2010年10月9日更新(2010年10月17日ページ移動。2014年9月23日一部写真削除)
■10月9日(土) 今年の新潟産米は、かなり厳しい...。 ──世の中は3連休。センセイは金沢に滞在中──
柏崎市内での用を済ませた昨夕、贔屓にしているスーパーへ行きました。
いつものようにここで晩酌のおつまみを買うためでもありますが、今回の主目的はもちろん、市内産コシヒカリの新米。お米コーナーへ行ってみると、今週精米したばかりの「棚田のコシヒカリ じょんのびの里」が入荷しています。
先週はまだ到着していなかったのです。やった!!その貴重なお米をトランクに積んで、今日は車で金沢へ。たいへん珍しく、3週連続となります。
週末ですから本来は新潟の自宅へとどまるのですが、今日の午後、金沢市中心部にある金沢大学サテライトキャンパスで開かれる研究会に参加しなくてはならないのです。
だってセンセイらが事務局を務める学会の会長が講演されるのです。しかも講演のテーマは学会での最もホットな話題。これはもう、参加するしかない。無事に金沢到着後、アパートからバスに乗り、会場へ。
県内のみならず、他県から(!!)お越しになった方をお迎えして、熱心な討議が行われました。
センセイは、最後に学会入会のご案内。我ながら、営業マンだなぁ。会長にご挨拶して、大雨の中を帰宅。出発前に研いでおいた新米を炊きます。最初の関門は炊飯器の蓋を開ける瞬間。
......あれ?新米独特の「香り立つ」という表現がぴったりの、あの香りがしません。いつものように研ぎ、いつもと同じように炊いたのに。
合掌してからお刺身とともに頂きます。最初はほとんど何も感じられませんが、じっくり噛みしめているとどんどん甘みが出てきます。
確かに新米だ。でも冷静に評価すると、今年のお米は旬の食べ物に共通する「プリプリ感」がありません。美味しい新潟県産のコシヒカリをずっと食べているセンセイとしては初めての経験。
その代わりに目立つのは、ちょっと粉っぽい感じ。そういえば、お米の袋を切って米びつに新米を入れた時に感じたのは......白い部分が目立つ。明らかに高温障害です。そしてもう一つ。米粒が小さい。
今夏の異常高温によるお米の品質低下、他県と比べて新潟県は特に被害が大きかったのだそうです。農家にしてみると、そもそもお米の値段が下がっていることに加えて、買い取り時の等級が下がるためにさらなる減収となります。
新米だからもちろん美味しいんだけれど、今年の新潟県産米は、客観的には相当厳しい状況に立たされていると思います。今後を考えても。
■10月8日(金) 柏崎市のシンボル「閻魔堂」は現在、大規模修復中です
というわけで、センセイは柏崎市内に滞在中。予定通り、いくつかの用を済ませます。お昼に市内中心部──人通りがまったくない!! ──へ出かけると、あれ?!
柏崎のシンボルの一つ、閻魔堂の裏が工事用のシートで囲われています。ここを中心に、6月中旬に開かれるえんま市は、それこそ柏崎市民のアイデンティティそのもの。
まるで市民一人ひとりのDNAに「えんま市」と書き込まれているかのよう。この閻魔堂、新潟県中越沖地震で大きな被害を受けました。
見かけに関して言えば、堂そのものは大丈夫で、その前部が崩れたという印象。
でも実際は、本堂もかなりダメージを受けていたようです。現在の堂は、明治時代に建てられた古いものなのです。撮影テクニックがないのでちょっとわかりにくいかもしれませんが、現在、工事中の堂は、堂そのものが仮のブロックで1mほど持ち上げられた状態。
これは凄い!!その下はというと、すでにきちんとしたコンクリートの基礎工事が終了しています。
でも、必要な資金はどうしたんだろう。いわゆるお寺や神社、つまり宗教法人は一般に、「檀家」すなわち抱えている信仰者からの、いろいろな形での喜捨(きしゃ)で運営されています。
でもこの閻魔堂、一種の「お寺」ですし、地域の信仰の対象ではあるのですが、いわゆる「檀家」はないはず。もちろん住職さんも存在しません。いくら観光名所だといっても、自治体など公的な機関は資金を援助できませんから、修復に必要となる数百万〜一千万程度の資金は、雄志で集めた、ということになります。(たぶん)
この辺は、ヨーロッパの法律やその背後にある法哲学に由来する日本の法制度ではどうしても見落とされがちな部分。恐らくそれを、どこかで誰かが私財を投げ打つことによって繕っているのですね。檀家を抱えた菩提寺だって、程度の差こそあれ、内実は同じような状況だと思われます。
とても難しいところです。ちなみに、本尊(?)の閻魔様は、右端の仮堂に安置されてします。チャンスがあったら、ぜひ一度訪れてみてください。
■10月7日(木) 果たしてセンセイは明後日、美味しい新潟県産コシヒカリを運ぶことができるのか!?
今日は木曜日。
週の半ばですが、なぜかセンセイは新潟の自宅にいます。明日、外せない用があるので休暇を頂戴し、夕方の講義を終えてから車で移動したのです。
その関係で本日のみ、講義のページの更新が遅くなってしまいました。航空工学科の皆さん、そういうわけですので、お許しを。もともと先週は、JR乗車券(回数券)の有効期限の関係で車で往復するつもりでした。そして明後日、8日(土)は、どうしても金沢へ行かなくてはならないので、車を使う予定。
だからこそ今週は電車で金沢へ移動するはずだったのですが、地震の影響で、今回も318i。つまりセンセイにしては極めて珍しく、2週間の間に、片道240Km離れた場所を車で3往復することになります。
信じられない!!ところで今回、ぜひ車で運びたいと思っているものがあります。新米です。センセイは実家で育て、天日乾燥したコシヒカリや越いぶき、あるいは越路早稲を食べて育ったのですが、現在では入手不可能。
いろいろ試したのですが、美味しくないお米は食べられません。食味が実家のお米に近く、しかも地元スーパーなどで割と簡単に入手できることを確認したのが、同じ旧刈羽郡内、旧高柳村──現在はいずれも柏崎市内──の「棚田のコシヒカリ じょんのびの里」。
確かに美味しい。(読者の皆様のお口に合うかどうかは別です。念のため。)車で金沢へ行くのは2ヶ月1どくらいなので、ぜひこの機会に......と思っているのですが、問題が二つ。
一つはこの夏の、異常な暑さ。お米、というか稲はもともと熱帯の湿地に自生していたので暑さに強いはずなのですが、品種改良の結果、日本国内で現在栽培されている品種は、意外にも暑さにあまり強くありません。
今年の早稲の出荷時から指摘されていたのですが、あまりの暑さで品質がかなり低下しています。写真は柏崎地域の厳しい状況を伝える報道ですが、新潟県全体の状況も同じようなもの。
いずれも、品質に関しては例年にない厳しさです。((c)柏崎日報社)そしてもう一つ問題があって、そもそもこのタイミングで「じょんのびの里」が入手できるかどうか。
旧高柳町は中山間地なので、平場(ひらば)よりも生育は遅めなのです。車で移動することが確定した先週末にスーパーへ行ってみたのですが、まだ入荷していませんでした。明後日早朝の出発──つまり明日、店頭にあるかどうか──に間に合うのか、そして今年のコシヒカリの味はどうなのか。
今回ばかりは、さっぱりわかりません。
■10月6日(水) 「ずいぶん外へ出ていなかったなぁー」 ──大学の近くで理髪店がオープンへ──
今日は見たままのお話。
授業は2週目に入ったのですが、まだあまり余裕はありません。お日様と競争しながら出勤し、朝イチの講義をこなすと手伝いの学生さんと片づけものをし、溜まっている仕事を処理します。
まだ完了までにはほど遠いのですが。時間がないので学食でお昼を食べ、午後もずっと仕事。
明日までに文房具(ファイル)が必要であることが判明したので、外の文具店へ。
さっき大学の売店を見たのですが、適当なものはなかったのです。久しぶりに高橋川を越えると、あれ? わかったばかりのところにあるマンション1階で工事が行われています。
それももう、開店間近。最初は飲食店なのかな、と思ったのですが、正面に回るとご覧のように床屋さんのサイン。
ちょっと中を覗かせていただくと、確かに理髪店です。若いご主人(?)が何か作業していらっしゃいました。お店の名前が、はて、どこかで見たことがあるような。念のために、チャンカレの向こうまで歩きます。
やっぱり。写真は「チャンカレ」旧店舗跡。
向こう半分には「坦々麺専門店 らーめん とんとん」が入ったものの、残念ながら今春閉店してしまいました。
理髪店は、この建物の手前側にあったのです。すでに完全に撤退しています。ずいぶんお客が入ったので、さらに大きな新店舗へ移転したのか、あるいは旧チャンカレの建物に、建て替えるなど何かあって古いお店を閉じたのか、その辺の事情は良くわかりませせん。
実はこの向かいにはほっかほっか亭があります。
お店の変化に気づかなかったってことは要するに、最近、このあたりを全然歩いていないということなのです。
要するに忙しすぎて、外へ出る機会が激減しているんですね。う〜ん、このままじゃ、ちょっとまずいような気がする。
■10月5日(火) 新しい食堂。少しずつですけど、お互いが馴染んでいきます
新学期の授業が始まって今日で1週間。つまり全ての授業の1回目が終了したところ。
何事も最初が肝心なので気合を入れて講義に臨みます。同じ科目、同じ質問でもクラスや学年によって反応が違うのが授業の面白いところであり、反省点でもあります。
それにしても、とにかくヘトヘト。
あれも、これも、それもしなくてはならないのですが、仕事が中断あるいは停滞したまま。メールをお待ちの皆様、このような状況なので、もう少々お待ちを。午後も講義──実はかなり体力を使う──があるので、お昼はとにかく何かを食べます。
とても外へ出ている余裕はないので、昨日も今日も新しい食堂へ。写真は昨日撮影したものなのですが、いくつか気づく点がありました。
このラ・テラ、カフェテリアということになっていますが、正確にいうと一番奥が自由に選べるコーナー。
手前のセットメニューと書かれたところは要するに定食、その右隣は丼もの、という具合。要するに旧学食とカフェテリアを合体させたんですね。センセイがそれを理解したのは昨日。学生諸君も似たようなものらしく、オープン当初にはなかったベルトによるガイドが設置されていました。
かなり混乱したんでしょうね。それだけではありません。今日は時間割の関係で一番利用者が多い時間に利用したのですが、青色の作業服を着た方が数名、カウンター様子をずっと観察していました。
服のネームを読むと、厨房システムを製造、販売している会社。作業がスムースに流れるように、指導に来ているようです。他にも食券販売機付近に、手書きのガイドが添えられたりしています。今日はかなり混雑していたのですが、少なくともセンセイがいた時間帯には、以前のような「迷子」を見ることはありませんでした。
食堂の職員も、学生も、そして食堂それ自身が、少しずつ馴染み始めているんでしょうね。
■10月4日(月) 1200年前に創建された柏崎市椎谷の観音堂へ入ってみました
お伝えしたように実は、センセイ一家は一番大きな揺れがわかりませんでした。
柏崎市北部──旧西山町と合併前は最北端だった──の椎谷というところにある観音堂(ブログ)へ向かうため、車の中にいたので、揺れを判別できなかったのです。
今までの経験だと、条件にもよりますが、走行中の自動車の中では震度4くらいないと地震はわからないと思います。椎谷は岬になっていまおり、現在はその先端に灯台が設置されています。そのため、かつては海上交通の要衝でした。
今から約1200年前のこと弘仁年間のこと。岬沖の海中で何か光るものが見つかったのだそうです。それを引き上げると観音像だったため、岬のほぼ最上部にお堂を造ったのだそうな。
現在の観音堂は明和7年に建てられたもの。240年前の建築です。
センセイの実家は近くなので、中学生の頃は写生などで何度か来たことがあるのですが、由緒正しいお堂だとは知りませんでした。
最近、35代目の住職と知り合うになったので、約40年ぶりにこの観音堂を訪問したのです。堂はとても大きなものです。残念ながら3年前の新潟県中越沖地震で大きな被害を受けました。
関連施設を含めると、数千万円の修理費がかかったとか。しかも、まだ復旧工事中。堂の中に入るのは初めて。明和9年に奉納された大きな絵馬など、至るものが歴史を示しています。
海運関係者や市(いち)で馬の売り買いをした博労(ばくろう)、あるいは病気の治癒を願う人の奉納物が多かったです。江戸時代にはこの地に椎谷藩という小さな藩が置かれていたのですが、藩主からも信仰されていたとのこと。
近くに住んでいるのに不勉強でした。住職にお礼を言って堂を後にします。
眼前に広がるのは秋の日本海。中央奥は柏崎地域のシンボル米山(よねやま)。
右奥には焼山も見えます。手前は椎谷集落なのですが、そのずっと奥には煙突が数本見えます。世界最大の原子力発電所、東京電力柏崎刈羽原子発電所です。
写真ではわからないと思いますが、沖合には大きな巡視船が停泊し、発電所の警備に当たっていました。ところで、観音像が見つかったとされる場所(写真右外)は、中越沖地震のまさに震源地。
そしてここから柏崎市街地(写真奥)までの海、つまり写真の右側の海には、地震の余震の震源地が直線状に並んでいます。余震域の分布を見ると、まさに原子力発電所を狙ったかのよう。
ここは遠く300Km離れた東京へ電力を送り出している原発と共存している地域なのです。好むと好まざるとに関わらず。
■10月3日(日) ご安心ください。昨日と今日の地震でかなり揺れましたが、「被害」はありません
センセイは眠りが浅いので、今ごろの季節だと日出の頃には目覚めています。でも今日は日曜日。
しかも金沢のアパートと違って勝手に起きるわけにはいかずに、布団の中でぼんやりしていると一瞬、縦揺れ。すぐに短い周期──つまり高周波成分が多い──で横に揺れます。
もちろん地震です。それも震源はごく近く。この程度の揺れで自宅に被害が出ないのはわかっていましたが、すぐにテレビとパソコンを立ち上げます。新潟県西部(上越地方)を震源とする震度4の地震。
やれやれと思っていると、再び、同じくらいの揺れ。ここでやっと、新潟県内で昨日から地震が続いていることを思い出しました。
もっともセンセイの場合、加齢に伴う視力低下のためか、普段でも、そして室内でもフラフラしている──冗談抜き──ので、本当に地震かどうかは電灯などをよく見ないとわからないのですが。でもまぁ、これだけ揺れたら、余震が来ることはあっても揺れは小さいはず、と考えて、午前中に外出。市内を車を運転していたのですが......何だか周囲の様子がおかしい。
車を止めると今朝と同様、防災放送が入り、今朝とほぼ同じ場所でかなり大きい地震があったとのこと。
帰宅後に気象庁が発表したデータを確かめてみると、震源地近くでの揺れは震度5弱。((c)気象庁。一部改変〔トリミングのみ〕)今のところ自宅や関係者はもちろん、他のお宅でも大きな被害は出ていないようです。
でも、JR信越線沿いに設置してある地震計が基準以上の震度を記録したので、長野県境から柏崎までの信越線は不通。
自宅が信越線沿いなので、電車が止まるとすぐにわかるのです。特急電車も運休になってしまいました。午後には運転が再開されたのですが、ダイヤは滅茶苦茶。
そこで予定を変更して、明日朝イチからの講義に備えて車で移動することにしました。
2週連続、というわけです。車ばかり利用していると妙に慣れてしまい、注意力が低下するので、本当は避けたいのですが、仕方ない。高速道路も一時50Km/h制限になっていましたが、センセイが走った時には解除されていました。
というわけで、揺れはあと1週間程度続くようですが、今のところ被害はなく、妙なところで影響が出ている、という程度です。心配してメールを下さった(/配慮して、わざと送らなかった)皆様、ひとまずご安心ください。