2009年6月13日更新(2009年6月21日ページ移動。2013年9月17日写真削除)

──2009年6月第2週のニュース──

バックナンバーはこちら


6月13日(土) 柏崎市に、全国から露天商が続々と集結中!!

 今日の午前中に新潟へ戻りました。

 金沢を出発した時には曇りだったのですが、富山に入るあたりで雨となり、富山−新潟県境では大荒れの天気。横殴りの大雨で前がよく見えず、とても危険な状態でした。
 新潟県内で海難事故が2件発生してしまいましたが、あの一連の雨雲だったんでしょうねぇ。

 無事に自宅へ到着し、所用で市内を車で走っていると、中心部の海岸駐車場に見慣れないものがあることに気がつきました。
 普段なら海水浴客が使う広い駐車場が、大型のトラックに占領されているのです。写真はほんの一部。

 不思議に思って車を止めると、ご覧のように「露天商駐車場」の看板。

 明日午後から始まる柏崎地域最大の行事「えんま市」に出店する露天商が、本州の各地からここに集結しているのです。

 営業用の1Boxカーやコンテナトラックが多いのですが、中にはキャンピングカーもあります。
 車を出入りしている人は、これはもう、絵に描いたような露天商の皆さん。

 こういう「旅」の暮らしを通じて、一人前になっていくんでしょうねぇ。

 市の中心となる焔魔堂の前も通ったのですが、露天の営業成績を左右する場所決めがあった(/ある)らしく、いかにも、という感じの人がたくさん出入りしていました。

 センセイを含めて、柏崎地域住民のDNAには「えんま市には必ず行かねばならない」という命令コードが書かれています。

 夕方には金沢へ移動する必要があるのですが、それでもちょっとだけでも覗いてみようと思っています。



6月12日(金) 西村センセイ、ツツジの甘い香りに驚かされる

 何だかとっても忙しくて、机の上の書類の山は今にも崩れ落ちそう。

 お昼もゆっくりするわけにはいかないので、とにかく学食へ。
 お弁当──男子学生向けに量が多い──を買うか、食堂で何か食べるかは着いてから決めることにします。

 学食のある建物に近づくと、どこからか甘い香りがしてきました。香水のようにキツイものではなく、もっと上品で仄(ほの)かな香り。
 何だろうと思ったら、足もとのツツジの匂いでした。

 甘さを感じたのは何十年ぶりだろう。

 子どものころは向かいの家のほぼ同年齢の従姉妹と遊んでいて、よく、ツツジの花の根元にある蜜を吸っていました。
 甘さより先に花びらの酸っぱさが口の中に入ってくるのですが、それでも次には仄かな甘みがします。

 ツツジの花は毎年咲いているんだけど、こっちの方に余裕がなくなってしまって、いつの間にかその存在が目の中に、心の中に入ってこなくなっていた、というわけです。

 というわけで、せめてもと思い、学食で珍しく定食を、ちょっとゆっくり食べたセンセイだったのです。



6月11日(木) 柏崎市の有力企業が、また一つ倒産してしまった...

 3日続けてのWebネタ、そして最近だけでも何度目かの倒産話となってしまいましたが、悪しからず。

 数日前から「柏崎市内のそれなりの企業が危ないらしい」との情報が入っていました。

 ずっと注意していたのですが、予想通り昨晩、まず県内の有力新聞『新潟日報』が株式会社エムディケーの廃業を、そして今日になってから『毎日新聞』と地元ローカル紙『柏崎日報』が倒産を報道しました。((C)柏崎日報社)
 一部テレビでも昨晩流れたようです。

 エムディケーは従業員約100人の電子機器メーカー。
 下請けを脱出すべく、少し前から独自ブランドで一般浴室用の循環温浴器などを製造、販売していました。

 でもどうもいつも詰めが甘く──いろんな所に表れている──て、製品の不具合などが多発。
 その対処に多額の費用がかかったところに新潟県中越沖地震で大きな被害を受け、さらに最近の不景気で経営が行き詰まったものです。

 実は2年くらい前から「ちょっと変だな」と感じていたことがあるのです。

 同社の上層部の人と年に1度くらい会う機会があるのですが、3年くらい前、最初に会った時はずいぶん羽振りが良かった──ずいぶん威張っていた──のに、この頃はある役職を降りるなど、ちょっと弱気。
 会社の経営状態を反映していたんですね。

 研精舎とこのエムディケーの倒産で、この狭い地域で400名強の雇用が失われます。

 今週末は柏崎地域が最も盛り上がる「えんま市」。

 今年は地震からの(ひとまずの)復興を祝うことになっているのですが、どうやらそれも「手放しで」とはいきそうにありません。



6月10日(水) 2014年以降に製造されるブルーレイレコーダは、アナログ出力が禁止に!!

 危篤状態に陥ったMacBookが心配で、西村センセイ、今朝は誰よりも早くご出勤。

 外付けのSSDディスクから起動すると、あっさりと内蔵HDDを認識。こうなればもう、こちらのものです。強力な専用ソフトを使って無事にディスクを修復することができました。
 かなり時間がかかり、正直なところずいぶんハラハラさせられたのですが、失われたデータもなく、完全にディスクを回復させることができました。

 作業中に気づいたのですが、今朝はWindowsのアップデータが大量に公開されました。
 センセイの研究室には実機だけでも7台、“Fusion”を用いた仮想マシンを含めると10台の現役Windowsマシンがあるので、今回のような大規模なデータ更新はもう、ホントに大変。

 しかも今回はOffice 2003/2007に関するものも含まれています。
 センセイはMacとの互換性の関係で多くのマシンで2000をメインに使っており、それと2003/2007を共存させています(一部共存できない組み合わせもある)。

 このような場合、アップデートをかけるとたいてい、Office 2000のリソースが書き換えられてしまいまうので、最後にもう一度Office 2000のディスクを使って再インストールする必要があります。
 インストール時の設定条件は保存されていなかったら、もうとんでもないことになってしまいます。

 オマケに最近、Mac OSもアップデートされたので、今日の午前中はあっちもこっちもそっちもどっちも、もうホントに大変!!
 授業と重要な会議を終えるともう夜......。

 アパートに戻る前にニュースを確認していると、おぉ。

 報道によるとブルーレイ・レコーダ/プレーヤなどが採用している“AACS”というシステムの今後の国際仕様が確定したとのこと。(c)2009 Impress Watch Corporation

 何と、それによると2011年、つまり再来年から製造されるブルーレイ・マシンがアナログ映像信号を出力する際は、HD(ハイビジョン)信号ではなく現行のSD画質にのみ限られ、さらに2013年からはアナログ出力を「禁止」するとのこと。
 もちろん著作権保護のため──そして実は、メーカー保護のため──です。

 それはそれでわかるのですが、新潟の自宅でのセンセイのように、アナログ出力をHDテレビで観ているセンセイはどうすればいいんだぁー!!
 日本のメーカーはもっと早めに製造を打ち切るでしょうから、レコーダやプレーヤを買っておこうかなぁと思います。冗談抜きで。

 ネットなど次世代インフラの普及によって、テレビや新聞に代表される大規模で一方向のメディアはすでに、程度の差こそあれ確実に衰退に向かっており、多くの会社はすでに赤字経営に陥っています。
 残念ながらCDやDVD、ブルーレイも基本的には同じでしょう。

 規制ばかりしていると結局、自分たちの首も絞めてしまいます。そうではなくて、もっと裾野を広げる工夫が必要だと思うのですが。



6月9日(火) 恐るべし、Macのやきもち(実話) ──新Macintosh、続々登場!! ── 

 今日は早朝から深夜──もう正確には10日──まで、ホント、とにかくよく働いた。
 バタン、キューという感じです。申し訳ないのですが、お返事をお待ちの皆様、もう少々お待ちを......。(これを何度繰り返していることか)

 そんな今日(9日)、Macなニュースが飛び込んできました。今回ばかりは予測が難しかったMacintoshの新製品が、怒濤のように発表されたのです。
 世間の注目はもちろん、ほぼ予測通りに登場した新iPhoneでしょうが、センセイが個人的に注目するのは新MacBook(Pro)シリーズ。
(写真はアップルのサイトより。(c)Apple Inc.)

 先代のアルミ削り出しモデルが登場してからわずか8ヶ月での更新となる13"のMacBookは、“Pro”への昇進。
 細かいことはともかく、安易に廃止して顰蹙を買っていたFireWireが800タイプのみとはいえ、とにかく復活したことは評価できます。

 「Appleは聞く耳を持っている」と言いたいところですが、「高い給料を貰っているのに、そんなこともわかってなかったのね」というのが実際。
 でも、まぁ、いいです。復活しさえすれば。

 今回のラインナップ再編成、(とにかく忙しかったから)詳しくは調べていないのですが、NetBookなどのそこそこ品質低価格路線に対するアップルの解答、という感じがします。
 多くのモデルが性能向上、価格引き下げなのです。

 センセイの“Windows”MacBook(White)も、公式アナウンスなしに先日、マイナーモデルチェンジしています。

 13"の新MacBook Proのスペックを読んでいて、「う〜ん、今だったらこれを買うだろうなぁ。FireWireの復活は当然として、アルミ削り出し框体だし、液晶はいいし、SSDも選択できるし......」などと思いながら“Windows”MacBook(White)を立ち上げると、起動しない。(実話)
 何度起動しようとしてもだめ。

 PRAMをクリアーして、とにかくやっと起動したのですが、気になってディスクを検査すると深刻なトラブルが発生している──こちらも実話──とのこと。
 アパートには現在、MacBook用の緊急キットがないので、明日大学に出勤してから対処することにします。

 毎度のことながら、恐るべし、「Macのやきもち」。

 現在のセンセイに、新MacBook Proを買う余裕なんてないのに。



6月8日(月) 廃業したヤマチクの跡地は、施設ごとに再開発ないしは転用か?

 珍しく(?)お説教っぽかった昨日と違って、今日は見たままのお話。

 昨晩は遅かったし、ちょっと家族の用もあったので今日は休暇を頂戴しました。「休暇」といっても僅かに仮眠を取っただけで夜明け前から車で迎えに出ていたりしたのですが。

 所用を片づけ、お昼を食べてから車で金沢へ移動。夕方にはアパートに到着したのですが、ちょっと運ぶものがあったので研究室へ行くことにしました。

 車を走らせ、アパート近くの角を曲がると、何だか様子が変。

 よく見ると3月に廃業したヤマチクで、工事が始まっていました。廃業直後は話題になりましたが、その後まったく報道されなくなったので、これからどうするんだろうと思っていたのです。
 邪魔にならない場所に車を止めて、様子を確かめます。

 ここには3つの店舗があったのですが、それぞれ対応が違うようです。
 まず一番大きな、そしてたぶん一番古い店舗では、ご覧のように解体工事が進んでいます。
 店舗左上の“YAMACHIKU”の文字跡が痛々しい......。

 この解体、それはそれでわかるのですが、手前の駐車場だった場所もアスファルトが掘り返されています。

 従来の駐車場は使わないと宣言しているわけですから、相当大規模に再開発するというのでしょうか。
 よくわかりません。

 この左側にはおそらく同時期に、あるいは少し遅れて建設されたと推測される店舗があるのですが、現時点でこちらは手つかず。壊すのか、再利用するのか......。

 解体中の店舗の右側には、クラシック専門店として使われていたお店があります。

 ここはセンセイが金沢に来てから整地、建設されたので、まだ数年しか経っていません。
 それもあってか、こちらはどうも他の店舗に転用されるようです。

 ヤマチクの負債は約11億円だそうです。
 対応は3店舗でそれぞれ異なりますが、お金に換算できたのは、やはり、土地だけだったということなんでしょうね。

 実はこのすぐ近くに、ビクターの「ニッパー君」が置いてあった倉庫兼本社もあります。
 センセイは毎日その脇を通って出勤しているのですが、今日のところは特に変わった様子はありません。

 倒産後、2階──たぶん本社事務室──には灯りが灯っていたのですが、今日はもう人の気配が感じられません。外から見る限り、中も空っぽのようです。
 いずれここも、倉庫などに転用されるか、解体されて更地になるんでしょうね。



6月7日(日) 生み出す場所、消滅させる場所 ――「暑い学会」から戻りました――

 首都大学東京での学会発表を終えて、夜遅く新潟の自宅へ戻りました。何だか消耗してしまったので、申し訳ありませんがお返事をお待ちの皆様、もう少々お待ちを。

 発表そのものは何の問題もなく、学会も有意義なものだったのですが、とても疲れてしまいました。その原因を改めて考えてみると、その一つは暑さ。
 発表会場も講堂も、とにかく暑くて空気が悪かったのです。

 この時期ですから、ある程度暑いのはしかたありません。

 首都大学東京は八王子の小高い丘を切り開いた場所にあって、キャンパスは緑に恵まれています。そこで窓を開けようとすると、「蜂が出ました」との掲示。
 蜂が入ってくるので開けてはいけないんだそうです。

 比較的新しい建物なので空調は整備されているのですが、主催者によると「7月にならないと入りません」と、つれない返事......。だからもう、みんな汗だく。(実話)
 ここは国立でも私立でもなく、公立大学だったんですね。

 もう一つ困ったことがあって、それは発表用のパソコン。

 パワーポイントが使われ始めた頃は、発表者はみんな自分のパソコンを持ち込みました。でもコンピュータでのプレゼンが常識になった現在は通常、開催校がWindowsマシンを用意します。
 Windowsの場合、持ち込んだパソコンをいきなり接続するとプロジェクタを認識しなかったり、プロジェクタの対応できない周波数にパソコンが設定されていて、画面が何も映らなかったりするからです。

 でも今朝、会場に到着すると......ない!!

 発表者が替わるたび、みんな悪戦苦闘しながらパソコンを接続しています。発表者はきちんと発表時間を守っているのに、進行はどんどん遅れてしまっています。
 でも主催校の関係者は、状況を全然把握していません。というか、そもそもそういう発想はないことがよくわかります。

 センセイの発表は最後だったので、急遽、“Windows”MacBook(White)をWindowsからMac OSに切り替えて起動しました。現在のMac OSならまず確実にプロジェクターを認識できる──昔の苦労が嘘のよう──からです。

 WindowsボリュームからデータをMac側にコピーし、パワーポイントを立ち上げ......今日はMacのおかげで、エレガントに発表を開始することができました。(発表内容がエクセレントであったかどうかは問わないように。)
 いざという時のために“Fusion”上のWindows 2000+PowerPointも起動しておいたのですが、こちらは使わずに済みました。

 首都大学東京は京王南大沢駅のすぐ近く。あたりはずいぶん開けていて、大きなお店やマンションがあります。

 駅からだと、三井アウトレットパーク多摩南大沢を抜けて大学キャンパスに入るのですが、その境界ははっきりしません。(写真中央奥の塔は大学)

 古い大学だとキャンパスの前に門前町が広がっていて、学生は大学だけでなくカフェや飲み屋、古本屋でも教育されました。
 たとえ授業に出席しなくても、いわば拡張されたキャンパスに人生の意味を教えられたのです。

 首都大学東京を後にしながら、ここは逆であることに気づきました。

 大学内外の建物はとても立派なのですが、ここはあくまでも、「消費する場所」なんですね。
 生み出す場としての大学が拡張されたのではなく、大学が、すべてを金銭に還元する論理に飲み込まれてしまっているのです。

 残念ながら学生さんの顔にもはっきりそれが出ています。(個人差はかなりあります。念のため。)
 聞くところによると、前身の東京都立大学は決してそうではなかったそうな。

 首都大学東京は、都立大から切り替わる時に目に見えるものだけを追いかけた結果、お金で買えないとても大切なものを失ってしまったのかもしれません。

 残念ながら。

「最近のニュース」(最新版)へ
バックナンバーのトップページへ
トップページへ戻る