2008年3月22日更新(2008年3月30日ページ移動。2012年9月20日一部写真削除)
■3月22日(土) 「おでん缶」を再発見!! ――春の陽気に誘われて、キャンパスの外へ出てみたら――
今日はもう、見た通りに、金沢ローカルなお話。
昨日は午後の会議が長引きそうだったので、午前の会議を終えてから昼食を取ることにしました。
学食だと量が多すぎるので、春の陽気に誘われて、ずいぶん久しぶりに川向こうの飲食店街――というほどのものはないのだけど――へ。
このあたり一帯は、学生アパートがたくさん建っているのですが、アパートの角でふと、「秋葉原の裏名物」の文字が飛び込んできました。
あれっ、と思ってよく見ると、おぉ、写真の「おでん缶」自動販売機が!!12月にも別な場所で見かけたのですが、さる筋の情報によると、そちらはすでに撤去されたらしい。
一方、学生街の新型ベンディング・マシーンは、各種の「ラーメン缶」は当然のこと、ラーメンには「替玉」付もありますし、カレーうどんや、とん汁、果てはスープパスタまで用意されています。
どんな味なのか、興味津々(しんしん)ですし、とん汁まで蒟蒻(こんにゃく)で代用することができるのかと考えてしまいます。(本物のとん汁がそのまま入っていたりして。)へぇーと思いながら、チャンカレの角を曲がると、1年前に倒産した「サマホン」こと「王様の本」が、書店「うつのみや」+文房具店の「田井屋吉兵衛」に替わって再開されていました。
同僚のT先生に教えていただいていたのですが、忙しくてキャンパスの外へ出なかったので、自分で見るのは初めてです。もちろん中に入ってみましたが、まぁ、こんなものかな、という感じ。結局、何も買わずに外へ出ました。
改めて周囲をよく見てみると、単に文房具屋さんが新規開店しただけなのではなく、運営会社の(株)田井屋さんが、本社をこの地に移転されたのですね。ホームページで初めて知ったのですが、田井屋さんはもともと、240年以上も前に紙商として創業され、藩政時代は「越中屋」という屋号だったそうな。
さすがは歴史を誇る金沢です。「王様の本」時代は、品揃えに何となく不安を覚えたのですが、これからは新しい書店、文房具店ともに、金沢工大とずっと共存共栄していただきたいものです。
昨日は春分の日で休日。
でも週の半ばの祝日なので新潟の自宅に戻るわけにもいかず、センセイは研究室にいました。(といっても、前の晩の送別会でかなり深酒をしてしまったので、遅くなってから出勤したのですが。)
金沢は一昨日から雨が降ったり曇ったりしていたのですが、夕方、気がつくと雲の切れ間から太陽が時々顔をのぞかせていました。
金沢工大野々市(ののいち)キャンパスのあるあたりは、農地だったところを転用しているので、道路が人工的に、南北東西に沿って整備されています。
大学の建物も、自然と南北方向を向きます。だから春分や秋分の頃だけ、日の出と日没の時に、廊下の奥深まで太陽の光が入り込んできます。
先日ご紹介した日時計のようなものです。建物の中には他に誰もいないこともあって、ちょっと不思議な空間が出現しています。
センセイの年代の、しかも田舎に育った人間は、真西に沈む太陽のはるか向こうに西方極楽浄土が、などと考えてしまうのですが......若い人には通じないだろうなぁー。
■3月20日(木) Windows版Safari
3.1、Macユーザーにはとっても便利です
ご存じの方も多いと思いますが、アップルは昨日、MacおよびPC用のSafari 3.1の無料配布を開始しました。「世界で最も先進的なブラウザ」だそうな。
このSafari 3.1、センセイのようなMacユーザーにはとても使いやすいブラウザになっています。何回かご紹介しましたが、センセイは新潟の自宅、金沢のアパート、そして研究室ではMac OS 9/X(10.4.11)/Windows XPの3台を同時に起動して仕事をしています。
基本的に、考える仕事はOS 9、事務的な仕事はXPという具合。大学のシステムとの関係で、XP上ではIE6.0を使うよう要請されているのですが、タブは使えないし、フォントは細いし、ブックマークを編集したりコピーしたりするのも面倒。
Boot Campを使ってMac上でVistaを起動し、IE7.0を使うこともできるのですが、こちらは重いし、面倒臭いし......というわけで結局、ブラウザはMac OS X上のSafariを多用しています。従来のWindows版Safari 3.0は完成度がイマイチだったのですが、今度の3.1はMac版とほぼ同様に使えます。
アップルが言うように 「圧倒的なパフォーマンス」かどうかはともかく──XP上のIE6.0の方がずっと軽い──IE7.0ほどトロくはないし、フォントも綺麗に表示されます。(上の写真はXP上のSafari 3.1)そしてMacユーザーにとって特に便利なのが、ブックマークの完全──たぶん──互換性。要するに、ブックマークの使い回しが自由にできるのです。
Mac版Safariのブックマーク情報は「ユーザー」→「(ユーザー名)」→「ライブラリ」→「Safari」にある“Bookmarks.plist”ファイルです。
Windows XPの場合は、ローカルディスク(Cドライブなど)→「Documents and Settings」→「(ユーザー名)」→「Application Data」→「Apple Computer」→「Safari」中の“Bookmarks.plist”ファイルになるのですが、これらはおそらく完全互換なのです。
Vistaの場合も似たような場所に同名のファイルがありますが、いずれにせよ、フォルダを辿るよりも、検索機能で“Bookmarks.plist”を探す方が簡単です。で、このファイルをUSBメモリやネットワーク経由でコピーすれば、まったく同じ階層構造で、常に最新のブックマーク情報を使うことができます。
わかっている人には、ブラウザ標準のブックマーク書き出し/読み込み機能よりずっと楽です。西村センセイ、体力の衰えもあって外出時はWindows XPマシンだけを持ち歩くことが多くなっているのですが、ブックマークの使いにくさ、画面の見づらさからIE6.0を使う気にはなれませんでした。
でもこのSafari 3.1ならMacの感覚でブラウジングできます。(その分、Mac OSの出番が減るかもしれない。)(仕事でWindowsも使っている)Macユーザーの皆様、ぜひ一度お試しください。
あ、そうそう。
学内関係者の皆様、今のところ学内イントラネットにもSafari 3.1で問題なく入っていけるようです。フォントが綺麗なので、仕事がやりやすくなるかもしれませんよ。
■3月19日(水) 工学部航空システム工学科初の卒業生が巣立ちました!!
金沢の天気はちょっと下り坂なのですが、それでも雨を見ることなく──これから少し降るらしいけど──今日の卒業式を迎えることができました。朝から卒業生が保護者同伴で続々と集まってきます。
金沢工大は大所帯。学年あたり1,500人以上もの学生が在籍しています。
当然、学長から全学生に直接卒業証書を渡すわけにはいかない──センセイも大学院の時しか経験していない──ので、式の終了後に学部、学科に分かれて卒業証書を手交(しゅこう)します。
センセイは先日から再びお世話(こちらやこちら)になっている4年前の受け持ちクラス、工学部航空システム工学科の証書手渡し式に参加しました。
まず学科主任の先生が、卒業証書の全文を読み上げて最初の学生に証書を渡します。
それまでの緊張感が解ける瞬間です。続いて学長表彰、学科での表彰(下の写真)と続き、先生方から餞(はなむけ)の言葉が贈られました。
センセイは保護者席で控えていたのですが、主任の先生からの要望で、先生方の最後に、4年前、最初に会った日の思い出と、これからへの期待を述べさせていただきました。これで公式行事はひとまず終了になったのですが、今度は学生の主催で、センセイを含めた先生方にお花と自分達で制作した学科の卒業アルバムが贈呈されました。
小さいながらも良くできたアルバムで、彼ら/彼女らの才能が溢れています。この航空システム工学科第1期生はホントに特別なクラス。
先輩がいないので、新入生にっては何もかもが初めてだし、そして(センセイを含めた)先生方にとっても最初の学生。
やはりお互いに戸惑うことが多かったようです。何もかも自分達で創り上げる必要があった分、たくさんのことを自分達で学び、自分達で(勝手に?)才能を伸ばしたクラスでした。
最近の学生諸君には珍しく纏まりのあるクラスだったのですが、これはたぶん、この第1期生だけだろうなぁー。興味深かったのが、最年長の学生が三十路(みそじ)に入る前にみんなでの再会を約束したこと。その年、具体的には2012/13年の手作りカレンダーまでが配られました。
多くは今日でキャンパスから巣立ちますが、前の大学でもそうだったように、たいした根拠もないはずなのに「このクラスだけはいつまでもこの調子で続くんだろうなぁー」と思えてしまうのです。
航空システム工学科の皆さん、ご卒業おめでとうございました。今後の活躍を期待していますよ。
■3月18日(火) センセイの背広は、魔法の透明マントか?!
今日は金沢工大大学院の修了式。MiくんFu君おめでとう!!(このページは読んでないだろうけど)
式典の後はパーティなどが続いてお偉方がそちらに出席するので、大学は何となく気が抜けた感じになります。そこでこの時間を利用して午後、かかりつけのお医者さんへ行くことにしました。
常用している薬が再び切れつつあるのです。昼過ぎはかなり日差しが強かったのでコートは着ずに背広だけで自転車に乗りました。
大学の近くは坂道が多く、目的の耳鼻咽喉科は山の上の方にあります。上り坂が続くので、暑いくらいです。到着寸前、道路の反対側を相対して歩いている学生に気づきました。脇を通り過ぎようとして、おぉ、あれは受け持ちのY君!!
センセイが認識したのも遅かったのですが、Y君も、センセイに気がついていません。
花粉症の季節だということもあってか、お医者さんは大混雑。
やっとで順番が来て、でも診察はアッという間に終わって大学に戻ると、おぉ、今度は知り合いのS君......なのですが、今度もセンセイに気づかない。横断歩道を渡ろうとして自転車どうしでぶつかりそうになったのは、卒業式を明日に控えたKさん!! でも彼女もセンセイだということはわからないらしい。
いろいろ考えたのですが、一番大きな理由は、今日はちゃんと背広を着てネクタイをしていたからじゃないかと思うのです。
関係者でもなければ、道路脇で行われている道路や電気工事の人に注意する人は少ないですよね。それと同じで、フツーの中年サラリーマンには誰も気を向けないということなんだろうと思います。
まぁ、そもそもセンセイの影がちょっと薄いということもあるのでしょうが、こちらはこれ以上問わないことにしましょう。
■3月17日(月) 初めて税金が還付されることになったのだけど...。
年度末のこの時期、そもそも忙しいのに加えて、状況を一気に悪化──要するに、「プッツン」寸前──させるものがあります。
所得税の確定申告です。
学生さんは全然実感がないでしょうし、普通にサラリーマンをやっている限りは、会社が計算を代行してくれるだけでなく、税金を天引きしてくれますから、こちらもあまりご縁はありません。
センセイだって税金は天引きされています。でも何か仕事を頼まれて、そこで一定以上の所得が発生すると、その仕事先ですでに課税済であるにもかかわらず、自分で改めて総所得を再計算して税金を納める必要があります。
「累進課税」制度といって、所得が増えるほど税率が高くなる仕組みだからです。そのため、頼まれた仕事を断りきれずに働けば働くほど、この時期に税金を納めることになります。
頭ではわかっているつもりでも、「あんなに頑張ったのに、何で税金を納めなくちゃ...」とか「頑張れば頑張るほど税金が...」というのが正直な感想。でも今回は違います。税金が戻ってくる(「還付」)のです!!
ご存じのようにセンセイは去年夏の新潟県中越沖地震で被災したのですが、このような場合、修繕費用等の一定部分を所得から差し引いて税金を再計算するのです。
もっとも、戻ってくる税額は被害額の1/10くらいにしか過ぎないのですが。(昨年の医療費が最低基準の倍くらいかかったということも関係しています。)ところで、今回体験して初めてわかったのですが、毎年あれだけブーブー言いながら税金を納めているのだから、今年は「ワーイ!!」ということになるかというと、これがちょっと違うのですね。
損害の方がはるかに大きいのですから、ちょっとくらい税金が戻ってきても......ということだけではありません。累進課税という制度は、(センセイなんかは関係ないけど)お金持ちにたくさん税金を納めてもらってそれを低所得者層に再分配し、できるだけ社会を公平に近い状態に持っていこうという制度です。
こうすることによってお金が流動化され、お金と、物と、職場と、才能と......がかなり円滑に動くようになります。でも累進課税制度を採用せずに、ごく少数のお金持ちにお金がどんどん集中したらどうなるでしょう。
センセイはビールが好きなのですが、さすがに毎晩100本のビールを買って飲むわけにはいきません。つまり消費できるお金には限度があるのです。
使えなかったお金は、貯蓄や投資などに回るしかありません。投資ならともかく、貯蓄の形をしたお金はそこで動きを止めてしまいます。それだけではありません。お金が動かなくなると、それに対応した物と職場と才能も動きを止めてしまうのです。(わかるかな?)
低所得者層はどうでしょう? こちらはお金がないから何もできません。節約するばかりですから、こちらも物と職場と才能が止まってしまうのです。
もうお気づきだと思いますが、現在はこの「金持ち」と「貧乏人」に峻別された社会になりつつあります。
ここしばらく政権担当者は社会を自由化することによって競争が生まれて、活力が蘇り、みんなが豊かになる──これを「新自由主義」といいます──と主張してきました。
でも頭を冷やして考えればわかる通り、そして今、目の前にそれが姿を現しつつあるように、その行き着く果てはごく少数の「金持ち」と圧倒的多数の「貧乏人」からなる社会なのです。「三丁目の夕陽」の反対にある社会ですね。
しかもそれは流動性を失って固定化されるだろうと予測されています。 (以上は、かなり雑な説明ですので、念のため。興味があったら自分で調べてみてください。)こうやって考えてみると、一生懸命働いて所得が増えたら、多少は愚痴を言いながらも税金を納めて、みんなが「ほどほど」にやっていける社会にするために貢献する方がいいんだろうなぁー、と、文句を言っていた例年のセンセイ自身を反省してしまうのです。
冗談抜きで。
■3月16日(日) 西唐津駅にて ──春のツアーが無事に終了!!
──
ここ10年ほど、センセイはこの時期に家族とともに上京しています。というかセンセイがまず仕事で上京し、その終了に合わせて家族が合流するというパターンです。
友達と飲んだり──だから昨晩は更新できませんでした──という目的もあるのですが、主に、三鷹市および小金井市に在住していらっしゃる師匠お二人とそれぞれの奥様にお目にかかるためです。
残念ながら小金井市の師匠は2005年に亡くなられたのですが、奥様はご健在なので、最低でも年に一度は訪問させていただいています。センセイが両先生の指導を受けたのはざっと20年以上も前。先生御家族も、センセイの側もすっかり状況が変わってしまいました。
残念ながらそもそも、いつまでご訪問できるかがあやしい。今回の九州行きの本当の目的地は、写真のJR唐津線西唐津駅。行き止まりの駅です。
時間もあったので、市の中心部にある、隣の唐津駅から歩いてみました。この駅は旅行作家の故宮脇俊三の代表作『時刻表2万キロ』に失敗談とともに登場する駅です。
1983年に路線が見直され、唐津駅付近はモダンな高架になっていますが。今日の帰りの新幹線の中でボォーっとしながら、センセイにとっての鉄道旅行の意味を考えていました。
どうも、センセイには時々、特に節目の時期に、普段の生活の根拠地から離れて一人でいろいろ考えるという作業が必要なようなのです。