2021年1月9日更新(2021年1月17日ページ移動)

──2021年1月第2週のニュース──

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1月9日(土) タオルはどこへ消えた? ──やっとで金沢へ移動しました──

 すぐにバレますが、今日の写真はすべて共通の内容です。また最後に、オチがあります。

 さてタイトル通り、金沢へ移動しました。でもこれが、本当に奇跡的なことだったのです。

 まず今日のうちに移動を試みるか否か。新潟は今日も、大荒れの天気。新潟地方気象台が県民に外出を控えるよう勧告するほど。そして公共交通機関は壊滅状態。北陸自動車道も、新潟、富山両県内の大半が雪のために不通。
 常識的に考えれば、自宅に留まるところ。

 ただしお伝えしたように西村センセイ、来週の講義の関係でどうしても金沢へ移動しなければならない。例えば月曜に移動するという選択もあったのです。でもこれだと、仕事の段取りがうまく行かない。
 決定的だったのが、富山県内の状況。

 報道でご存じかと思いますが、富山市は昨日ドカ雪が降り、積雪が1mを越えてます。これは36年ぶりとのこと。さらに危惧されるのが、県内での今後の降雪。県西部を中心に、さらに増えそうなのです。
 というわけで朝、覚悟を決めて出発。

 明らかに状況が悪ければ引き返し、ある程度進んだのに金沢にたどり着けなかったら、どこかのホテルに泊まるつもり。新潟県内の道路状況は、予想より悪い。

 1枚目の写真は大型トラックが雪でスタックしている場面。今日は終日、小型車を含めてこのような場面を数え切れないほど目にすることになります。(実話)
 そして一瞬の判断を誤れば、それはセンセイ自身の姿。

 もう一つ悩まされたのが速度。大型トラックが滑り止めのためのチェーンを装着すると、30km/hくらいしか出せません。これはもう、しかたない。
 でも、そんなに危険な状態じゃないのに、小型車が20km/hくらいで走行し、その後ろに延々と車列が続くことも。

 柏崎市から上越市に入ったところでこの状況に陥りました。それがずっと続いているし、燃料消費が激しかった──この時点で、燃費は通常の半分──ので途中、何回か入ったことがあるガソリンスタンドへ。
 敷地に入ったその瞬間、激しい上下のショックと、硬いものに乗り上げた感触。

 入口の除雪が十分でなく、残された雪が硬く締まっており、それに乗り上げてしまったのです。店内から係員が2名飛んできて、また幸いなことに、たまたま訪れたお客さんも手伝ってくださり、何とか脱出することができました。
 やはり安直に判断すべきではないな。

 気を取り直してその後は、さらに慎重に車を進めます。

 事故処理中の車やスタックした大型トラックの脇を通り過ぎて、最初の難関である上越市市街地(旧直江津)を無事通過。自宅に引き返す可能性は消えました。ここからはできるだけ合理的な判断にもとづき、行けるだけ車を進めます。
 臥薪嘗胆
(がしんしょうたん)を守って富山県に入ってのですが、ここで状況が一変。

 富山県内では見たことがないような豪雪です。最初の岐路は、いつもの山間(やまあい)の道を使うか、このまま幹線国道である国道8号線を進むか。不確定要素の多さを考慮して、後者を選択します。
 いつもの倍以上の時間がかかっているため、本来ならば昼食の時間。

 でもどこも営業していません(実話)。果物を摘んでいるのですが、それを取り出す余裕もありません。今日は結局、朝食後15時間ほど何も口にしませんでした。新潟県内の表示によると北陸自動車道の通行止めが一部解除され、富山県最東端の朝日I.C.から西側が利用可能とのこと。
 でも富山県に入ると、それが「滑川
(なめりかわ)I.C.から」に。高速道路会社が違うため、情報が上手く共有されていないようです。

 それでも滑川まで行けば、何とかなる!!

 実は、富山県内の高速道路復旧はある程度予想していたのです。「忍」の1字で、滑川I.C.を目指します。沿道には再び、数え切れないほどのスタックした車両。大型車──雪国ナンバーでない車両が大半だった──の運転手はスマートフォンを見ています。
 大型車の場合、こうなるともう専門業者でないと対処できないのです。

 ただし小型車も多い。中には手で車輪付近の雪を取り除いている女性もいます。それ、無理だってば...。最低でも鉄製のスコップが必要です。

 耐えに耐えて、滑川I.C.の接続道路に入ります...が、車列の進み方が変。I.C.直前、最後の交差点を過ぎたのですが、様子が変なので車間距離を取ります。で、そのまま1mmも進まない...。心配しているであろう家人に、「高速に乗った」旨をメール。
 ここは嘘も方便。倫理学的には「功利主義」と言います。

 最初に動いたのは後続の大型トラック。センセイと同じことを感じたようで、交差点を過ぎてすぐの場所に停車したものの、センセイとの距離を通常よりはるかに長く取っています。その大型トラックがハザードランプを点滅しながらバック。
 前方で不可逆的な何かが起きているのです、たぶん大型トラックのスタック。もちろんセンセイも続いてバックします。

 問題は、どうやって滑川I.C.その他を目指すか。結論からすると、「コ」の字型(+α)で迂回することにします。この計画、全体としては合理的だったのですが、部分的には判断ミスも。ある程度広いだろうと思って入った初めての道が、何と、雪で行き止まり。
 住民の方に教えてもらい、300m程(!!)バックしました。

 ここから先は毎週走っている道なのですが、今日は様子が一変。片側1車線のはずが事実上、対面通行になっています。お互い譲り合いながら、何とか走行。やはり幹線道路を選択して正解でした。
 それでも何とか反対方向から滑川I.C.へ。

 予想通り滑川I.C.手前では、一番前の大型トラックがスタックしていました。ここで詰まったら数時間を要したと思う。入口で行き先の確認を受けて、北陸自動車道に乗ります。自宅を出発してから、7時間経過。
 ここから先はスイスイ...のはずだったのです。

 でも風が少しでも吹くとすぐにホワイト・アウトになってしまい、どこが道路なのかわからない。かろうじて確認できる車線の境界の白線を目安に走行します。驚いたことに、富山県内I.C.とPA/SAは大半が閉鎖。(実話)
 富山I.C.の次は何と、砺波I.C.でした。

 猛烈な降雪で除雪が間に合わず、本線の走行を確保するだけで精一杯だったのでしょう。実際、富山県西部は猛烈な降雪。前が良く見えず、非常に危険な状態。約200mの標高がある富山─石川県境を越えると、状況は再び激変。
 もちろん雪はあるものの、富山県内のような絶望的な緊張感はありません。

 実は西村センセイ、高速道路でこの県境を越えるのは数年ぶり。というか、記憶がありません。昨年末に高速道路をかなりの距離利用した時も、県境は一般道で越えています。
 金沢市内に入ると、車がいやに少ない。

 この寒さと雪、そして新型コロナウイルスの影響で外出を自粛しているのかなぁ...と思っていたら突然、イオン(写真左奥)前で渋滞。ここでの渋滞は、よくあるのです。
 でも、動きがおかしい...。

 しばらく耐えていると、あちこちにスタックした車両。消雪パイプが設置されているのですがこの寒さで正常に機能していません。道路上には激しい凸凹。
 スタック中の車両以外は、それを乗り越えて走行しています。

 本当の原因は良くわからないものの、カーナビによるとその渋滞も、目と鼻の先で解消のはず...だったのです。実際、目の前に金沢大学発の路線バスが、受け入れてくれるタイミングを待っているし。
 ...え"っ!?

 運転士がいません。彼──男性だった──の姿を探すと、写真では良くわかりませんが、右後輪部のあたりに。路線バスまでもがスタックしてしまったのです。左側に車列が見えますが、これはこの状況を迂回するためのもの。
 バス後部に小型車が見えますが、こちらもスタックしています。

 BMWは今回、この厳しい状況の中でとても頑張りました。妙な精神論を説いているのではなく、雪国ドイツ──ただしBMWの本拠地は南部──らしく、この状況下でもその才能を発揮しました。
 で、9時間かけて、アパートに到着。

 除雪状況の悪いアパート前ですが、幸いなことに、それでもさほど支障なく到着。されど、駐車スペースがまったく除雪されていません。除雪すべきセンセイがいないのですから、当然ですが。
 約1時間半程かけて車を止められるようにします。

 やれやれ...と思ったのが甘かった。周囲の状況を十分に確認して一時駐車したはずの車が、何と、まったく動きません。スタックしてしまったのです!!(写真の白い点は降雪)

 あちこち掘り返すも、状況は改善しません。助けを求めようかと思ったその時、ヘッドホンをした高校生が通り過ぎました。言うまでもなく、彼は何も感じていない...。改めて、周囲を掘ります。
 ここで前方から男性が。

 彼が通り過ぎてから脱出を試みようかと思っていたのですが、通り過ぎそうになったその瞬間、彼は妙な表情に。応援が必要かどうか尋ねられます。
 まったく予想外だったのですが、彼の手には、専用の救援器具が4点。(実話)

 最初はなかなかうまくいかなかったのですが、最後は何故か、彼の助けを得ることなく脱出成功。丁寧にお礼を申し上げます。可能ならばもちろん、その気持ちの幾分かを何らかの形で差し上げたかったのです。
 でも、生憎
(あいにく)と、持ち合わせがありません。葱や白菜を差し上げるるわけにはいかない...。

 最も驚いたのは、彼のその後の行動。当然、そのまま本来の進路に戻ると確信していたのです。ところが何と、来た道を戻ってしまいました。まるでこの車を救援するために出現したかのように。
 そして、もう一つ。

 このような状況に備えて、雪国では車内に毛布を備えておくように言われています(特に雪が深い地域)。もちろん運転手の防寒が目的ですが、スタックした場合は路面に敷くことで摩擦抵抗を増加することができます。
 個人的にはやったことはありませんが。

 その代わりに今日は、アパートから雑巾代わりのタオルを持ち出したのです。残念ながら少なくとも今回、タオルの効果はありませんでした。なお、一般的にタオルがそうかどうかはまったく不明です。
 念のため。

 それはともかく、駆動輪に敷いたタオル2枚のうちの1枚が、忽然とその姿を消しています。現在も発見されていません。

 ナシテ?!



1月8日(金) 恐怖だ... ──前方の大型トラックが、雪でスタックしてしまった──

 今日も予定を変更してお伝えします。

 来週は講義があるし、大学でなければ片づかない仕事もあるため、どうしても出勤しなければなりません。前後の都合で明日9日に移動するつもり...だったのです。
 しかし、正直なところどうなるかわからない状況になってきました。

 原因はもちろん、北陸地方で続いている強風、低温と大雪。風は昨日までで、今日はすっかり穏やか。喜ばしいこと...と感じたなら、貴方/貴女は雪国育ちでないはず。
 平野部の人間にとって、こちらの方がはるかに怖い。「里雪」型の雪が、ドカンと降るからです。

 当地はこの地域にしては珍しく、最低気温は-2.5℃。日中もずっと氷点下。日付が替わった直後に0.3℃を記録したので「真冬日」にはなりませんでしたが。
 そして終日、強弱を繰り返しながらも雪が降り続けました。現時点での積雪は36cm。

 それでもまだ当地は恵まれている方。西隣の上越市では午後の3時間に26cmもの猛烈な雪──通称「ドカ雪」──となり、県内初めの「顕著な大雪に関する気象情報」が出されした。
 センセイもさすがに今日は、徒歩での外出を断念。

 1枚目の写真はお昼にスーパーへ向かった時に撮影したもの。お気に入りのスーパーの前で、何かの工事をしていました。どうやら昨日の強風で、民家なら軒先の裏側、「軒天」と呼ばれる部分のパネルが損傷したようです。
 残念ながら、このお店では目的を達成することができなかったため、別なお店へ。

 地吹雪でスピードを出すことができず、大型トラックを含めた車列がゆっくりと進みます。目的のスーパー(2枚目の写真左側)の目の前まで無事到着。
 信号機があるので、車列は一時的に停止。

 ....ところが、待てど暮らせど──さすがにそこまで酷くはない──動く気配がありません。明らかにおかしい。

 皆、同じことを考えたようで、まず、すぐ後ろの商用バンがUターンしました。ほぼ同時にセンセイも、周囲の安全を確認した上で車外に出ます。
 何と、交差点の向こうで写真の大型トラックが雪で動けなく(スタック)なっていました。

 前後に誘導の係員が配置されていることから、トラブル発生後ある程度の時間が経過しています。すぐに解決できる状況ではありません。センセイもUターン。
 勝手知ったる地元なので、生活道路から現場に戻った時に撮影したのが写真。

 とばっちりを受けた大型トラックはそのまま停車していました。別にセンセイが偉いのではなく、大型トラックの運転手はたとえ状況がわかっても、乗用車のようにUターンその他はできない。
 問題が解消するまでひたすら耐えて、待つしかないのです。

 これが先月、新潟県内の関越自動車道で起きた事態。高速道路はUターンできないので、乗用車も逃げ道がない。

 センセイはもちろん、雪の中で渋滞に何回も巻き込まれました。ただし大型車に行く手を遮られたのは初めて。待っている間にもガソリンはどんどん減ります。
 もし迂回方法がなかったら...と考えただけで、ゾッとします。

 無事自宅近くまで戻ってきても、これで安心というわけにはいきません。むしろこちらの方こそ怖い面が。雪が急に強くなってきた時に撮影したのが右の写真。
 地域の方が総出で、家の前の除雪をしています。

 で、どこが道路かわかりますでしょうか...。

 実はセンセイも良くわかりません。降雪が激しくなると薄暗くなってますし、フロントガラスに雪が付着して周囲の様子が良くわからなくなります。吹雪の場合は、特に危険。
 コントラストが弱くなり、道路とそれ以外の場所の区別がつきにくくなります。

 方向、すなわち左右どころか、酷い場合は上下すらわからなくなることがあるそうです。個人的にはそこまでの経験はありませんが。いわゆる「ホワイト・アウト」という状態。
 業界用語的には空間識失調
(くうかんしきしっちょう)と同一だと思いますが。

 雪国では、少し大きい道路なら道路の端を示すポールが立っているので、逸脱の可能性はある程度抑えられています。でも写真のような生活道路では無理。近道をして、車を田圃に突っこませる原因です。
 当地付近では昨日の午後、北陸自動車道、一般道(国道8号線)ともに、強風で通行止め。

 今日は場所を変えながら県内の高速道路が通行止めに。そしてどうやら今日は富山県内でかなりの降雪があったようで、現時点で新潟県西部から石川県東部にかけて北陸自動車道が通行止め。一般道もかなりの積雪。
 幸い、現在のところ金沢市の積雪はたいしたことないようですが...。

 センセイの金沢への移動、果たしてどうなる?!



1月7日(木) 足跡のない家... ──当地は大荒れの天気となっています──

 「ヴ、ド、ドゥ、ドゥ、ドゥ...」。

 12:30ころ突然、書斎の外で低く、しかし大きな音がしました。確認するまでもありません。寒冷前線の通過に伴い、強い風がいよいよ吹き始めたのです。昨日同様、午前中は2時間ほど綺麗に晴れたのに。
 その後は、もう、ホントに大変。

 「ブォー、ブオー」と音を立てながら、西から猛烈な風が吹き付けます。当地は海岸沿いなので、もともと風が強い場所。言い換えると、住民は冬の北風に慣れています。
 しかしその人達ですら強い不安を覚えかねないほど。

 拙宅は宮大工の親戚が丁寧に建ててくれたので、相当頑丈な造り。しかし今日は風があまりに強いため、家全体が揺れてしまいます。
 全国的に報道されていますが、新潟県内では今日、大型トラックの横転や屋根の損壊、当地の一部を含めて大規模な停電など、強風による被害が続出しました。

 アメダスによると当地の最大瞬間風速は30m/s弱。それでも風は、約6時間後に少し収まりました。これから心配なのは異常低温と積雪。新潟県の平野部は雪こそ降るものの、あまり冷え込むことはありません。
 だから長野県や東北、北海道と違い、水道管凍結防止対策などが弱い。

 現時点での当地の積雪は11cmですが、明日、明後日は平野部でも大雪になる見込み。果たして、来週の講義のために予定通り週末に移動できるんだろうか...。

 写真は天気が良かった昨日、市内を徒歩で移動中に撮ったもの。(公道上からの撮影)

 共通点がお分かりでしょうか...といきたいところですが、タイトルにある通り、それぞれのお宅の前が除雪されていません。足跡すら存在しない。
 まぁ、1枚目は1人往復した跡が残っていますが。

 最初の立派なお宅は、初めて気づいたもの。周囲に作業後や車庫などがあり、表札にはご夫婦と思われる名前が記されています。されど明らかに、人気(ひとけ)がない。一時的なものかもしれませんが、空き家です。
 雪がなければ気づかなかったと思います。

 2枚目は以前から知っていたもの。左側に似たような家が2軒ありますが、これはおそらく4世帯分のアパート。そして右側のお宅はたぶん、その大家さん。
 縮小写真なので良くわかりませんが、屋根の最上部にある棟
(むね/ぐし)と呼ばれる部分が損傷し、屋根の上に散らばっています。

 相当長期間放置されているようで、左側のアパートはさらに酷く、屋根の一部までが陥没しています(屋根が凸凹している)。当たり前ですが全戸、雨水が室内に入り込んでいるので、いずれも内部はボロボロの状態のはず。
 おそらく、14年前に発生した新潟県中越沖地震で損傷したか、あるいはそれ以前から放置状態。

 センセイはやや放浪癖があるようで、ご存じのように全国をあちこちフラフラと旅してきました。

 旅先あるいはホームグラウンドで感じることの一つが、空き家の多さ(商業施設を除く)。ざっと20軒に1軒くらいの割合だと思います。今まで経験した中で最も多かったのが、石川県能登地方。冗談抜きで、地域を維持できるんだろうかと心配になるほど。
 実際、猛烈な勢いで人口流出が続いています。

 都市部でも実は、同様。住民の交替があるのでおそらく目立たない──土地が有効利用されるという意味では言祝(ことほ)ぐべきこと──だけで、おそらく、実際は地方以上に酷い状態なんだろうと思います。
 これがこの国の現状。

 本当に情けない政治の堕落などは人々の注目を集めやすい。でも、その根本的な原因はなかなか問われません。もちろんいろんな要因が複合しているのですが、その一つに、これら見えにくい部分での衰退があるんだろうと思います。
 どうでしょう。

 で、明日、明後日の低温と降雪は、どうなるんだろう...。



1月6日(水) 暴風雪の前の静けさ ──当地は珍しく天気予報が外れて、暖かい晴天となりました──

 予定を変更して、見たままのお話。

 前回は「大雪の前の...」ですから似ていても、同一ではありません。完全な言い訳ですが。

 お伝えしたように今日は金沢工大の。法人としての仕事始めの式典(「新年互礼会」)が遠隔で行われました。センセイももちろん最初から最後まで「出席」しました。会が終われば今日は無罪放免。
 というわけで、徒歩で外出しました。お昼が近いし、晩酌のツマミも買い求めなければなりません。

 暗黙の理由──バラしちゃってるけど──が、冬休み期間中の運動不足。身体がなまっていますし、やはり血圧とも関係しているようです。
 後者については後日、詳細をお伝えするかもしれません(しないかもしれません)。

 もう一つのきっかけが、今日の天気予報。これが大幅に外れたのです。昨晩の段階では終日、霙(みぞれ)が降ったり止んだりとの予報。実際、式典の頃まで、当地はずっと曇っていたのです。
 雪や霙はまったく降りませんでしたが。

 ところがまさに式典が終わる頃から、綺麗に晴れ上がってきました。これはもう、「外へ出て運動せよ」の神の御意志(“volutas Dei”)。ちなみにセンセイは仏教徒(曹洞宗)ですが。
 書斎窓から米山を確認すると、おぉ、くっきりとその全貌を見せています。この時季は、あたり一面が雪雲に覆われて山頂付近を見ることができないのが普通。

 最寄りのスーパーまでの間で、最も高い場所から撮影したのが写真。今日は風が弱かった──これは事前情報通り──ため、頂上付近の奥にある雲が取れることはありませんでした。
 柏崎市中心部は、鯖石
(さばいし)川と鵜(う)川という二つの川が日本海に注(そそ)ぐ場所に形成された、狭い平野に位置します。

 そこを東から時計回りに八石山、黒姫山、そして米山の「刈羽(かりわ)三山」が囲んでいます。河口は北。つまり山々は市街地の南東から南西にかけて位置するので、どうしても逆光になります。それでも米山は、朝のうちなら割と順光で撮影できるのです。
 でも、一部繰り返しになりますがこの時季、朝から晴れるのは稀。

 しかも今日はお昼近くまで雲に隠れていたわけですから、今日は恵まれた方だと解しましょう。これも運命。

 復旧した当地のアメダスの記録によると、センセイが外出していた時の気温は4℃くらい(最高気温は日付が替わった直後に記録した5.8℃)。でもかなりの距離を歩いてきたせいか、もっと暖かく感じます。
 めぼしいお刺身がなかったので、センセイは別なスーパーへ。

 結果的に、今日の歩数は12,463歩。そのおかげか夕方の最高血圧は、ここ数日の値より15mmHg程度低くなりました。そもそもこのところずっと問題ないレベルを維持しているので、もはや低血圧のリスクを検討しなければならないレベル。
 で、皆さんすでにお気づきのことと思います。

 今日の徒歩での外出は、明日以降の天候が頭にあります。予測によると当地は、明日正午頃に天気が急変し、まず相当強い風が吹くはず。明日はまだ、降雪は大したことないと思います。されど夕方からは、上空に今シーズン一番の寒気が入り込みます。
 山間部を中心に、本格的な降雪となるはず。もしかしたら平野部でも再び、一晩で数十cmの雪が積もるかも。

 来週の講義再開に合わせて、今週末には金沢へ移動しなくてはならないのですが...。JR新潟支社はすでに、支社管内全線区において、明日の始発から終日運転を見合わせると決定、告知しています。

 冗談抜きで、どうなる!?



1月5日(火) 鬼門 ──旧Mac OSマシンから、新規インストールしたMacBook Proへのアクセスに成功しました──

 このところの寒波および大雪ネタで吹っ飛んでしまった感がありますが、ここは気を取り直して、頓死した発生したMacBook Pro(Windows 10)の続報です。

 年末にお伝えしたように、(1)“BootCamp”を用いてWindows 10をインストールし、(2)ライセンスも認証済。(3)心配していたOSのバージョンアップにも成功しました。ただしここから先が文字通りの、鬼門(きもん)
 Windowsネットワークを用いたファイル共有です。

 それでもWindowsマシン同士はOSのバージョンが異なってもほぼ確実に繋がるのです。難しいのが、(4)旧Mac OSマシンからのアクセス。
 センセイが管理する最新のMacBook Pro(Retina、2018)では残念ながら、未だに一度も実現していません。

 で、結論からお伝えすると何度か挑戦の後、無事に成功しました。最初の数回繋がらなかったのは、センセイのタイプミスによるものです。

 その昔、数年間だけですがピアノを倣っていたので、ずっとタイプミスはほとんどなかったのです。実際、大学の秘書時代に仕事で電動タイプライターを使っていた(!!)ほど。
 でもこのところ、視力および体力の低下で打ち間違いが増えているのです。

 右が接続後の様子。自宅のMacintosh G4 Cubeからアクセスしているのですが、きちんと手順を踏むと左の写真のようになります。アイコンはネットワークドライブを表しています。
 アクセス権の関係で、別なアイコンを直接ペーストすることはできません。

 そこで「エイリアス」──Windowsの「ショートカット」──を作成。このエイリアスの作成に成功すれば、次回からはダブルクリックするだけで確実に接続する便利な存在。
 ここでいったん、ドライブを切断します。

 エイリアスの「情報を見る」→「一般情報」に希望するアイコンを貼り付け、ダブルクリックすると右の写真に。こちらはエイリアスではなく、ドライブ本体です。
 両者の間ではMac特有の「リソースフォーク」を含めて、ファイルを自由に読み書きできます。OSの違いを意識する必要は全くありません。

 ふと思いついてここで、以前失敗したことを試してみました。損傷したためケースに収めた旧SSDへのアクセスです。ただしこちらはUSB接続。データは既に新しいSSDに以降済。
 でも先月末時点でのオリジナルデータは、この中に存在しているのです。

 残念ながら、Mac OS Xからだと読み取りしかできないことは確認済。でも、当時はいろいろな意味で余裕がなかったので、Windows側からの状況を確認していませんでした。
 で、繋いでみたのが右の写真。

 左側、上の三つは母機であるMacBook Proのボリュームおよびドライブ。そして下の二つが損傷したSSDです。その“MacBok Pro(F:)”はもはや無意味な存在。ポイントは、最下段の“Windows 10”ボリューム。
 それを開いたのが右側。ここに旧SSDの、Mac側を除くすべてのデータが保存されています。
(“.finf”はMacが使用するデータを収めた不可視フォルダ)

 残念ながら各種設定などアプリケーション固有の情報は救出できませんが、この領域に関しては読み取りだけでなく、書き込みも可能。まぁ、実際に使うことはないでしょうが。「比較的明るい気分で新年を...」と記すことができたのは、これが理由。
 ただし、先はまだ長い。

 果たして、(5)MacとWindowsボリュームの相互アクセスは可能なのか。この点もMacBook Pro(Retina、2018)では実現してません。(当時)最新鋭の高性能であるにもかかわらず、同機がこれまで表に出てこなかった理由です。
 ところが...。(続く)



1月4日(月) ご縁は、なかったなぁ... ──移転新築し、今日から供用が開始された柏崎市役所を訪れました──

 世の中は今日から仕事始め。ニュースは新型コロナウイルスのニュースとともに、丸ノ内の出勤風景を流しています。

 でもセンセイはまだ自宅。金沢工大の仕事始めは7日(水)。普段は忙しい組織なので、盆と正月だけはしっかりと休みます。さらに、仕事始めの公式行事は式典だけなのですが、今年は感染拡大防止のため遠隔。
 翌日から講義が再開されるのですが、今週はたまたま講義がないため、あらまじめ申請して文字通りの在宅勤務。

 金沢へは週末に移動します。

 で、世の中が平日という滅多にないこの機会を利用して、普段ほとんど行かない場所を訪れることにしました。移転新築工事が進んでいた柏崎市役所です。市役所はたまたま、今日から供用を開始。
 家人から「柏崎市民じゃないのに...」と訝
(いぶか)られました。

 仰る通り、センセイは住民票を移してあるので、現在は金沢市民。でも遊びで訪れたのではありません。ここがセンセイの根拠地であることに変わりありません。
 一部の年金受給申請に必要な書類があるのです。

 お伝えしたようにセンセイは、冬休みに入ってから明らかに運動不足状態。当地は昨晩から雪が雨に。だから雨雲レーダーを確認した後、お昼前に雨が降らない時間帯を見つけて徒歩で出発。
 自宅前の雪も一部が融け、残りは雨で圧縮されて重い雪──実際は氷に近い──に変わっています。

 雨で積雪量は激減し、朝は30cm程度。つまり昨日の半分。現時点では気象庁によると24cm(機器は今日の午後に復旧)、国土交通省によると22cm。道路の雪は融けています。
 ただし道路脇には数十cmの雪の山が残されていますが。

 駅前に移転した市役所へは駅前公園を通るルートが最短。実際、柏崎駅へはその道を利用してきました。ただし今日のお昼の段階で除雪されているのは車道(と一部歩道)だけ。公園は雪が深く、事実上通行不能。
 しかたないので、まだ不通の越後線(午後に運転再開)と、朝から運転が再開された信越本線の踏切を渡り、別ルートへ。

 ぐるっと“U”字型に迂回して、駅側から見た市役所が最初の写真。入口と思(おぼ)しき場所から入館したのですが、広い廊下のような部分があるだけ。掲示を確認すると、センセイは裏口から入館してしまったようです。
 正面玄関はこちら側。

 新市役所は、市の玄関口である柏崎駅にお尻を向けている、というわけね。

 それはともかく、必要な書類を発行してもらうべく、市民課の窓口へ。初日ということもあって、来庁者が多い市民課の窓口付近には多数の係員が配置されています。されど裏口入学...じゃなかった、裏口から入館したセンセイに注意を払う人は一人もいません。ホントに。
 気配を完璧に殺していた、ということなんだろうか...。

 必要な書類を書き終えてから係員に声を掛けます。そうしないと無視されたままだったし、実際、最初は誰も応答してくれなかった──こちらも実話──のです。ここでやっと、受付番号札をもらいます。
 本当は、まず最初にこれを発券してもらうらしい。

 順番が来るまでの間、窓口職員および案内係員の様子を観察させていただきます。働いているのは明らかに、二種類の人々。窓口の人──何故か全員が女性──は胸に社員証。裏にはモットーが書かれています。
 衣服はごく普通。

 他方は皆、ある程度良い背広を着ています。これは地方の公立高校の先生も同様。初日なので課長、係長クラスが陣頭指揮しているのです。
 センセイの勝手な思い込みではありません。

 胸に付けた身分証明書に小さく、「市民課課長」その他と記されています。

 お気づきかと思いますが、窓口業務に従事している方々は外部委託業者。両者の間には絶望的なまでに深い溝が存在しています。田舎では市役所や町/村役場に就職するのは、その地域でのエリート。
 伝え聞くところによると、男性が就職した場合、「家の娘を...」という話が殺到するとか。

 その代わり正規職員は基本的に、「ここだけ」しか識らずに一生を終えることになります。

 センセイの父親──長い間教育を受けさせてくれたことには感謝している──や、弟がそうでしたから。そしてこれは、比較的良いスーツを着用している点も含めて、地方の公立学校の教員に共通しています。
 幸か不幸か、ずっと民間企業で生きてきたセンセイには、ご縁がない生き方だったなぁ...。

 新潟県中越沖地震の被災経験から、建物は免震構造。隣接する市民会館同様、建物は巨大な免震装置の上に載っています。建物の周囲をよく観察すると、土地と建物の境界がわかります。(金属の蓋で塞いである)
 足元が悪かったのと遠回りをしたこと、そして市役所でかなり待たされたこともあって、帰路はかなり強い風と霙の霙
(みぞれ)の中を歩くことになりました。トホホ。

 え"っ、2枚目の写真は何だって?

 説明を忘れていました。すみません。

 新市庁舎開庁に際して柏崎市は新たに、写真の「おくやみ」窓口を設置しました。誰かが死去した場合、ちょっと考えただけれでも火葬に始まって、戸籍や各種年金など多くの手続きが必要なはず。
 個人的には義父母、義兄の葬儀はセンセイが差配しましたが、各種手続きは家人が担当したため、その詳細は知りませんが。

 そこで柏崎市は、各課にまたがる事柄を「ワン・ストップ」でできるこの窓口を開設したとのこと。残念ながらセンセイを含めて誰もが、最低でも一度はお世話になる場所。その意味ではありがたい窓口です。
 なお、この写真の撮影に際しては係員の許可を得ています。念のため。 



1月3日(日) 気象庁より、やはり国土交通省の方が... ──新潟県中・上越地方は大雪になっています──

 気象庁より国道交通省の方が...どうだというのでしょう。ちょっと考えてみてください。ヒントは、「コーヒー予算」。正解(?)は、後ほど。

 写真は今日のお昼、スーパーへ行くために外出する際に撮影した自宅および進入路。ご覧のように、かなり雪が積もりました。心配していた通り、昨晩から今日の午前中にかけて当地はかなりの雪がドカンと降ったのです。
 進入路の脇には雪の山。

 拙宅では、除雪は何故か家人の仕事。もちろん大半の時間、センセイは自宅にいません。その期間はしょうがないとしても、申し出ると何故か、「スコップが1本しかないから」と、やや真意を理解しかねるお返事。
 お伝えしたように実は、車の中に鉄製のスコップ

 ただしそれを言うと角が立つ──我が家では家人が一番偉い──ので、除雪する権利を譲ります。彼女の2時間の努力の成果が写真。積雪は...と、具体的な数値をご報告したいところ。
 でも、実はわかりません。もちろん自分で計測することは可能ですが。

 というのは、当地にある気象庁の積雪計が大晦日から故障したままなのです。されど情報の入手手段は他にも存在します。ご存じのように、新潟県は雪国。
 北陸の石川、富山県などに比べて、そもそも気象庁のアメダス局が多いだけでなく、山間部を中心にかなりの局が積雪計を設置してます。

 直感的に一番理解しやすいのは、新潟大学災害・復興科学研究所が「新潟県積雪深分布図」および「新潟県積雪深差分布図」として2012年度からが提供しているサービス。
 後者を見ると、昨晩から今日の降雪が新潟県中部および西部(中越・上越)に集中していることがわかります。

 基本的には「里雪型」。風が弱く、上空に低気圧があるか、線状降雨帯がかかった時に発生します。「山雪型」とは違って、地形や高度の影響を相対的に受けにくいのが特徴。要するに、どこであろうが降る時は降る、という感じ。
 同研究所はさらに、全国版のサービスを2016年から開始

 予算が少ない中で、よくやるなぁ...。あ、これもヒントですね。

 されどこれでも具体的な数値はわかりません。いよいよ登場するのが切り札。国土交通省。市内アメダス局よりさらに近い場所に国土交通省北陸地方整備局の出張所があり、その敷地内に積雪計が設置されているのです。
 こちらから各種データを取得できますが、それによると今日の最深値は63cmとのこと。

 現場の状況と見事に一致。昨日から一気に45cmくらい積もったことになります。これは予想の範囲を超えていました。

 センセイが行き来する新潟、富山、そして石川県はたまたま北陸地方整備局の管轄。慣れないと使いづらいサイトですが、個人的には特に冬季、非常に役に立っています。見方を変えると、なぜこのデータを気象庁は利用できないのだろう。
 鉄道、高速道路、警察庁その他を含めて、この種のデータは各組織が独自で相当収集しているはず。

 それでも、たとえば「にいがたLIVEカメラ」などは一般道(国道)、高速道路、河川および地域のライブ映像を活用できるプラットフォームを提供しています。気象に関してそれが実現しないのはたぶん、例によって行政機関の縦割り。
 もちろん各機関には本来の目的や役割があるのです。

 ここで、発想をさらにもう一度変えると、気象に関するデータはすべて気象庁が集めることにして、他機関はそこから引き出すことにしたらどうでしょう。残念ながら現在の状況で、その可能性はほぼ皆無。
 なぜなら、気象庁は「コーヒー予算」。

 今年度当初予算を基準にすると、気象庁が総額約595億円なのに対して、国土交通省は5兆7,363億円。要するにざっと100倍。前者を国民1人当たりに換算すると、確かにコーヒー1杯でしかない。前任校の、仲の良い元同僚のご主人は、元新潟地方気象台予報課長。
 やはり、予算の少なさをこぼしていました。

 この問題は決して他人事ではありません。研究に直接の費用を相対的にあまり要しないセンセイら文系の一部はともかく、大学の理系を中心とする研究者は皆、政府および国民(の多数)が基礎的な科学研究をないがしろにし、予算を継続的に削減していることを嘆いています。
 ある意味、それがこれまでのノーベル賞をもたらしてきた大きな要因の一つなのに。

 天気予報によると、明日の日中は雨になるとのこと。積雪のかなりの部分が融けるか、融けた後に再凍結して、重く締まった雪の塊になると思います。

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