2018年1月6日更新(2018年1月14日ページ移動2019年12月29日写真削除)
■1月6日(土) 人間、見ているようで、実は視ていないものだ... ──JR柏崎駅改装工事で気づかなかったこと──
今日は仕事始め。
といっても金沢工大の場合、午前中に1年間の施政方針演説を含めた式典が行われるだけ。しかも事務方は午後から新年会があるので、ほぼ全員が不在となります。金沢工大を支えているのは教員というよりむしろ、職員。
「トップ・シークレット」ですけど。実務的な仕事はできないので、大学に教職員がいないこの機会に、1年間(+翌年3月)までの基本的な行事を確認。今年は割と大きな私事が入ると予想されます。
その前提となる日程をはっきりさせておきたいと考えたのです。作業終了後は、このサイトのメンテナンス。年に2回ほど大きな更新をしないと、サイトの容量が足りなくなってしまうのです。
今日の写真は昨日、都内へ戻る娘を柏崎駅まで送った際に撮影したもの。突然、柏崎駅の外壁の一部(写真中央)が以前と大きく異なっていることに気づきました。ここは単純な壁だったのです。
まず目に飛び込んだのがペットボトルの自動販売機。お気づきだと思いますが、その前面が壁面と揃えられています。写真右側のトイレその他の様子からすると、5年前の改装工事完了後からこうだったはず。
でもセンセイ、毎日偉そうなことを言っていながら、まったく見落としていました。『星の王子さま』の一節他が頭の中に浮かびます。今週3度目の「反省」。
う〜ん西村センセイ、こんな調子で大丈夫かなぁ...。
■1月5日(金) 自然、技術、そして人間 ──妙高山や火打山などの名山を愛でながら、金沢へ移動しました──
というわけで西村センセイ、明日からの業務再開に備えて今日の日中に金沢へ移動しました。
いつもなら朝のうちに自宅を発つのですが、今日は都内で働く娘が東京へ戻るので、お昼前に彼女を柏崎駅へ送り届けてから出発。天気は多少雪が舞うことはあっても、基本的には曇り。
場所によっては時々青空を見ることもできました。病み上がりの運転手とは対照的に、2週間ほど長距離走行しておらず欲求不満だった(?)BMW 320i M Sportは、本領発揮。(ホントに)
4気筒エンジンって、こんなにパワフルだったっけ?約2週間前の移動時に似て今日は曇り。そのおかげで、上越地域を三方から囲む山々を一望することができました。
写真は、JR犀潟(さいがた)駅付近の国道8号線高架橋上で撮影したもの。富山市から見る北アルプスほどではありませんが、ここがかつて上杉謙信がこの地を支配した一国であることを実感できます。
正直なところ上越地域の人々にとって、人工的な「新潟県」という概念は、あまり強くないんじゃないだろうか。左奥──かなり遠い──は妙高山、右手は火打山。いずれも名山で、現場で臨むと本当にドキッとします。
ただし晴れている日でも、上越市内からその姿を見るのはなかなか難しい。遠い妙高山は特にそうです。自宅のある柏崎市や写真の上越市は雪が少なかったのですが、糸魚川付近から富山県東部はかなりの積雪。場所によっては15cmほど残っていました。一時は相当積もったはず。
しかし富山市内に入るとそれが一転して、無雪に。この状態が石川県境付近まで続いたのですが、徐々に雪が深くなってきただけでなく、気温が急低下。新潟よりずっと寒い。金沢市街地に入ると雪も寒さも少し和らぎました。例によって5時間以上かけて金沢に到着。
今日のトータルでの燃費は20.7km/L。運転後半になってやっと、ドライバーの勘も戻ってきました。
何だか変な話ですが、自然(natura/fusis)と技術(ars/tecnh)からエネルギーを分けてもらったので、それに応えて、人間の方も明日から元気に業務に臨むことにします。
※本文中のラテン語およびギリシア語については一部フォント代替。また環境によって正常に表示されないこともあります。悪しからずご了承ください。
■1月4日(木) 西村センセイ、もう少しでクレジットカードの全情報を盗まれそうになる
目覚めると寝汗をかいていました。
体温を測るとまだ37℃あったので、今日も午前中は休息。おかげで体調面の問題は午後にはほぼ解消しました。今日はまだ自宅に留まっており、明日、金沢へ移動します。
写真は先月末に撮影したもの。昨年半ばから時々、「あなたのApple IDのセキュリティ質問を再設定してください」というメールが届くようになりました。
本文には「お客様のApple IDが、ウェブブラウザからiCloudのサインインに使用されました」とのこと。センセイを含めて現行のAppleユーザーは、Apple IDを使用することが求められています。今回はセンセイのID(およびパスワード)で静岡からログイン。
場所はもちろん、ブラウザもセンセイのものではありません。ずっと無視していたのですが、先月28日にこのメールが連続して届きました。それにしてもiCloudの設定、どうしていたんだっけ......。
AppleのiCloudはクラウド・ストレージ・サービス。それはそれで便利なのでしょうが、センセイには不要なのですべて解除したはず。しかし、もし本当にログインされたのだとしたら、やはり気になります。何か消し忘れた情報が残っているかもしれません。
写真下部のリンク先をクリックすると確認の画面が開きました。まずApple IDとパスワードを入力。う〜ん、パスワードはともかく、IDは自動入力じゃないのね。次いでクレジットカード情報の確認。
わからないではないが......何か変。作業を中止し、画面を再確認します。一見しただけではAppleの正規画面のようですが、やはりおかしい。
決定的だったのが、クレジットカード最後の砦である「セキュリティ・コード」の入力を求めていること。つまりカードの全情報を求めています。
あり得ない!!改めて最初のメールを読み直すと、まず、宛先はセンセイの私用アドレスではなく大学の、しかもセンセイが所属する研究所のもの。
酔っぱらっていたので、見落としていました。さらに確認すると、転送先のアドレスは<・・・protection-icloudi.com・・・>。“i”が余計です。つまり偽物のサイト!!
ただし罠はこれだけではありません。カード情報を入力せずに次に進むと、誘導されたのは2枚目の写真。おそらくこれはAppleの正規画面。
情報を盗まれても、すぐには気づかれないように偽装されているのです。今回はカード情報をまったく入力していませんが、Apple IDとパスワードは盗まれた可能性があります。
そこで直ちにパスワードを変更。直後に私用アドレス宛に3枚目の写真のメールが届きました。もちろん正規のもの。というわけで今回実害はなかったのですが、う〜ん、これってネット版「オレオレ詐欺」。
他人事だと考えていたセンセイもどうやら、引っかかりやすい年齢層に入ったようです。
(二晩続けて)冗談抜きで、反省しなければ。
■1月3日(水) 西村センセイ、いわゆる「お腹の風邪」で寝込む
※以下、人体あるいは疾病に関する記述が続きます。不快感を与える可能性がありますので、そのような懸念を持たれる方は読まないようにお願いいたします。
「落ち着いたお正月」と述べたのは必ずしも正確ではなかったかもしれません。
最初の違和感を感じたのは昨日の朝。目覚めるとどうも肩口が寒い。高血圧対策でキンエン生活を始めてから気づいたことが一つあって、どうも身体が冷えやすい。
明確な因果関係があるのかどうかはわかりませんが。日中の家族サービスを終えて自宅に戻り、一休みしてから夕方お風呂に入ったのですが......変。いつもと同じ温度設定なのに、お湯を冷たく感じます。
思い出したくない記憶が頭をよぎります。2年半前、病原性大腸菌の類が傷口かどこかから進入し、センセイは溶血性貧血で1週間ほど入院していました。体温が異常に上昇していた──たぶん40℃前後──ため、熱いお風呂を水のように感じたのです。
さすがにその時ほどではなかったのですが、不具合が起きていることは確か。最悪の場合は再び溶血性貧血かインフルエンザ(予防接種済)。しばらくすると悪寒(おかん)を覚えるようになりました。暖房が効いた書斎、パジャマの上に厚いカーディガンを羽織ったのですが、それでも寒い。
でもこの頃までは「ビールを飲めば何とか...」と甘い希望的観測もあったのです。しかしそのビールの味もわからなくなってきました。諦めて就寝。
でもどんどん寒気が増してきて、身体が冷えている──実際は発熱している──ように感じられます。困ったことに吐き気もしてきました。
トイレに駆け込み、2回大量に嘔吐(おうと)。8時間前の夕食で食べたものがそのまま排出されます。溶血性貧血の時もそうだったのですが、胃が数時間まったく機能していなかったのです。(信じてもらえないかも)
ウィルスなどによる急性胃腸炎と思われます。ただし現在は深夜かつお正月。緊急搬送を除けば、夜明け以降の対処になります。検温してみると37℃台後半。
嘔吐をしてからは状態がやや落ち着きました。インフルエンザの発熱ではないようです。そのまま布団の中で汗をかきながら寝続けます。朝食はパスして、お昼にお粥を頂きます。再び布団に戻り、夕方に体温を測るとご覧のように37.0℃。その後はほぼ平熱に戻りました。
体調はイマイチですが。というわけで、特に歳を取ると体調管理が第一、ということを思い知らされたのでした。
反省。
■1月2日(火) 不安定な天気を除けば、当地は落ち着いたお正月を迎えています
お伝えしたように元日は、まず10kmほど離れた実家へ。今晩10人前後が集結することになっているので、母親を乗せて近くのスーパーへ行き、刺身とオードブルを大量に購入。
いずれも近くの仕出し屋さんの方が美味しいのですが、元日は休業なのです。10時の開店とほぼ同時にお店に入ったのですが、お客さんはそれなり。先着200名には祝いの甘酒が振る舞われていました。
ひとまず実家へ戻り、センセイのみ菩提寺へ。禅宗の名刹(めいさつ)です。ご覧のように年末に降った雪は概ね融けてしまいました。本堂の雪囲いを作り直したようで、お寺や屋根の瓦の深い色と対照的です。
1歳上のご住職に新年の挨拶をしてひとまず自宅へ戻り、昼食を取ります。身支度を整え、JR柏崎駅へ。ディズニーランドで友人3名と年を越した娘をお出迎え。やはり睡眠不足の様子。
自宅で体制を整えてから再び実家へ再移動。下の弟家族は先に着いていました。すぐ下の弟の到着を待って1日遅れの年越し。姪にお年玉を渡します。
彼女はこの春専門学校を卒業するので、子供へのお年玉はこれが最後。センセイも歳を取るわけだ。疲れ果ててなかなか起きない娘につき合い、今朝はゆっくり起床。遅い朝食を済ませてから実家を発ち、伯母に挨拶をして帰宅。家族サービスで疲れていたようで、家に着くとセンセイもバタン、キュー。
目が覚めると外は大荒れの天気。風が強い上に、雪も積もり始めました。少なくとも当地では、天気予報より遅めに天気が悪化しているようです。
というわけで天気を除けば、当地は静かなお正月を迎えています。皆さんのところはいかがでしょうか。
明けまして、おめでとうございます。
昨年は皆様に大変お世話になりました。本年もぜひよろしくお願いいたします。
写真は昨12月31日のお昼に撮影した柏崎市のシンボル「米(よね)山」(993m)です。山の形に関する限り、反対側(たとえばこちらやこちら)の柿崎あるいは直江津(上越市)から見た方が整っています。
ただし柏崎地域の住民にとって、これが米山ですので...。お伝えしているようにこのところ北陸地方は悪天候が続いていますが、それでも昨日はそれまでの強い風が収まり、時々晴れ間が見えることもありました。その間にいろいろ、年末の片付けごと。
昨晩から天気は悪化して元旦を迎えました。時々風雨の日があり、また雪の降る日があっても、皆様にとって全体として今年1年が平穏無事であることを願っております。
■12月31日(日) 西村センセイ、線路の保守で「働くこと」について考える ──今年1年、大変お世話になりました──
今日は大晦日(おおみそか)。
いつもなら実家へ一族が集結して、食べたり、飲んだり、紅白歌合戦(あるいは裏番組)を見たりするところ。でも今年は都合で、明日の晩集まることになっています。
というわけでセンセイは自宅で年内の宿題を終えたところ。やれやれ。写真はちょうど1週間前に郡山に向かうため、柏崎駅で列車を待っている時に撮影したもの。センセイは到着時刻のかなり前からホームで待つのです。
ふと気づくと、ずっと向こうから隣の待避側線上を保線の職員がこちらに向かって歩いてきました。一人は小型自転車のようなものを押しています。ハンドルの中央部分にはパネル、座席下に当たる部分には液体の入ったタンク。
よくよく見ると、「自転車」が通り過ぎたレール上面は濡れています。どうやら超音波か何かでレールの傷の有無を検査しているようです。彼らのすぐ目の前にはレールのつなぎ目。
見方を変えれば巨大な傷のようなものですから、立ち止まってパネル上の表示内容についてあれこれ話しています。「こうやって検査するんだぁ...。」でもセンセイが一番興味深かったのは、彼らの表情。日常業務でしょうから、特に緊張しているわけではない。
しかしきちんと仕事に取り組んでいらっしゃいます。当たり前と言えば当たり前。でもここが分かれ目。「(仕事の内容に見合う)給料を貰っているのだから」と解釈するか、否か。
センセイは後者。全体の計画にもとづき、割り当てられた仕事を淡々とこなしているだけ。でも数年前、JR北海道で発生した脱線事故を思い起こせば容易にわかるように、彼らの渋い労働がこの社会の基盤を支えています。
2人はセンセイの前を通りすぎたのですが、その背中に書かれていたのは責任と、やり甲斐。(多くの場合、給料以上に働いて)結果として給料を貰う。労働の本質はたぶん、その対価としての給料にではなく、自分の働き甲斐と、それに対応する他者への貢献なんじゃないかと思います。
センセイの場合なら、学生と話していて彼女の口から「目からウロコが何枚も...」と言われたり。あるいは先日の高齢女性のように、「自分が作った料理を美味しそうに食べてくれる」ことだったり、治療した患者が無事に退院する時に、その目に溢れる安堵との感謝の気持ちだったり。
もちろんお金は重要だけど、人間の生死や教育、農林水産業、医療、介護......つまるところ、労働の本質はお金ではない。けれども残念ながら、最近はそのような基本的なことが大事にされなくなっている。つまり社会の基盤の部分が徐々に毀損(きそん)されているように思えてなりません。
保線に励む二人の様子について考えながら、センセイは当面の目的地である郡山に、そしてその先の仙台に向けて移動していたのでした。直接お目にかかった方、連絡を取った/取れなかった方──不義理をお詫びいたします──を含めて、今年1年大変お世話になりました。
皆様、良い年をお迎えください。