2023年12月9日更新(2023年12月17日ページ移動)

──2023年12月第2週のニュース──

バックナンバーはこちら


12月9日(土) これぞ新潟市民のソウルフード ──最後の(?)北海道鉄分補給の旅(オマケ)──

 というわけで今回の北海道ツアーのオマケ。旅程初日「早めのお昼」の話題です。

 往路乗船した新日本海フェリーから、「11時までにはターミナルに」との連絡が。船内で一晩を過ごすことになるので、レストランを利用しないセンセイは夕食──というより(ぼっち)宴会──用の食料その他が必要。
 新潟駅前に宿泊する際はいつも、これらを駅構内のスーパーで調達しています。

 今回もこれに似た状況ですが、新潟駅建て替えの関係で駅構内のお店は現在閉店中。最悪の場合、コンビニでも何とかなるのですが、低塩分の商品を選ぶためにはやはり、スーパーが便利。
 となると、近くにあるのは「万代シテイ」──「シティ」ではない──の「ラブラ万代」(旧ダイエー)地下1階のイオンだけ。

 倖い、「ラブラ万代」は万代バスセンターに隣接しています。11時前にフェリー乗り場へ到着するためには、新潟駅始発のバスに乗車する必要があるのですが、いずれもバスセンターに立ち寄ります。
 具体的には、バスセンター10:20発あるいは10:30発のバスに乗車すれば十分間に合います。

 一部重複を含みますが、当日午前中はまず8時過ぎの特急電車に乗車して新潟駅に9時半頃到着。駅から割と近いので、荒天でなければ「万代シテイ」まで徒歩で移動。到着予定時刻は9:45。
 10時開店のイオンで食料を到達し、バスに乗車。

 その際、ビールなどで荷物は重いので、万一バスに乗り遅れたら、タクシーで移動するつもり。当日は雨が降っていましたが、「万代シテイ」までは予定通りの行動を選択しました。
 新潟駅付近を歩くのは久しぶり。

 良く歩いた──というより、さんざん遊んだ──場所なので、経路とそのポイントは身体が覚えていました。懐かしい風景が続きます。されど残念ながら、お世話になったお店が二つほど閉店。
 「万代シテイ」には9:40過ぎに到着。

 最初にバス乗り場と発車時刻、「イオン」の開店時刻を確認します。もちろん、いずれも問題なし。さて、開店までの15分をどうしよう。「どう過ごすか」というより、「お昼をどうするか」という問題なのです。
 あわせて、摂取塩分量も考える必要が。
(ただしこの点は後に、カレーを選択することで、ほぼ無視される)

 これから乗船するフェリーのレストランは12:00〜13:00まで営業。でも新潟市民(センセイは旧市民)にとって、「バスセンター」でのお昼といえば「バスセンターのカレー」。
 正確にはバスセンター内の「万代そば」の「カレーライス」。
拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))

 上越市民、特に旧直江津市民にとっての「つかそば」のような位置づけ。ちなみに金沢・野々市市民にとっての「チャンカレ」より庶民的。
 バスセンターに入った途端、独特の香りに胸を踊らされるはず。

 10時前というのに、お店(写真中央奥)にはご覧の列。少し逡巡(しゅんじゅん)したのですが、やはり列の最後に並びました。ちなみに券売機は奥の方にあります。
 5分ほどで「カレーライス」(530円)を手にしました。

 初めてのお客さんが誰でも驚くのはその色。できるだけ調整して本来の色に近づけましたが、実際はもっと鮮やかな黄色をしています。だから「黄色いカレー」という呼び方もかなり浸透。
 肝心の味はというと、要するに「家庭のカレー」。ホントに。

 約10年ぶりに頂いたのですが、記憶に相違して量が多い。金沢工大のカレー大盛りより多いと思う。周囲を見渡すと、女性客も結構この普通盛りを頂いていましたが...。
 もう一つ気づいたのがスパイス。

 「家庭的」とお伝えしたばかりですが、結構な量のスパイスが入っています。皿をお返し──返却口は皿が山積み──し、お腹一杯になった状態で10:20発のバスに乗車。左手に、これから乗船するフェリーが見えてきました。
 ...デカい。

 「バスセンターのカレー」、現在および今後の生活パターンを考えると、今回が食べ納めだったんだろうなぁ...。 



12月8日(金) 廃線予定2路線、8の字ループの旅 ──最後の(?)北海道鉄分補給の旅(3)──

 「心残り」、もう一つの同率2位は函館本線通称「山線」乗車。

 というより北海道ツアーの目的は、まったく別の第1位と、廃線予定区間2路線乗車という2本立てだったのです。フェリーを利用することで、電車だけでの移動に比べて北海道滞在時間を長めに確保することが可能。
 具体的には3日近く──最終日は16時までに小樽港に到着──の時間を道内鉄分補給に割り当てることが可能。

 以下ご説明するように、初日と2日目は時間を要する廃線区間に乗車。

 貴重な最終日は、後述の第1の目的を達成すべく列車に丁寧に乗車して札幌駅でお土産を購入。その後は小樽築港駅まで移動し、駅前のイオンで夜の(ぼっち)大宴会用のビールおよび食材を購入して、徒歩でフェリー乗り場へ。
 我ながら、ほぼ完璧なプラン。

 北海道内で廃止されるJR線は、まず、北海道新幹線延伸(札幌まで)に伴う函館本線長万部(おしゃまんべ)─小樽間。もう一つは5日に乗車した根室本線東鹿越─新得間。こちらは復旧の目処が立たないことと、仮に復旧させても利用客が見込まれないためです。
 両路線ともに運行本数が少ない。(特に日中)

 新潟から列車だけで移動した場合は明るいうちに乗車することは不可能。暗くて周りが見えなくても、乗車は乗車。未乗区間ならあり得るかもしれませんが、本来の目的からは逸脱気味。それを言い出したら、すでに完全乗車済なんだし。
 このアポリアをフェリーが見事に解決。

 具体的には、未明に小樽到着後、半ば戻るような格好でお昼までに長万部駅(写真)まで移動します。ここで函館本線山線に乗り換え、列車2本を乗り継いで小樽へ。
 ここで最初のループが完成。

 翌日の根室本線乗車のために、その日のうちに札幌を経由して旭川へ。お伝えしたように、ここから先は富良野線(旧根室線)、根室本線とその代行バスに乗り、新得駅へ。
 これで廃止区間は完全に乗車。

 でもせっかくなので、各駅停車を乗り継いで釧路へ(特急列車も利用可能)。ここでお昼を買い、釧網(せんもう)本線──各駅停車のみ──で網走に明るいうちに到着。
 2日目は網走で宿泊します。

 実は、夜の特急列車を使えば深夜に札幌まで行くことができるのです。でもこの選択は、第1位の目的に反します。ツアーの目的第1位は、石北本線の西側(旭川寄り)を日中に乗車することだったのです。
 以前もこのルートで乗車したのですが残念ながら、その際は途中で日没。

 その後は真っ暗で、何が何だかわからなくなってしまいました。これぞ、北海道で最大の心残り。

 そこでツアー最終日は石北本線にゆっくりと乗車して旭川手前の様子を堪能し、札幌でお土産...とすれば、もう一つのループ、つまり複数の目的を達成する8の字型のループが完成します。完璧だ。
 道内初日に戻ります。

 「ゆったり下船」を利用したため少し変更がありましたが、問題なく長万部駅に到着。駅前の蕎麦店や「かにめし」弁当にも惹かれたのですが、塩分を考えて断念。少し離れたスーパーで低塩分の総菜その他を購入します。
 寒かったのですが雨は降らなかったので、列車到着の1時間前からホームに出て、乗車口の先頭に立って列車入線を待ちます。

 別な乗車口、そしてセンセイの後に並んだのは中国人の家族客。大きなスーツケースをたくさん並べています。明らかに富裕層。(ただし大金持ちではない)

 日本人客も少し並んだところで1両だけの列車(“H100”)入線。センセイに続いて乗車した中国人客は、僅かしかない4人用のボックス席を家族で複数独占。
 後から入った日本人客は、ごく僅か空いている席に座らせてもらう──最後まで譲らない中国人もいた──か、全区間立つか。

 誤解なきように申しますが決して、人種差別をすべしと主張しているのではありません。中国人客は広い意味でのルールをちゃんと遵守しています。
 倶知安
(くっちゃん)駅の少し前で男女高齢者3名が乗車。

 車内をボトボトと歩いてきたので、センセイは男性1名に席を譲りました。荷物が棚の上にあるのでその場に立っていると、男性の胸元にはコルセットが。
 まず間違いなく脊椎に障害を持っていらっしゃいます。

 でも中国人客は何の行動もしなかった。(ただし決して、日本人の「見て見ぬふり」あるいは電車の中での「寝たふり」はしない)

 どうやら、彼ら彼女ら──以下「彼ら」──の判断の基準となるもの、あるいは守ろうとしているものが日本人と少し違うようなのです。彼らは、自分が所属するファミリーを何としてでも守ろうと強く意識しています。
 ホームで並んでいる時から気づいていました。

 おそらく、彼らが所属する「国」の制度すら、本音では信用していないんだろう、と解釈しています。

 ところで、そもそもですが彼らはどこを目指して不便な路線の1両編成のディーゼルカーに乗車しているのでしょう。いろいろ考えた末、センセイは途中にある外国人客に人気の「ニセコ」と予想しました。
 でも、見事に外れ。

 中国人客はほとんど、小樽まで乗車しました。それならもっと便利な優等列車があるのに...。

 今回、久しぶりの北海道で非常に強く感じたのは、外国人客の増加。特に中国人が多い。特急も同様で、7割か8割くらいが中国人客という感じ(本州では比率がぐっと低下)。ファミリーの座席はいわば、彼らの「個室」。
 この辺の感覚が、どうも「公衆」あるいは「公共」と相容れないものが。

 もちろん、こちら側だけが正しいと主張するつもりはありませんので、念のため。

 この日の最大の見物は羊蹄(ようてい)山(2枚目の写真)。前回乗車の際、小樽方面へ向かう際に羊蹄山は右側に見える...と学習したのです。それはそれで間違いではありません。でも今回初めて認識したのですが、実は羊蹄山、相当手前から見えていたのです。
 それも左側に。

 雲もかかっておらず、とても綺麗に全貌を望むことができたのですが、気づくのが遅れたため写真は撮影していません。右側に見えてきた時には、ご覧のように頂上部に雲がかかってしまいました。拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
 う〜ん、ホントに残念。

 それでも“H100”新型気動車の大きな窓全面に羊蹄山が迫ってきます。猛烈な存在感なので、初めて乗車した乗客はその壮大さに圧倒されています。ちょうど初めて羊蹄山を見た時のセンセイのように。
 いろいろ判断ミスはありましたが、函館本線「山線」については、今度こそ完全乗車。思い残すことはありません。

 今回は急用で断念せざるを得なかった「心残り」。

 果たして、センセイがそのために北海道を再訪する日は訪れるのだろうか...。



12月7日(木) 旧根室線狩勝峠は壮絶な空間だった ──最後の(?)北海道鉄分補給の旅(2)──

 「狩勝(かりかち)峠」の名称は旧国名の石狩、十勝に由来します。

 分水嶺でもあり今回の場合、峠までは石狩川水系、超えると十勝川水系。いずれにせよ屈指の峠であることは確か。それは承知していたのですが、今回は地図を持参しませんでした。加齢に伴い、もはや重い冊子を持ち運ぶことができなくなっているのです。
 一部コピーを取ってみたのですが、かなり見づらい。

 他方、センセイは旅先でスマートフォンをほぼ全く使用しません(実は、ふだんもほとんど使わない)。使ったとしてもGoogle マップでは高低差が良くわかりません。国土地理院の「地理院地図」だと今度は、旧根室線の様子がわかりません。(Google マップの「航空写真」だと割と読み取れる)
 地図の目的が違うのです。

 というわけで今回は、概要だけを頭の中に入れて――これが実に怪しい――現場に臨みました。いよいよ頂上が迫り、バスは右へ大きくカーブ。
 勾配は緩やかになり、今度は割ときつい左カーブ。高度の変化は少ないので、どこがサミットかはよくわかりませんでした。

 次の瞬間、車内右側の座席から、複数の息をのむ音――実在する――と、微(かす)かに「アッ!」という声が。一瞬遅れて、カメラのシャッター音がランダムに連続。
 もちろん、センセイも撮影。

 1枚目の写真は概ね南西方向を見ています。十勝平野の中心部を撮影しており、写真の奥に帯広市が位置するはず。拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))
 
2枚目は東北東方向。士幌町付近を見ているはずです。拡大写真(別ウィンドウ、1280×960))

 ここまでの根室本線は上り坂の連続でしたが、それでも東鹿越駅や幾寅駅までは、まぁ理解できる範囲だったのです。でもそこから先、特に落合駅から東はとんでもない急勾配。
 電車ならともかく、上り坂に弱い蒸気機関車が走っていたとは思えないほど。

 でも、センセイのその認識は、極めて甘かった。

 ちゃんとした地図を用意しない方が悪いのですが、狩勝峠の東側は「断崖絶壁」と形容したくなるほどの急勾配。旧根室本線の(旧)狩勝トンネルは、ほぼこの真下を通っていたはず。
 峠とトンネルの高度差を勘案しても、とても列車が走行できる場所とは考えられない。

 今日の写真2枚はいつものように縮小しています。それぞれの拡大写真をご覧いただくと、その雰囲気をある程度お伝えできるかもしれません。
 かつて「日本三大車窓」の一つに挙げられたのは当然です。

 1枚目の写真は雄大さがポイントですが、鉄道ファン的には2枚目の方に興味が。旧根室線は高度差を緩和すべく、ちょうどこの写真の下半分部分で、カーブを繰り返しながら走っていたはずなのです。
 だから代行バスに乗ればある程度、旧線の様子を見ることができるかも...と思っていたのです、(再び)甘かった。

 まず、センセイが地図からイメージする際に依拠したのは本州の感覚。でも北海道はスケールが違うのでその感覚がまったく当てはまりません。
 また植物が生長していて何が何だかわからない、というのが本当のところ。

 想像を絶するような急勾配が徐々に緩やかになり、新得駅まで数キロとなった地点で、やっと南側に旧線跡が見えてきました。ここから先は、一昨日お伝えした通り。

 やむを得ない理由で新根室本線経由で引き返すことになりましたが、客観的に判断すると今回は、与えられた条件の中でベストな行動を選択したと評価しています。その意味で、心残りはないのですが...おっと、同率2位の目的をまだお伝えしていません。
 もちろん、1位についても。

 旧根室本線狩勝トンネル付近、チャンスがあればぜひ自動車で訪れてみたいものです。MTのレンタカーなんて、もう存在していないだろうけれど。 



12月6日(水) 根室線廃止予定区間に乗車しました ──最後の(?)北海道鉄分補給の旅(1)──

 皆様お察しの通り、今回の北海道ツアーはもちろん、鉄分補給(+フェリー乗船)が目的。

 センセイは現在営業を続けている道内全JR線に加えて、廃止前の江差線、夕張線、留萌本線(部分廃止、以下同)、日高線、札沼線(愛称「学園都市線」)にも乗車しています。そんなセンセイにも、心残りが3点。
 「さて、この3点とは何でしょうか」あるいは「順位をつけるとどうなるでしょうか」というのが問題。

 個人的には、1位の事柄がずっと引っかかっていたのです(こちらは後日)。他の2つは同率で2位。お伝えしたように昨日は北海道のど真ん中、新得駅で引き返しました。つまり2位の目的の一つは、廃止が決まっている根室本線一部区間への乗車。
 根室本線は2016年の颱風10号に伴う大雨で大きな被害を受けました。

 南富良野地方の東鹿越駅と日高山脈東側の新得駅間は現在も不通のまま。当然、列車には乗車できませんが、かつての只見線のように、この間は代行バスが運行されているのです。ただし、運行便数はごく僅か。
 日中の便を利用すると、前後の接続が極めて悪い。

 というわけで、すでにお伝えしたように早朝の列車と代行バスに乗ることに。朝と夕方は高校生が利用するのでしょう。本来ならば現在の根室本線の起点、滝川駅──かつては旭川駅だった──から乗車した方が楽なのです。
 でも安いホテルがないので、前日は旭川に宿泊。富良野線、つまり旧根室本線の始発列車に乗車しました。

 列車は3両。ずいぶん長いなぁ、と思ったのですが、後ろ2両は照明が灯いているにもかかわらずドアは閉鎖。回送、つまり空の列車を運んでいるだけでした。
 回送列車は美瑛駅で切り離し。

 1両の“H100”新型気動車──こちらとほぼ同等──は2回来たことがある富良野駅へ。ここで少し待ち、滝川駅からのキハ40型気動車に乗り換えます。
 乗客は各ボックス席に1人ずつ(+運転席後ろに数人)と、男女高校生6名。

 正確に言うと、その中の女子生徒1名は私服姿なのです。ただし制服姿の他の高校生とのやりとりかららして仲の良い知り合いであること、そして登校途中であることは明らか。
 どうするんだろうと思っていたら、この列車の終点東鹿越駅が近づくと、まず防寒具を脱ぎました。

 続いて何と、私服の上に白シャツと制服──すでに組みあわせて、リュックの中に収納されていた(!!)──ものを頭から被りました。(実話)
 スカートについても同様。

 誤解なきように申しますが、事の是非──公共の場では不適切だと思う──はともかく、誤解を招かれるような場面はありませんでした。クラスメート(?)は無表情。
 彼女の着替えは、毎日繰り返される光景なのでしょう。

 長いトンネル(新線付け替え区間)を抜け、突然出現した かなやま湖の絶景に、(高校生以外の)皆が圧倒されます。ただし西村センセイ、前回乗車した際の かなやま湖の記憶がない。
 後述するように、確実に乗車しているにもかかわらず。

 かなやま湖(写真奥)に面した東鹿越駅に到着すると全員が待機していた代行バスに乗り換えます。ご覧──ただしわからない方も多いと思う──のように、圧雪の表面が融け始めており、ツルツル。
 主に関東からと思われる慣れない乗客は、這うように進みます。

 2人掛けの席にほぼ1人ずつ座ってバスは発車。非常にスリップしやすい状況ですが、運転士は安全かつ確実に運転します。次は「幾寅(いくとら)」駅。(写真)
 代行バスなので、基本的には駅ごとに停車するのです。

 ご存じの方も多いと思いますが、ここは映画「鉄道員(ぽっぽや)」(1999)で「幌舞駅」として一部改造の上でロケが行われた場所とのこと(センセイは映画をまだ見ていない)。左側に見えるのは、撮影に使用されたキハ40の一部。
 これが目当てだった方も多いらしく、シャッターの音が車内に鳴り響きます。

 幾寅駅を発車したバスはなぜか、「セブンイレブン前で停車します」とのアナウンス。そんな駅はないはず...と思ったら、着替えた彼女を含めて高校生全員が下車。その先にある南富良野高校の生徒さんだったんですね。
 長い坂を登って、次は落合駅。

 列車内から見た落合駅と、周辺の様子は覚えています。ホントに、それくらいしかない場所なのです。ここで女性鉄道ファン1名を含めた3名が下車。それはいいのですが、この後どうされるんだろう...。
 ここから先、根室本線は右(=南東方向)へ。

 この前後が激しく被災した区間のはずなのですが、少なくともバスの中からでは被害状況を確認できませんでした(センセイが鈍いだけかも)。代行バスは国道38号線の長い長い上り坂を「登り」ます。
 運転する側としては、とんでもない上り坂。

 道路ほど過酷ではないものの、根室本線はほぼ、代行バスが走っている国道38号線に沿って走っていたはず。重い蒸気機関車が、ですよ。想像を超える状況に、気持ちだけはハラハラしながら代行バスは上り坂の登坂車線へ。
 軽自動車が右から追い抜きます

 大きなS字カーブを曲がり、いよいよ狩勝(かりかち)峠へ。

 ...あ"っ。(続く)



12月5日(火) 夢の「まるごと蟹」は、遠かった... ――予定を変更して、新潟の自宅へ戻りました――

 突然で申し訳ありませんが、すべてが大幅変更に。

 昨晩お伝えした「最大の難関」とは、センセイが早起きできるか否か。さすがのセンセイも久しぶりのツアーで緊張している――ただしストレスではない――のか、いつもと違って昨晩はなかなか眠れませんでした。
 寝たのは結局、日付が変わる前。

 今朝は5:41発の始発列車に乗る必要があるので、正直なところ「今回は無理かなぁー」と半ば覚悟していました。でも目が覚めたのは出発時刻の1時間前。列車に乗る時のセンセイは、ほぼまったく寝坊しないのです。
 不思議だ。

 なお、昨日お伝えした乗船の影響によると思われる「揺れ」感覚は、一晩で完全に解消しました。

 列車に乗車してしばらくすると携帯電話が鳴動しました。時刻は6時ちょうど。母親からです。電話に出ると要領を得ない説明が続いたのですが、要するに、できるだけ早く戻る必要が。ただしセンセイがいるのは広い――本当に――北海道の、それもど真ん中。
 そう簡単には身動きが取れない。

 それでもいろいろな意味でベストな方法を探ります。飛行機の利用も考えたのですが、新得駅の若い駅員さんの頑張りもあって、特急列車の到着と同時に乗車変更に成功。
 冗談抜きで飛び乗りました。

 その後は南千歳、新函館北斗そして大宮と、昨日「できれば乗りたくない」とお伝えした、まさにそのルートで自宅へ向けて移動中。自宅に到着するのは深夜になります。
 というわけで、このページも予定を大幅に変更。

 昨日と今朝までの様子は後日改めてお伝えすることにして、今日は帰路、ぜひとも達成したかったことを。「一杯まるごと蟹列車」の船版です。
 フェリーはもちろんキャンセル済。

 「トワイライトエクスプレス」の個室寝台で帰る時は、五稜郭駅での機関車付け替えのための停車の間にシャワーを浴びてから、函館山を愛でつつ一杯まるごとの蟹を頂くというのがセンセイの至福のひととき。
 ちなみに、金沢のスーパーで蟹を買って、函館行の夜行寝台「日本海」の個室で頂いたこともあります。

 それはともかく札幌駅と繋がる地下の「エスタ」で他の食料とともに、鮮魚店で北海道ならではの蟹を購入していたのです...が、残念ながらエスタ全体が閉店。どこかでその情報に接した覚えがあるのです。
 札幌駅付近で進行中の北海道新幹線新設工事の一環と理解しています。

 少量ならともかく、一杯まるごととなると(嫌ではないが)独特の匂いが周囲に漂います。また手も頻繁に洗う必要が。だから他の方がいらっしゃる列車内などでは絶対無理。でも今回は広い個室なので、誰にも気兼ねせずに頂くことができます。
 ツアー最終日は時間に余裕があるので、エスタは無理だとしてもどこかでと考えていたのですが...。

 退職した現在、北海道はこれが最後という覚悟で計画した今回のツアー。「一杯まるごと蟹」を含めて、北海道再訪の機会はあるんだろうか。

 なお明日以降、このページを数日間更新できない可能性があります。ご了承ください。



12月4日(月) 気分は新潟発小樽行、豪華夜行寝台特急 ――西村センセイ、海を大きな船で渡る――

 というわけでセンセイは現在、北海道滞在中。皆さんの予想は当たりましたでしょうか...。

 なぜかはわかりませんが、北海道はとても好きな場所――「肌が合う」という感覚――で、これまでに仕事や私用で何度も訪れています(たぶん20回くらい)。ただし2018年を最後に、その後はずいぶん遠い場所になってしまいました。
 もちろんその気になれば、JRの企画乗車券(今回はこちら)を使って、割安で訪れることができるのです。

 でもそれを実行に移さなかった最大の理由はおそらく、自身の退職に伴うモードの切り替えと、「北海道へ行きたいっ」という動機付けの不足。後者に関しては近年中に必ず北海道を訪れようという理由があったのです。(たぶん明日、ご紹介)
 でも実は、もう一つ意欲を削ぎかねない問題が。

 自宅(以前は金沢を含む)と北海道間の移動方法です。普通なら、当然のように航空機を利用するところ。しかしながらセンセイの場合、新潟空港か羽田空港などへ赴く必要があり、遠回りかつ面倒くさい。
 それに何より、センセイはご存じのように鉄道派。

 しかも新幹線を大宮で乗り継ぐ方法は趣味に合いません。乗るなら、迷うことなく日本海縦貫線(羽越線、奥羽本線など)を乗り継ぐ方を選択して、ニコニコして長時間窓の外を見ています。ただしこの場合、移動パターンは完全に限定されます。
 そしてお察しの通り、すでに実践済み。

 夜行寝台特急「トワイライトエクスプレス」の個室寝台に乗って、乗り換えなしで北海道入りできれば最高なのです。車中は夜通し、(ぼっち)大宴会。「北斗星」に乗れるのなら、大宮あるいは上野まで喜んで新幹線を利用します。
 ...が、それも今となっては遠い彼方。

 実は割と最近、新潟と北海道(小樽および苫小牧)を結んでいるフェリーに乗ったらどうだろうと思いついたのです。もちろん、その存在はちゃんと認識していました。
 ただし小樽行きは朝の4:30というめちゃくちゃ早い時刻に到着。

 苫小牧行きはというと、夜遅くに出発し、秋田港に寄ってから翌日の夕方、苫小牧から離れた西港に到着。その日は苫小牧付近にたどり着くのがやっと。
 その日はほとんど何もできない。

 でもその問題点を逆手に取れば、道中――特に夜――はゆっくり休み、ちょっと変な時間に到着するけれどその分、目的地での時間を有効に使うことが可能。
 しかも調べてみると、運賃(宿泊費を含む)は割とお手頃。

 正確に言うと、シーズンや客室のクラスによって大きく異なるのですが。

 というわけで今回は頑張って、往復ともに小樽行きのバストイレ付個室(2人用)を確保しました。昨日はバスセンターから路線バスに乗り、最寄りのバス停で下車。雨の中、ターミナルまで歩きました。
 今回乗船したのは「あざれあ」という14,000トンクラスの船。

 新日本海フェリーの船の中では一番小型ですが、実際にはとても大きく感じます。高さは6階建てビルより高いと思う。

 オフシーズンだからでしょうが、長距離トラックの運転手を除くと乗客は40〜50名程度。設備からして、観光シーズンだと1ケタ多い数に多くなるものと思われます。乗船手続き時に掲示で初めて知ったのですが、小樽行きの場合、希望すれば6時まで船内に滞在することが可能。
 4:30到着でプランを組んであったのですが、もともと余裕があったので、この「ゆったり下船」を利用を申し出ました。

 バストイレ付きの船室は、それなりのホテルの部屋とほぼ同等。センセイがいつも利用している安ホテルより格段に立派です。「ほぼ」というのは、バスタブが小さいことだけが難点。
 列車同様、船の場合も水は貴重品なんですね。

 いかにも船だなぁーと思ったのは、家具類が完全に固定されていること。動かせるのは椅子だけです。しかも引き出しやドアは、相当力を入れないと開かないようになっています。
 揺れた場合の安全を考えてなんですね。もちろん救命胴衣も用意されています。

 道中の様子については後で少しご紹介すると思いますが、心配だったのは揺れ方と船酔い。場所にもよりますが、昨日はかなり荒れたのです。
 特に信濃川の河口にある新潟港から日本海に出た時が大変でした。

 揺れは主に横揺れで、次に前後の揺れ(ベランダの手すりと水平線を見ているとわかる)。いずれも周期の長い揺れ方で、前後の揺れはやや不意に起こります。
 その感じ方については個人差があると思いますが、個人的には特に問題はなく、船酔いも起きていません。

 酔っ払っていたからだという噂もありますが...と最後の車中で打ったところで、もしかしたら影響は残っているかも。というのは、日中はまったく気づかなかったのですが、ホテルの客室に入ると、少しですが、建物全体がゆっくりと揺れているような感じが...。
 もう一つは、血圧。

 昨日は乗船直後に血圧を測定した――その後、ビールを飲むつもりだったため――のです。移動中はそれなりに気を使ったのですが、測定結果はいつも通り。でも今日、ホテルに入っていから測定すると、少し高い。
 そして数値は乱高下。

 生物相手の測定ですから不安定な場合があっても不思議ではないのですが、どうも今晩はいつもと様子が違う。

 下船時の状況に戻りましょう。4:30に下船する乗客の後ろ姿を見送り、6時ちょうどに下船。ただし今回、「ゆったり下船」を利用したのはセンセイだけ。わがままな乗客一人のために、改めてボーディングブリッジを架けて下さりました。(実話)
 何だか申し訳ない。

 割とコンパクトな小樽の街を10年ぶりに歩き、何年振りかの小樽駅へ。その後、本日分の予定をほぼ問題なくこなして、現在は道内の別な場所にいます。明日朝が、今回のツアー最大の難関。
 いざという時のためにバックアップも用意してありますが、できれば当初計画案通りに行動したい。

 さて、どうなるやら。



12月3日(日) 新築された新潟駅を起点に、退職記念(?)の「海外旅行」へ行ってきます

 このサイトを更新しているのは正午。

 いつもは夜にアップロードするのですが、今日は電波が届かない可能性がある(!!)ため、この時間に更新しています。たぶん間もなく、4Gの電波の範囲外に。
 ただし現在は、新潟市内に留まっています。

 今朝は朝の特急電車で新潟駅へ。そこから万代シティバスセンターまで雨の中を歩き、必要な物資類を確保。かつ早めのお昼もいただきました。
 この件についてはたぶん、後日。

 バスセンターからは路線バスで移動し、現在の場所に到着したという次第です。センセイはこれから、そんなに長くはありませんが「海外」旅行へ。
 ある意味、退職記念(...というほどでもないのですが)。

 今回は部分的にではありますが、いつもとは違う「旅」に挑戦します(というか、その最中)。もちろん、皆さんが容易に想像できるであろう内容も含んでいます。
 上手くいくかどうかはわかりませんが...。

 それでは、行ってきます。

「最近のニュース」(最新版)へ
バックナンバーのトップページへ
トップページへ戻る