2012年11月24日更新(2012年12月2日ページ移動。2016年3月22日写真削除)
■11月24日(土) 「老兵は消え去るのみ、ですねぇ」「えぇ」 ──キーボード受難(2)──
松江での学会を終えて、夜、金沢へ戻りました。
午前中のセッションは若手の先生3人と中堅の名司会によるとても興味深いもの。聴き惚れていたら、途中で学会長が隣の席へ。お互いに軽く会釈。
休憩時間にいろいろお話をさせて頂きました。センセイが「○○大学の△△先生など、若手の先生が伸びていますねー」と振ると、学会長ももちろん同意。
「こうなるともう、僕なんかも含めて、前の世代は『老兵は消え去るのみ』という感じですよねぇー」。「......えぇ」。
ちょっと間があってから、見るからに慌てた表情で「先生はまだお若いから...」とのお言葉。
でも客観的には、前半の方が実態により近いんでしょうねぇ。さてセンセイのことですから当然、今回もMacBook Pro以下の機材を持ち込んだのですが、移動時にBluetoothキーボードを使おうとしたら、何だか、変。
ガタついてうまく打てない。変だなぁーと思ってよぉーく見ると、写真のようにまず、少なくとも外側の框体が一部欠損しています。
ただしそれはおそらく、原因ではなく結果。プラスチック製の框体で必要な強度を保っているとは考えにくい。
まず内部のヒンジ(関節)部分が壊れて、例えば部品が本来の位置からずれて異常な力がここに加わった結果、壊れたと見るべきでしょう。
メモを取る時しか使わないので、そんなに酷使したとは思えないんだけど。販売しているのは新潟県の山間部にある小さな会社なのですが、こういうのって、修理してもらえるのかなぁ。
■11月23日(金:祝日) 世の中、三連休だったのね ――センセイは松江市内で学会に参加しています――
疲れすぎていて眠りが浅かったらしく、早朝に目が覚めました。松江駅前のホテルの窓から外を見ると、どうやら雨は降っていないようです。やれやれ。
駅から学会の会場までは中途半端な距離なので、歩こうと思っているのです。かなり経ってから朝食のためにロビーへ降りると、何だかちょっと様子が変。
いかにも「これから仕事だぞー」という感じのスーツ姿や作業服姿は少なくて、数人での旅行客が目立ちます。昨日チェックインした時から気づいていました。
もちろん松江は風光明媚な場所でセンセイも気に入っていますが、それにしても何故なんだろう。予定通り徒歩で出発。会場は県のコンベンション施設「くにびきメッセ」(写真はその入口)。最近は、今回のように学会の写真撮影を許可されないことがあるのです。
くにびきメッセは多用途で使われているらしく、この日は大きな会場で「松江市職員祭」なるものが開かれていました。
それで小さい子が多かったのね。それにしても何故平日に開くんだろう......。
その謎は、学会開催の挨拶で解けました。もちろんもっと早くに気づくべきだったのです。
世の中は、今日から3連休だったんですね。もう一つ、挨拶で知ったことがあります。今は旧暦の10月、つまり神無月ですが、出雲地方にとっては全国から神様が集まる「神在月」。
よく知られていることですし、市内あちこちにも書かれています。その集まった神様たちは、まさに明日から出雲大社で会議「神議(かみはかり)」を開くんだそうです。
そしてそのために今晩、神様の歓迎行事「神迎神事・神迎祭」が催されるとのこと。さすがにこれは知りませんでした。これを書いているのは22時(夜10時)ですから、神々はすでに上陸済。
歓迎の美酒がずいぶん回ってきたあたり、でしょうか。
■11月22日(木) この線路の向こうに広島県があって... ――西村センセイ、島根県に出現――
センセイは現在、島根県松江市に滞在しています。明日から開かれる学会に参加するためです。
でも正直に白状すると、無事に何とかたどり着いたものの、ここまでがホントに大変だったのです。交通のトラブルとかそういうことではありません。
昨晩締め切りの論文――予稿ではなくフルペーパー!! ――に難渋していたのです。大学の先生などいわゆる「研究者」は研究成果を論文として発表します。それがなければ少なくとも研究者としては「仕事をしていない」ことになります。
たまたまご縁があって、ある学会に論文を投稿することにしたのですが、それが昨日の23時59分59秒締め切り。多くの学会では論文を学会の編集担当者に電子メールの添付ファイルや郵送などで期日までに届けます。でもこの学会は、書き上げた完全原稿を学会のWebサイトにアップロードすることを求めているのです。
昨晩遅くに何度目かの推敲(すいこう)を終えて、やっと論文投稿を完了。時刻は23時52分。誰もいない大学を後にして、コンビニでお弁当を買ってシャワーを浴びて数時間仮眠しました。歳を取ると無理がきかなくなるのです。
やや寝ぼけた頭のまま北陸本線の特急と新幹線、そして伯備線の特急「やくも」を乗り継ぎ、松江に到着しました。
昨年1月に松江を訪問しているので、約2年ぶりの島根県東部。現在の伯備線は、中国地方の瀬戸内海側とと日本海側を結ぶ重要な路線となっています。
かつては少々事情が異なっていたのですが。センセイは「サンライズ出雲」を含めて、何度もこの路線に乗車しています。そのたびに悔しい思いをしたのが写真の場所。
伯備線備中神代(びっちゅうこうじろ)駅付近から西方を見たもの。鉄橋を渡る鉄道は写真右から左へカーブし、左奥の谷を目指します。岡山県と広島県を結ぶ芸備線です。
備中神代駅は芸備線の始発駅なのです。時間があり余っているのならともかく、近くに立ち寄ったついでの鉄道旅行なので、どうしても芸備線のこの区間に乗ることができませんでした。この谷の向こうには広島県東部が広がっているのです。
以前お伝えしたように、センセイはこの夏、休暇を頂戴してこの区間に初めて乗車しました。単に「乗った」というだけでなく、この区間の芸備線と、乗り換えた三江線の旅はとても意義深いもので、本当にいろいろ考えさせられました。
その理由をずっと考えていたのですが、センセイとしては、センセイ自身がある種の節目に立ち会っているからなんじゃないかと睨んでいます。
唐突に思われるかもしれませんが。積み残したいろいろな想いには気づかないふりをして、特急「やくも」は険しい岡山・鳥取県境を進みます。
伯備線はいったん鳥取県に入り、米子で山陰本線と合流。「やくも」はその後、島根県の出雲市を目指すのです。鳥取県に入ったばかりの山間(やまあい)を走っていると、冠雪した神々しい山頂が視界に飛び込んできます。
大山(だいせん)です。写真はかなり離れた米子市付近から撮影した――伯備線は大山の近くを通っているのですが、撮影は至難――もの。 大山の雪の白さと紅葉の色が相俟(あいま)って、車窓がそのまま一幅の絵になっています。
でも平野部(写真)に降りると、印象がかなり違います。地元の方にしてみたら「いよいよ大山が白くなったなぁ。こっちも冬の準備を...」というような感覚なんじゃないかと思います。センセイだって新潟や金沢では地元民ですからそれは理解しているつもりです。
しかし重要なのは、旅行者(異邦人)にしか気づくことができないものがあるんじゃないか、ということです。どうでしょう。
■11月21日(水) 長い間空き店舗になっていたココイチ跡で新たな動きが。再出発か?!
今日は見たままのお話を手短に。北陸地方はこのところ、ひどい天気が続いているのですが、今日は晴れ間ものぞきました。
せっかくなので、と思ってお弁当屋へ向かう途中、今月初めに開店したばかりのカラオケ店(写真右)の手前(写真中央)で妙な動きがあることに気づきました。
ここはセンセイが金沢工大に移籍した時は空き店舗。その後、カレーの全国チェーン、ココイチが新規出店したものの、しっかりと地元に根付いたチャンカレやターバンカレーとの競争にあえなく敗れて、僅か1年で閉店、撤退したという場所です。
そこに工事の車が入り、照明をつけて何やら作業中。どうやら何かのお店として再出発するようなのですが、白状するとこの建物、間口はとても狭い。
しかも2階が手前に飛び出しているので、1階の店内はとても暗いのです。ココイチ時代に1回だけ入ったことがありますが、正直なところ「もう......」という感じでした。
もちろん照明で明るくすれば雰囲気も変わるのかもしれませんが。ちなみに、先日ご紹介した大学近くの店舗は仮設の工事用パイプを組んだまま、内装工事を中断しています。
相変わらず「貸店舗」の看板が出ているので、もしかするとすぐ何かのお店になるわけではないかもしれません。
世の中、謎ばかりだ。もっとも、一番わからないのは、人の心の中なんだけど。
■11月20日(火) JR東日本新潟支社がこの冬、「在来線列車運行情報提供システム」を試行運用します
出張や季節の話題が続いたため、ちょっとご紹介が遅れていたお話を。Web上でニュースを読んでいたら「新潟JR東日本新潟支社」の文字が目に入りました。
珍しいことに本社ではなく支社が発信(14日付)する情報です。それによると同支社は、支社のホームページ上でこの冬、「JR新潟支社在来線列車運行情報提供システム」を試行運用するとのこと。少々解説が必要でしょう。
他の鉄道会社同様、JR各社も運行状況(たとえばJR東日本/西日本)をホームページ上で公開しています。一見するとあまり違いはないのですが、冬期になると運休などの情報の精度で大きな差が出ます。
JR西日本は列車一本一本の運休を告知する──時々漏れがある──のに対して、東日本は大ざっぱな情報しか伝えないのです。しかも更新が遅い。普通ならそれでもかまわないのですが、冬場は死活問題(たとえばこちら)です。
駅に問い合わせると、駅が把握する情報を伝えてくださるのですが、現在、JR東日本各駅の電話番号は公開されていません。
センセイ個人は柏崎駅の番号を知っていますが、通常は大雪の中を、駅へ行ってみるしかない。豪雪のため昨シーズンは特に運転の遅延や運休が多発したので、JRにはたくさんの苦情が寄せられました。
そこで新潟支社はホームページ上で各列車の運転見込みまで伝えるシステムを開発し、冬季間試行運用することにしたのです。
写真はそのイメージの一部。新潟地域の運行状況全般を図示しています。((c)JR東日本)もちろん実際には、どの程度の正確さなのか、どれくらいの頻度で行進されるのかなど、やってみないとわからない部分がたくさんあります。
でもお客さんの切実な要望に正面から応えようという支社の姿勢は、高く評価すべきだと思います。西村センセイ、この冬はきっとお世話になると思います。はい。
■11月19日(月) 珍しく晴れ上がった今朝、キャンパスで「雪吊り」作業が行われました
今日の金沢は、多少の雲は残ったものの久しぶりの晴天に恵まれました。だから見たままのお話を手短に。
お昼にお弁当を買い求めるために校舎を出ると、造園業者のトラックが止まっていることに気づきました。
建物の角を曲がり、本館の正面に出ると、ご覧のように雪吊りの作業中。真ん中に支柱を立てて、そこから和傘の骨のように縄を垂らして枝を固定し、雪の重さから木々を守ります。
右端の若い男性はお手伝いのようで、ちょっと動きがイマイチでしたが、他の二人は手慣れたもの。
てきぱきと作業を進めていきます。今日の好天は学生諸君も印象的だったようで、講義の感想の中でも言及されています。
でも夕方には寒冷前線が通過したため、一時的にかなり強い雨が降り、また前線通過後は北風が吹き込んできてとても寒くなりました。当地はもうすぐ冬本番です。
というわけでセンセイは大学へ。ただし今日は日曜日なので「出勤」したのではなく、センセイが研究室を使わせていただいている、という立場です。
ま、そういうオトナの事情はともかく、今日はたまたま金沢工業大学の秋のオープンキャンパスが実施されました。残念ながら夜の時点で大学のホームページからは情報が削除されていますが。
西村センセイ、オープンキャンパスに直接には関係していないし、いつも週末や休日に実施されているので、ちゃんと見るのは今回が初めてです。
かつてのオープンキャンパスは行事がきっちりと決まっていて、参加者はそのたびごとに移動を強いられたのですが、最近のものはずいぶん様子が違います。もちろんイベントはあるのですが、参加者は三々五々集まってきて、都合の良いプログラムに参加し、自分であちこちのぞいてみる、という感じ。
全体としては本当にくつろいだ感じ。写真はお昼に学内の食堂で撮影したものですが、お気に入りの昼食を提供──もちろん無料──してもらって、食事をしながら家族であれこれ話し合ったり、資料を確認したりという感じでした。
実は参加者と同じお昼にしようかと思ったのですが、今日は無料参加者ばかりなので、レジが開いておらず、会計ができません。
係の人に尋ねてみるとお手伝いの人は無料で食べられるようなのですが、前述したようにセンセイは出勤しているわけではありません。
そこで結局いつものほっかほっか亭となりました。今日は天気があまり良くなかったのですが、それとは対照的に、参加者の表情には未来が感じられます。
来年の春が楽しみです。