2012年12月15日更新(2012年12月23日ページ移動。2016年3月22日写真削除)
■12月15日(土) VMware “Fusion”上のWindows XPにMac OS 9をインストールしました
今朝はちょっとだけ早起きをして、昨日の議論を思い出しながら発表のスライド内容を変更します。新潟大学までの電車の中で作業して、ファイルは完成。
冒頭の部分で学会を手伝ってくれている学生さんに振ったので、かなりびっくりした様子でした。優秀な学生さんだとわかっていたからこそですので、念のため。
さてこれで、当面の神経を使う仕事は全て完了しました。原稿の再校がもうすぐ届くはずだし、事務的な仕事は溜まっており、大学が冬期休業に入っても残業しないといけない。
でもさしあたり、今日はもう仕事は終わり!!(ということにする。)新潟の自宅へ戻り、この勢いで気がかりだったことを片付けることにします。新しいMac(MacBook Proおよび、自宅とアパートのMac mini)への旧Mac OS 9のインストールです。
以前お伝えしたようにセンセイは現在、MacBook Pro(Windows 7)上のWindows XP上に旧Mac OSのエミュレータをインストールしています。
今回の出張でも使用しています。ただしこの旧Mac OSを支えるWindows XPモード、クアッドコアi7のMacBook Proでも重い。重すぎる。 CPUを1個しか割り当てていないからだと思うのですが......。
でもMac OS XでブートしてVMware“Fusion”上で Windows XPを起動すると、動作の軽いこと。
そこでこちらにも旧Mac OSをインストールしてみることにしたのです。市販品のソフトではないので、必要なファイルを集めて気合いを入れて作業する必要があります。
だからこそ今日までインストールできなかったのですが。まず自宅のMac miniにインストールしたのですが、初期設定画面が起動しません。
でも何度かやり直して、ご覧のように無事起動しました。写真は古いMacにオマケでついてきたホームページ管理ソフトを立ち上げたところ。
実はこのサイト、そもそもはこのソフトで制作されたのです。現在はいくつか──Mac/Windows両方!! ──のソフトを切り替えながら使用していますが、「授業のページ」だけはこのソフトで作っています。
表を柔軟に作成できるからです。いくつか気づいたことがあります。まずすでに動作するファイル群を持っている場合は、基本的にはそのフォルダごとコピーするだけでインストールできます。
ただし、その前提となる別なソフトのインストールは必要です。旧Mac OSの体感速度そのものもWindows XPモード上より速いのですが、基盤となるWindows XPについてはFusionの方がはるかに高速。というか実機そのもの、という感じ。
もう一つ。全画面モードに相当するモードがあるのですが、動作が極めて不安定で実用にはなりません。写真のように入れ子で使わざるを得ませんし、ポインタが4ピクセルほどずれたりします。
でも、いいんです。いろいろ制約はあるものの、旧Mac OSをちゃんと使うことができるのですから。
■12月14日(金) 「ふ〜ん、これが今どきの新大生かぁ」 ――センセイは年内最後の出張中――
センセイは現在、新潟市内に滞在しています。新潟大学で開かれている電気学会の大会に参加して、新潟駅前のホテルに戻ったところ。年内最後の出張です。
新潟大学は市街地の西端に位置しており、その近くにホテルは存在しないのです。最近の学会は著作権に厳しく――「過度に」と形容した方が適切――この学会も関係者以外の写真撮影は不可とのこと。だからセンセイは会場内では撮影していません。
でも何人もの人は恥らう様子も見せずにデジカメやiPad mini(!!)でパチパチ。彼らのすべてが「関係者」とは思えません。それこそ、倫理的にはどうなんだろう。
それはともかくセンセイの関心はもっぱら、新大(しんだい)こと新潟大学の学生諸君。「しんだい=新潟大学」は新潟県内だけで通用する「常識」で、全国的には「しんだい」はまず神戸大学を、次いで信州大学を指します。
それほどまでに、新潟は閉鎖的な場所。進学などで県外に出て、初めて思い知らされる現実ですが、公立高校の生徒、保護者、そして何より先生からは、新潟大学への進学はエリートコースへの道と看做されています。
写真は会場である工学部入口付近のピロティ。工学部はセンセイが新潟大学の学生だった約30年くらい前に建設された古い建物です。
それでも新潟大学五十嵐キャンパスのビルの中では新しい方。乏しい予算の中、その古い校舎を一部改造して、学生のためのこのような空間を創り出しています。
関係者の努力には頭が下がります。肝心の学生さんはというと、ご覧のように自分で勉強しています。教師としての最初の印象は、「授業するのは楽だろうなぁー」。
でも、よぉーく見ていると、いろいろ考えさせられます。たぶん大学入学まではいろいろ疑問を感じながらも、親など周囲の期待に応えようと努力したんだと思います。その努力には大いに敬意を表します。
でもね、一昨日の続きじゃないけれど、線が細い。まじめだし、それなりに努力しているのはよぉーく分かるけど、君。結局、何をしたいの?
写真の学生が何年生かは分からないのですが、センセイらが主に担当する3年生だと仮定すると、少なくとも逞しさという点ではずいぶん差をつけられています。
学会の運営を手伝ってくださる学生さん――もしかすると大学院生?――にも共通した印象を受けます。センセイが学部3年生にこだわるのは、その12月、つまりまさに現在、彼ら彼女らの就職活動が解禁となり、現実の社会に(その多くは)初めて直面しているからです。
何らかの理由で、1、2年生の時に差がついてしまったんでしょうね。明日は朝イチにセンセイの発表があります。
露払い、つまり重要視されていないという意味ですが、センセイとしてはできればその際に、この点について考えることができれば、と思っています。
■12月13日(木) 「そんなに重要な施設だとは...」 ──予定通り、ひとまず自宅へ戻りました──
大学での仕事に一区切りをつけて特急電車に乗り、ひとまず無事に新潟の自宅へ戻りました。車窓から見ていると富山県内は予想外に、かなりの大雪。
富山駅付近で積雪は20cmくらいでしょうか。この時期としては「あり得ない!!」という感じ。富山でこの調子だと、あれだけ雪が降っていた新潟は......と心配したのですが、幸いにも下車した柏崎の積雪は数cm。
でも道路は除雪されているのですが、正確に言うとそれは車道だけ。歩道はまったく除雪されていません。センセイは本格的な冬靴ではなく防水加工しただけの靴だったため、車道を歩きます。
ちなみに車道を歩いているのはセンセイだけではありませんでした。変電所火災の件、センセイは金沢でもずっと心配していました。復旧作業が長引き「電力を抑えて運転している」のなら、直江津以東では減速するはず。
しかし幸いなことに、その気配はありません。だから柏崎駅に定刻に到着した西村センセイ、変電所はもう完全に復旧したと思っていたのです。変電所はセンセイの自宅と柏崎駅の間にあります。
周囲はすでに真っ暗。建物は奥と右手にあり、その手前に巨大なトランス(変圧器)や引き込み線、そしてよく分からない設備があります。
しかしその建物には明かりが灯り、作業員の動きがあります。正直なところ、写真は暗過ぎてよく分からないと思います。ゴメンなさい。
現状はおそらく、通常の運行には支障ない程度にまで機能を回復したものの、まだ完全復旧には至らない状態。
そこで関係者が交替しながら24時間不眠不休で作業中ということなんだと思います。事故直後、当方から事情を受けた家人は、「そんなに重要な施設がすぐそばにあったなんて......」。
将来の技術者でもある金沢工大生を含めて、がっかりという感じかもしれません。
正直なところ、これが世の中の平均的な──たぶんそれより上──反応なんだと思います。でもね、常日頃学生諸君に伝えているように、将来の皆さんがこうやってこの現実の社会をシブく支えていくのです。
多少お腹が出ていたって、ちっともモテなくたって、そして今回のように想定外のトラブルに襲われて格好いい場面を見せることができなくたって、それでもいいんです。
センセイらは程なくここから退場する立場で、皆さんこそがこれからの主役なんですから。
■12月12日(水) 明日は無事に自宅へ戻ることができるのだろうか ――自然災害と、対応策としてのIT(3)――
時々質問されることがあります。「あちこち出張できていいですね」。ひとまずは、確かにその通り。
でも質問しているその方は、出張を「旅行」くらいの感覚で捉えていらっしゃるのです。もしかすると大学生諸君もそう理解しているかもしれない。
でもオトナになるとわかりますが、出張は仕事そのもの。出張先で何か働いたり、出先で得た情報を持ち帰って大学で何かをしたり......。まぁ確かに、出張先で美味しいうどんを食べていたりしますから、あまり偉そうなことは言えないのですが。
このところの出張も、大きな仕事の一環。だから大学へ戻っても、とにかく忙しい。天候不順などもあっていろいろなことが間に合わなくなっています。そこで今日はお日様と競争しながらご出勤。先月末締切の初校を気合を入れて読み直し、出版社へ返送。
休む間もなく、今日の二つの講義の準備に取りかかったのですが、ここでアクシデント発生。講義に必要なビデオ教材の準備ができていないことが判明したのです。
教材はセンセイが制作するのではなく、学内の他の部局の担当。こちらの不義理にもかかわらず、先方がとても良く対応してくださったので、無事に講義に間に合いました。
関係者の皆様、深謝、深謝。これで差し迫った仕事は、今週末の学会発表の準備と、別な学会の事務作業だけ。
こちらは明日作業することにします。問題は、明日、自宅に戻ることができるかどうか。
正式な出張は金曜日からなのですが、金沢からだと、まだ路線バスも走っていない時間に金沢駅へ行く必要があります。
そこで勤務を終えてからひとまず自宅へ戻ろうと思っているのですが......。たとえば10日(月)に発生した変電所の火災の影響で、JR東日本信越本線は昨日の時点で「電力を抑えて運転している」状況。
火災は深刻なものだったようでです。R東日本のホームページでは伝えていませんが。こういう時こそ、先日ご紹介したJR東日本新潟支社の「在来線列車運行情報提供システム」の出番。
写真は混乱がピークに達してた時の実際の画面です。(以下、(c)JR東日本)画面中央上部に新潟駅があり、支社管内の運転状況が図示されています。色枠で囲まれた各路線が正常に運行されていれば枠内は白色のはず。
しかしこの日は遅延を示す黄色から、運休列車がある赤色、そして信越本線など運転見合わせを示す濃紺色まで。現場では大混乱に陥っているのですが、全体の状況を把握する分には、確かにわかりやすい。
2枚目の写真は、その信越本線(左側。直江津付近の下り列車)と越後線の各列車の運行状況を示したもの。
赤い帯は運休区間です。例えば右側にポツンと孤立した赤色がありますが、この場所は大河津分水にあたります。
何もない平野の上を、しかも大河津分水の上を越後線が走っている場所で、強風に晒される場所なので運転を見合わせているのです。
左の写真はちょっとわかりにくいと思います。赤色の凸部分は、北陸本線からの特急列車が部分的に信越本線に乗り込んでいる場所(直江津−犀潟間)。
要するに、金沢からの特急「はくたか」が全面運休している、ということなのです。でも良いことばかりではありません。例えばこの画面、左右にスクロールできない!!
発車時刻が迫った列車の運行の有無はわかりますが、例えばセンセイのように、「○時の列車は運休だから、2時間後の列車に.....」という人には、必要な情報が提供されません。
列車は原則として折り返し運転なので、ある列車が運休すると自動的に別な列車も運休せざるを得ないのです。でもこの画面ではそれがわからない......。
正直なところ、鉄道に詳しくない業者が、「JR様の言われた通りに作りました」という感じ。先週後半からの出張で、地震到達後に鳴り響く警報や、(センセイの理解不足により)肝心な時に役立たないインターネット端末、そして中途半端な雪害対策システムを経験しました。
当事者として経験することができたという意味では、意義があったと思います。でも要するに、イザというその時にこそ何も考えなくても、あるいは多少操作を間違っていたとしても、「何とかなる」仕組みが大切なんだと思います。
その観点からすると、日本の各種システムは、線が細い......。アップル製品の、直感的に「どうすればいいか」を理解できる仕組みから学ぶことは多いと思います。
ま、アップルユーザーながら「どうしたらいいんだろう...」状態に陥ったセンセイの意見ですから、主張に迫力がないことは重々承知しておりますが。
■12月11日(火) 美味しいうどんは、もちろん讃岐だけではありません ──仙台駅前「そばの神田
名掛丁店」──
11月16日(金)の朝、センセイは東北大学で開かれる研究会へ参加するために新潟の自宅を出発しました。上越・東北新幹線を乗り継いで、仙台駅(写真左奥)には約4時間後に到着。
少し時間があったので、駅前のホテルに荷物を預けることにしました。ご存じの方も多いと思いますが、仙台駅東口は歩道橋で結ばれています。その歩道橋の階段を降りようとすると、どこからかとても香ばしい匂いが......醤油と天麩羅の香り。
蕎麦屋さんです。看板には「そばの神田 名掛丁店」とあります。立ち食い蕎麦のお店。狭い店内にはたくさんのお客さん。
最初は「お昼時だから混んでいるのだろう」と思って、惹かれながらも通り過ぎたのです。
でもすぐ近くにある、良く似た立ち食いそばのお店はガラガラ。抗しがたい匂いにお店に戻り、うどんを頂くことにしました。
「そばの神田」なのですから、本当はお蕎麦を頂くべきなのでしょうが、センセイはちょっと苦手。
これはもう、嗜好の問題ですが。お店の外にある2カ所の券売機で食券を購入します。
センセイは「かけうどん」のボタンを押そうするのですが、センセイの右手は勝手に「かき揚げ天麩羅」へ。
やはり、匂いのなせる技でしょうか。生麺を茹でるので少し待たされます。出てきた小えびかき揚げ天麩羅うどんの美味しいこと。目立つポイントはないのですが、毎日でも食べられそうな安定感があります。
ただし、例えば都内の同種のお店のような、薄っぺらい感じはありません。お世辞抜きで、かなり良い素材を使い、それなりに丁寧に作っていると思います。
調べてみると仙台ではよく知られたお店のようです。金沢だったらチャンカレかゴーゴーカレーみたいなもののようで、ごく普通に利用して「やっぱり美味しいね。ムフッ」という感じ。
写真は再訪した仙台で、12月8日(土)の朝、6時半頃に撮影したもの。看板には平日の営業は7時から深夜1時と書かれているのですが、どういうわけか11月17日(土)の朝を含めて、もっと早くから営業していました。
そのおかげ(?)で、センセイは11月16日のお昼と翌朝、そして12月7日のお昼と翌朝の計4回、美味しいうどんを頂くことができたのです。チャンカレ同様、ちょっと癖になってしまうかもしれません。
■12月10日(月) 西村センセイ、4時間半遅れで金沢へ移動する ──JR東日本の変電所でトラブル発生!!
──
昨日まで出張だったのと、たまたま今日は大学の都合で講義がないため、センセイは休暇を頂戴しました。
といっても、明日は講義があるので、お昼前に自宅を発って、電車で移動するつもり。朝食を済ませて8時半過ぎに2階の書斎で仕事をしていると、遠くからサイレンの音が聞こえてきました。
それも複数。火事かなぁーと思っていると、その数がどんどん増えてくるし、何よりわが家に近づいてくるではありませんか!!
結局、何台かの消防自動車が自宅脇を通過して、ちょっと行った場所でサイレンを止めました。状況を確かめてみようかとも思ったのですが、何やら収まった気配だったので、外へ出ることはしませんでした。
やがて家人から、「消防車はJRの建物に集まっているけど、火は出ていないし、水もかけていない」との情報が。......マズい。見かけに反して、深刻な事態が予想されます。
「JRの建物」というのは自宅のすぐ近くにある変電所のこと。程度はともかく、そこで火災が起きたに違いないのです。
電気火災に水をかけるなんて、あり得ません。現場は写真の左側から中央の奥です。左端には東北電力からの引き込み線や、トランスの一部が見えます。
中央の、シャッターのある建物は自動車整備会社なのですが、その奥に変電所の建物があります。「ジリリリ...」という建物からの警報音が周囲に鳴り響く中で、JR社員が何やら作業をしています。
ご覧のように付近の道路は警察が封鎖して通行することはできません。写真ではよくわかりませんが、パトカーの奥にJR信越本線の田中踏切があります。
もちろん、そちらもパトカーが封鎖。この田中踏切では、8時37分の火災発生以後ずっと赤ランプが点滅し、列車の接近を告げる警報が鳴っています。変電所のすぐそばで、この踏切を通過するはずだった貨物列車が動けなくなっているのです。
写真は午後、センセイが柏崎駅へ徒歩で向かう際に撮影したもの。この時は復旧目前だったので、電力も供給されていましたが、午前中はパンタグラフを降ろしたままでした。
警備の警官に状況と見通しを尋ねると、施設内で回線がショートしてしまったそうです。
この電気機関車がトラブルの原因に関係するかどうかは不明とのことでした。JR東日本としては、昨日の上越新幹線に続く電力関係のトラブル、というわけです。
これまでの例から2、3時間で復旧するかなぁーと予想したのですが、結果的には6時間ほどかかりました。
この間、電車、貨物列車を含めた全列車の身動きがとれなくなりました。発生した時間を考えると、一部の電車は山間部で動けなくなったはず。
それでも新潟発金沢行の特急が新潟駅を出発した──つまり、多少の遅れがあっても運転を再開するということ──との情報を得たので、柏崎駅へ歩きました。
途中、JRの職員がいたので、運転再開の見通しを尋ねると、下りは動き出したものの、この貨物を先頭とする上り列車はまだとのこと。職員の次の説明が意外なもので、「まだ電力が足りない」というのです。ふ〜ん、そういうものなんだぁ。
柏崎駅で1時間半ほど待っている間に、写真の列車を先頭にして、数本の貨物列車がゆっくりと上り線を走っていきました。下り線の最初の列車は、何と、「団体」表示の夜行列車。
優雅な寝台列車を楽しんだ翌朝、直江津駅(正確には犀潟駅)−柏崎駅間で動けなくなったんだと思います。予想外の出現だったので電源車を確認できなかったのですが、もし繋いでいなかったら、日本海から吹き付ける北風の中、暖房なしで数時間耐えていたことになります。
この区間は、日本海の海岸沿いを走るのです。大変だっただろうなぁー。やがて1時間遅れで特急「北越」到着。多くの乗客は新幹線など代替路線に乗り換えているので、下車したのは数人。そして乗り込んだのはセンセイと老女の二人だけ。
もちろん車内はガラガラ。出発したのはいいのですが、まさにその海岸沿いを走るため、昨日よりもさらにゆっくりと徐行運転。結局、1時間35分遅れて金沢へ到着しました。
さて、明日は講義に加えて絶対片づけなくてはならない仕事もあるので、頭を切り換えなくては。
■12月9日(日) 本格的な雪と強風の中、やっとで帰宅しました ――自然災害と、対応策としてのIT(2)――
地震に遭遇した7日、21時前後の新幹線運行再開と、翌日、同席した関係者(学会のY会長)が利用する仙台空港の滑走路点検開始を確認してから、ホームページを更新し始めました。
仙台空港は海岸部にあるため、津波警報が出ている限り、滑走路の点検ができないのです。現地の人々の思いが手に取るようにわかるので、なかなか筆が進みません。もちろん実際はキーボードですが。それでも何とか日付が変わる前に書き上げてファイルをアップロードしようとすると......できない。
インターネットはホテルのLANを使用。メールのやり取りは問題ありません。でも悪用を防止するためにホテルでは、外部サーバへのFTP接続を禁止していることが多いのです。仙台で宿泊したホテルもそうでした。
そこであらかじめiPhone 5を接続していたのですが、さっきまでテザリングをしていたのに、肝心な時にインターネットへの接続が切れています。
設定し直そうとしても、設定画面がない!!何度か再起動したのですが、ついに繋がりませんでした。ページを更新できずに翌朝早く、東北新幹線と東海道新幹線を乗り継いで京都駅到着。
au(KDDI)のお店で点検してもらおうかと思ったのですが、仕事が先。とにかく会場の同志社大学へ。ところが北陸地方は大荒れの天気で北陸本線手取川鉄橋での風が制限値を越えたため、北陸本線は不通。金沢から駆けつけるはずのスタッフは参加を諦めました。
3時間半の有益で建設的な議論を終えた後は、京都駅前の飲み屋で0時過ぎまで打ち合わせ。でもその、前に京都駅ビルのビックカメラへ行き、auのコーナーでiPhone 5を点検していただきました。係員も最初はどうしたらいいのかわからない様子。
でも「設定」の最初の画面ではなく、別な画面をたどると「インターネット共有」設定が出現。どうやらこれが本来の設定画面で、最初のページはそのショートカット(Macのエイリアス)的存在らしい。使用頻度が低い──確かに頻繁に操作するものではない──と消えてしまう「仕様」のようです。
いざ、という時にこそ使えなければ意味がない......とは思うのですが、どうやら今回はセンセイの確認不足らしい。さて今朝早く、アルコールが抜け切れていない状態で、ホテルの窓から撮影したのが、写真。
並んでいるのは観光バスの大群とたくさんのタクシー。京都駅の南側(八丁口)です。京都の「顔」とも言える北側とは雰囲気がずいぶん違います。
とても寒いのですが、無風。駅ビルから水蒸気が垂直に昇っています。日曜の朝早く──といっても8時過ぎ──なので、駅構内は閑散としています。昨日の混雑が嘘のよう。
富山行の特急「サンダーバード」の乗車率は半分以下。西村センセイ、昨日、一昨日といろいろあったし、かなり良く働いたため疲れていたようで、つい、うとうと。
気がつくともう敦賀付近。意外にも外は雪で真っ白。しかもかなり積もっています。例の手取川付近では時々風速が規制値を越えているそうで、普通列車には運休も出ています。
途中で徐行したため、少し遅れて金沢到着。ところで、センセイが京都で乗車した時に網棚に荷物を置こうとしたら一杯でした。後ろの席の5、6人がたくさんの荷物を持ち込んでいるようのです。
ラフな格好なので和倉温泉へ忘年会に行く団体客かなぁと思ってると、意外にも礼儀正しく、羽目を外すようなことはない。徐々に分かってきたのですが、大阪から金沢、能登方面へテレビ番組の取材へ向かう女性キャスター──正直なところ聡明、という感じではなかった──とスタッフだったようです。
金沢に近づくと、風は強いものの、雪は見えなくなりました。「雪があった方がいいんですけどねぇー」と、女性キャスター。確かに「が」を2回繰り返しました。
わからないじゃないけれど、でもそれって、雪国で暮らす人を考えていないことの証左。それはともかく、サンダーバードは無事に金沢へ到着。センセイはそのままホームの反対側に入線してた新潟行の特急に乗り換えます。
乗客はまばら、というか、先頭車両はセンセイ一人。サンダーバードの発車と信号確認を終えて、すぐに北越も出発。幸いにも、ここまでは概ね予定通り。
北陸本線そのものが雪と強風で混乱しています。iPhone 5で確認すると、続くサンダーバードは強風と東海道線内の人身事故で運休。実は、今日も紙一重だったのです。
僥倖(ぎょうこう)というしかありません。この季節は、東海道・上越新幹線経由という選択肢もあるのです。所要時間はほぼ同じで、通常はこちらが確実。でも今日はご存じのように、上越新幹線で大幅な運休が発生。
もしこちらに乗っていたら、東京駅で大勢の旅行客とともに身動き取れなくなっていたはずです。でも最初は順調に走っていた特急北越も、富山、新潟と進むに連れて、遅れ幅が拡大。
最後の最後、JR信越本線柿崎ー柏崎間は海岸沿いを走るため、30km/h程の徐行運転。おかげで荒海の向こうの柏崎市市街地(写真中央)を堪能することができましたが。
予想外に早く、本格的な冬の始まりです。駅を降りると積雪は15cmほど。荒天に備えて防水仕様の靴を履いて出発したのですが、濡れた靴を乾かす手間などを考えて、タクシーで自宅へ向かいます。
今回の地震、結果的には大したことはなかったのですが、いざという時の被災地では、例えばタクシー利用という選択肢すら残されておらず、限られた人員と資材で対応する──要するに「何とかする」──必要があります。
そして、その才覚が問われる場面です。「雪があった方がいいんですけどねぇー」というキャスターと、それを諫(いさ)めないどころか、実は何も感じていない監督以下のスタッフが制作する番組って、どういうものなんだろう。