが、フライパンの中に保熱用に入っているの金属が熱を持ちすぎたようで、ちゃんと時間を守ったにもかかわらず茹ですぎてしまいました。
脚などは固くなり過ぎて、蟹味のこんにゃくを食べているような感じです。近いうちにまた再挑戦してみたいと思っています。
大切にしていたJRの回数券を落としてしまった(こちら)し、何よりも新潟県中越地震で信越線の特急が走っていないので、西村センセイ、このところずっと車を利用しています。
Macユーザーの間で有名な話に、「Macのやきもち」というのがあります。
新しいMacを欲しいなぁーと思うと、必ず、現在使用中のMacが機嫌を損ねて不調になってしまうというものです。
それと同じかどうかはわかりませんが、このところ急に車の調子が悪くなってきました。
先日、久しぶりに乗せた家人も「変な音がする」と言ったくらいです。ご存じのように(こちらおよびこちら)、西村センセイは12月中旬に車を買い換えます。
もう後、一ヶ月しかありません。だから、致命傷でなければ放っておいてもいいのですが、いろいろ考えた末、今週、金沢で点検、修理に出しました。
写真は1泊2日の病院から戻ってきた愛車です。修理した最大の理由は、いくら後一ヶ月だといっても、愛情を忘れてはいけないよなぁーと思ったからです。
もちろん修理に滅茶苦茶なお金がかかるようなことになればわかりませんが、やっぱり最後まできちんと使ってあげたいと思ったのです。業者に話を聞くと、本当は後部のサスペンションが抜けて──どういう状態なんだろう?──、ステアリングにがたつきがあって、前輪が内側を向きすぎ──どの車も少し内側を向いた「ハ」の字状になっている──ていて......という具合らしいのですが、さしあたり左側前タイヤの変形が一番の原因だそうで、前後を入れ替えたら「直った」とのこと。(今度は後輪がガタガタするのだけれど。)
もうすぐ20万Km。地球を5周したのですから、やっぱり最後まで大切にしましょう。
P.S. そうそう、昨日のチャンカレの食券販売機(こちら)、何と今朝、新札対応の新機種に更新されたそうです。西村センセイ、最後の日に利用したんですね。
以上、今日チャンカレに行った先生からの情報でした。
センセイらは中心になって開催する学会(こちら)が、いよいよこの週末に近づいたので、関係者は大忙しです。センセイも1日の半分以上を大学で過ごします。
今日はお昼に近づくとホントにお腹が空きました。
若い人は当たり前で、今さら何をと思うでしょうが、センセイくらいの年齢になると、通常、お腹はもう空かないのです!!
エネルギー不足で、かなりヤバイ状態なのが明らかなので、天気も良かったし、今日は例のチャンカレ(こちら)でLカツカレーを食べることにしました。
お店に入る前に、ふと思って、新しい野口英世の1,000円札を用意。
背後に人が並んでいないことを確かめてから、お札を食券販売機に入れると、予想通りの拒絶。自動販売機の多くはまだ新札用に改修されていないのです。対応しているのは半分以下、という数字を聞いたことがあります。
野口英世先生も、まだちょっと肩身が狭いようです。
先日の新潟県中越地震(こちら他)は、個人的にはいろいろ大変だったのですが、全国的にも大きな衝撃を与えたように思われます。
発生してから2週間くらいは、ニュースのトップ項目は新潟地震関連でしたね。先週末は天下のNHKがテレビとラジオで24時間の特別番組を放送していました。もっともこの番組、新潟地震だけを取り上げたのではなく、今年の颱風など、災害全般を取り扱ったのですが。
でも、週の大半を県外にいて、週末に新潟へ戻ると、やはりどこか違うのです。
被災地の日常のこまごまとしたあの感覚がなかなか伝わらないのです。新潟から金沢へ戻ると、何だか時差ボケしたような感じで、1日くらい調子が出ません。
新潟県中越地方はかなり広範囲に被災していて、日々の生活の、その些細なことがまだ平常に戻っていません。
たいしたことではない──たとえばそれが人の生死に直接関係するわけではない──のですが、たとえば電車が不通なので、この2週間、いつもより2時間早く起きて代替バスに乗らなくてはならなかったり......。
県外にいるとこういう小さな、でも大切なものが伝わりにくいのです。テレビが映し出すのは破壊されてしまった家だったり、自然の「ダム」だったり、どうしても人目を引くものが中心です。
それはそれで、伝えなければならない情報なのですが、テレビカメラがアップになればなるほど、画面から大切なものが、ほら、こぼれ落ちていく!!
新潟県内にいるとちょっと事情が違うのです。
新潟のメディア、特に民放や新聞は7月の水害の際の不適切な対応に懲りた(こちらやこちら、こちら、こちらなど)ようで、今回は被災者の視点を重視してニュースや情報を伝えています。
特に、7月の際も適切に対応していたNHKの活躍はたいしたもので、毎日6回ほど、ラジオを使って約1時間の地震情報番組を流し続けているのです。
発生以来、ずっと休まずにです。冒頭でご紹介した24時間番組すら中断して(!!)、きちんと被災者向けの情報を提供しています。
また被災地は山が多い地域で、場所によってはAMのラジオ電波が伝わりにくかったりします。そこでNHK新潟放送局は地震発生後の一定期間、音楽を流しているNHK FMを使ってAMの第一放送を流していました。(現在は臨時のFM局を開局、運用しているのでFM放送は通常の態勢に戻っています。)
西村センセイ、今回のNHKの対応はとても高く評価できると思っています。
最後に気になること。
同じ新潟県内でも、下越の反応がとても鈍いように思えるのですが......。どうでしょう?
■11月8日(月) ちょっと気になる言葉 ──大学の「生徒」──
受講生と話していて、え"っ、と思う言葉があります。
「生徒」と言う言葉です。
会話の中で彼らが、「私たち生徒のことを...」などと、ごく普通に使うのです。
他の大学でも聞いたので、どうやらこれは金沢工業大学だけのことではないようです。
実は「生徒」は中・高等学校で用いる言葉で、大学では「学生」と言います。ちなみに「児童」は幼稚園と小学校で用います。
根拠は「学校教育法」という、教育関係では基本的な法律です。
その中に、例えば大学では「教授は、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」(第58条)というように定められています。法律の隅っこをつっついて、揚げ足取りをしたいのではありません。
大学生が「生徒」という言葉を使う時、どうやら彼ら彼女らは、高校の延長上で大学を捉えているようなのです。
何か絶対に正しく、その豊富な知識を分け与えていただく「先生」に対して、あたかも水を吸うスポンジのように、そのお裾分けをいただく「生徒」。そんな感じです。
どうも最近、大学にいる「生徒」がずいぶん増えているらしい......。
何回かお伝えしている──たとえばこちら──ように、教える(educate)という言葉は、(才能を)引き出す(educare)という言葉に由来します。
「生徒」とこの「引き出す」という言葉の間には、とても深い溝があるように思えるのですが......。今日は難しい議論をしていたのですが、ふと、そんなことを思い出していました。
そうそう、学校教育法は面白い法律で、例えば大学の先生には基本的に教授と助教授、そして助手しかいないのです。(第58条)
通常は助教授と助手の間に位置する「講師」はどうなったのでしょう?実は、講師は法律上、教授および助教授に準ずる存在なのです。助教授の下、というわけではないのですね。
大学関係者の皆様、ご存じでした? 明日から「生徒」って使うの、やめましょうね。
■11月7日(日) 仮設住宅の建築が、柏崎市でも始まりました
今日はお昼まで新潟県柏崎市の自宅にいました。
いつもなら夕方まで自宅にいて、電車でゆっくり金沢へ移動するのですが、信越線長岡─柏崎間がまだ不通で(こちら)特急列車が走っていないので、明るいうちに車で金沢へ行くことにしました。
で、ちょっと用があったので、娘と車で外出。
2週間使われていない信越線の線路はどんどん錆びていきます。
その信越線の踏切を越えて、アレッと思いました。
撤退した大きな工場の跡地で何か工事をしているのです。
何だろうね、と呟くと「仮設住宅だよ」と娘。
もう11歳なので、柏崎市のことはふだんいないセンセイ以上によく知っています。帰り道はほぼ同じ場所を通過するので、車をちょっと停めて撮ったのが右の写真。
学校の教室棟のように、長屋形式の仮設住宅が2棟組み立てられています。
少なくとも外まわりはかなり出来上がっているので、続いて内装や、電気、ガス、水道などの工事に入るのでしょう。
ざっと数えたら、16世帯分くらいはあるようでした。中越地方はホントにしばしば余震に襲われます。
もう揺れに慣れてしまって、震度3くらいだと「あぁ、また来たなぁー」くらいの感覚。
でもこの週末、よぉーく部屋をチェックしたら、総重量100Kg以上もある重たいカラーモニタ(こちらやこちら)が、下の台ごと数センチ移動していた──それ以上の移動は本棚に阻まれた──し、棚の本類は多かれ少なかれみんな前に飛び出しているし、家の外へ出れば、前の道路が陥没していて危険防止のためにカラーコーンが立てられているし......といった具合。
週末に改めて新聞を読んだら、柏崎市でも全壊家屋が14軒あったそうです。隣の刈羽村ではもっと大きな被害が出ています。
それでも復興に向けた動きは着実に始まっています。