2019年4月13日更新(2019年4月21日ページ移動)
■4月13日(土) 新潟の桜は、これからが見頃です ──西村センセイ、親孝行をする──
結果的に、3日続けて桜の話題になってしまいました。悪しからず。
何度もお伝えしているように、金沢工大は今週が講義第1週。今日は土曜日で講義はないのですが、年度初めなので午前中に交通安全講習が、午後は大学サービスセンターと学友会が催す新入生歓迎会が開かれます。
入試部長のセンセイとしては、少なくとも後者は参加したいところ。でも今回は敢えて、昨日のうちに帰宅しました。新潟県北部に住む弟の娘つまり姪が、初子(ういご)に恵まれたのです。日程を調整した結果、今日、両親(赤ちゃんにとっては曾祖父母)を連れて行くことになったのです。
写真は、今朝撮影した自宅の庭。自宅を新築した時に、庭の南東隅に母親が植えた枝垂れ柳が咲き始めていました。彼女は植物を育てることが大好き。かつ、その才能に恵まれています。
残念ながら、少なくともセンセイは引き継いでいませんが。そんな彼女はしかし、実家の広い庭をいじらせてもらえない。庭は庄屋だった先祖代々のものなので。で、枯山水のこの庭は、彼女の趣味そのものなのです。センセイや家人の意志とは無関係。
ま、いいんですけど。金沢から新潟へ移動する途中、あちこちでたくさんの美しい桜を愛でることができました。もう散り始めているかと覚悟していたのですが予想外に、まさに見頃から、これから...というところ。
やはり、1週間近く続いた寒さの影響と思われます。早いお昼を食べてから、新潟市北区(旧豊栄市)の弟宅へ。高速道路はかなり混んでいました。センセイは安全運転を心がけます。沿道の桜はやはり、3分から7分咲き。
花見客も見かけました。初対面の生後3週間ちょっとの赤ちゃんは、もちろんとても可愛いい。そして彼女の伯父さん(=センセイの甥)、そして6年前に亡くなられた曾祖父そっくり。そして姪は、つい先日までのお嬢さんの顔から、初心者ながら、しかし確実に母親の顔になっていました。
命は、かように引き継がれていきます。新潟の桜、特に阿賀野川以北の桜は、これからが見頃です。
■4月12日(金) 今年も無事に、「この季節」がやって来た ──第1週の講義を終えて自宅へ戻りました──
今日は予定を変更して、見たままのお話。
お伝えしたように、金沢工大では今週月曜から講義が始まりました。土曜日に講義はないので、今日の金曜日が第1週の最終日。数日続いていたキャンパスの緊張感は、どこかへ消えつつあります。
学生諸君は気づいていないと思いますが、実は先生方も同じ。年度末に同僚が一人退職した関係で、今学期のセンセイは毎日1コマないしは2コマの講義があります。それに加えて、複数の管理職としての仕事。
冗談抜きで、働き方を根本から考え直さないと、物理的に身が持たない。講義の記録を断念した理由です。幸いにも金曜の講義は早い時間に配置していただきました。同僚が配慮してくださったのです(深謝)。そこで、週末に入試や学生募集の行事がない時は、金曜の講義を終えてから帰宅することができるようになりました。
第1週最後のクラスを終えて荷物をまとめます。事務室の女子職員に「日曜日に戻ります」と伝え、建物の外へ。
駐輪場へ向かう途中、キャンパス中央の芝生に、数人ずつ座っている新入生に気づきました。遊んでいるのではなく、スケッチに取り組んでいるのです。
「あぁ、無事にこの季節がやって来たんだなぁ」。案ずるより産むが易し。
センセイはずっと、困っている/問題を抱えた学生の対応をしてきましたが、そこから確信したことが一つ。人間には自分で回復する能力が備わっているのです。皆が皆、あるいは常に、とは申しませんが。
白状すると、ずっと前から識っていたので、「再度確信した」が正確な表現。ここまで来れば、彼ら彼女らは大丈夫。
■4月11日(木) 続く寒さにも負けないぞ ──大学周辺、高橋川沿いの桜が満開になりました──
今日は見たまま、そしてタイトル通りのお話。
年度初めなので今日は臨時の、立場上の会議。そして午後イチは初めてのクラスの講義。オマケに、夕方には別な会議。いずれも気を遣(つか)うものばかり。めげそうですが、今日はこれまでとちょっと違うことが。
大学近辺の桜が満開になったのです。写真は高橋川沿いの桜。金沢はここ数日、天気も良くなかったのです。今朝も雨が降りそうな気配だったのですが、お昼頃になると晴れ間も見えるようになりました。
センセイの行動範囲に限っていえば、この春、最初に桜が咲いたのは富山県。その時は割と暖かかったので、一気に満開になるかと思われました。しかし気温が急に低下。
その寒さの中で、金沢と新潟の開花が宣言されました。開花宣言から満開までは数日かかるし、標高差その他も影響します。だから金沢の桜はひとまず咲いたはいいものの、この後どうしようか、1本1本の樹が迷っているような感じが続いていました。
低温状態は続いていますが、今日は大学近辺の桜が覚悟を決めて、その美しさを競っているかのよう。本当は桜の向こうに大学キャンパスを入れたかったのですが、逆光になることと、大学側(南側)には黒い雲がかかっていて、しばらく切れそうになかったので断念。
写真は北北西方向を見ています。写真では良く分かりませんが、木々によって花の色の濃さが違います。かなり緑がかったものもあって、びっくりしたのですが、いずれにせよ、生命力に溢れています。
客観的に考えれば一種の生殖器官なので、当然といえば当然ですが。(撮影テクニックは別にして)これだけの美しさ。
さぞや地域の方が花見に...というところですが、花見客は皆無。桜を愛でながら散歩する老人もそう多くはありません。とにかく寒くて、浮かれて外へという状況ではないのです。でも、明日の天気予報は曇り。
そして土曜日は晴れとのこと。気温もある程度回復するようなので、多くの方が花見に繰り出すのだろうと思います。残念ながらセンセイは新潟にいますが。
■4月10日(水) 「あのぅ、西村先生ですか?」 ──西村センセイ、大学院の初回授業を休講にする──
お伝えしたように、金沢工大では今週月曜から初回の授業が始まっています。今日は水曜日なので、折り返し地点。
しかもセンセイにとって、水曜日は講義と会議が続くヘビーな日。血圧の件は無視して早朝に出勤します。朝イチに、学部の必修科目があるのです。幸いにも講義そのものは無事に終了したのですが、学生の方が盛り上がり、教室からの撤収が遅くなってしまいました。
急いで会議室へ向かったものの、何と、センセイ抜きで会議は始まっていました。オイオイ。金沢工大では今学期から、90分授業を100分に延長し、学期あたりの講義回数従来の16回から15回に削減しました。休憩時間は5分短縮。学生のバタバタやセンセイの遅刻は、この変更と深く関係しています。
でも愚痴ばかり並べるわけにもいかない。ヘビーな会議を終えると、とにかく大学食堂でお昼を頂きます。午後に大学院の科目があるのです。ただし、初回にもかかわらず今日は休講...でも金沢工大、休講は御法度(ごはっと)のはず。
今回の休講は、授業時間と回数の変更と深く関係しています。センセイらが担当する大学院の講義は、各学期前半と後半の、計2単位(1単位×2)。前半は必修で、後半が選択科目。これまでは16回の半分、つまり8回ずつ講義していたのです。
でも新しい15週を、整数で半分に割ることはできません。そこで今学期から7回の講義として、原則として前後の間はカウントしないことになりました。当初、この科目のその通り実施するつもりだったのです。
大学院は学部と違って、講義開始時に受講生が確定していません。初回にちゃんと講義しても、2回目から初めて受講する学生のために、講義内容を繰り返していました。今回もそのパターンかなぁと思っていたのですが、講義の実施を1回ずつ遅らせれば、最初からメンバーが確定して、討議のためのグループを編成できることに気づきました。というわけでの、休講。
決して怠けたわけではありませんし、教務部長の許可も得ています。全大学院生に宛ててその旨の通知をしている──意図的に日本語のみ──のですが、見落とす学生も予想されます。そこで、講義予定の時刻に当該教室を訪れると、おぉ、写真の休講表示...。でも、日本語表示だけなのね。
この辺の事情については、後日。(たぶん)誰も間違えなかったんだなぁーと安堵して引き揚げようとした時に、男子学生。「あのぅ、西村先生ですか?」
事情を尋ねると、昨年の後期(「後学期」)にこの科目を受講して単位を修得したものの、努力が足りずに評価(=成績)が良くなかったため、再度受講して良いかとのこと。学内の制度上も認められているので「良いですよ」と返答します。
でも、大丈夫かなぁー。「西村先生ですか?」ですよ。
■4月9日(火) 「学びたい」という気持ちがあれば、風景はずいぶん変わる ──初めて担当する科目の初回を終えました──
今日も講義のお話。ただし昨日とは対照的に、明るい話題です。
叔父さんくらいの関係に当たる師匠(東大→ICU→東洋英和女学院学長のM先生)が連載していた新聞記事の一つに、大学での講義がうまく行くかどうかは、4月の初回で決まる、というものがありました。
大学人の多くは、この経験談に賛同してくださるんじゃないかと思います。だから各学期、各クラス初めての講義はとても気を遣(つか)います。でもそれが表情に出てしまうと逆効果なので、こちらはポーカーフェイス(のつもり)。
受講生がどう感じているかはわかりませんが。特に今日は、「プロジェクト・デザイン」という2年生の必修科目を初めて担当します。先輩に当たる方から各種資料を頂戴しているのですが、わからないことだらけ。
昨日は別な講義があったのでそちらに集中し、今日出勤してから午後の講義準備に専心(せんしん)しました。でも西村センセイ、科目そのものは初めてでも、この分野の背景は良く理解しています。何のことはなく、ICU大学院での研究テーマそのものなので。
センセイが研究したのは科学(=理科)教育で、今回は工学教育。見かけは異なりますが、背後にある思想は同一。というわけで、案ずるより産むが易し。多少のミスを犯しながらも、全体としては問題なく講義を終えることができました。
講義が始まると程なく、このクラスがうまく行くかどうかが分かります。ポイントは受講生の反応と表情。平たく言えば「目がキラキラ/生き生きと...」があるかないか。専門的には、自発的な学びへの動機づけの有無。
要するに、モチベーションの問題。「学びたい」という気持ちを惹起(じゃっき)できるかどうかです。先輩から頂戴した提示資料は、その部分が少し弱いと感じたので、午前中に受講生の視点に立って説明資料を加えました。一区切りついたところで、お弁当を買うために校舎の外へ。写真はその時に撮影した中庭の桜。
やはりピンクがちょっと薄いなぁ。温かい日と寒い日が交互に訪れているので、桜も思いっきり満開、というわけにはいきません。その代わり、この春は桜の美しさを長めに愛(め)でることができそうです。
■4月8日(月) 少々残念なお知らせがあります ──新学期の講義が始まりました──
昨晩の天気予報を見て、今日は自転車で出勤するつもりだったのです。
でも出発前、念のために確かめてみると午後から雷を伴う雨が降るかもしれないとのこと(実際、その通りになった)。そこで急遽、自動車でご出発。
アパートを出たばかりのところで、画に描いたような新入女子児童に出くわしました。脇を歩くのは、大型のカメラを首から下げたお父さん。
実に微笑ましい。駐車場をから大学構内に入ろうとすると、北陸鉄道石川線を利用して通学通勤してくる人々と一緒になりました。今日から講義が始まったのです。
彼ら彼女らは、1限の講義に向かうところ。今学期のセンセイは、毎日1回以上の講義があります。今日、月曜日は午後の最後に3年生の必修科目。他の日にも関係する内容なので、午前と午後を使って準備を整えます。でも今回、準備しなかったことが。
このサイトでの、講義内容の公開です。前任校を含めて2000年から続けてきた講義内容のご紹介ですが、正直なところ、受講生が提出してくれるカードの入力やコメントが過負荷になっていました。
それでも受講生の目の輝きを見ていると、どうしてもそれに応えてしまいます。結果的に18年間続けてきました。しかし数年前に一人、そしてこの3月にさらに一人、同じ科目群を担当する同僚が他大学へ転出してしまいました。諸般の事情でその補充は適わず、結果的にセンセイを含め、残された教員で全講義を分担実施することになりました。
残念ながら、これまでにない多数のクラスを担当することから、少なくとも今学期については、これまでのようなフォローを断念せざるを得ない状況です。ただし、決して講義そのもののレベルを低下させることはありません。受講生の反応を直接ご紹介することはできませんが今日の講義も、とても興味深いものでした。
ご安心ください。
■4月7日(日) ここから運んでいるわけじゃないんだけど... ──「ドライブイン
こけ山」の名物料理──
再び、「ドライブイン こけ山」。
交差点に面した駐車場を囲むように、建物が二つ“L”字型に並んでいます。向かって左側は、昨日ご紹介したお店。その右側にあるのが、写真の建物。ご覧のように「原養鯉(ようり)場」と書かれています。
鯉を育てていらっしゃるのです。周囲に建物は少ないこともあって、交差点を通過するたびに、食堂とこの養鯉場が強烈なインパクトを伴って目に飛び込んでくるのです。しかも英語表記のものを含めて、あちこちに大きなポスター。
これは鯉の餌の宣伝らしい。どう見ても「こけ山」と養鯉場は一体のように感じられるので調べてみると、食堂を経営する方のお父様が、約40年くらい前に趣味で養鯉業を始めたとのこと。関係業者のページでも紹介されています。
コンテストで、いくつもの賞を受賞しているそうです。で、お察しの通り、「ドライブイン こけ山」の名物の一つが、鯉料理。
センセイが子供の頃、実家近くでは観賞用の鯉の養殖が流行っていました。夏場は鯉をため池ないしは専用の池に放して大きく育て、秋の終わりに「鯉揚げ」と称して、池の水を抜いてすべての鯉を集めます。
専用の水槽で冬場の寒さを凌がせるためです。商品価値のある鯉は、青いプラスチックのバケツに入れられ、神社の境内で開かれる競りにかけられます。売値のつかない鯉は、ご近所に無料でお裾分け。センセイの家は、鯉を頂く方。
煮物その他で食べたように記憶しています。でも子供は、煮物より(鮮度が低下した魚を使用した)フライ。そしてフライよりお肉...。それに鯉は淡水魚なので海の魚と異なり、独特の臭みがあります。
今なら鯉料理の印象も異なるのでしょうが、正直なところ、自分から食べようという気になれない。本当はとても美味しいらしいのですが...。すみません。
せっかくの機会なので、水槽を外から撮影させていただきました。ガラス越しなので、手前の自動車などが写り込んでいます。右側の水槽の鯉は、5,000円。左側は30,000円から40,000円とのこと。
もちろん桁違いの値段のつく鯉もいるはず。ちなみに、左端に少し見えている水槽を泳ぐ鯉の価格は500円。いまだに違いが良くわかりません。
まるで、この水槽から「こけ山」に運んでいるような印象を受けますが、実際にはどこかの池で育てた食用の鯉を使用しているはず。
金沢にご縁がある間に、センセイが鯉料理を頂くことはあるんだろうか...。