2011年4月16日更新(2011年4月24日ページ移動。2015年2月11日一部写真削除)
■4月16日(土) 年度始まりの行事も、これで一区切り ──交通安全講習会に出席しました──
今日は土曜日。
金沢工大では教職科目など一部科目を除き、土曜日に通常の講義はありません。そこで今日は学生諸君を集めて、交通安全講習会が開かれました。センセイも初めて参加。
何度かお伝えしているように、こういう仕事の担当になったのです。急ぎの仕事──締め切りを1週間過ぎている!! ──もあったし、「何もしなくていい」ととのことだったので、開始10分前に会場へ。ご覧のように大ホールはすでに、自動車あるいはバイクでの通学許可を希望する学生諸君で溢れんばかり。
その数は800名くらいでしょうか。整理しているは職員ではなく学生自身。そもそも講習会は大学学友会が主催する行事なんですね。
その「交通安全対策専門委員会」の諸君を中心に、受付から会場整理、司会までこなしています。本当は会場の後ろで聞いていたかったのですが、促されてセンセイもひな壇に並びます。
学友会委員長の後に上役(うわやく)である学生部長が挨拶。やはり説得力があります。続いて講師としてお招きした地域の警察署交通課長によるお話を聴きます。白状すると、個人的にはドキリ、とさせられることがいくつかありました。
約1時間の講演の後は、学友会による通学許可手続きの案内。センセイはここで会場を後にします。それにしてもやるなぁー、学友会諸君は。ちょっとミスもあったけど、それはまぁ、出世払いということで。
土曜日なので電車で新潟の自宅へ一晩だけ戻ります。入学式から始まる一連の行事もこれで一区切り。来週からは本来の姿の大学に戻ります。
改めて頑張らねば。
■4月15日(金) 借景 ──本当は、そう言わないんだろうけど──
今日も朝早くにご出勤。
この季節、太陽はセンセイよりもずっと早起きなので、もうすでにかなり高い場所に。
通学通勤のピークはこれからなので、交通量は少なく、小鳥たちのさえずりが周囲に響き渡っています。その声に誘われて昨日気づいたのですが、センセイの研究室の前にある木(こちらやこちら)の蕾が、急に膨らんでいます。
時々寒くなる場面もあるけど、それでも全体としてはこのところ暖かい日が続いているからかもしれません。
初めて撮影してみたのですが、昨日よりさらに膨らみが増しています。というわけで木々にと小鳥たちに元気をもらって、午前中の会議二つ、計3時間を乗り切りました。
お昼は久しぶりに外へ出た──といってもお弁当──のですが、大学近辺の桜は満開です。
ちょっと強い風が吹くと、桜吹雪とまではいかないものの、花びらが舞ったりします。写真は、川を挟んだ大学キャンパス隣の公園で撮影したもの。男子学生2名は大学に戻るところのようです。
奥にちょっと見えているのは大学の図書館。手前に大学があってその奥にこの公園の桜があるのなら借景ということになるのでしょう。
でも、桜の木々を中心に考えれば、図書館が借景になるのかな。ま、いいや。今日の金沢は最高気温が25.2℃と、6月中旬の気温まで上昇。
いろいろあるけれど今日は、春爛漫という感じの金沢工大です。
■4月14日(木) きっかけがどこにあるかなんて、全然わからない ──西村センセイ、会議を間違える──
3月に始まった旧厚生棟の解体工事。
春休みだったし、新厚生棟の供用開始以降、行く機会も少なくなっているので、工事の様子が良くわかりません。周囲から見えている時はともかく、工事現場を覆うシート以下の高さになると、もう、さっぱり。
しかも建物の配置の関係で、新厚生棟の建設工事の時とは違って、全体を一望できる場所がないのです。そこで今日、大学院の講義のために隣の講義棟へ行った時に、窓越しに撮影したのが写真。何だかテレビの画面だなぁ。作業はもう、ずいぶん進んでいます。
有名な夢考房──左手の青い建物──の向こう、講義棟(8号館)の最上部は、不思議な形状をしているんですね。今日も忙しかったのですが、午後、2時間連続した講義の後に急な会議が入りました。
5分前に会場へ出向くと、知っている先生が「○○先生に呼ばれたんでしょ?」と、上役(うわやく)の部長の名前を挙げて、別な部屋へ案内します。
何か変だなぁー。次々と先生方が集まってきて、濃密な会議が始まりました。
実はセンセイ、すぐに気づいたのです。センセイを招いた先生が勘違いしていらっしゃることを。
そして学内のどこかで、センセイが参加するはずの会議が開かれていることを。でも、ま、いっかー。あっちには、経験豊富な学生部長がいらっしゃるんだから。
というわけで、文字通りに場違いな2時間を過ごすことになったのですが、白状すると、意外と面白く、自分の中で腑に落ちる会議だったのです。
「あ、そういうことなのね」、という感じ。この方々はこういう思考回路を持っていて、現状をそのように認識していて、今後の展開をああいう風に想定している、ということが良くわかったのですから。
センセイにとっては大きな進展。でも、良く考えてみるとこれって、「きっかけがどこにあるかなんて、誰にもわからない」、っていうことなんですよね。
人生は、出逢いだ。
■4月13日(水) あぁ、学校が始まったんだなぁー、と実感する場面
忙しい。忙しい。ホントに忙しい。気絶するほど、忙しい。(実際にはまだ気絶してないけど......。)
新年度になってからというもの、会議や打合せは倍増した──体感的には3倍くらい──し、原級留置学生(留年生)の担任になったので毎日、彼らを呼び出し、かなりの時間をかけての個人面接。
やはり留年するにはそれだけの理由があるので、話す方も、それを聴く方もけっこう大変。オマケに学会の仕事も溜まっているし......。メールの返事をお待ちの皆様、もう少々お待ちを。(ペコリ)
水曜の午後には、その留年生のための講義があるので、その前にお昼を食べる必要があります。
今日も時間がないので学内の食堂へ。校舎を出て、いつもとちょっと様子が違うことに気づきました。
キャンパス内のあちこちで、学生諸君がスケッチをしているのです。もちろん授業です。
手前の彼女、視線のその先にあるのは、ほぼ満開の桜の木。あぁ、学校が始まったんだなぁー、と実感する場面です。
入学式が開かれ、オリエンテーションが終わって、授業も本格化しています。今日で各曜日が一巡したところです。
でも授業なんかだと、その運営を自分で差配(さはい)しているためか、意外と「始まったぞ」という感覚が薄い。何も予期していない時にこういう場面に出くわすからこそ、「あ、始まったんだぁ」と印象づけられるのかもしれません。
天気が良く、暖かかったこともあってか、学生諸君はみんな良い表情をしていました。絵の出来栄えがどうかはわかりませんが。
■4月12日(火) 自転車だと、わかるんだけど... ──金沢は、坂の街──
朝7:30。開店したばかりのパン屋さんでサンドウィッチを買って、研究室へ戻ります。大学近くのこのお店、安くてしかも割と美味しいのです。
研究室のある建物とパン屋さんとは交差点を挟んで対角線上にあるので、横断歩道を2回渡る必要があります。その一つ目を渡って信号が替わるのを待っている時、あることに気づきました。
坂、です。朝、まぁ、割と早かったので、東側の道路には車が少なく、ずいぶん遠くまで見渡すことができたため、気づくことができたのです。逆光だったので、改めて夕方に撮影したのが写真。
交差点があって、その向こうが緩やかな上り坂になっているのがわかりますでしょうか。(無理かも...)金沢は北東から南西に走る大きな断層の上に位置しています。
市中心部のごく近くまで迫る山々は、風雨により長い時間をかけて浸食されます。
削り取られた土砂はすぐに平野に至るのではなく、まず扇状地を形成します。ただし金沢の場合、連続する断層のあちこちから川が流れ出るので、扇状地が連続してしまい、扇形には見えませんが。
扇状地であることを示すのが地名。その末端部、平野とぶつかる場所からは、あちこちにある「○泉」という名前が示す通り、伏流水が地上に溢れて泉になっています。
だからよぉーく観察するとずいぶん高さが違う──金沢駅前から武藏ヶ辻、香林坊でもかなり高低差がある──ことがわかります。でも自動車、特に自分が運転していると余裕がなくてわかりにくいし、歩いている時もなかなか気がつきません。
自転車に乗っているこそ、坂道をよく実感できると思うのですが......。オトナは、自転車には目もくれず、まるで何かに急(せ)き立てられるかのように自動車を走り回らせるだけ。
幸い、学生諸君の多くは自転車を利用しているのですから、ちょっと余裕がある時に注意してみると、センセイの話が良くわかってもらえると思います。
卒業までには、ぜひ。
■4月11日(月) 「3/27 地震の為 未使用」 ──こちらは有効期限が延長されました──
今日はある意味、昨日の続き。
前の前の日曜日、東京大学への出張を終えて金沢のアパートに着くと、JR東日本から葉書が届いていました。裏面を見ると地震の見舞いに続いて、「サービス特典のご利用期間延長のご案内」とあります。
最初は良くわからなかったのですが、以前ご紹介したJR東日本のカード会員の特典の有効期間を延長する、というもののようです。もちろん3月の地震の影響です。センセイはJR東日本から毎年2枚のグリーン車アップグレード券を貰います。でもセンセイの性格上、グリーン車はあまり好きではない。
それに有効範囲はJR東日本会社線内に限られるし、良く利用する上越新幹線は短いので、すぐに目的地に着いてしまいます。
そこで貰った券は使わないままになっていたのです。でも3月末、中央線の特急に乗車することにしました。こちらは美しいアルプスの山々の間を通り抜ける在来線。
しかも4時間も乗っていられる──この辺が鉄道ファンの特徴──ので、そこで使うように手配していたのです。もちろん地震ですべてがパー。そもそも出張先は急遽、京都に変更になってしまいました。
そのために柏崎駅で乗車券や特急券を変更(「乗車変更」)してもらったのですが、駅員は「有効期間がほとんど残っていないですけど...」と言いながらも、手書きで返却の手続きをしてくださいました。
それが赤字の「地震の為 未使用」です。捨てるつもりが、整理や廃棄が苦手な西村センセイ、何となく保存しておいたのです。葉書によると、アップグレード券の有効期間を3ヶ月延長し、6月末まで使えるとのこと。
でもセンセイの場合、やっぱりグリーン車には乗らないような気がする。
■4月10日(日) 地震に伴うJR西日本の間引き運転は回避。ただしビールはいよいよ品切れに...
この週末はいつものように自宅へ戻っていました。
帰宅するなり家人に、ビールのケースが空いたと教えられました。センセイはビールをケースで買うのですが、それが一つ、空っぽになったのです。
このところ、ちょっとそのペースが早いかも。どうかなぁーと思いながら、市内の「やまや」へ。宮城県内に本拠地がある会社で、センセイは金沢(金沢店・野々市店)でも利用しています。
大きい会社なのに配達してくれるのです。通常は、先に空瓶を返して引換券を受け取り、そのままレジに直行するのですが、今回はまずビールコーナーへ。
......やっぱり。瓶ビールも缶ビールも、商品が並んでいるはずの棚はガラガラです。特に缶のコーナーは見事なまでに空っぽ。
瓶のコーナーも、サッポロは3本しか並んでいません。幸い、アサヒのスーパードライは3ケースあったので、そちらを1ケース購入して帰宅しました。
ビールメーカー各社は今回の地震で大きな被害を受けました。特にサッポロは一番ひどくて、主力の2工場の生産が止まったまま。
ビール業界全体としても生産量が大幅に低下しており、夏場のビールシーズンを乗り切れないのではないかと予測されています。う〜ん、この調子だと夏場は他のお酒に切り替え......いっそ、断酒してしまおうか。
地震の悪影響を何とか乗り切ったケースもあります。
JR西日本が運用する古い電車のなかには、直流モーターを使用するものがあり、消耗品として「ブラシ」と呼ばれる接触子が必要になります。
その生産工場が二つ、地震と原子力発電所の事故で生産を再開できなくなってしまいました。特に加工工場は避難地域にあるので部品製作再開のメドが立ちません。そこでJR西日本は部品を長持ちさせるために、4月から一部電車を間引き運転を実施しました。ところが最近になって素材の在庫が見つかり、また代替の加工工場が確保できたため、一昨日から間引き運転は回避されています。
ひとまず、やれやれ。でも良く考えてみると、ビール工場や、流通や管理運営を含めてそれに関係する人々、あるいは接触子の加工に携わっていた人は仕事を奪われたまま。
特に後者の場合、このまま仕事を奪われたままになるかもしれません。もちろんそうならないことを願っていますが。日本国内だけでなく、アメリカでの日本車生産の一時停止など、地震の影響が広がっています。逆に言うとこの社会、こうやって仕事やお金、人間関係などの関係性で緊密に繋がっているんだということを、再確認させられます。
存在理由、なんですね。