2021年6月12日更新(2021年6月20日ページ移動)

──2021年6月第2週のニュース──

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6月12日(土) 野々市は、奥が深い...。(6) ──歴史を継ごうとする者──

 野々市の文化的雰囲気は、金沢のそれとずいぶん違う...。

 金沢市と野々市市(旧野々市町)の境界付近で約20年暮らしていて、割と最近実感していることです。おそらくその一つのきっかけは、電車で移動する際に大学のすぐ近くで、この地域を支配していた富樫家の館跡に触れたこと。
 センセイはそれまで、この地域はずっと加賀藩、つまり前田家の支配地域だと思い込んでいたのです。

 もう一つは、野々市に代々住んでいる方から直接聴いた「尾張のうつけ者」という言葉。これは通常、織田信長のことを意味するのですが、当地では加賀藩初代当主前田利家を指します。彼は尾張の出身なのです。
 つまり「ここは金沢ではないぞ」という意味。

 そもそも当時の「金沢」は、浅野川と犀川に挟まれた狭い地域。現在の金沢市中心部のみを指します。

 その周囲を寺と墓地が囲んでいます。その外はもう「金沢」ではありません。この辺の感覚は、ヨーロッパの城郭都市と似ています。映画「アマデウス」の中で、主人公モーツアルトの亡骸が、城郭の外側にある無名墓地に乱暴に埋葬されます。
 あの感覚。

 ただし城郭都市の境界は市の中心部にありますが。金沢ももちろん歴史を感じさせますが、野々市も負けず劣らず魅力に満ちています。しかも金沢が士族を頂点とした上意下達──今風に言うなら「トップダウン」──なのとは対照的に、野々市はもっと柔軟。
 江戸と、堺の文化の違いのようなもの。

 それはご紹介した言葉でわかるように、当地で住み続ける方の中にほぼDNAレベルで継承されています。そしてまた、お伝えしたように町並みにも。ただしそうなると当然、新たな問題が。
 どんどん変化する時代に、どう対応していくか、ということです。

 一つの例は鉄道敷設への対応。当地を北陸鉄道石川線が走っているのですが、旧北国街道に沿いながら、野々市市街地を迂回しています。まぁ、この点は金沢市中心部の外に建設された北陸本線も同様ですが。
 もう一つは、この歴史的資産をどうやって継承していくか。

 写真は野々市市本町(ほんまち)にある古いお宅。左側の立派な土蔵と一体で造られています。記念建造物等ではないようです。このお宅はまだ現役。
 ただし住居として使っていらっしゃるかどうかは不明です。

 少なくとも若手の方は、右側に隣接するお宅で生活していらっしゃるようです。このお宅は、過去の資産をできるだけそのまま残そうとしていらっしゃるようです。
 いわば野球の直球ストレート。

 でも、これだけのお宅を維持していこうとするのなら、手間暇とともに相当な維持経費がかかります。正直なところ、自治体等からの補助がなければ困難なレベル。でも、直球が無理ならカーブボールだってあります。
 センセイはどちらも無理ですが。

 実際、別なアプローチを採用している──と推測される──お宅も存在します。

 つくづく、野々市は奥が深い...。



6月11日(金) 夏らしく、サッパリ!! ──大学1号館前の松の木が剪定されました──

 今日は見たままのお話。

 写真は昨日の朝に気づいて撮影したもの。金沢工大関係者ならすぐお分かりになるはずですが、大学1号館正面脇にある松の木です。造園業者が入り、一昨日の午後から剪定(せんてい)作業が始まったのです。
 センセイは奥から手前に歩いていたのですが、最初は「あぁ、手入れが始まったんだぁ」くらいの認識。

 ...え"っ?!

 ご覧のように脚立が二つ立てられています。それぞれの上に庭師の方が立ち、枝切り鋏で手際良く...何だか小柄。そう、低い部分を担当していらっしゃる方は、若い女性なのです。
 女性の園丁さんを見るのは初めてです。(女性だから撮影しているわけではない)

 どうやら親子のようで的確に、そして二人の息を揃えながら作業を黙々と進めていらっしゃいました。一つ気づいたことがあって、お二人とも姿勢が非常に良い。
 う〜ん、見習わなくては。

 そしてもう一つ。漠然とですが、低い部分から作業するんだろうな、と思っていたのです。でもお父さん(?)は上から。お嬢さん(?)は中程から。
 家に入った泥棒は品定めをするために、タンスを下から引き出すと言われています(その理由は自分で考えてね)。

 同様に、切り取った枝のことを考えれば確かに、上から作業を始める方が賢明だ。割と簡単に終わるのかな、と思ったセンセイは甘かった。
 すべての作業が終わったのは結局、昨日の夕方近く。

 写真でおわかりのように、木の右側の低い部分のみが未剪定。で、作業を終えた部分と比べてみるとその差は歴然としています。こんなに違うとは思ってもいませんでした。

 今日の北陸地方は南から暖かい空気が入り込んだため。気温が急上昇しました。金沢の最高気温は30℃に届かなかったのですが、自宅近くの新潟県長岡市は33.8℃を記録。いわゆる「猛暑日」寸前というわけです。
 それに合わせたわけではないのでしょうが松の木は夏らしく、サッパリとした姿に。

 松を見ているこちらも自然と、前向きな気持ちになってきます。そうだ、理髪店へ行こう。



6月10日(木) 勢力地図が一変か?! ──「ゲンキー 扇が丘店」、来週木曜日オープン!! ──

 木曜日の今日は、お昼を挟んで学部の講義が2コマ。

 学科は同じでクラスだけが異なります。同じ進度なので授業をする側としては比較的楽。ただし今日は特別な課題が。新型コロナウイルスがまだ流行しているため、いろいろな事情で登校できない学生に対応する必要があるのです。
 昨日お伝えしたように、今週は対面授業。

 つまり対面授業を行いながら同時に、講義内容を“Zoom”で離れた学生に伝えようというのです。実は以前にも一度、別な科目で挑戦したことがあったのでが、その時は技術的な理由で敢えなく沈没。
 そこで今回は、いつものMacに加えて研究室で事務作業用に使っているWindowsノート機を、事前に各種設定をした上で教室に持ち込みました。

 教室には早めに到着したのですが、前の時間の講義が長引いています。事情を説明して、前の先生の片付けと平行して講義の準備。
 講義開始時刻ちょうどにやっと、接続と設定を終えました。

 多少問題はありましたが、ちゃんと画面の向こうの学生と繋がっています。ただし今日は目の前にパソコンが2台。しかも別なソフトで違った画面を提示しています。
 それにそもそも、遠隔、対面両方の受講生がそれなりに満足してもらえる授業にする必要があります。

 それでも学生諸君の協力──久しぶりの対面授業だったので、受講生もやはりうれしかったそうな──もあって、何とか午前の講義を終えました。
 午後の授業も同じ教室なのですが、貴重品が多いので機器を片付け、ひとまず研究室へ撤収します。

 あらかじめ用意しておいたお昼を急いで頂き、午後の講義までの残り時間を確認してから、カメラを手に外へ。

 新築工事が続いていた「ゲンキー 扇が丘店」が、6月17日(木)、つまり来週の今日オープンすると報道されたのです。現場を訪れて撮影したのが写真。当たり前ですが、外装内装工事、備品類の設置は完了。
 数日前から商品の搬入が始まりました。

 写真では判別できませんが、今日初めて、玄関に「6月17日(木)朝9:00オープン」と朱書されていました。

 たかがドラッグ・ストアの開店、と思われるかもしれません。確かにその通り。ただしこのお店の進出は、この地域の人々、特に高齢者と付近に住む金沢工大の学生にとても大きな影響を与えることになりそうなのです。
 そして、まず間違いなく「ゲンキー」もそれを意図しています。

 他の地域について断定的なことは言えませんが、北陸地方ではこの種のお店の出店ラッシュが続き、完全な過当競争に陥っています。それに対応すべく、各店は特徴をアピールした差別化を進めています。
 例えば先週ちょっとだけ触れたお店は、地域に根ざした地元資本の「コメヤ薬局」。

 対照的に、大学斜向かいの“V・drug”など最近進出してきたお店は、ある程度日持ちする食料品も取り扱っています。まだ入ったことはありませんが、「ゲンキー」は特にそれが顕著で、スーパーとドラッグ・ストアの中間的な存在らしい。
 NHK金沢が2回に渡って特集番組でこの地域のドラッグ・ストアを取り上げ、「ゲンキー」とそれを迎え撃つ「コメヤ薬局」の取り組みを紹介していました。

 実はこの辺は、どのスーパーからも「ちょっとずつ遠い」地域。もちろん若い主婦など自動車を使える人にはほぼ無関係です。利用する人は利用するし、そうでない人はさっぱり使わない。でも地域の老人や学生にとって、話は別。
 おそらく、とても有難い存在になるんじゃないだろうか。

 実際、過疎化が進む能登地域などではそのような存在になっているんだそうです。となると、一番バッティングするのは...。



6月9日(水) 大学脇、「きっちん サイクル」の隣の家が解体されてしまった...

 写真は昨日のお昼に撮影したもの。

 火曜日は朝イチと午後に学部の講義があります。しかも今週は久しぶりの対面授業。遠隔と違ってたくさん歩く──この日の歩数は約15,000歩──し、体力を使うので、朝の講義を終えると、早めに外へ。
 ...あれっ?!

 まず大学斜向かいのドラッグストアへ。鞄の中に入れている小型消毒液を買い直す必要が出た──後日、情けない事情をご紹介するかも──のです。
 お店に入ろうとしたその時、例の、悲しそうな「
」が。

 道路を渡り、2年前に閉店した「8番らーめん 工大前店」跡(写真右外)横を通り過ぎて大学東側の生活道路に入ります。やっぱり...。
 「きっちん サイクル(再来る)」隣の民家を解体しています。

 昨日は「ベリッ!!」という音を立てながら、主に人力で内部の壁材等を剥がしていました。良く見ると、まだ使用してはいないものの、重機も入っています。
 そういえばこのお宅の右側にもかつては右側にも民家が建っていたような。現在は駐車場として用いられています。

 ずっとお伝えしている民家解体の話題ですが、意図的に探しているわけではありません。客観的には、旧北国街道繋がっている金沢工大近辺で特に目立つのです。
 おそらく約50年前にこの辺りが新興住宅地として開けてきたため。

 その周囲の地域は、少し遅れて宅地として開発されています。こちらではまだそれほど、世代交代は顕在化していません。

 今日のお昼休みに現場を再訪してみると、けたたましい音が。写真の重機が文字通り牙を剥き、「バキバキッ!!」っと柱をへし折っていました。すでに2階の屋根部分はほぼ撤去され、取り除かれた柱はトラックの荷台に収められていました。
 それが整然としているのに、ちょっとびっくり。

 その後は確かめていませんが、当然、すでに残骸だけになっているのでしょう。



6月8日(火) 豆は、野菜だ(当たり前だけど) ──西村センセイ、空豆を初めて茹でる──

 ...というかそもそも西村センセイ、豆を茹でたことがない。

 小学生の頃、実家で収穫されたばかりの枝豆を取り、茹でるのを手伝った覚えはありますが、せいぜいその程度。実は昨日、親戚から空豆を貰ったのです。大半は知り合いへの贈答用として使用します。
 残りは自宅用。

 いつもは家人が茹でたものを貰うのですが今回は都合で、鞘に収まったままのものに。かなりの量です。ただし実家の地域では空豆を育てていない──たぶん土質が違う──ので、センセイは取り扱いに慣れていません。
 そもそも鞘(左)から実(右)を取り出したことすらない。

 実際にやってみると枝豆なんかと違って、鞘の内部(中央)は肉厚のスポンジ状。身はその中に収められています。高級なマイクロホンなど壊れやすいものを専用ケースに収めているような感じ。
 次は茹でる作業。

 家人によると「葉物野菜を茹でる感じ」で、「充分な量のお湯が沸騰したら2分くらい」茹でれば良いというのですが...。フライパンと違い、そもそも金沢に大きな鍋はありません。
 中くらいの鍋にできるだけ多く水を入れ、ガスコンロに掛けます。

 沸騰してきたのはいいのですが、こんなに大きな空豆、本当に2分茹でるだけでいいんだろうか。そもそも「お湯が沸騰してから2分間」だったのか、空豆投鄭「再沸騰してから2分」だったのか。
 だんだん自信がなくなってきました。

 そもそも経験がないからこのような事態に陥るのですが、とにかく空豆を投入します。沈むだろうと思った──枝豆は沈んだと思う──ら、予想外にすべて浮いたまま。
 蓋をして再沸騰を待ちます。この間、約1分。

 間を取って1分半後にザルでお湯を切ります。熱々のものを1個手に取り、冷ましながら食べてみます。かなり柔らか目。やはり投入後2分だったんですねぇ。いみじくも家人が述べた通り、一種の葉物野菜なんですね。
 良く考えてみれば当たり前なんだけど。

 子供の頃から慣れ親しんだ味...というわけではないのですが、やはり美味しい。ごく短いこの季節だけの恵み。残りは冷蔵庫に入れ、美味しく頂いています。

 深謝、深謝。



6月7日(月) もう一つの選択肢 ──近所のお宅は、解体新築ではなく...──

 写真は今日の夕方撮影したもの。

 夕日を正面からモロに浴びているため、現場は明暗のコントラストが非常に強い。そのままでは写真も肝心の暗い部分がほぼ真っ黒になり、何が何だかわからなくなってしまうため、「ガンマ補正」という明るさの調整を施しています。
 悪しからず。

 覚えていらっしゃると思いますが、3月下旬に初めてご紹介した解体中のお宅です。裏にあるいつもの通勤経路を歩いていて気づいたことがあったのです。
 しかも思い返してみると、しばらく前からこの状態が継続している。

 前回お伝えした「音」です。ただしここ数週間、その音の内容が変化しているのです。確かに1ヶ月前は「ベキベキッ、バリッ!!」。ところが最近はそれ以外の音も。
 そもそも、一向に解体に着手しません。

 もしかして...と思って玄関側に回って様子を確認します。おそらく、センセイの最初の予測「解体→更地化→土地は分割販売、戸建て住宅新築」はハズレ。
 どうやら非常に大規模な改築工事を行っているようなのです。

 リフォームといえば、まず浮かぶのが水回り。生活様式が変化し、また技術が進化するので、どうしてもトイレ、浴室や台所は時代遅れになりがち。
 実家も、大きいものだけで3回くらいリフォームしているはず。

 次に多いと思われるのが、外壁の更新。住宅の寿命は外壁で決まる面があります。最近の流行は外壁を取り替えるのではなく、その外側に軽量の新しい外壁を取り付けて、まるで新築のお宅のように見せる方法。
 こちらは壁が厚くなるので、防音・断熱効果もあります。

 その他に、間取りの変更なども。ただしこの場合は構造が変更になるので、状況によっては強度上の問題が発生する可能性があります。

 で、このお宅はというと、それらとは違うようです。家具類を全室から一切撤去して行うという、非常に大規模な工事。しかし少なくとも現時点で、外装には一切手を加えていません。玄関の奥に見えるのは壁として使われる石膏ボード。
 壁紙を張り替えるのなら良くわかりますが、なぜ壁?

 そもそも、工事の主体が誰なのか、良くわかりません。仮に、このお宅を建てた方がご存命だったとしても相当な高齢。とてもリフォームしたいとは思わないはず。引き継いだお子さんなどが改築したいと考えるても、不自然ではありません。
 でもその場合は自分の部屋や水回り、あるいは最低限の間取り変更など。

 親が使っていた部屋や客間、仏間などなどにまで手を伸ばすだろうか...。改築費用を含めて、です。

 見方をガラッと変えて、まったく別の方がこのお宅を購入したとします。実際そのような例を知っており、中に入らせていただいたことがあります。でもその方は「家の使い方」を大きく変えても、家そのものには最低限の変更しかしていませんでした。
 それに、それなら表札を取り替えるはず。

 まぁ、こちらは工事完成後に交換...ということなのかもしれませんが。いずれにせよ、アパートの近くではあるものの、町内が違うので、もともとの住民の方とは面識がありません。だからこのお宅の件は、残念ながら謎のまま残されそうです。

 ただし少なくとも、「解体→新築」だけではないということを目の前で見せていただいたことだけでも有益でした。



6月6日(日) 少しずつ、平常に戻っていきます ──「ニュートンのりんごの木」に実がなりました──

 いつも通りの時刻に起床。

 されど残念ながら、まだ疲れが抜けません。そもそも歳を取ると疲れが取れにくくなるのですが、やはり昨日は相当無理をしたようです。

 客観的なデータはどうなのか、その一つとして血圧を測定してみます。測定条件はいつも通りだったのですが、起床時の「上」(収縮期血圧)は113mmHg。昨日より少し悪い。一昨日の朝なんて、103mmHg(!!)だったんですよ。
 まぁ、いずれにしても130mmHg以下だから、問題になるほどではないのですが。

 お伝えしたこのサイトへのアクセス急増、発表当日の昨日がどうだったのか、こちらも興味津々で管理ページにログイン。講演者や司会はもちろん、フロア──参加者のこと──は遠隔での参加。
 だからその場でこのサイトを簡単に見ることができるのです。

 で、結果はというと、水曜日から金曜日までの異常なアクセスは収まり、ユーザー数、閲覧総ページ数ともに、通常の20%増程度。
 見方によっては、大学の先生方からすると「この程度かぁ」と評価された、と解釈することも可能なのですが。

 今日の写真は、数日前に撮影した金沢工大の「ニュートンのりんごの木」の様子。ご覧のようにたくさんの実を結び、しかもそれがかなり大きく育っていました。
 このところ忙しかった──あちこちから催促のメール。トホホ...──ため、状況を確認していなかったのです。

 開花同様、結実も例年より1、2週間早いと思う。金沢工大に植えたのはセンセイですが、それから約20年が経過。そう遠くない将来、センセイはこの地を離れて新潟へ戻るはず。
 「親は無くとも子は育つ」というわけです。

 いろいろなことがかように、多少緩急の差はあっても、元に戻りつつあります。夜の「上」の血圧は121mmHg(加重平均の最低値)。というわけで、身体の方はまだ緊張感と疲労を残したまま、まぁ、いつものレベルへ。
 ただし一つだけ、気がかりなことが。

 しかもそれは、センセイの今後に関すること。秋までに、それをお伝えすることになるかもしれません。

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