2021年5月1日更新(2021年5月9日ページ移動)
■5月1日(土) 音の嬉しさが、違う ──このお宅も近い将来、忽然と...──
世の中はゴールデンウィーク。
でもセンセイは授業がないこと以外はいつもと変わらず、採点と学会発表の準備。雑務が少ないので、かなり集中して仕事ができます。新入生クラスの課題の一つにすべてコメントをつけることが。
昨日今日と頑張った甲斐がありました。先週後半に徒歩で出勤途中、1本隣の道路に面した場所で何人もの作業員が工具を使って「キンキン」と派手な音を立てながら何かの作業中。まだ朝早いのに。
何だろうと思ったら、作業員が取り組んでいるのは工事用の仮設足場。それを解体しているのです。最初は何かを組み立てるための足場かと思ったのですが、違います。もはや確かめる必要はありません。
こちらの2枚目の写真のお宅が解体されたのです。昨日のうちに解体され、今日は足場の解体撤去と、残骸の片付け。近日中にここは更地になるでしょう、ここでふと、頭のどこかで気になっていたことを思い出しました。
先ほどのページ1枚目の写真のお宅です。その日の夕方、こちらも1本隣のいつもの道を使って帰宅する途中に確認すると、おぉ、今日も無事に...あれっ?!
その時はお宅の裏から見ていたのですが、無人なのに窓が開いています。おかしい。立ち止まって様子を観察していると突然、「ベキベキッ、バリッ!!」。2階に誰かいます。
お察しの通り、天井か何かの解体作業中。日は沈み、相当暗くなっているのに。正面玄関側に回って撮影したのが写真。一見するとほとんど何も変わっていないようですが、実際には室内が相当片付けられているようです。
なお、繰り返しになりますが、中央の門やお庭は別のお宅のもの。
当たり前ですが、家を新築する時は「トントン」というリズムの良い音がします。注文主(「施主」)や大工さんはもちろん、金槌もホントに楽しそう。でも半世紀近くが経過し、それを解体する時の音は、本当にもの悲しい。
かなりの部分、こちらの感情移入なのですが。この立派なお宅も近い将来に忽然(こつぜん)と、その姿を消すことになります。(合掌)
■4月30日(金) 春は、おいしい ──西村センセイ、数年ぶりに炒め物を作る──
正確に言うと、「春キャベツはおいしい」なのですが。
長い読者の方は良くご存じですが、センセイは学部学生時代の後半、コックのアルバイトをして生活費を稼いでいました。だから料理は得意。休日になると、同級生がセンセイが作ったものを求めて、同級生がアパートに集まっていたほど。
材料費その他は貰っていたんだろうか...。それはともかく、その後も自炊生活は平気。ただし皿や鍋などの洗い物は苦手でしたが。
金沢で一人暮らしをするようになってからも、事情は変わりません。おいしい野菜を母親からたくさん貰っていることもあり、飲み会以外、夕食を外で食べるなんてあり得ない。何より自分で作った方がおいしい。
もちろん繊細を要求される和食は別。大量の野菜を処理するためには加熱調理、特に炒めるのが一番簡単。じゃがいもは電子レンジでふかしたり、キャベツは千切りにしていましたが。残念ながらしかし、いつの間にかこのような生活習慣に問題が忍び寄っていたことも事実。
要するに、これが高血圧の原因の一つになっていたのです。調理中に「おいしい」を求めると、どうしても舌が徐々に麻痺して、味が濃くなりがち。つまり塩分過多。製品名は伏しますが、市販調味料の主成分は塩分。そのため、数年前にアパートでの炒め物をスパッと止めることにしました。
塩分以外にも、いくつかの理由が。まず、どんなに強力に換気していても、周囲が薄く油で汚れます。もちろん調理後すぐにアルコール入りのシートで床まで拭くのですが、完全な除去は無理。
そして油脂分が酸化されるとやがて、独特の臭いを発するように。そして、もう一つ別な理由が。
仕事で中華鍋を使う時──業務でフライパンを使ったことはない──は、火力のコンロを使用します。これは中国語で「爆(バオ)」の状態。「チャーハン(炒飯)」など「炒(チャオ)」は、それより一段階弱い。
実際には、ガスの量で火力を調整します。家庭用のコンロでだと「爆」どころか、「炒」も難しい。金沢に来た当初は普通のフライパンを使っていたのですが、火力不足を認識し、底に別な厚い鉄板が溶接されているもの(写真)を使用するようになりました。
保温力は抜群。炒め方に関する問題は解決しましたところが数年前、致命的な問題が発生しました。仕事だと、使った鍋はすぐに洗い場で洗剤をつけずに洗浄するのです。油脂分についてはたぶん、まったく拭き取らず、「鉄板に油が染みついた」状態のままだと思う。
個人的には洗剤で洗っていましたが。されどある時、洗い場にこのフライパンを置いたところ、急激な温度差で底部溶接の一部が割れてしまい、底部と鉄板の間に一部隙間が発生してしまったのです。使えないわけではありませんが、極めて使いづらい。
「キンエン生活」を始めていたこともあり、これ以降、フライパンは炒め物ではではなく魚焼き鉄板に。トホホ。でも今回、母親からたくさんの野菜に加えて、小玉ながら春キャベツを1玉貰いました。鮮度のとの関係もあるのでほうれん草などを優先したところ、キャベツが残る格好に。いろいろ考えたのですが、数年ぶりに炒め物をすることにしました。
ただし他の野菜はなく、キャベツ以外の材料は豚肉の一番小さなパックのみ。「大丈夫かなぁ...」と思ったのですが、フライパンを実際に握るとただちに昔の感覚が戻ってきます。調味料についてはいろいろ考えたのですが、今回は冷蔵庫に残っていた焼肉用のタレのみを少しだけ使用。
あらかじめ豚肉と混ぜて馴染ませておきます。いつもならフライパンをギンギンに熱くしてから調理を開始するのですが、久しぶりだったので今回はもう少し低い温度でキャベツの根元部分を入れます。葉の部分は薄いので、すぐに加熱されるのです。
ただし結果はやや予想外。すぐに火が入った──コックの表現──なので、残った材料を大急ぎで投入し、火力を調整しながら一気に炒めます。慌てていたため、予定していたタレの追加を最後まで失念していたほど。(実話)
で、結果はというと、タレが不足していた分だけ薄味ですが、実においしい。西村センセイ、情けないことに、ここでやっと思い出しました。今回使ったのは柔らかい春キャベツ。センセイは、秋冬の固く、締まったキャベツのつもりでいたのです。やはり調理の勘が鈍ったな。
でもやっぱり、春はおいしい。ささやかながら、倖せ。
■4月29日(木:祝日) お好きなんだろうなぁ... ──こちらはちゃんと走ります(たぶん)──
場所としては昨日の標識の近く。ただし野々市の歴史とはひとまず無関係。
大通りと並行する生活道路を歩いていると突然、写真の車庫が出現します。庫に収められているのはおぉ、輸入車ばかり。左からまず、イギリスのジャガー(たぶん)。
実は西村センセイ、あまり車には詳しくないのです。(写真は一部加工)隣の赤い車はイタリアのアルファロメオ。その右側に防護シートを掛けられた車。大型車ではないのですが、車高が低いので、もしかしたらスポーツカーかも。
水色の車はミニ。ただし現在のミニはBMW製。骨格となるプラットフォームは共通なので、車体はかなり大きい。でもこちらはイギリスBMC社時代のもの。
ほぼ現在の軽自動車の大きさ。そして最後の緑色はイタリア、フィアット社製のパンダ。車体にそう書いてあるし、何より2002年に渡英した際、ロンドンからニュートンの生家まで自分で運転したので良く覚えています。
というわけで正体不明の1台を除けば、イギリス車2台、イタリア車2台。日本で相対的に人気があるドイツ車と、大柄のアメ車はなし。良く見ると、各車の背後には別な倉庫が。右側のシャッター付のものに自動車を収めるのは難しいと思いますが、もしかしたらジャガーの後ろはパイプ車庫かも。
お好きなんだろうなぁ...。まぁ、個人所有のものかどうかすらわかりませんが。
■4月28日(水) 昔の名前で出ています ──通りの呼び方は、どっちが正しい? ──
写真は昨日撮影したもの。今日の金沢は雨なので。
いくつかの用があったので、午後の講義を終え、4時近くなってから校舎の外へ。写真は北東方向を見ていますが、左から日が当たっているのはそのせい。大学前の「工大通り」を少し歩き、北陸鉄道石川線の踏切を越えたところです。
先週、ビールを買うためここを通りかかり、信号で一時停止している時に気づきました。右側の標識には「工大通り」。当たり前と言えば当たり前。この表記は以前から知っていました。
でも、その時初めて気づいたのですが、左側にある照明灯の支柱には、やや古ぼけた文字で“ST HITOICHI”。「ひといち」は「一日市」と書きます。
つまり名称が二つ。不思議に思ってちょっと調べてみました。ここは野々市市本町(ほんまち)2丁目。でもこの呼び名は1964年、つまり東京オリンピックが開かれた年の春に変更になったもの。(石川県公報)
それ以前は「一日市町」と呼ばれていたんだそうです。少しだけですが、野々市市のコミューター・バス「のっティ」の案内(英語版)に記述があります。一日市というのは、1のつく日に市が開かれたからだそうです。
知らなかった...。実は「ヒトイチ」という言葉、当地で暮らすようになってから割と良く耳にしていたのです。これでその謎がひとまず解けました。
そしてもう一つ。
だんだんわかってきたのですが、野々市は奥が深い。この近辺にも、いろいろ見どころがあります。個人的には金沢市よりずっと面白いと思う。というわけで少しずつですが、センセイが野々市で見たものをお伝えしようと思います。
なお、不連続になると思います。悪しからず。
■4月27日(火) トリコロールに続くのは、ドボジョ!? ──土木工学科の測量実習が本格化しています──
トリコロールの次は色ではなく、三脚と作業服。写真は昨日撮影したもの。
昨月曜日は、今日の1年生の講義に備えて提出物の採点と授業準備。ただしその前に気分の乗らない対面での会議があったので、センセイの調子はイマイチ。気分転換も兼ねて、スーパーでお昼を購入することにしました。
校舎の外へ出ると、あ"。土木工学科の学生が測量実習に励んでいたのです(こことは別な場所)。この季節が来たんだ...。ちなみに去年は新型コロナウイルス禍で例年より1ヶ月くらい遅かった。みんな熱心で、生き生きとしています。
決して、「言われたからやる」という態度ではありません。ご存じのように、コロナウイルスの感染が急拡大しています。金沢工大は現在、原則として遠隔授業と対面を交互に実施しているのですが、いつ全面的に遠隔だけになるか、まったく予断を許さない状況。
学生諸君も「対面[授業]がなくならないことを願います」。スーパーは手前。写真奥、キャンパス間移動用のバスを見ながら建物を曲がると、写真のチームに出くわしました。現場を通り過ぎ、振り返る格好で撮影。
ここで改めて確認したことが。中央のやや小柄な人物は女子学生なのです。先ほどの場所にも2名いました。土木工学に親しみを持ってもらい、この分野に従事する女性を増やそうと、「ドボジョ」と呼ばれた存在。
その愛称の品が良いかどうかは別。現在はあまり使わないと思う。それはともかく、かつては非常に珍しかった女子学生が土木分野でも増えていることは好ましいことです。性別にかかわらず、誰も向き不向きがあるのですから。
だからといって、男性学生を軽視しても良い、と言っているわけではありませんので、念のため。
■4月26日(月) 藤色の次は、トリコロール ──芝桜が見頃を迎えています──
時間的には昨日の続き。
写真は道路脇に咲いていた芝桜。写真には入っていない右奥の自動車工場兼ご自宅の方が、プランターで育てていらっしゃるようです。
ざっと見ただけでも、ピンク──藤色に近いものもある──と赤、そして真っ白なものも。他の地域は良くわかりませんが、北陸地方では家の周りに芝桜を植えていらっしゃるお宅が多い。この時季、チューリップで有名な砺波市などでは沿道のあちこちで目にすることができます。
個人的にも思い入れが。実家にはもともと芝桜はなかったのですが、センセイが中学生の頃、祖母(故人)が「仲良しの、近所のお寺から貰ってきた」といって、実家の石垣の下に芝桜を植えました。
いつの間にかそれが生長し、石垣の下はすべて赤い芝桜に。祖母はかように植物が大好き。70年以上前に嫁いできた母親も植物は好きですが、血が繋がっていないからか、目指す方向性はかなり異なります。彼女はお米や野菜など、どちらかというと実用性を重視。
そして実際、ホントに美味しい。で、両方とも血縁関係にあるセンセイ。植物は決して嫌いではないものの詳しくないし、育てるようなセンスは皆無。似なかったんですねぇ...。これまでの登場人物とまったく血が繋がっていない家人も同様。
それなのに自宅には母親が造った広い庭。実家のそれは、さらに広大。この時季だけのトリコロール(フランス語で三色旗/三色)を愛でながら、いつか確実に訪れるXデー以降について考えるセンセイなのでした。
植物に、罪はないのです。
■4月25日(日) なかなか遠くへ出かけられないので、遊戯道具のある公園は家族連れでいっぱい
「いっぱい」と言っても、密集状況ではありませんので、誤解なきよう。
写真は昨日、所用で郵便局まで徒歩で往復した際に通過した近くの公園。中央には土盛りの小さな山が築かれ、滑り台やブランコその他の遊戯道具。ご覧のように幼児や小学校低学年の児童、そして保護者。
子供たちは、思いっきり元気に遊んでいます。昨日の朝は放射冷却でかなり冷えたのですが、日が昇ると気温はどんどん上昇。公園を通ったのは午後2時頃ですから、体を動かすにはちょうど良い気温。
というか、この好天と気温なら、子供だけでなく大人も外へ出たくなる。子供も大人も、本当はどこかの観光地や大規模遊戯施設のある場所へ出かけたいんだろうと思います。それにもうすぐゴールデンウィーク。
もう入りかけている、と言うべきかも。でもこのコロナ禍。しかも、北陸地方を含めて変異型ウイルスが猛威をふるっています。お互い、密集は避けたい。となるとやはり、この公園など身近で密集を避けられる場所...。
実は学生諸君も可哀想。首都圏と関西圏でコロナウイルスの感染が拡大しているため、帰省などで他県に出かけた学生は石川県に戻ってから1週間登校禁止。この間、アパートで様子を見ることになっています。
新入生に訊くと異論はなく、「その代わり、大学近辺や金沢市を探訪する」とのこと。頼もしい限り。中には、ホームシックになりかけている学生もいるはずなのですが...。